![]() 芽を出す |
![]() 蕾 |
![]() 花 |
| 夏に山に行ったときに見かけるギンリョウソウ。以前はイチヤクソウ科に属して居ましたが、最近の研究でツツジ科に変わりました。薄暗いところに、やや青みを帯びた花を咲かせるので「ユウレイタケ」の別名があります。横浜市内ではめったに見ることができません。
ギンリョウソウは腐生植物です。落ち葉など生き物の死体から養分をもらっているというのが通説ですが、ある種のキノコに依存しているという説もあります。 ギンリョウソウの根はどんなになっているのだろう? 「液果」とか「漿果」とか言われている実はどんなになっているのだろう? ずっと気になっていましたが見かけるのは国立公園などだから持ち帰るわけにいきませんでした。ところが、友人の山でギンリョウソウがたくさん生えているのが見つかり、観察用に実を分けていただくことができました。 |
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ギンリョウソウの花は背が低いので上から見ることがほとんどですが、柱頭はきれいなブルー。柱頭の周りを黄色い葯が取り囲んでいます。 左が満開の状態。右はすこし盛りをすぎた頃です。 ギンリョウソウは古くなるにつれ黒っぽくなります。 |
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自分で栄養を作り出さなくて良いので、葉緑素が必要ないから全体が白くなっています。そして普通の植物に見られるような根がありません。 茎にある葉は少なくて白い鱗みたいですが、地下にある部分は鱗がとても密になっていました。これは今度はじめて知りました。 |
| 蝋細工のように柔らかそうな印象の花ですが、果実になるとこのように指でそっと触ると硬いボールみたいな感じがします。
ギンリョウソウの果実は「液果」とか「漿果」。要するに中身が水っぽい果実という意味です。ホオズキの果実のように皮の中がどろどろの液体でそこに種子が入っているのか? ブドウの果実に似ているのか? いろいろ想像していましたが、実物を触るとょっと固めのブドウの果実という感触でした。 |
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この写真は、いただいた実を机の上に置いたのでこの向きですが、生えているときはもちろんうつむいています。
実の中央に残っているのは、花の時にブルーだった柱頭の名残です。 |
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左から、柱頭の名残を取り除いた様子。 上から1/3の位置で切った様子。 ちょうど真ん中で切った様子です。 根元に近づくにつれ、放射状の筋が複雑になっていきます。 |
| 放射状の黄色っぽい筋は、細かい種子が並んでいる場所を拡大したものです。 次に種子を取りだして水で洗ってみました。 種子は0.3mm程度のとても小さなものですが、1つの果実の中にたくさんあります。本には約5000個あって、そのうち発芽する能力がある種子は1700個程度だとありました。 薄くスライスしてみると、ちょうどミカンを輪切りにして開いた時のように、種子の並んでいるところで三角形に分かれてきました。 |
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| この種子がどのように地面に蒔かれるのかは、いろいろな説があります。とにかく種子が熟す頃になるとまるで腐ったように黒く柔らかくなった茎が倒れてきます。
A説は、実が地面に当たって割れて種子が飛び散る。 B説は実がドロドロに腐ってきて種子がこぼれる。 スライスした果実を20mlくらいの水の中で動かして種子を取り出してみました。果肉から離れかけた種子は1-20個くらい、まるで納豆が糸を引くように繋がることもありました。細かい種子を一粒ずつ拾いあげられないので濾紙でこしましたが、水の中にギンリョウソウの果肉部分の何かが溶け出したのでしょう。濾過しおわるのに26時間もかかりました。かなりネバネバしているようです。 |
![]() 果実 |
![]() ダンゴムシ(拡大できます) |
![]() ダンゴムシ(拡大できます) |
| 2007年、私の身近な公園のモミの木の林の下に、ギンリョウソウがたくさん生えました。その時に蕾から果実が溶けて崩れ落ち見えなくなるまで観察することができました。 果実はこのようにうつむき、やがて黒くなり、とろけるように倒れていきます。 残念なことに秋にモミの木の枝を伐採されてしまい明るくなったので、ギンリョウソウは消えてしまい、何年も観察できませんでしたが、もしかしたらダンゴムシが種子散布に役立っているのかもしれません。 |
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茎を切ってみました。幽霊茸という別名のように白いだけと思っていた茎の中央は色がついていました。
柱頭の青い色は、ここから始まっていたのでしょう。 |
| ((2005.7.31作成 2008.7.31 一部追加) | |
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