忠明と鳳龍 第二戦

《詐欺》

 2006年 十二月下旬の某日。

忠明嗣房,鳳龍舌謀,暇人鬼爆,ランボーバナナマウンテンという四人が忠明城に集まり,一人の賓客を迎えて宴を開かんとしていた。忘年会か何かかと思えば,そうでもないようだ。

鳳龍「では殿,『苦しみます会』の開会の宣言をして下さい」

忠明「はあ。では,『苦しみます会』を始める」

暇人「かんぱーい」

バナテン「な,なんだ,『苦しみます会』って」

賓客「クリスマスではなく?」

忠「知らんわ!だいたい今日はクリスマスでもなんでもないからのう。鳳の字と暇人が勝手に言い出したのだ。奴等に聞け」

鳳「ま,ま,細かいことは後で。とりあえず,開会の儀として,ことらに署名をお願い致します」

鳳龍が取り出したのは,『苦しみます盟約』と毛筆された盟約書だった。

鳳「僕から署名します。サラサラ。内容は各自お読みください。はい,では暇人殿」

暇「サラサラ」

鳳「次は誰が署名しますか。バナテン殿!」

バ「は。別に良いけども・・・サラサラ」

鳳「賓客の方も,署名されますか」

賓「はあ,じゃ,まあ一応・・・サラサラ」

鳳「忠明殿も!」

忠「な,内容はどんななのじゃ・・・なになに,『一,苦しみますに基づき,クリスマスに便乗しない』じゃと・・・?わけわからん・・・」

鳳「書かないんですか!?」

忠「わ,わかったわい・・・サラサラ」

鳳「フフフ・・・書いちゃいましたね,皆さん,署名しちゃいましたね」

バ「何か,絶対だまされた気がする」

賓「結局,何なのですか,『苦しみます会』とは」

鳳「暇人殿,説明を」

暇「俺か!」

鳳「どうぞ」

暇「・・・そもそも『苦しみます』とは,鳳龍が提唱した一つの考え方なのだ」

忠「と,言うと何じゃ」

暇「つまり『苦しみます』とは,日本人でクリスチャンでもないくせに『欧米の行事だからカッコ良いじゃん』とかいうノリでクリスマスに便乗してうかれることに反対する考え方なのだ」

バ「なるほど,鳳龍らしいな」

暇「俺は『苦しみます』にいたく同感し『苦しみます』に関する考えを深めるために『苦しみます会』の開催を提案したのだ」

忠「余計なことを・・・」

鳳「『苦しみます盟約』は『苦しみます』に徹するという契です。盟約書に署名したからには,クリスマスに便乗することは許されません」

バ「俺は別に良いが・・・詐欺だろこれ」

忠「というか,『苦しみます』とかいう寒いネーミングについてはどうなんじゃ」

鳳「・・・まあ,実はこのネーミングは引用ですから」

忠「あっ そ・・・」

バ「どこからのだよ・・・」

暇「まぁ,とりあえずはこのごちそうを食べるが良い」

賓「ごちそうというのは,この,くんせいイカのことですか」

鳳「はい,『苦しみます』のごちそうは『くんせいイカ』です」

暇「クリスマスのごちそうは,うかれている!だから苦しみます公式のごちそうは,極力うかれていない,くんせいイカだ」

バ「くんせいイカって・・・」

鳳「ちなみに,苦しみますのサンタクロースは,親せきのおじさんか何かです」

忠「『何か』ってお前・・・」

賓「トナカイは?」

鳳「もちろん軽トラックです」

忠「『もちろん』ってお前・・・」

バ「苦しみますソングは?」

鳳「井上陽水の『傘がない』とか,中島みゆきの『地上の星』とかでは?」

忠「苦しみますツリーは?」

鳳「・・・ヤナギ?」

これからは毎年この時期に『苦しみます会』が開かれるかもしれない。
皆さんも『苦しみます盟約』を交わし,『苦しみます会』に参加してみてはいかがだろうか。