香川大学医学部 探検部
劔岳 2,999m 2012年08月20-25日 メンバー:村田、福田、土居、西垣
劔岳登山メンバー
| マフィン (村田智洋) |
(マフィン基準で)「楽」 (マフィン基準で)「大丈夫」 (マフィン基準で)「余裕」 (マフィン基準で)「高低差無い」 (マフィン基準で)「足は動く」 (マフィン基準で)「ちょっとした岩場」 登山に対する経験と知識はODSCでもピカ一なマフィンさん。 去年の登山研修で未踏の剱岳を目指すべく、強引にメンツを集めることに成功。この勢いで夏合宿も成功なるか? |
| 福ちゃん |
我らが部長、福ちゃん先輩! その温厚な性格でどんな問題児でも借りてきた猫状態にしてしまうという…。 活動にも積極的でよく登山してるイメージです。 たまには部室で貸出用と化しているクロスバイクのことも思い出してあげて下さい(笑) |
| 土居ちゃん |
まず最初に、土居さんが日本アルプスに登ることになろうとは…。 イメージは三木町周辺の山々なので(笑) とはいうもののプレの赤星山では、難なく登頂されました! がしかし、直後に下りが弱点ということが発覚! でもきっと土居さんなら大丈夫!(でも無理はしないでくださいね) 三木町の山々から、この夏「日本の屋根」に飛び立ちます! |
| ガッキー (西垣新) |
ODSC内でもトップクラスの頑張り屋、ガッキー。 某M先輩の無茶な頼みにもよく応えてくれます(泣) 「ガッキー、掃除機貸してー。むしろ掃除してくれん?」 「ガッキー、○月△日にクライミング行くからおいで。」 「ガッキー、登山決まったから来て。」 「ガッキー、今回の夏合宿に当然行くよね??」 頑張れガッキー!負けるなガッキー!! 隙を見せるとODSCの先輩は容赦なくつけ込んでくるぞ(笑) ちなみに、チャリをこよなく愛しているようだが、 強引、適当、掃除嫌いで悪名高い某先輩はクライミングの後継者として君を狙っています。 |
山行予定
| 2012年08月20日 | 香川→富山移動日 | ||
|---|---|---|---|
| 0700 | 医大集合 | ||
| 0747 | 高速三木 | ||
| 1051 | 大阪駅バスターミナル→昼食 | ||
| 1342 | 大阪駅発特急サンダーバード | ||
| 1707 | 富山駅→宿泊 | ||
| 2012年08月21日 | アタック前登山日 | ||
|---|---|---|---|
| 0630 | 富山駅発 | ||
| 0900 | 室堂バスターミナル | ||
| 1000 | 室堂発 ミクリガ池→リンドウ池経由 | ||
| 1050-1055 | (下り)雷鳥平 | ||
| 1150(CT1:20+10) | 新室堂乗越 | ||
| 1320(CT40+10) | 別山乗越(WCあり) | ||
| 1410(CT30+10)剣澤小屋 | 剣澤小屋(水場あり) | ||
| 1450 | 剣山荘(水場あり) | ||
| 1510 | 水分補給 CLは宿泊手続 | ||
| 1600 | ラジオ等で翌日の天候を確認 | ||
| 食事&翌日朝の食事の用意終了 | |||
| 翌日のアタック準備 | |||
| 1800 | 就寝 | ||
| 2012年08月22日 | アタック日 | ||
|---|---|---|---|
| 0400 | 起床 | ||
| 0500 | 水分補給&食事終了→天候確認、準備 | ||
| 0530(早いほどよい) | 剣山荘発 | ||
| 0620(CT1:20+10) | 一服剣 武蔵のコル(ガレ場)→前剣大岩(鎖場) | ||
| 0750(CT50+20) | 前剣 前剣の門→平蔵の頭 | ||
| 0900(CT50+20) | 平蔵のコル 登りはカニのたてばい | ||
| 1010(CT40+30)(limit1200) | 剣岳山頂 下りはカニのよこばい | ||
| 1120(CT50+20) | 平蔵のコル | ||
| 1230(CT50+20) | 前剣 | ||
| 1340(CT50+20) | 一服剣 | ||
| 1430(CT40+10) | 剣山荘 | ||
| 1500 | 水分補給、CLは宿泊手続き | ||
| 1600 | 天候確認、食事終了、翌日の下山準備 | ||
| 1800 | 就寝 | ||
| 2012年08月23日 | アタック後下山日 | ||
|---|---|---|---|
| 0430 | 起床 | ||
| 0600 | 水分補給&食事終了、天候確認、準備 | ||
| 0630 | 剣山荘発 | ||
| 0720(CT1:00+10) | 剣澤小屋 | ||
| 0830(CT1:20+10) | 別山乗越 | ||
| 1000(CT20+10) | 雷鳥平→雷鳥沢、地獄谷経由 | ||
| 1030 | 鍛冶屋地獄 | ||
| 1045 | ミクリガ池温泉 | ||
| 1145 | 温泉発 | ||
| 1200 | 室堂着 | ||
| 1400 | 室堂発(バス) 次のバスは1600のみ | ||
| 1620 | 富山駅着 | ||
| 2012年08月24日 | 富山→香川移動日 | ||
|---|---|---|---|
| 0800 | ホテル発 | ||
| 富山観光 | |||
| 1116 | 富山駅発 | ||
| 1437 | 大阪駅着 | ||
| 1530 | 大阪(梅田)発 | ||
| 1808 | 高速三木着 | ||
| 片付け | |||
| 2012年08月25日 | 予備日1日 | ||
|---|---|---|---|
感想 医学科5年 村田 智洋
山が好きかと聞かれるといつも返答に困ってました。
楽しかった記憶よりも辛かった記憶の方が多いからです。
そもそも一年生の冬にODSCに入ったきっかけが、 先に入っていたラグビー部の地獄から少しでも逃げれる癒しの場所を求めてといういい加減なものでした。 ロッククライミングをしたいということもありましたがそれ以上に、 ラグビーのむさい男の世界と違って先輩が可愛い、優しい、しごきがないという感動がありました。 そんな勘違いも束の間で。登山に行こうと言われたときは頭の中が疑問符で一杯だったのを覚えています 。季節的な事情もあるんですが、それまでロッククライミングばかりやってきましたから。 ODSCって登山する部活なの?って。 登山に行くようになってからいつも心の中で「騙された!」と思ってました。 先輩はさらっとしごいてくるし、しんどいじゃねぇかって(笑)
そこからはずっと山が嫌いで嫌いで。 先輩が計画してくれるから行かなきゃいけないし、自分もいつのまにか先輩になってるから計画しなきゃいけない。 何がきついって土曜日にラグビーの練習があるから、翌日の登山では足の疲労がMAXの状態でスタート。 はじめから足がパンパン。それでも、やらなきゃいけないんだと勝手に思い込んで(笑)。 嫌々ながらも休日はラグビーの試合か活動で埋まるという生活をしているうちに学年が進んで、 徐々に登山面白いかもと思いはじめました。 ところが、やる気になっても今度は人が集まらない。 仕方がないから一人で歩荷訓練やロープ練習をして、 授業中には登山書や地図を開いて…はたから見れば完全にキチ○イ、暴走部長でした。
学生生活の思い出なんて、夏休みは西医と山ばかりだし、3Kどころかムサイ、モテナイまで加わって腐臭を放ってます。 海外旅行とか華やかな学生生活なんてまったくの無縁です。 うきうきして行った山岳研修なんて、蓋を開けてみたら、 山行中に「この崖から飛び降りたら楽になれる。と思ってしまうくらいの地獄でした。 それでも大学生活最後のCL(ガイド?)を終えた今、残っているのは満足感、やってきてよかったなという気持ちです。 今回の登山で自分の中で培ってきた知識、技術、経験が揮えたという喜び、 そして地獄のような日々も少しは報われたのかなと思えるのが何よりも嬉しいです。
山頂へのアタックではクライミングの技術を使えました。 ただ、思った以上に後輩たちが手こずっていて、 もっと一緒に訓練しておけばもっとアタックにかかる時間を短縮できたと反省しました。 クライミング技術の応用もしたのですが、まだまだ改善のしたいことは多いです。 ほかにもクライミング技術に限らず、色んな技術をこの計画にちりばめることができました。 そしてこうしたらもっと良かったなと思うことも多々あります。 それらも含めて、機会があればまた後輩たちに教えたいと思います。
今回の登山で特に印象的だったのは天候でした。山行近日に落雷事故で多くの方が亡くなっていたからです。 天気図からの天候の予測では自他共に天候には恵まれないのではないかと思っていました。 夏型の高気圧配置(張り出し)は弱まっていましたし、 南の熱帯性低気圧の影響で不安定な天候(雷雲の発生)になるのではないかと。 山行中は天候の変化に注意を払い、観天望気やガスや気流などを考えていました。 山頂から降りて山小屋に向かう途中で、今までの風とは違う冷たい風が吹いたときは自分の中での危険信号がともりました。 それまでも天候悪化の条件はどんどん揃ってきてましたし、 その風は自分の経験上や知識から天候の悪化の予兆だと思ったからです。 最悪の場合、雷が来ると思っていました。 実際にその後に雨が(小雨ですが)降りましたし、 時間も遅く悪天候(雨と雷)の気配が濃厚だったので後輩たちを急がせました 。山小屋に戻って夜空を見て、近くはなかったのですが雷光が何度も瞬いてるのを見て無事に下山させることができてよかったと思いました。 最後の活動でこんなにすばらしい登山が出来たことを嬉しく思います。 頑張ってきて良かったなと。まぁ、後輩たちはちょっと怖かったみたいですが。
今なら山が好きかと聞かれたら、好きだと答えることが出来ます。 きれいな景色を見ることが出来る。辛いこともしんどいこともたくさんある。 そして、辛いことやしんどいことは乗り越えられるし、乗り越えたら笑い話にすることすらできる。 なにより辛いからこそ思い出に残る。それらをひっくるめて登山の魅力だと思います。
部には道具も技術も揃っているのですから、 後輩たちもしんどいからと登山を避けないでぜひチャレンジして欲しいと思います 。少しくらいしんどかったり無茶をしたり馬鹿をした方が楽しいでしょう(たぶん) 最後に素晴らしい活動が出来たことを多くの人に感謝したいと思います。
感想 医学科4年 福田 真之
2012年8月20日(月)、5日間の旅が幕を開けました。
僕は兵庫県加古川駅からスタート。水色の大きなザックが人目を引きます。
自分ではなかなか様になってるんじゃないかなぁと思ってたんですがね。はい。
大阪駅で香川からバスで来た他のメンバーと合流しました。
マフィンさん、土居さん、がっきー、?…僕と彼らはどこか違ってました。
3人のリュックは60Lとか70L、片や僕は40L。僕のザックがまるで子供用のようでした。
みなさんごめんなさい。重いもの持つので許してください(笑)
サンダーバードで富山着。翌朝バスで登山口である室堂へ。 到着…初日本アルプス!か、ら、の…半端ない快晴っぷり!!最高のスタートでした。 「急だねー」「今で何分?」とかいいながらひたすら登って山小屋着。 山小屋「剣山荘」はなかなか立派な建物で、部屋も広々!そしてまさかのシャワー付き。 これならぐっすり寝て万全の体制で登頂に挑むことができそうです。
翌朝、いよいよ出発。晴れてたので、道中とにかく常に景色が壮大。 見渡せば日本アルプスの山々が見放題!登山道も、所々の鎖場が一つ一つ個性があっておもしろい! 予習していた「カニの縦ばい」は確かに急で、今登山初のクライミング技術の見せ所でした。 少々時間はかかりますが、安全を期するためには仕方のないところです。 剣岳を登ってて感じたことは、お爺ちゃんお婆ちゃんのなんと多いこと! まぁ平日だったこともありますが。鎖場も含め急な岩場もちらほらある登山道を、 元気に登って行かれるのを見て凄いなぁと思いました。 やはり登山は一生続けられるスポーツのようですね。 さぁ頂上!…既に曇ってました。ちょっと登頂が遅かったです。 それでも達成感は十分でした。頂上で飛び跳ねたのもいい思い出です。 下山は大変でしたね。「カニの横ばい」はマジで怖いです。 ここを確保なしで通過するなんて怖すぎます。 まぁいろいろありましたが無事山小屋に辿り着き、おいしい晩ごはんをいただきました。 夜は星が本当に綺麗でした。誰も「これくらいなら三木町でもみれるよー」なんて 言うはずありません。
翌日は下山あるのみ。途中で知り合った北海道からのご婦人2人とそのガイドさんと 抜きつ抜かれつを繰り返し、下山後には大量のお菓子をいただきました☆ 温泉もばっちり入りました!いやーもう達成感と解放感と旅行気分の再来でテンション 上がってましたね。やっぱり登山中は緊張しますから。 帰りの富山駅行きのバスでは全員爆睡。おつかれさまでした。
その夜は富山の繁華街で祝杯をあげました。 翌朝、早起きした僕は、富山名物の鱒寿司を食べるべくリサーチした店の前で開店前か ら並んでみました。お客は僕だけでしたが(笑)
最後に ガッキー、先輩の無茶ぶりに付き合ってくれてありがとう。 土居さん、なんか癒されました(笑) そして素晴らしい計画を立てていただいたマフィンさん、ありがとうございました。
感想 医学科4年 土居 智和
8番目鎖場 平蔵のコル
いままでの鎖場は、自分でもなんとかなるという確信のもと登っていた。プレ東
赤石山の岩場や、三木町北境の自主練早朝藪こぎの成果でそれなりに対応できて
いた。しかし、ここは難度が自分の判断を超えた。岩が立って鎖の先のゴールが
下から見えない。自分1人だと登る判断はしないだろう。狭い足場を見つけて体
を持ち上げると、少しだけ先が見えてくる。その繰り返しで突破する。登った後
は普段使いの集中力は底を尽きてしまった。ここから先は、気力が早明浦ダム貯
水率0%以下の状態で進むことになる。
9番目鎖場 カニのたてばい
先頭はマフィンさんがロープで自身の安全を確保しながら登る。福ちゃんが続
く。登る様子を見るに、岩の勾配が急で、捉まる場所がなければ大岩に張りつい
ても自由落下しそうだ。自分は3番目。足場のボルトはまばらなので足を置く箇
所と順番は容易に分かる。問題は如何にミスをしないか、無用な恐怖心で冷静を
失わないか。カニのたてばい、登りはじめる。ロープで安全を確保してあること
は頭で理解しているが、恐怖心を和らげるにはロープ経験不足。ボルトを伝うの
に意外と足を開く。岩に体を近づけすぎると自分自身が岩を押す反発力で落ちそ
うで怖くなる。岩の角度が急で休む余裕がない。ちょっと無理目でも登れるうち
に登ってしまう。余裕はないが行ってしまう。最後にガッキーが登り、ロープを
回収する。
カニのたてばいから頂上まで地味に長い。鎖場はないが、岩場をどこに足を置い
て進んでいくか、悩む程度に険しい。頂上で大休憩。行動食のオレオをつまんで
腰を落とすが、帰路が気になって落ち着かない。ちゃんと帰って来れるのか。下
りのほうが自分は苦手だ。膝は大丈夫なのか。岩場が急すぎて愛用のダブルス
トックが使えてないので負担は大きいはずだ。相当不安。不安だろうが何だろう
が自分の足で帰るしか手段はないのだが。
10番目鎖場 カニのよこばい
カニのよこばいの直前の下りの鎖場。マフィンさんがロープ無しで行けそうか問
う。何でも懸垂下降を使ってみたいらしい。一見大丈夫そうだが、じゃあ一歩一
歩何処に足を置くのかと考えると、しんどい。一番可能性の高い足場は見える
が、どの程度の可能性なのか、判断する技量・気力が欠けている。
結局、エイト環というものを使って懸垂下降を試みる。なんでも、楽に、素早く
降りられるということらしい。しかし自分がやってみると、体重のかけ方が分か
らず降りられず止まったまま。ロープが信頼できていないので、常時握力は自分
の体重を支えている。止まっていても握力は消耗していく。多分今の状態が悪い
のだから、いまロープの緊張している側を緩めばいいのだろうか?結局、勘を
つかめないままモタモタ降りていく。
カニのよこばいの最初の一歩が見えない。右足を安全圏に残しながら、左足を伸
ばして最初の一歩をさぐる。が、届かない。もっと右足を左に寄せているうち
に、右足が岩場の間に挟まって抜けなくなる。右足を抜くのにバランスを崩すの
を恐れながら、試行錯誤して右足を抜き、体勢を立て直す。右足を確保すること
は諦めた。一瞬両腕の鎖に体重を預けて、最初の一歩が見えないまま左足を奥に
下ろす。足場、あった。最初の一歩をクリアすると、カニのよこばい全体は難し
くない。それにしてもこのカラビナ、鎖に付けたり外したりしていると手元に集
中することになるので、足下の恐怖心を緩和してくれる。できるだけカラビナは
使って行こう。
カニのよこばいの最後に降りる垂直梯子がある。この梯子の横棒が、スタートの
地面から一段だけ高く余分にあって、その余分な横棒に足がひっかかって、梯子
を降りはじめる姿勢にならない。まず余分な横棒を利き足の左足でまたぎ、両手
でその横棒を掴む。ここまではできる。だが残る右足が横棒より上にあがらな
い。コツンコツンと右足が横棒に当たり、決して超えない。なぜか、これ以上足
があがらない。いったん梯子から離れて体勢を立て直す。足がガクガク震えて制
御できないのではない。関節の曲がる限界でもない。両手は自重以上の握力をか
けているので、足を踏み外しても即落下ではないことは分かっている。しかし、
右足が最後の一線を決して越えようとしない。何回かやってみたが結果は同じ。
ロープで上から支えてもらっても同じ。考え直し、足の順番を左右逆にすると、
あっけなく左足は横棒を超える。いままでの苦労は何だったのか。いったん降り
る姿勢が作れると、何の問題もなく梯子を最後まで降りることができた。
11番目鎖場 平蔵のコル
12番目鎖場 平蔵の頭
13番目鎖場 前剱の門
厳しい鎖場を進んでいく。カラビナを使うと、手元を見ることになるので不要な
恐怖心が生まれない。カラビナは最後まで使おう。儀式のように当然のように、
使わなくても大丈夫かと思っても、カラビナに固執する。そうすると少しでも安
心するのだ。カラビナを使うか使わないかの判断をしたくない。それよりも足場
を探すことに集中したい。頂上前で普段の集中力は尽きてるけれど。カラビナの
せいか時間を費やしてしまった。早朝5時出発、頂上到着が12時だったか。17時
にはシャワー門限と夕食があるのでそれが当面の目標。タイムコース的には間に
合うはずだが、岩場続きで、下りでもスピードがあがらない。
4番目鎖場 前剱
3番目鎖場 前剱大岩
2番目鎖場
1番目鎖場
鎖場の番号が13から唐突に4に戻る。どういうこと?ああ、鎖が往路と共用に
なったのか。4→3→2→1だから、残りはさらに鎖場が3つ。見たことがある鎖なので
知らない不安が無いのは助かる。まだ粘着してカラビナを使う。17時を過ぎるこ
とが濃厚になってきた。雲が黒い。マフィンさんが、しきりに曇天を、落雷を心
配している、急かす、休憩なく降りる。懸垂下降で握力を使いすぎたのか、尺骨
神経がしびれる感じがする。でも握力は残っている。岩を掴むと感触がある。懸
念の膝も悲鳴を(まだ)あげていない。ようやく山荘が見えてきた。時間さえあ
れば戻れそうだ。暗くなる前に戻れるか。
山荘が見えてからも長かったが、日没までに山荘に着いた。もう他の宿泊客は夕
食を終えていた。味噌汁をすすったとき、12時間以上続いた緊張が解けて涙が出
てきた。生還したのだ。
感想 医学科2年 西垣 新
剱岳は初めての日本アルプスの山ということで、期待に胸を膨らませつつも不安も抱いていました。
初日は、バスを降りたところから山小屋まで歩きましたが、 標高が2500mを越えていることもあり軽く高山病になってしまったので、薬を飲みました。 初めての経験でしたが、頭痛がずっと続くのはなかなか辛かったです。 この日は、水洗トイレにシャワー完備というハイクオリティーな山小屋に泊まり次の日に山頂へアタックしました。 夜中にコーヒーや紅茶を飲みながら眺める星空は非常に綺麗でした。
山行を始めてすぐに半袖で登ったことを後悔するほど日差しが強くなり、 山での日焼け対策の大事さを再確認しました。 山頂に近づくに連れて鎖場が多くなり一歩踏み外したら死ぬんじゃないかと思うほどの岩場だらけになり、 非常に緊張しながら足を運んでいました。 そんな中、確保もせずに鎖一本だけでスイスイ登って行くおじいさんおばあさん方はタフだなぁと思いました。 また、岩場ではほぼ垂直に登らなければならない場面もあり、 その際に今までに少しクライミングでかじっていたコツを用いて登ることができたので、 体力を節約することができ、あまり恐怖を感じることがありませんでした。 そんなたいへんな道のりだったので頂上に到着したときの達成感はとても大きいものでした。 しかし山行が遅れ気味で下山したときには暗くなり始めているという状態で、不安になりながら下山しました。 結局、全員怪我もなく無事下山することが出来たので良かったです。 活動が終わった後のご飯は最高でした。
活動を通して、鎖場では確保して移動するのがきちんとした技術がある場合は最善ですが、 技術が未熟だったり山行が遅くなり過ぎる場合は逆に危険性が増す場合もあるのだと勉強になりました。 また、これ程の高い山に登ることは初めての経験で、 いくつも難所がありましたがメンバーと共に乗り越えることができ、 他では体験できないような非常に貴重なものでした。
最後に、CLのマフィンさん始め連れていって頂いた先輩方ありがとうございました。
