*これまたほとんど子供の頃から(やなガキ)ずーっと読みたいと思っていた有名作
品であります。高木彬光氏のデビュー作そしてかの若き天才探偵・神津恭介氏の初出作。
未読でありましたがホントに記憶もあやふやな位昔、テレビの二時間サスペンスで流れ
ていたのを観たことがあります。メインのトリックやストーリーなんて何ひとつ覚えて
おらずただ刺青が印象的だったということくらい・・・あと、原作と全く関係ないシー
ン(というのが今回判明)がいくつかあったことと神津さんの設定が相当違ったこと(
テレビではすっかり大人だったし妹までいたし)あたりを覚えています。きっとかなり
味付け違ったんでしょうねえ。ミステリのドラマ化ではよくあることではありますが(
笑)。ちなみにどなたが神津氏役だったかは内緒です(さらに笑)。
*密室状態の浴室で見つかった胴体のない女性のバラバラ死体。遺体の顔と身体の特
徴からそれはこの家にひとり住まう美女絹枝のものだと判断されます。絹枝の身体には
背中一面に、見事な刺青が施されていました、つまりそれが持ち去られたことに。さら
に絹枝の愛人最上竹蔵も死体で発見され、絹枝を殺した竹蔵がその後自死したとひとま
ずの推理は成り立ちました。しかしそこにはいくつかの疑問点が・・・。
複数の容疑者、証言、そしてアリバイ。絹枝と同じく背中に刺青をした彼女の双児の
妹珠枝、そして同じく刺青のある兄の存在。やがてその兄が第三の死体となって発見さ
れます。それもやはり背中の皮、自雷也の刺青を剥がされて・・・。
*密室もののイメージが強かったのですがそれよりむしろアリバイものかな?背景、
小道具、世相、若干の暗さをはらみ、なかなか雰囲気あります。いかにも「あの頃の」
ミステリって感じ。本格ですし、探偵もきっちり魅力的。王道でしょう。面白かったで
す。
本編を読んでいる段階で、将棋をさして容疑者の心理状態を探るあたり、「カナリア
殺人事件」でチェスで同様のことをする(と聞いている。実は読んでいません。きゃー。)
ファイロ・ヴァンスみたいだなーっと思っていたら確かに神津さんにはヴァンスの影響
ありと解題で読んでちょっとうふふ。
作者の高木彬光氏には有名作有名トリックが多いです。「人形はなぜ殺される」「わ
が一高時代の犯罪」「妖婦の宿」など未読の期待作がたくさん(「人形〜」のトリック
はネタバレ推理クイズ本で読んで知っている。あはは・・・)というかまだ読んでなか
った方がおかしいか(林城なのに・・・)。トリック重視っていいですね♪
というわけで、ではまた次回。(2006.8)