工 事 中 気を付けましょう 。




「……なんじゃ、これは?」
 周の自室に戻ると扉の前に張り紙がしてあった。
“工事中”
「人がせっかく仕事を終えて寝酒を楽しもうっちゅう時に! 誰だ、こんな物貼ったのは」
 つい二時間ほど前に戻った時はこんな物はなかった。特に大きな爆発音もなかった(今日は)。誰かの冗談だろうと考えた太公望は、ぶちぶち言いながらその紙を引っ剥がし室内へと足を踏み入れた…。
ぐべぼきゃどごっ
「……!?」
「あーっ、何やってんですか師叔!」
「それはこっちのセリフじゃぁっ!!」
 通りがかりの自称天才にあきれ顔をされるいわれは無いぃ〜っ!
「だから張り紙しておいたじゃありませんか。“工事中”って」
「ん〜なこと言うても、いつ工事なんぞやったのだっ」
「つい先刻ですよ。ほら、昼間に間諜が見つかったじゃないですか」
 蝉玉ではない。念のため。
「で、そのとき師叔が言ったでしょう?“どうせ一人ではあるまい。適当にイヤガラセの罠を仕掛けておけ”って」
 こちらが望む情報を持ち帰らせるためにはそこそこ警戒して見せなければならない。
「…それでこんなモン仕掛けたと」
「いやー、まさか師叔がひっかかるとは思わないじゃないですか。仮にも道士なんですし」
「…………………」
 落とし穴にはまりこんだ太公望がそこから抜けだすのには少々の時間とひっかき傷とが必要になり、寝酒もふいになってしまったのだった。


◆工事中には気をつけよう、という話?
 最初の副題は"ノックすべし。"で、本文が折り畳んである一見『工事中のページ』な体裁でした。

2003/1/11





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