春 風 と 老 人
「ぶえっくしょい!!」
「うわっっ!? ……マスクぐらいしていただけませぬか原始天尊さま!!」
彼の師匠は風邪をひいてしまったらしい。自慢の髭は鼻水で湿り、常にちり紙の
束が手放せない。しかも時々ものすごいくしゃみを連発し、近くにいる人間をその
しめった髭の嵐に巻き込むのだ。本日の犠牲者:太公望。
「ぬう、最初はザマーミロと思っておったが、わしらにまで被害が及ぶのでは ちと
考え物だのう」
ぶつくさ言う太公望に対し被害を被っていない普賢はあっさりと
「じゃあ、早く治るようにしてあげればイイじゃない。お年寄りには季節の変わり
目ってキツいらしいからね。その間くらい労ってあげれば?」
「ふむ、まぁわしらに感染されるのもいやだしのう」
そうこうしているうちに数日が経ち、しかし原始天尊の風邪はいっこうにに治る
様子がない。さすがに少々気になった彼らはひとまず太乙に相談することにした。
…展開は読めていましたでしょう(笑)
「ああ、アレ。気にしなくていいよ、ただの花粉症だから」
「「はぁ!?」」
すぐさまとって返した二人は原始天尊に太乙特製:対花粉用マスクを突きつけた。
だがこの老人、変なところで頑固だった。
「心配してくれたのはありがたいが(望:違う!うっとおしいのだ!!)わしはこの
季節の空気が何より好きなのじゃ。だからマスクはいらぬ」
その夜、原始天尊は薬臭いアメーバ状の物に襲われて、それ以後なぜか花粉症は
なりをひそめたそうである。
◆季節ネタ・お馬鹿さんな小話でした〜。
03/03/09 11:29:42