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 ノーマライゼーションを語るには、「ノーマライゼーションの父」といわれるバンク-ミケルセンについてお話しておかなくてはなりません。花村春樹氏訳・著「ノーマリゼーションの父」N.E. バンク-ミケルセン、(株)ミネルヴァ書房発行等を参考にしながらお話します。(ノーマリゼーションともノーマライゼーションとも表記されますが、ノーマライゼーションで統一します。デンマークの方のお名前の表記は難しいようですが、ニルス・エリク・バンク-ミケルセンというお名前をバンクとミケルセンの中間のハイフンを略しバンクミケルセンで統一させてもらいます。)

 バンクミケルセンは、デンマークがナチスドイツによって占領されたときレジスタンス活動(地下抵抗活動)をしていました。それによってナチスドイツに捕らえられ、強制収容所へ入れられました。戦後、職を探していたとき、社会省(厚生省)の知人に、法学修士を雇ってくれないかと問い合わせたことから、精神薄弱福祉課に勤務し施設行政を担当するようになりました。いくつもの施設を訪ねてみて、当時のデンマークの知的障害児者の処遇の実態に、深く心を痛められたそうです。都市から離れた所に造られ、閉鎖型の形態で、隔離的または保護主義の色彩のつよい処遇でした。なかには1,500床以上にもなる巨大施設もあり、どの施設も知的障害児者を極端なほど大勢、大人から子供までが一緒に詰め込まれていました。物理的な条件が粗悪なだけでなく、優生手術を実施するとか質的にも劣悪であったようです。

 知的障害者とその家族への社会の対応の仕方について疑問を感じた親たちが協力し、改善していこうという願いの高まりの中、1951年から52年にかけて「知的障害者の親の会」が発足します。「やがて、入所者数を20人から30人までの小規模の施設にすること、そのような施設を両親や親戚が生活している地域に作ること、また自分たちの子どもに他の子どもたちと同じように教育を受ける機会を持たせたい、などの願いが次第に明確に打ち出されます。」政府に対してそのような政策をとること求めますが、「親の会」は感情的な圧力団体のように受け取られたりしました。バンクミケルセンは「親の会」の要望・願いに心から共鳴し、プライベートの立場で協力します。「親の会」の要望が、国の政策となり法律化するように、社会省への要請を文章にしました。このときにノーマライゼーションという言葉が使われました。「親の会」から1953年に社会大臣に覚書として提出されました。そして1959年に「ノーマライゼーション」という言葉が使われた法律(社会省令)が制定されました。親の会の要望がノーマライゼーションという用語・理念によって世界を変える力となっていったのです。

「ノーマライゼーションとは、イクォーライゼーションであり、ヒューマニゼーションです。」

「ノーマライゼーションとは、難解な哲学ではなく、…ごく当たり前の考え方で、もし自分がその立場になったらどうあってほしいかを考えれば、そこから自然に導き出される答えです。」

「一体、何を基準にして“異常”というのでしょうか。人間について考えるとき“正常”と呼ばれるものが、はたしてあるのでしょうか。数量的な平均値から偏倚していることは逸脱ではないのです。障害は現在の社会のありようの中ではハンディキャップとなっても、アブノーマルではありません。」

「障害があるからといって、社会から阻害され差別される理由はないのです。たとえ身体的あるいは知的な障害があっても、彼は一個の人格を持ち、障害がない人と人間として何ら変わりはないのです。障害がある者が、社会で日々を過ごす一人の人間としての<生活状態>が、障害のない人々の<生活状態>と同じであることは、彼の権利なのです。ですから可能な限り同じ条件のもとに置かれるべきです。そのような状況を実現するための生活条件の改善が必要です。それを表現する言葉として、『ノーマライゼーション』という語を用います。彼らの人としての権利が実現するような社会の状態をつくりだしていかなければならないのです。」

 変わらなければならないのは社会であり、ノーマライゼーションは当たり前の考え方なのです。しかし、「親の会」の努力も凄ければ、バンクミケルセンの係わり方も立派ですね。それと、デンマークといえば福祉国家といわれますが、福祉社会を目指して国と国民が熱心に努力したからこその結果なのでしょう。また、歴史的に醸成された国民性・精神構造などが福祉国家を目指す底流にあったのでしょう。「個人の尊厳」「自立」「個人の選択の尊重」「平等」「連帯」という価値観が行動に移されていっているのは、素晴らしい事ですね。