『クレフェス ―蒼紫― 』第二回アンケート集計結果
4.「裏」クレフさんのイメージは?
1位 ドS………………15票
1位 嫉妬深い…………15票
3位 ムッツリ…………6票
4位 毒舌………………4票
5位 プライドが高い…3票
総数43票ありがとうございましたー!!
まさかの同票で一位が二つ!!イラストでは表現しにくいと言う事でチヤがワンシーンで
ドSで嫉妬深いクレフさんを描いてみたのですが・・・い、いかがでしょう?;
下の作品は一位の結果に基づき依玖弥さんが素晴らしい小説を書いてくださりました!
ごゆるりとお楽しみくださいませv
***
毎年恒例の国をあげて行われる盛大なセフィーロの祭り。
去年は、恋人という関係になったばかりのウミは残念ながらガッコウが休みじゃないから来れなかった。
『今年は、来れるわ』
と麗しい笑顔を見せてくれた彼女が、少しでも楽しんでくれると良い。
準備が大変なのは変わらないのに…彼女の喜ぶ顔を思い浮かべるだけで大変だと感じる事もなく進めれている。
準備も、祭りの開催中も、片付けにしたって目の回る程の忙しさ
彼女とゆっくり過ごす暇がない事くらいわかっているのに
この世界で自分がした事によって楽しんでくれると思うだけでこんなにも気持ちが違う
*
祭り当日はまた一段と忙しい。
各国の来賓の相手に警備などの指示、城内での催しの進行の確認。
やる事はいくらでもある……
その仕事も一段落ついて、ふと城下へ集まった大勢の民衆へ目をやった。
『!!?』
確かにここ最近まともに横になる事すらしていない。
だが、目に入った人物を見間違う事などあるはずはなかった。
彼女がそこにいる事自体は何ら問題ない。
問題なのは彼女が一人でもその親友と一緒でもない事だった。
元はと言えば自分の仕事のせいなのだが、そんな事は頭から一瞬にして消えてしまっていた。
いつも以上に重たく宝石の飾られたローブを脱ぎ捨て、小さく呪文を唱えた。
移動魔法を唱えながら、同時に身体も成長させた。
彼女がいた場所へ…
その姿を確認するとその身を抱えあげ、もう一度移動魔法を。
『…っ!?』
彼女の悲鳴は声にならずかき消え、
少し人混みを避けた、奥まった路地に着地した。
何が起こったか未だ理解していない彼女はその瞳を大きく見開いてこちらを見ていた。
『え、ちょ…何で?クレフ?ここは…?』
『何でアスコットと一緒だった?ヒカルやフウはどうした?』
彼女の疑問はもっともなのに、それを無視して自分の質問を投げ掛ける。
別に彼女を信用していない訳ではないのに、返ってくる答えもほとんどわかっているのに、わざわざその口から返事を請うのだ。
『何でって、見てたらたまたま会って…仕事が終わったとこだって言うから…
光も風も…決まってるでしょう?一緒にいる人がいるんだから、私が一緒にいたら邪魔に……』
私の質問に不思議そうに、不満そうにしながらも返答する彼女があまりにも予想通りで。
アスコットの想いに未だ気付いてすらない彼女を責める資格なんてないのに、
二人で楽しそうに笑っている姿を思い出し、ふつふつと湧き上がる醜い感情が理性を支配していく。
『あいつのそばになどいるな』
反論は許さないとばかりに彼女の唇を己のそれで塞ぐ。
驚いて離れようとする身体を押さえ込み、更に深く深く…。
自分の言いたい事だけ押し付けて、何も言い返せない様に何度も唇を重ねた。
『な、によ。クレフが忙しいから…一緒に行くの無理って、言ったくせに…』
大きな蒼い瞳を潤ませながらも睨む様に見上げていた。
『ああ、そうだな。でも、ダメだ…』
彼女の髪を一房掬い上げ敬う様に唇を寄せた。
その仕草を見て一気に頬を染め上げる彼女に、今度は触れるだけの口付けを。
『少しなら、時間があるから…一緒に、見て回るか?』
本当は、そろそろ城に戻らねばならない頃合。
だがこのまま別れてまたアスコットと一緒になるかもしれない、そんな事が頭をよぎり咄嗟に出てきた台詞だった。
きつく抱き寄せていた手を離し、彼女に差し伸べた。
もう少し、もう少しだけ……
『いいの…?あ!そうだ!』
手を取ろうとした瞬間に何か思い出し、ごそごそと持っていた袋を探る。
中から出てきたのは、赤い果実。
城の近くでは栽培されていないので、あまり見る事のないものだった。
『アスコットの手伝いしたらね、店のおじさんにおまけに貰ったの!
クレフにあげようと思って。忙しくてどうせ何も食べてないんでしょう?』
始めて見たんだけど美味しかったのよ、と満面の笑みを向ける彼女は、
そのくるくると変わる表情でその心でいつも私を翻弄してくれる。
そして、私の醜い心を綺麗に浄化してくれるのだ。
『ああ・・・ありがとう』
彼女に貰った赤い果実は、とても瑞々しくてほんのりと甘かった
隣で笑う彼女の様に・・・
その頃アスコットは、人ごみの中で急に消えた海を一人探し続けていた。
[小説 依玖弥様・絵 チヤ]