忠明と鳳龍 第一戦

《歳末》

 二〇〇六年十二月中旬,忠明の城にて。忠明と鳳龍の会話。

「これより,第八回三国志館会議を始める」

「第八回目でしたっけ」

「・・・忘れた。まぁ,どちらでも良いだろう」

「今日は,僕と忠明殿の二人ですか」

「二人か。それでは,会議というよりミーティングっぽいのう」

「?・・・どう違うんです。会議とミーティング」

「いや,まぁ,何となく言ってみただけじゃ」

「・・・もっと自分の発言に責任をもちましょうよ」

「いや,そんな別に,ブレーンストーミング的で良いであろう」

「なるほど。アットホームで,アトモスフェアに」

「うむ」

「では,会議を始めましょう」

「そうじゃのう。もう西暦二〇〇六年も終わりじゃ。今年はいろいろやったのう。我らも」

「そうですね。ハイランドを制圧した事は大きかったです」

「うむ,それに・・・」

「待って下さい」

「何じゃ」

「二〇〇六年の総まとめみたいな事をやるのでしたら御免ですよ」

「は?何故じゃ」

「え?何故って・・・あざといからですよ」

「な,何!?何て言ったのじゃ」

「良いんです。とにかく,総まとめとかじゃなくて,こう,今年何か心に残った出来事を思い出して,言って下さい」

「まぁ、良いだろう。うーん。そうじゃな。ちまたの『お笑いブーム』もすっかり下火になったのう」

「それは出来事なんですか・・・?そもそもあのブーム自体,そうとうにあざといものでしたからね」

「だから,あざといとか,何じゃそれは・・・」

「あえて説明はしません」

「しろよ・・・」

「とにかくボク,あざといのキライです。あざとくない話題を提供してくださいよ」

「何様だよ,こいつ・・・おかしいよ」

「まぁ、いいではないですか」

「そもそもこれは,三国志館の為の会議ではないのか」

「でも,どうせいつもどうでもいい話題に終始するじゃないですか」

「それもそうじゃのう」

「じゃあ、存分にどうでもいい話をしましょう」

「まあ,どうでもいい話にこそ意味があったりするからのう」

「そうです。まさにそうです」

「では敢えて,さっきのあざといとかいう話をしよう」

「・・・別に,良いですけど」

「だいたいの所『お笑いブーム』の何が『あざとい』のだ」

「そうですね。特にあざといのは,ブームの中で一つの柱としてあった,『自虐』のネタですね」

「ほう」

「というか、笑いでなくて『自虐』は相当あざといです。ああいうのに限って、実の所自分に責任を求めようとしないんですよ。というか、『自虐」と『謙虚』を同じだとでもおもってんじゃね!?」

「これ、興奮すな。半分は決めつけだろう」

「まあ、まあ、ね。」

「とにかく、あざとい」

「だから、あざといとは、何だ」

「そこら辺は敢えて、説明しません」

「わかったわい・・・」

三国志館構成員の会話はこんなわかるようなわからないようなものばかりだ。
そもそも自分でも訳がわかって言っていない。