Counter
    イラク攻撃 これは正義の戦争かそれとも、侵略か?  2003.11.1

    以下の文章は狂ってる独裁者フセインを支持するものでは決してありませんし、たとえ国家であろうと卑怯なテロまがいな侵略も許さない主旨で書いています。
    結論を言えば、いろいろ考えてみましたが、ブッシュが、小泉首相が支持するような「正義の戦争なんだ!」という結論にはどうしてもなりませんでした。力(世界最大の核兵器、細菌兵器、化学兵器)に物言わせた「侵略」の武力行使というしかありません。

    アメリカが攻撃を開始する以前から、注意をもって報道、インターネットをみてきました。内外を問わず新聞、テレビなどのメディアも体制の影響力を受けているものが多く、隠されている実態を知ることはなかなか困難なことが多いのでインターネットでその裏づけを確認しているようにしています。

    のめりこまずにちょと距離を置いて眺めると、おかしなことがいっぱい出てきます。

    日本では3・21小泉首相は「イラクがこれまでも、何回も国連決議を破ってきて聞く耳持たない、だからアメリカが攻撃をするんだ。それを同盟国として支持して何が悪い」これが、首相が説明した論理の要旨です。

    でも、ちょっと待った!
    アメリカは「国連がだらしなくイラクを従わせることができなかった。」「だから、アメリカ一国でもイラクに軍事攻撃出来るんだ」
    こういう国連無視の論理を勝手にこしらえて、反対諸国をも押し切って始めてしまいました。

    「警察も取り締まれない、裁判所も機能しない、だから俺が代わりに正義を実行するんだ!」
    これはアメリカの西部開拓時代、インディアン領地を分捕り、その場で無法者と勝手に決め込んだ相手を公開縛り首処刑をおこなってきたこととどこが違うでしょうか?

    自らが国連を無視したことで、イラクどころかアメリカも無法者になったのに、自分のことは棚において、他人だけを批判する・・こういうのを俗に「勝手ジジィ」といいます。人を納得させる論理のかけらもなく、わがままで未成熟なガキがやりたい放題やっている、・・・アメリカそのものでしょう。
    自分の思い通りにならないのが世の常で、折れるところは折れて皆と協調してやっていく、これが長い人類の歴史の過程で経験、学習してきて後世に受け継がれてきていることです。

    このように思う人の気持ちは、国の体制、文化、宗教、を超えて万人共通のものであると今回の事件をきっかけに確信しました。
    EU・プローディ委員長、フランス・シラク大統領、ロシア・プーチン大統領、ドイツ・シュレーダー首相など世界主要国の元首をはじめ、世界の街の人たちのインタビューを聞くとみな異口同音にいっているなぁと実感しました。

    現実の我々の日常社会でこんなことが横行しだしたらもうはや法治国家ではなくなり、国民は一日も安心して暮らせない事態になります。
    いつ自分に火の粉が降りかかってくるかもしれない、警察も裁判所さえも超えた力が猛威をふるっていれば自分で防弾チョッキを着込んで散弾銃で防衛するしか方法がなくなります。考えただけで恐ろしいことです。

    しかし、このことと全く同じことがいま国際社会で起きています。
    国連が、世界の秩序を保つため、警察の役割とか裁判所の役割を果たすべく、何か国際間で問題が生じたときに各国の意見をまとめ決議をしているのですが、こんどのイラク攻撃は国連を無視して反対諸国の意見も聞かずアメリカ単独行動に踏み切ってしまいました。

    ブッシュは「イラクは悪の枢軸だとか不法者だ」とか、「イラクを開放する」とか、まぁ次から次へと名目をかえて正義を強調しようとしているが世界の多くの人はそんなに馬鹿ではありません。ブッシュの演説の胡散臭さを本能的に嗅ぎ取っているのです。

    アメリカ国民とイギリス、オーストラリア、スペイン、小泉首相は従わせる事は出来ても、その他のヨーロッパ諸国をはじめとする成熟した国の国民はだまっていません。イギリスもオーストラリアも本心は「厄介なやつだ」、しかしユニオンジャックのもとでは仕方なく追従をしている、そんな構図ではないかと思っています。

    日本はユニオンジャックの縛りもありませんし、本来なら日本の理念をきちんと表明できる立場にいるはずです。
    しかし、残念なことに日本の小泉首相は無条件で、日本の将来にもかかわる重大なことがらにもかかわらず、国会でろくに議論もせずに白紙委任状をブッシュにひれ伏して渡してしまいました。

    国際社会でも、われわれの日常の人間関係でも同じことですが、100%誰かを支持して地獄の底までついていくなんてことはありえません。国でも、人間でも判断を誤り、間違ったことをするのは通常起こることで、完全無欠な人間、国なんかありゃぁしません。

    そうだとすると、「ある部分は支持できるが、他の部分は支持できない」となるのが普通でしょう。
    今回の事態でも、「アメリカのこの部分は支持できるが、あの部分は到底理解もできない」・・こういう風に小泉さんは日本国民に説明しなければなりませんでした。そして、忌憚なくアメリカにいうべきでした。

    このことこそが同盟国としてちゃんと物申せる国だと相手に認識させることになる唯一の方法といえます。
    こういうことがちゃんと言えるようになれば、一方的になめられることもなくなり、一目置かれ対等な関係になります。

    そのほかにも小泉首相が間違っていることは、
    いつも日米安全保障条約をベースにした日米同盟が一番大事だと言っていますが、今度の事態で日本とアメリカ両国は思い切り安保条約に反することをやってしまいました。

    それは安保条約の前文で「国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し・・・
    すなわち「国際連合憲章の目的及び原則に対する信念を再確認すること、簡単にいえば国連を尊重しようね!という大前提を二人が揃いも揃って無視してアメリカは直接侵略攻撃に走り、日本はけん制するどころか間違ったメッセージを送りアメリカが無視することをけしかけてしまいました。


    参考までに日米安保条約です。


      日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約

      昭和三十五年六月二十三日条約第六号

      日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、 国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、 両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、 両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、 相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、よって、次のとおり協定する。

      第一条
      締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
       締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に逐行されるように国際連合を強化することに努力する。

      第二条
      締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによって、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。

      第三条
      締約国は、個別的及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

      第四条
      締約国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。

      第五条  この条文と第六条は以前に説明しています。
      各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
       前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。

      第六条
      日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリ力合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
       前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基づく行政協定(改正を含む)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

      第七条
      この条約は、国際連含憲章に基づく締結国の権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する国際連合の責任に対しては、どのような影響も及ぼすものではなく、また、及ぼすものと解釈してはならない。

      第八条
      この条約は、日本国及びアメリカ合衆国により各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。この条約は、両国が東京で批准書を交換した日(昭和三五年六月二三日)に効力を生ずる。

      第九条
      千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約は、この条約の効力発生の時に効力を失う。

      第十条
      この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。
       もっとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。



    アメリカは9・11でテロ攻撃を受け、これは「戦争だ!」と宣言をして、「自国アメリカに脅威と思う国、組織かまわずとことんやっつけるんだ!」と大きく舵を切ってしまったわけですが、このことを私たちの子供にどのように説明したらいいでしょうか、小泉さん。
    アメリカに対してではなくまず、日本国民に対して、何も知らないこどもたちにちゃんと説明できるように説明する責任が発生しているのです。

    小泉首相、福田官房長官、川口外務大臣が「イラクが悪者で、正義のアメリカを支持をして何が悪い!」これまで何回聞かされたかはわかりません。稚拙で、論理矛盾しているしゃべりはもう結構です。

    成熟した、そして分別をわきまえた国家の首相としてふさわしい論理と言葉で説明していただきたいものです。

    ほんの10年前から以前のことは決して触れようとしないブッシュ、古泉さん。
    それには理由があり、それ以前の歴史を持ち出したら彼らが正義といっていることなどは「木っ端微塵に吹き飛んでしまう」ことをかれらは重々承知しているからです。

    このことは別の機会に譲りたいとおもいますが、その他にも次のことに触れたいので別のページに書きたいと思っています。


      @ネオコンサバティブ(新保守主義)、保守主義の原理主義派ともいうべきグループが企んでいる考えがいま着々と実施に移され、大統領の周りをこれらネオコンで固めたブッシュ政権の危うさ。

      A50兆円の国防予算を維持して2000万人の生活を維持するためにには随時武器を消費していかないと軍需産業がもたない。

      Bイラクは戦略的に重要な位置にあり、イラン、ヨルダン、シリア、サウジアラビア、クエート、トルコ周辺国に影響を及ぼしたい関係上イラク国内に軍事基地を持つことの意味は非常に大きい。

      Cなんといっても、イラクは世界第2位の石油埋蔵量の国であり、この資源をコントロールすることはアメリカのエネルギー戦略にとって大変に重要。

      D攻撃後の親米政権をつくれるのか?
      下手をすると第二のベトナム戦争、ソマリア侵攻の二の舞になりかねない。ブッシュは個人的な満足は達成できるだろうが、たとえアメリカ軍が長期居座ったところで簡単には親米政権を作ることはできないだろう。


    もくじへ