● 小田急電鉄50000形VSE「ロマンスカー」
 ~ 復活のゴージャス ~


【小田急ロマンスカー50000形Vault Super Express】
2005年にデビューした7代目ロマンスカー。デザインは建築家、岡部憲明氏。
横から見ると「銀河鉄道999」に出てきそうな雰囲気


助手:今回の新型ロマンスカー、博士はどう評価します?
博士:なかなかいいのう。ロマンスカーとしての正常進化形じゃと思うぞ。
助手:車体側面ラインのバーミリオンオレンジ、メロディホーン、展望席、シートサービス(飲み物などの注文を座席でできて、運んでもらえる「動く喫茶室」サービス)も復活しましたしね。
博士:30000系EXEが捨ててしまった“ロマンスカーらしさ”を復活させようとする気概が感じられるの。まさかこの関東で、東武スペーシアだけになってしまっていた豪華観光特急が復活するとは思わなんだ。嬉しいことじゃ。
助手:ここまで気合を入れた復活劇の理由はどこにあるのでしょう?
博士:客が減り続けている箱根観光のテコ入れなのじゃが、それにはEXEじゃ役不足ということじゃな。
助手:小田急の箱根観光TV-CMもEXEじゃなく旧型ロマンスカーが出てきますしねぇ。
博士:最新型ロマンスカーが先代にイメージリーダーの座を奪われるなんて前代未聞じゃの。
助手:そういえばラピートと同じように内外装ともに建築家によるデザインですね。
博士:機能性のない意匠がちりばめられすぎたラピートと比べると随分シンプルになっておるのう。サンチャゴ・カラトラバかシド・ミードかという感じじゃが、わしは好意的に受け止めておる。
助手:言われてみればカラトラバ+ミードを2で割った似た感じか・・・いや、それは褒めすぎじゃないですか?
博士:そうじゃな。まあそれはともかくとしてもだ、建築家は総合芸術分野のデザイナーといえど、基本的に「動くもの」をデザインする職種ではないので、鉄道車両のデザインをさせるのはどうかとは思うのじゃが、ジウジアーロやコラーニみたいな工業デザイナーの存在が一般的ではない日本においては、建築中心のデザイナーが鉄道車両のデザインを任せられるのじゃろうな。
助手:エクステリアは自動車デザイナーがやってもいいような気がしますけど。
博士:自動車デザイナーはメーカーお抱えのところが多いからのう。イタリアはカロッツェリア(生産をするところもあるけど、基本的にエクステリアデザイン専門工房のこと)なんて制度があるのだがの。
助手:けれどさすがに建築家だけあって内装は素晴らしいですね。
博士:名前(Vault)の由来であるドーム型天井がこれまでにない車内空間を醸し出しているのう。シートも気合がはいっとる。
助手:ウッドパネルも嫌味じゃない高級感があります。セミコンパートメント(半個室)もあるし。
博士:内装だけではないぞ。昨今はメカニズム的にそれほど革新を求めていなかったロマンスカーじゃが、このVSEは連接台車も復活し、コーナーでの乗り心地と通過速度を維持する車体傾斜機構というものも盛り込まれているのじゃ。
助手:30000形EXEはスペック的にも内装が豪華になった通勤電車って感じでしたからねぇ。
博士: やはりロマンスカーたるものスペック的にも設備的にも非日常を演出していただかないとな。小田急もそれを思い知ったからこそ、VSEでは“ロマンスカーらしさ”を追求しているのじゃろう。伝統も大切だということじゃな。


【小田急ロマンスカー30000形EXE】
1996年にデビューした6代目ロマンスカー。
「もはや観光特急の時代ではない」というコンセプトで、ビジネス&通勤客輸送と運用性を重視したけど大ハズレ。
ちなみにデザインは小田急百貨店インテリアセクションだそうで、なるほどデパートの包みっぽいですね。






on set : 8/MAY/2005
last modified : 15/MAY/2005