ATH-PRO5の改造

  audio-technica ATH-PRO5というヘッドホンは、プロDJの使用に耐えるくらいの性能と耐久力がある割に値段がお安く、モデルチェンジサイクルが早い業界に於いて10年以上という驚異のロングセラーとなっている製品です。
  自分もこれを愛用しているのですが、唯一といっていいくらいの欠点と言えば、長時間装着してると耳が痛くなること。
  触ってみるとわかるのだけど、ハウジング内のドライバユニット前に円いリング状の硬いウレタンパーツが出っ張ってて、これが耳に圧迫して痛みを与えてる模様。
  耳の小さい人にはパーツの干渉が弱いのか、あまり苦にならず装着感が良いという声も聞くけど、自分は特に右の耳が強く当たって痛くなります。
  これが邪魔だからと切り取ってしまう人もいるようですが、廉価モデルであるPRO5にわざわざ余分なパーツを付けるってことは何か意味があるはずなので、無闇に排除してしまうのはあまりオススメできません。
  このリングにはどういう効果があるのか想像するに、ドライバユニットの口径にぴったりと配置してあるということは、まずは振動板の前振と後振を分離し、恐らく前振への後振の干渉を遮断することによって音像を明確にすること。
  そして振動板から耳までに存在する空気容量を制限して振動のエネルギー効率を良くし、即応性を高めて音波のなまりを防ぐこと。
  また後振を完全にバスレフとして使おうっていう設計でもあるのかな?
  分かり易く説明すると、大抵のヘッドホンは耳を圧迫するようにハウジングを手で押さえつけると、ドライバユニットが鼓膜に近くなって音の情報量が増え、喧しくなりますよね?ATH-PRO5はデフォルトでそれに近い状態を作り出している感じ。
  つまり、有った方が良いのかどうかは別として、このリング状パーツが有るのと無いのとではかなり音が変わってしまうということです。

  音自体には満足してるので、このリング状パーツを無くさない方向でこの問題を改善するには、これ自身を低くできないなら、相対的に周りを高くすればいいと。
  具体的に言うとパッドを高くすればいいということです。
  パッドの中身のスポンジを増量して厚みを出すのは困難なので、パッドの下にゲタを履かせて底上げするのが現実的な方法だと思います。
  実はこのパッドは消耗品で交換用を別売りしてるくらいだから外すのは簡単。
  そしてこのパッドとハウジングの間に、ティッシュを詰めるなり厚めの板を挟み込むなりで高さを稼いでやればいいという訳。
  目分量で適当にやると左右の形や空気容量に差が出来て音質に違いが出そうなので、板状のものは型紙を作って同型に切り抜くなどした方が良いでしょう。
  その型紙をWordで簡単に作ったもので良ければ、もし使いたい方がいらっしゃったらどうぞ。見るだけでも寸法などの参考になるかも知れません。

ATH-PRO5kata.zip

  この改造(と言えるほどの物でもないけど)で肝心なのは、素材と高さ(シートの厚さ)です。
  これを色々と変えてみて、音にどう影響するのか試してみるのも楽しいのではないでしょうか。
  素材で考えるべきことは「柔らかさ」と「重さ」です。
  当然柔らかい方がフィット感が増しますが、柔らかすぎると高さにムラが出て安定感に影響するような気がします。
  ならば硬い方がいいのかというと、硬い素材は重い物が多く、重過ぎる素材は装着感の重量バランスに影響してしまいます。

 また素材よりも重要なのが高さです。
  低すぎても耳への当たりが弱まらずに改造の意味がないし、高すぎるとリングパーツから離れすぎて、これの効果が薄れてしまいます。
  パッドの下にゲタを入れて上手く収める高さの限界はだいたい5mmくらいじゃないでしょうか。
  そこで5mmのスポンジを入れてみた所、耳への当たりは全く気にならないくらい弱くなり、装着感は劇的に良くなったのですが、リングの効果が薄まって音の印象が大人しくなり、面白みに欠けるヘッドホンになってしまいました。
  そこで色々な高さのシートで作って試してみた結果、自分の耳には2.5mmがベストではないかという所に落ち着きました。
  他に0.5mm単位で色々な厚さの素材を用意したのですが、3mm以上では音に明らかな影響が出てしまいます。
  2.5mmでも実はまだ耳への当たりが強いのですが、それでも無い状態よりは全然マシなのと、音に影響が出てつまらなくなるよりはとのバランスをとったポイントではないかと思います。
  この辺のトレードオフは個人の趣味で決めるしかないでしょう。
  人によってはPRO5デフォルトの情報過多な喧しい音よりは、多少大人しくなった感じの方が好みだという方も少なくないと思いますし。


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整形や画像アップなど、気が向いたら随時更新していきます。

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