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第五章
織田信長に明智光秀が謀反を起こすという
歴史的瞬間を目の当たりにした慶次。
人と人が繰り広げるさまざまな出会いに
思いをはせ、慶次は美濃・稲葉山へと
辿り着いた。
しかし、そこで慶次を待ち受けていたのは、
思いもかけない人物との苦い再会であった。
慶次
「新緑か・・・出会いの季節かな」
仏滅の日
慶次
「へーえ、いい所だなぁ」
半蔵
「・・・・・・久しぶりだね、慶次君」
慶次
「お前は・・・・・・半兵衛・・・・・・!?
半兵衛・・・・・・まさかお前に会うとはな」
半兵衛
「僕も君と会う日が来ようとは思っていなかった」
慶次
「ここには・・・・・・・・・お前一人しかいないのか?」
半兵衛
「そうだよ、僕はここを秀吉から預かったんだ」
豊臣軍武将
「それがしも、枕を並べて朽ちる覚悟・・・!
なんと・・・! 援軍を断たれたか・・・!
不利など認めぬ、持ちこたえろぉ!」
半兵衛
「そこは守るようにと言った筈だよ」
豊臣軍兵士
「半兵衛様、も、申し訳ありません・・・!
なんて強さだ! 味方があんなに・・・」
慶次
「相変わらず涼しい目をしてんな・・・
俺はその目が昔から大ッ嫌いだった」
京都花街組頭
「あの砲台を放置すれば、全滅の恐れあり
逆に砲台を奪えば、勝機は我らの物です!」
慶次
「秀吉、か・・・・・・」
半兵衛
「気になるのかい?
だったら自分で会いに行くといいよ」
慶次
「俺は、秀吉なんかに用はない」
半兵衛
「やれやれ・・・
まだあの事にこだわっているみたいだね」
豊臣軍兵士
「やべえ、こりゃまずい!」
豊臣軍武将
「あ、あり得ん! あり得んことだ!」
半兵衛
「秀吉の事は忘れたんじゃなかったのかい?」
慶次
「・・・・・・・・・・・・」
半兵衛
「ためらいがないね・・・兵達にも見習わせたいよ
秀吉は君の事なんか忘れている
君は秀吉にとっては、単なる過去だからね」
豊臣軍兵士
「やりやがったな!」
半兵衛
「良くないな、別の手を講じようか
慌てず騒がず、君達にできる事をやるんだ」
京都花街組頭
「これより援護射撃に入る! 支援砲火開始!」
半兵衛
「八雲が・・・奪われたって? なんてことだ・・・!」
豊臣軍武将
「我らでは持ちこたえられませぬ!」
半兵衛
「おかしいね・・・そんなはずはないのだけれど」
豊臣軍兵士
「せっかくだから、俺は逃げるぜ!」
慶次
「おまえは秀吉の友達なんかじゃねえ
友達だったら・・・秀吉を止めたはずだ」
半兵衛
「時間はまだある・・・慌てるな・・・」
豊臣軍武将
「力の限り戦った・・・悔いはない」
半兵衛
「僕は君のことが嫌いだ
慶次君、君もそうだろう?」
豊臣軍兵士
「お偉いさんがやられちまった!」
半兵衛
「大丈夫だ、怖気づいては相手の思うつぼだよ」
豊臣軍兵士
「くそっ、あいつのせいでこの戦は負けだ!」
半兵衛
「思わず投げやりな指示を出したくなるね」
豊臣軍武将
「仇は・・・仇は拙者が討つ!
秀吉様の親友にて無条件の信頼を受ける人物・・・
それがこの城の主、竹中半兵衛様よ!
相当の手練・・・だがそれもどこまでもつかな?
黄泉の国にて・・・待っておるぞ!」
豊臣軍兵士
「恐れるんじゃねえ! 前へ出ろー!」
豊臣軍武将
「皆の者、恐れるな! 奴も人の子ぞ!」
慶次
「秀吉秀吉って、そんなにあいつが大事か?
あいつは・・・自分のためなら何でもする男だ!」
半兵衛
「本当にそう思っているのかい?
秀吉も人だ・・・悩み、傷つき、苦しむ」
慶次
「苦しむぐらいだったら何故あんなことをした!」
半兵衛
「ふう・・・落ち着きのない戦になったね」
実機ムービー
慶次
「胸くそ悪いな」
半兵衛
「やれやれ、君はいつまでも昔のままだね」
慶次
「何?」
半兵衛
「僕の勘違いだったよ
君なんか・・・秀吉の障害にもなり得ない」
慶次
「半兵衛・・・!」
半兵衛
「怒ったのかい?
図星を指されると、人は腹が立つからね」
慶次
「お前はいつも秀吉の側にいた!
秀吉を止めることだってできたはずだ!」
半兵衛
「それに反論する気はないよ・・・残念だけどね
秀吉は苦しみを乗り越え、大きくなっていく
だけどその間、君は一体何をしていた?
君はいつまでも昔の君でしかない
未来を見据える秀吉を、君は責められるのか?」
慶次
「俺は全てを大切にしてえ!
俺は捨てない! 過去も未来も人の気持ちも!
・・・今分かった・・・俺が秀吉の目を覚まさせる!」
豊臣軍兵士
「嘘だろ? こんな所で終りだなんて」
半兵衛
「往生際の悪いことだ・・・時間だけが過ぎて行く
そこに伏せていたまえ
君には、それがお似合いだ
許してほしければ跪いてねだるんだね
無駄だ、君に秀吉は斬れないよ」
実機ムービー
半兵衛
「ぐふっ、ごほっ!」
慶次
「待て! 話はまだ済んでねえ!」
半兵衛
「次に会う時は、いくら君が秀吉の昔馴染みだろうと
・・・容赦はしない」
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