一字庵菊舎

古文の時間(2003/10/07)
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■ 私訳『手折菊』序文 ■

□ 序文

都で迎えた新春も終わりの一月末、日々を過ごす合間にこれまでを振りかえって指折り数えると、旅をするようになってから33年を、俳諧の世界に遊んでおりました。初めは北陸・東北を経て吾妻の関を越えて関東へ入り、江戸に3年間滞在して、滑稽俳諧のあり方というものを知りました。

その道を知れば知るほど、また旅に出たいと憧れ、今度は西海・不知火の現れる九州へ、文字の名を持つ門司関を何度も通って参りました。そうして俳句の友はもちろん、漢詩にも親しみ、旅を重ねるうちには唐の人の書いた物などももらうようになりました。提げて歩くにはもったいなくて、家に置いていたのですが、今となってはどれだけの量かわかりません。

それらの書き物を集め、そしてまた、旅をしてきた名所旧跡についても、すでに人のよく知る所ではあろうけれど、少しばかり書き散らしてみようと、ひとりでこっそりほくそえんでいます。

文化9(1812)年壬申(みずのえさる)の芽生えの季節に。長門一字庵菊舎。

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