場の倫理
はじめに
「建築とは」とまとめてみたい年頃になってしまった。建築家としてもうかれこれ
40年近く過ごしてきた、自分の形そして理念を総括すべき時期が来たことを痛
切に感じさせられる。小生の時代は和辻哲郎の「風土」や羽仁五郎の「都市
の論理」また柳田邦夫の「遠野物語」などを皆、好んで読んだ時代で哲学的
、思想的に面白い時代であった。
この三年間、村野藤吾研究会において村野藤吾先生の研究に時間を費やす
時間があったことだ。時たま姉歯事件により未曾有の設計不況と確認申請の
態勢が整なわず時間ばかりあり、仕事は開店休業を余儀なくさせられたことが
最大の理由である。
会においてシンポジウムを三回中心的に活動してきた。自分としては大学時代
、不本意ながら大学院において本当の意味での「建築」の勉強ができなかった
のがこれまでの大きな人生の宿題であり悔やまれるところであったものだ。ガ
チンコで生きた三年間は本当に中身の濃い三年間であり、博士課程を修了し
たようなものであると自負している。就職のためでもないし、人のためでもない
。「建築家に何が可能か」が結論になるようだ。
このことは土地に対する崇敬の念を表し語ることと言える。いわゆる「ゲニウ
ス・ロキ」といえる
序 章
第一章 場所の論理
第二章 占いと地震
第三章 方位と地霊
第四章 龍神様と風土
第五章 中津川の怪
第六章 言霊とむこうの人
第七章 地震・津波・温泉・断層