2012年8月16日  
       
    井田喜明「地震予知と噴火予知」ちくま学芸文庫 2012年6月発行  
       
       
    (その1)  
       
  1 地震予知の対象で一番重要なのは,内陸地震です。阪神淡路地震で多数の人が  
    死んだのは,このタイプです。東日本大震災での死者は大部分津波によるものです。  
    内陸地震は予知活動の対象にさえなっていない,と強調して欲しかったものです。  
    原発,ガスタンク,化学工場,人口密集地等への地震動の予測。これこそが一番  
    の問題なのです。  
       
  1a. 学問的には,当方も一番関心があり,貴殿も「根源的な疑問」(p.239,l.1)と  
    よんでいる事に関して(予知の本質的な可能性),貴殿の見解が示されていない  
    ことは残念です。  
       
    以下,若干私見を述べます。  
       
  2 地震予知にも科学的方法が必要です。  
    科学哲学をふりかえるまでもなく,科学の方法には基準とする手続きがあります。  
    (a)対象(地震現象)をモデル化し,  
    (b)そのモデルを時間を独立変数とする微分方程式で示し,  
    (c)その方程式を時間に関して解いて将来の状態を計算する,  
    これ以外に,科学的な論議の対象となる将来予測はありえません。  
    (p.164,l.4, p.176,l.7)  
       
  2a. 要するに,「力学」として学問を成り立たせることです。  
    Newton力学も量子力学も時間依存の微分方程式を解いて,将来を予測します。  
    経済学もそうです。  
       
  2b. 地球温暖化に関する政府間パネルが将来の温暖化予測を行なう手法は,  
    (a)複数の地点のデータを集積し,それを外挿して将来を予測する  
    のではなく,  
    (b)全地球の大気モデルを作成し,その微分方程式を差分法により将来にわたり  
    解く,  
    という方法を用いています。  
       
  2c. 傾斜計を用いる方法をはじめ,すべての前兆現象をもちいる方法は,  
    所詮は2b-(a)の現象論的方法に過ぎません。  
    理論を背景に持つ力学になっていない限り,科学的議論の対象になり得ないと考えます。  
    震源域の物理モデルを作成する摩擦則を用いた南海トラフ地震(p.194,l.17)  
    のシミュレーション(原資料未見)が当方のイメージに近いものです。  
       
  3 当方が考える本質的な地震予知の方法は以下のとおり。(理想論すぎるか)  
    (a)ある3次元的な地殻の領域を考える。  
    (b)この領域に境界条件と外力を与え,また内部力も考える。(温度も変数)  
    (c)(粘)弾性体の方程式を立てる。(時間依存)  
    (d)領域を格子に分割し,所与の境界条件と外力の下,差分法で方程式を解く。  
    (e)時間をすすめ,弾性体が破断条件を満たすかどうか判定する。  
    (x)破断があるばあいは,その条件を加味した方程式とする。時間刻みも変える。  
       
    問題点  
    (1)対象とする領域をいかにするか。外力ゼロを境界とするのか。  
    (2)境界条件はいかに与えるか。t=t+dt の境界条件はt=t の計算結果に依存するのか。  
    (3)差分格子の大きさはどのくらいが適当か。原子レベルか,キロメートル・レベルか。  
    (4)材料特性は与えられるか。高圧下の岩石の特性値はわかっているか。温度特性は。  
    (5)破断条件はわかっているか。  
    (6)亀裂進展の物理学はわかっているか。  
       
  3a. 地球大気の計算モデルに平行的なものです。こんな計算ができるのでしょうか。  
    私見では,上記の問題点もいずれも精度良い近似で与えられるものはなく,  
    近い将来も希望が持てません。  
    特に,3-(2)境界条件の問題は,気象予測の数値計算と同様に,ある時点の計算結果が  
    次の時点の計算の条件となるため,誤差を累進させます。精度の高いシミュレ  
    ーションは望みがありません。格子の大きさの選択も悪魔的です。  
       
  4 ちょっとひと休み。ここでミスプリを指摘します。  
    (a)p.21,l2。「音波には。。。S波(横波)の2種類がある」−>横波は音波  
     ではありません。筆が滑ったのでしょう。  
    (b)p.45,l.1。「10分後」−>図を読むと13分後と表現すべきです。  
    (c)p.127,l.1。「数百年前」−>「万」が抜けたかな。  
    (d)p.137,l.12。「用いられるようにがなった」−>「が」が不要。ミスプリ。  
    (e)p.167,l.12, p.170,l.23 「プランドル数」−>「ド」でなく,「ト」。長年  
     流体力学をやっているが,欧米人で「ド」と濁る発音は聞いたことがない。  
     ドイツ語文法でも l の前の dt は [t] と発音する。  
    (f)p.219,l.4。「地震はプレート運動。。。」−>内陸地震,深発地震,アウター  
     ライズ地震を無視したこの言い方は,誤解を招く。内陸地震の予知こそ重要だ,  
     と考える人に不親切。他にも類似箇所がある。  
    (g)p.223,l.16「フラクラル」ー>「フラクタル」。ミスプリ。  
       
       
    (その2)  
    本文に即してコメントします。  
       
  11 p.24,l.14「断層は南北方向。。。広がっている」  
    結論だけ書かれても納得できない。推定の証拠を示して欲しい。  
    (a)海底の音響探査で不連続面が計測できているのか。  
    (b)地震波の解析からの推定なのか。  
     推定法(p.25,l.17)と精度(上記の計測値との対応)の説明がほしい。  
    (b)この不連続面での滑り量(ベクトル)は各部で違うはず。その分布  
     はいかに。  
     分布から境界が定義できる。例えば滑り量 1cm を境界と定義する。  
     長方形では説得力がない。定義の不明瞭なものは学問ではない。  
    (c)地表面(海底)に表れている断層のデータはどうか。  
     海底の隆起の位置(帯状?)と量は津波の計算に必須。  
       
  11a. 「断層面・破断面」の概念は「震源」の用語に変更を迫る  
    重要なものと考える。材料科学では,破断面の顕微鏡観察で,  
    破断の「起点」を探すことが第一の作業。地震学でも,「震源」  
    という用語は,その一点でのみ破壊が起こった,との誤解を  
    およぼしかねない。  
    「破断面全体でエネルギーが解放された」との説明をもっと前面  
    に出すべきではないか。  
       
  11b. プレート間地震では断層面はイメージしやすい。  
    では,内陸地震ではどうなのか。阪神淡路地震でも「断層面」  
    が推定された。内陸地震で断層面ができるなら,逆に,  
    「プレート間」が断層面になる,との思い込みは根拠がなくなる。  
    地震のメカニズムの根源に係るものではないか。  
    (プレート間も内陸も共通に理解できる物理学が成立しない限り,  
    地震学は科学となっていない,との前提です。)  
       
  11c.  p.35 図1.6  
    (a)上記の破断面と関連するが,図1.6 のパラメータはどの程度  
    実証されているのか。例えば,デルタ=10度となっているが,上記の  
    破断面の傾斜角の地震波からの推定値は10度なのか,海底音響探査  
    でも10度となっているのか。  
    この種のシミュレーションは前提条件の恣意性をいかになくすか,  
    に課題がある。結果がわかっていれば,それにあわせるパラメータ  
    は任意にえらべる。  
    計算結果の隆起部分(230 km沖)は海底の計測値と対応しているのか。  
    本計算は2次元計算のようにみえるが,3次元の計算をしなくて良いのか。  
    (b)「断層面上で発生したすべりが10m 程度」(p.36,l.11)との計算結果  
    は実データ(あるとして?)または常識と対応するのか。  
    すべての点で10メートルなのか。分布しないのか。  
       
  12 津波について(p.39-45)  
  (a) 「ジェット機にも匹敵する速度」(p.39,l.22)  
    この表現は巷間に出回っているが,素人が聞くと,この速度で  
    陸に押し寄せてくる,と誤解する。海岸に到達するときには高々  
    10 m/s であることを強調すべきである。  
       
  (b) 「津波の波形は変わらず,速度も一定である」(p.40,l.10)  
    これは正しくない。Horace Lamb の引用するCauchy-Poisson  
    の解析を思い出すべきである。  
    Lamb, Hydrodynamics, Sec. 238-239, p.384-391.  
    ここではデルタ函数状のパルスを初期条件とする表面波の  
    解析がなされているが,波面形状は時間・位置により変化する。  
    初期条件が一般の時は,デルタ函数の積分として表せるので,  
    結果の波面形状も上記の類似なものと考えられる。  
       
  (c) 津波の計算は表面波の方程式を数値計算すればよいので,  
    大型計算機があれば難しくはない。問題は,初期条件を  
    いかに設定するかにあり,この点で,上記で指摘した震央周辺の  
    海底面の隆起位置と量を知る必要がある。  
    また,津波到達時間の計算と観測の対応もとりたい。  
       
  (d) 「津波は海面を全方向に2次元的に広がる」(p.41,l.18)  
    のは一般論としては正しい。  
    しかし,今回は海底隆起部が,海岸線と平行な「帯状」になっている  
    と想定できる(だから証拠がほしい)。その結果,不孝にも,  
    1次元近似が成り立ってしまい,海岸に到達したときに津波が減衰  
    していなかったということではないか。  
       
  (e) 当方が一番強調したいことは,海岸に押し寄せる津波は  
    「海面の盛り上がり」であり,正弦波でも孤立波でもないこと。  
    図1.2 (p.22-23)からもそれが明らかなのに,これを  
    強調する人が少ないのは残念だ。  
    学校で習った線形波動方程式にとらわれていて,津波の現象を  
    素直に考えようとする姿勢が見られない。  
    津波の被害が大きいのは,正弦波が押し寄せるのではなく,  
    ステップ状の,いわばHeaviside 函数が押し寄せるからなのである。  
    流体力学の問題からいうと,Dam Break Problem に近いが,  
    このダムの容量が,ほぼ無限大という条件となっている。  
       
  (f) なお,津波のデータで良いものが取られていないのは残念。  
    ある海岸地点(できれば複数地点)の水面の高さのしっかりした  
    時間履歴データがあれば,津波の計算の検証になった。  
    「引き波」の計算はうまくできていないと思う。  
       
  13 破壊力学における材料特性(p.192,l.1)  
    (a)「地震学は破壊力学であるべきだ」と考える小生にとって,  
    地震学関連の著書で,ヤング率,圧縮強度,引張強度,体積  
    膨張率,クリープ現象等々のキーワードが出てこないのは不思議  
    でしょうがない。(p.179,l.10)  
    (b)高圧下での岩石の圧縮降伏点をもとめる実験が難しいのは  
    わかる。しかし,これらのデータ(推定値でも)なしに地震を  
    議論する姿勢に根本的な疑問を感じる。  
       
  14 「地震はプレート運動によって蓄積された応力が,強度の  
    限界を超えたときに,断層面に沿う破壊で一挙に解放される  
    現象である」(p.219,l.4)  
    (a)ここで「地震は」と一般論でいっているが,よく読むと,  
    ここでは内陸地震も深発地震もアウターライズ地震も含めていない。  
    「プレート運動」が頭にありすぎて,地震の本質を見失  
    っているのではないか,といいたくなる。  
    内陸地震の発生機構がわかれば,それと同じことがプレート間  
    地震でも起こっている,といえるのではないか。成功しすぎた  
    プレートテクトニクスに引きずられている印象を受ける。  
    活断層の「固着」とプレート間の摩擦係数は関係つけられるか。  
    何度もいっているように,内陸地震の予知の方が,地震被害  
    を考えたとき,より重要な事柄と考える。  
       
  15 「余震が本振と同一の断層面で起こるのか」(p.222,l.14)  
    (a)3月11日から3月31日の地震のデータを気象庁のホームページ  
    から拾い,ENU座標で震源分布を表示した(東経,北緯,深度  
    表示でも本質的に同じ)。  
    すると,この時期の震源分布は「面状」になっていない。  
    ある領域内ではあるが,その中で,まったくランダムに分布する。  
    すなわち,余震は同一の断層面では起こっていない。  
    (b)そもそも,破断面でエネルギーの解放が起これば,おなじ  
    破断面で,再度破断現象がおこるとは考えにくい。600 km x  
    250 km の破断面は一時にできた,との想定からは,余震の震源は  
    本震の破断面から外れるはず,との帰結になる。  
    (c)それでは,「プレート境界面」の概念はどうなるのか。  
    境界面が複数あるのか。境界面ではなく,境界層なのか。  
    いっそのこと,プレート境界の概念をすてて,内陸地震と同条件  
    と考えてはどうか。(地震というタイム・スケールの問題で。)  
    (d)地震で問題となるのは岩石(?)の圧縮強度ではなく,  
    せん断強度だろう。せん断強度に関する実験はなされているの  
    だろうか。また,岩石中(地中)の歪データはどうか。  
    応力テンソルの非対角項は計測にのるのだろうか。(p.181ff)  
       
  16 .カオスの条件(p.175,l.8)  
    「これら微分方程式はいずれも3つ以上の変数をもち」  
    2変数でもカオスはおこる。2重振り子。  
       
  17 「破壊力学とカオス」(p.177,l.2)  
    構造物(パネル・フラッタおよび柱の座屈)の破壊がカオス的  
    状況を示す例を紹介しよう。  
    Earl Dowell, Panel Flutter, Wiley 2010.  
    Dowell ははやくからパネル(板)の座屈のカオス的状況を報告  
    している。日本では小林繁夫東大名誉教授が先駆者。  
       
  18 最大の地震(p.61,l.2)  
    「最悪の事態を想定しても,地震断層の面積は東北地方  
    太平洋沖地震の4倍程度にしかならない」  
    (a)この論理は坪井忠二の「地震の巣」説を思い出さすが,いろいろと  
    問題がある。  
    (a)この文章は東北地方沖の地震を対象にしているのだろうか。  
    東海・東南海・南海地震に関係する南海トラフ/フィリピン海プレート  
    についてはどうなのか。  
    (b)破断面でのエネルギー解放は一様(破断面の各所で同一の数値)  
    との仮定は考えにくい。分布があるはず。3/11地震のエネルギー  
    解放が一様でかつ各点で最大値なら,この論理の一部は成り立つが,  
    このエネルギー解放の実態がわからない現状では,上記論理は不十分。  
    (c)内陸地震はどうなのか。阪神淡路地震の断層面積(特定できた  
    として)と解放されたエネルギーの対応はできているのだろうか。  
    (d)「地震のエネルギーは断層の面積と断層面にわたるすべり量の  
    平均値に比例する」(p.31,l.8)との表現は正確ではない。  
    これは単に次元解析でこの二つの量の積になる,ということを  
    いっているに過ぎない。図1.4 の断面積vsマグニチュードのグラフは  
    いわば単位を変換しただけで,「面積」の物理的な意味があるとは  
    思えない。物理で「面積」というのなら,実データを解析して,  
    確かにこの曲面部に変位差が見れる,と言えるものでなくてはいけない。  
    そのいみで,600kmx250kmと表現するのは正しくなく,「長さの2乗  
    の次元をもつもので数値 150,000 km**2 相当」というべきではないか。  
    また,すべり量がこの平面一律に同一の数値と仮定しているのも  
    気になる。  
       
       
    (その3)  
    「予知」が「科学」になじむものかどうか私見を述べます。  
       
  21 微分方程式で表せれば予知ができるのでしょうか。  
       
  21a 太陽系の運動に関してニュートン力学があまりに完璧な成果  
    を出したので,科学の他の分野でも同様な成果が期待できる,と  
    勝手に思い込んでいるのではないでしょうか。  
       
  21b しかし,水星の近日点の移動の計算でも,3体目の摂動を  
    考慮に入れてさえ,ユークリッド空間を前提とするニュートン  
    力学では予測ができませんでした。  
       
  21c 太陽系の計算が成功したのは,この系が本質的に2体問題  
    だったからです。3体問題になれば,おなじニュートンの万有引力  
    の方程式に基づいても,予測の困難な現象が簡単にシミュレート  
    できます。下記の書でわかります。  
    堀源一郎「太陽系」岩波新書,1976年。  
       
  21d 地震に関する(微分)方程式が設定でき,パラメータも  
    すべてわかったとしても,その解が簡単である保障はありません。  
    カオスで貴殿も論じていました。  
       
  21e また,常微分方程式の理論をみてみますと,初期値問題の  
    解の存在の証明は,初期値の近傍での存在を証明し(これはむしろ  
    当たり前の論理),近傍をつなげていって(解を接続して),  
    初期値からはなれたところの解の存在を証明しています。  
    物理を扱っているものから見ると,あっけに取られた感じです。  
       
  21f 常微分方程式には「解の爆発」という現象があります。  
    初期値から解をつなげていっても,あるところで発散してしまう  
    のです。お手上げです。予知・予測をしようとしているシステム  
    の解が爆発しないとどうして前もってわかるのでしょうか。  
       
  21g. また物理的センスからみても,初期値から離れていくにしたがって  
    パラメータ(係数)の数値も変化しているでしょうから,初期値  
    周辺と時間的に離れたときとでは微分方程式が質的にちがっている  
    とも懸念されます。  
       
       
  22 科学は本質的に解析しかできないのではないでしょうか。  
       
  22a 科学理論は「自然」に対する「モデル」です。前提・仮定をおき,  
    そこから演繹される結果を「自然」と対応させ,前提・仮定の  
    妥当性を確認し,さらに演繹を拡大して現象を解釈する,  
    これが科学ではないでしょうか。  
       
  22b. 要するに数学の体系とおなじです。公理・定義をおき,そこから  
    演繹される定理の体系を形つくるのが近代の科学の姿です。  
    定理は,極言すれば,すべてトートロジーです。  
       
  22c 物理学においても,ユークリッド空間を仮定してニュートン  
    力学を構築し,アインシュタインの空間を仮定して一般相対論を  
    構築します。量子力学はヒルベルト空間上で展開される理論です。  
       
  22d .地震学はどうか。どのような空間で展開するにしても,  
    その理論は仮定する前提条件の枠外には出れません。  
    なにが言いたいかというと,岩石破壊が起きていない状況の  
    方程式をいくらいじくりまわしても,岩石破壊という別世界  
    の現象は対象外だということです。静的状況からは動的状況  
    は推測できない,ということです。  
       
  22e 舌足らずですが,比喩で言うならば,科学はお釈迦様の  
    手のひらから出ることはできず,地震は手のひらのそとで起きる,  
    といいたいのです。説得的な証拠がなくて申し訳ありませんが,  
    思い浮かぶ例は気象の計算です。  
       
  22f .気象予測は全地球の大気モデルをたて,差分法で時間ワイズ  
    に将来にわたって解いています。  
    将来の境界条件はどうやって決まるのでしょうか。  
    現在砂漠で,将来の計算時点で砂漠であったところは,その時点  
    までの温度の履歴で,砂漠の境界条件を設定できるでしょう。  
    しかし,現在農地で,10年後に工場が建つ地点の,将来の  
    境界条件はどのようにして与えられるのでしょうか。  
    農地のモデルや工場のモデルはそれなりに作れますが,  
    将来の土地利用状況は神でもないかぎり,わかりません。  
    要するに,原理的にこの境界問題は解けないのです。  
       
  22g. 地震の予知問題も気象予測と類似の本質的な問題を抱えている  
    ようにおもいます。  
       
       
    以上  
       
    2012年8月16日  
       
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