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3「三方ヶ原の戦い」1572

 

武田信玄は海賊を退治した。

 

信玄は世の乱れを痛感。民の苦しみを除き、

戦国に幕を引くには、天下に王道を布く

必要があると、上洛を決意する。

 

これに対し、三河の大名・徳川家康は、

最強の武田騎馬隊と信玄の軍略を前に、

敗北を覚悟しつつ、意地の戦いを挑む。

 

信玄と主・家康を守らんとする

三河武士との死戦が、

三方ヶ原で始まろうとしていた。

 

「平和のため兵を進める!

 意地のため武器を取る!

 第三話、三方ヶ原の戦い

 王道じゃのう」

 

信玄

「勝負は決したか・・・ 家康、おことはまだまだ若い

 さあて、仕上げといくかのう」

左近

「俺は島左近 信玄公の軍略を慕って参った」

信玄

「大和の島左近の名、聞いとるよ 優れた軍略家じゃ

 よかろう 存分に働いてもらうぞ

 何もせずに帰るのか? 手ぶらで帰すのは悪いのう

 帰る前に武田の恐ろしさ、味わっていくがよい

 ざっとこんなもんかね」

佐久間信盛

「この戦、勝ち目はない!

 我らも退くぞ!」

信玄

「逃げるかね だが、簡単には逃がさんよ

 左近、おことは織田軍の相手をせい」

左近

「承った!」

忠勝

「殿軍は拙者に任されよ!

 拙者はここで敵を食い止める・・・ 半蔵、殿を頼む・・・」

半蔵

「・・・承知」

忠勝

「本多平八郎忠勝、今より死地に入る!」

信玄

「忠勝は相手にせんでよいぞ 強いでな

 此度の戦、家康を逃がさぬことが肝要ぞ!」

武田勝頼

「何の! 武田騎馬隊に倒せぬ敵などない!」

忠勝

「何人であろうと、この道にいるものは・・・斬る!」

信玄

「剛毅な男じゃのう」

物見

「この先は地形が入り組んでおります ご注意を!」

信玄

「まだまだわしの足元にも及ばぬよ、ひよっこ」

家康

「くっ、追いつかれてしまったか・・・

 かかったな、信玄・・・我は影武者よ・・・」

信玄

「家康の影武者・・・主のために命を捨てるか」

家康

「この砦さえ突破できれば浜松城は目の前ぞ!」

鳥居元忠

「殿、早くお逃げください!」

家康

「急ぎ砦を突破するのだ!

 くっ、殿の築く世見とうござった・・・」

信玄

「おことも影か 家康はよき主のようじゃな」

家康

「今の内じゃ 逃げるぞ!」

渡辺守綱

「武田よ! 徳川の底力みせてくれるわ!」

家康

「おお、よく来てくれた!」

榊原康政

「某が敵を引きつけます! 殿、お逃げください!」

家康

「くっ、追いつかれたか・・・

 殿を逃がせれば・・・この影の本望・・・」

信玄

「此度も影武者か・・・三河武士の忠、さすがじゃな

 皆、死を覚悟して影を務めおる・・・家康は果報者よ」

家康

「影たちの犠牲、無駄にはせぬ・・・生きて浜松城へ戻るぞ」

信玄

「侵略すること火のごとし・・・すべて押し潰すまでよ!」

左近

「おそるべし三河武士・・・

 誰ひとり、敵に背を向けて倒れていない」

家康

「今のうちに浜松城へ入るぞ! 急げ!」

信玄

「逃がさんよ」

家康

「家臣の犠牲を無にしてなるものか・・・

 どれだけ無様であろうと、必ず生きのびる!」

 

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