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外伝「賤ヶ岳の変」
別に、どこがどう悪いわけではないのだが、
一般論として世間には鬱陶しい小姑がいる。
そう、濃姫は感じていた。
欲しくてもそう言わない。相手に重いから。
欲しくてもそう言わない。自分が重いから。
こういう小姑が濃姫は一般論として嫌だった。
一方、信長にはお市という妹がいた。
戦国一の女性はどちらかと取り沙汰された。
ちょうどよい機会かも知れない。
そう濃姫は感じ、武器を取った。
「天下一ということ
あの人の隣にいるということ
外伝、賤ヶ岳の変
あの人とならば・・・地獄まで」
お市
「戦国一の美女を定めるために争うなど詮無きこと」
濃姫
「そうね 決まり切ったことだもの」
お市
「ではお義姉様、大人しく軍を退いてください」
濃姫
「・・・戦は避けられない 分かっていない小娘がいるもの」
信長
「戦え、お濃、市 天下一にあらずは無ぞ!」
濃姫
「覇王の妻として負けられないわね」
お市
「また煽る・・・ お兄様は本当に混乱がお好きだこと・・・
美しさを示すのに浅井を討つなんて違いませんか?」
濃姫
「そう思うなら、指をくわえて黙ってなさい」
阿国
「道に迷て、なんや修羅場に来てしもたわ
やあ、かいらし嬢ちゃんや
うちは可愛い子の味方どすえ」
遠藤直経
「お市様より美しいなどと、不届き千万!」
濃姫
「この私を見ても、そんなこと言えるの?
いいわ 私のこと、忘れられなくしてあげる
どう? 死ぬまで忘れられないでしょう?」
阿国
「可愛いお嬢ちゃんに手ぇ上げるやなんて!
このけだもの! いわすえ!」
ねね
「こら! 二人とも、ケンカはやめなさい!」
濃姫
「ねねはもちろん、私の味方よね?
秀吉の身は、大切よね?」
ねね
「うー・・・お濃様の味方です けどケンカは・・・ダメ・・・」
濃姫
「邪魔よ いじめられたくなければ帰りなさい
今は天下一の美女を決めているの」
阿国
「天下一の美女・・・ うちと違います?」
濃姫
「分かったわ・・・ 望み通りいじめてあげる」
阿国
「力技やわ〜 なんでもありやな
出雲に帰ろ」
長政
「このままでは市が危ない!
市への愛のため、義姉上を討つ!
義姉上に槍を向ける不義、お許しください!」
濃姫
「構わないわ 返り討ちにしてあげるから」
お市
「美の天下一などは自ずと決まる宿命でしょう?」
濃姫
「違うわ それをたっぷり教えてあげる」
長政
「義姉上は強い・・・そしてお美しい・・・
さすがは市の義姉上だ・・・」
濃姫
「その市への愛、大切になさい」
お市
「・・・どうしても天下一に挑むならば、受けて立ちます」
濃姫
「やっと本音が出たわね
我慢してるときより百倍素敵よ、市・・・」
お市
「お義姉様に味方するなら、よくお聞きなさい
あなたはお義姉様の・・・
化粧の下の素顔を見たことがないのですよ?」
濃姫
「宿命ってのはね、覆すものなのよ」
お市
「ならば、証明してください!
さすがはお義姉様 私も本気でいきます!」
濃姫
「これで、私が天下一の・・・」
ァ千代
「その言葉、待たれよ!
立花に勝たず天下一を名乗るなど、笑止!」
濃姫
「面白いことを言うのね
いいわ、天下一の美女を決めましょう!」
ねね
「いまいち会話がかみ合ってないよ」
ァ千代
「これは女の真剣勝負 殿方は下がられよ
さもなくば・・・痛い目を見ることになる!」
ねね
「やっぱりケンカはよくないよ!
ケンカを止めるため、お濃様と戦うよ!」
濃姫
「私に逆らうなんて・・・秀吉がどうなってもいいの?」
ねね
「う・・・でも、ケンカはダメだから・・・」
ァ千代
「天下一の称号は、立花家当主にこそふさわしい」
濃姫
「どういう根拠よ・・・」
ァ千代
「立花に勝ちし貴様こそ天下一よ!」
ねね
「お濃様、強い! 私でケンカを止められるか疑問・・・」
濃姫
「疑問の答えはすぐに教えてあげるわ 待ってなさい」
稲姫
「天下一の女性を・・・
私なしで決められるはずがありません!」
ねね
「ケンカを止めるため、あたしも本気でいくよ!
・・・でも、あたしが負けてもうちの人だけは許してね」
濃姫
「・・・怯えすぎよ」
稲姫
「天下一の父を持つ私が、天下一なのは道理です!」
濃姫
「何てまっすぐな心なのかしら・・・
思わずへし折ってしまいたくなるわね」
稲姫
「濃姫様・・・素敵です・・・」
濃姫
「そうでしょう?」
蘭丸
「な、何だこの修羅場は・・・!」
濃姫
「蘭丸、ここは天下一の美女を決める戦場・・・
特別に、あなたも可愛がってあげるわ」
蘭丸
「・・・な、何故!?」
ねね
「ど、どうか・・・うちの人だけは・・・」
濃姫
「冗談だったのに・・・どんなに私を恐れてるのよ・・・」
蘭丸
「もうよろしいでしょう おやめください!」
濃姫
「いいえ、まだ終わってないわ
あなたが残っているもの、蘭丸!」
蘭丸
「お濃様といえど、仕方ありません!」
濃姫
「いいわ・・・本気でいらっしゃい」
蘭丸
「こんな戦、本意でないのに・・・!」
濃姫
「天下一の美女は、この私よ
皆、私にひれ伏しなさい」
ムービー“クレジット2”
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