「禁煙セラピー」ではニコチンパッチなど、ニコチン補助薬剤の使用は無駄だといっている。それでも禁煙できる人は使ったのにも関わらず禁煙ができたのだと…。現実に最近のアメリカでの調査結果でもニコチンパッチを使って禁煙した人と使わなかった人との1年後の禁煙継続率は変わらないらしい。
私個人としては「禁煙セラピー」の考え方に同意するが、「禁煙セラピー」よりも医者への受診を選んだのは「禁煙セラピー」は、若年者には理解しにくいと考えたからである。ニコチン依存症が病気だと考えると医者ではその治療として、ニコチンパッチを処方されるだけではなく、子供向けの禁煙教育をしてもらうということも大事であると考えて、静岡の卒煙外来を選んだ。
タバコは学習にも悪い影響を及ぼすという研究結果もいくらか出始めているようだ。未成年ではなく、堂々と吸える大学生にも禁煙の波は押し寄せていて、名古屋女子大学では今年度から学内禁煙、新入生には禁煙の誓いなる誓約書も提出することを義務付けた。 そこまでいかなくても、大学では「禁煙」を奨励するところが多く、ニコチンパッチは何枚かは無料で配布してもらえるところもあるようである(奈良女子大学など)。
ニコチンパッチをつけようとするその気持ちが禁煙に向かっていることは確かである。ニコチンパッチを使おうと思うことが、自分は依存症だと認める気持ちがあるということで、これは大事なのではないかと思う。「禁煙セラピー」でもまず自分が依存症だと認めることから始まるからだ。
息子たちが使ったのをみると、確かに効くようではある。一緒に受診したY君は最初の1日で気分が悪くなり、つけていられなかったようだ。それからY君はタバコをすっていないらしく、Y君のお母様もタバコに関しての心配はなくなったと言っていた。Y君はもともとニコチンに対する感受性が強いのかもしれない。
息子も気分が悪くなったらしく、2枚目はつけようとしなかった。A君も1週間分のニコチンパッチを使って、喫煙量は減ったのではないかとも推測する。ただしA君のアパートは禁煙を続けていく上では悪条件が重なるので、この3人が今タバコを止めているかどうかは私にはわからないし、止めていると信じることも残念ながらできない。しかし止めているというポーズをとってくれていることを信じなければならないとは思う。学校を早退して病院に治療に行ったという事実は重い。それでまた公然と吸うことは子供ながらの正義感に反することではないか。その正義感に期待したいと思う。
ただ、もっと長期的に考えると、タバコが大好きなのに我慢できていると信じているままではやめられないとは思える。タバコなしがハッピーとまで考えるのが大事なのだ。タバコは自分の人生を台無しにするとそこまで悟ることが禁煙だと私は思う。 では人生経験の少ない若年者にどうやってそのように悟らせるか、それをつきとめていきたい。