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第十六話・死線
西暦1598年(慶長3年)
8月16日
肥前国 名護屋
妖星降臨まで
あと・・・一六刻(32時間)
宗矩
「よお
待たせるじゃねえか」
茜
「宗矩!」
宗矩
「おぉっと
しつけぇなぁ 茜
よっぽどこの首が
欲しいんだなあ オマエは
いや あのジジイは」
茜
「宗叔父
最後に
爺ちゃんの話を聞いてくれ
オマエの眼のことだ」
宗矩
「聞きたくもねぇなぁ
母上を殺した
男の話なんざぁ」
茜
「爺ちゃんは絶対
言うなって言ったけど・・・
それは
ちがうんだ・・・」
宗矩
「違うもんかよぉ!
鬼ノ眼を植え付けるため
俺の眼をえぐり
母上の・・・
自分の妻の眼を
くりぬくヤツなど・・・
幻魔以下じゃねえか!」
茜
「そうじゃない!
その眼は事故で重傷を負った
宗叔父の命を助けようと
婆ちゃんが命がけで
オマエに与えたんだ」
宗矩
「嘘言ってんじゃねぇ・・・」
茜
「本当なんだよ・・・
宗叔父」
宗矩
「そんな・・・
ばかなこと・・・
それじゃぁ
今までの俺は・・・
いったい
何だったんだぁ・・・
なあんてなぁ!
関係ねぇんだよ
その程度のことはなぁ!」
茜
「その程度・・・
その程度なのかよ・・・
宗叔父・・・」
宗矩
「ここまでやって
いまさら引っ込みつかねえっつーの!」
茜
「オマエ・・・
周りの人達の優しさを・・・
なんで
わかってやれないんだ!」
宗矩
「御高説 いたみいりまする
柳生茜殿」
蒼鬼
「テメエは
やっぱり
只の悪党だな・・・」
茜
「もう容赦しねえぞ・・・
柳生・・・宗矩!」
宗矩
「なんだよ
やられちゃったよ
おお・・・おお・・・
血がこんなに
けっこう痛ぇな」
茜
「な・・・何なんだ
オマエ・・・」
宗矩
「何でもねぇんだよ
このくらいよぉ」
蒼鬼
「オマエ 幻魔蟲を・・・」
宗矩
「どうだかなぁ?」
オフィーリア
「妾の大切な連合いを
殺らせるわけにはいかんのでのう」
蒼鬼
「オフィーリア・・・!!」
オフィーリア
「お主ら如き虫ケラに
我らが目的の
邪魔はさせぬ
創造神復活まで
あと一日じゃ!
オマエ達に
もう成す術はない!
創造神の降臨した後も
生きて地獄を這いずるがいい
天下が幻魔の
楽園と化すのを
そこで指を咥えて
見ておるがよいわ!!」
宗矩
「あばよぉ」
茜
「待ちやがれぇ!!」
蒼鬼
「急がねぇと!!
くそぉ!」
ロベルト
「駄目か・・・」
天海
「ヤツらが 京都側の装置を
破壊したのだろう」
茜
「チクショウ!!
アイツら!!」
お初
「どうするの?
この装置がなければ
もう間に合わないわ!!」
蒼鬼
「妖星が・・・
降臨する・・・!!」
茜
「チキショウ・・・
どうにか
ならねぇのかよぉおお!!
これじゃあ
何のために今まで!!」
みの吉
「方法は
あるでござる!!」
蒼鬼
「みの吉!!」
みの吉
「京にあった 明智光秀殿が
祀られている塚・・・」
天海
「明智塚か?」
みの吉
「左様でござる
そこまでなら
そのカラクリと
拙者の力を合わせれば
皆を送れるでござる!」
蒼鬼
「オマエ
いつの間にそんな・・・」
みの吉
「初めて
明智塚に行った時に
明智光秀殿が
語りかけてきたでござる
そして・・・
この力を与えて
くださったでござるよ
さあ
時間がないでござる!!」
蒼鬼
「ちょっと待て!!
オマエ そんなことして
大丈夫なのかよ!!」
みの吉
「詮索無用でござる!!」
蒼鬼
「みの吉・・・?」
みの吉
「みんな
サヨナラでござる」
茜
「みのちゃん・・・」
みの吉
「蒼鬼殿
必ず
天下を救ってくだされ!」
蒼鬼
「みの吉!!」
みの吉
「父上・・・
拙者もこれで・・・
侍になれた・・・で・・・
ござろう・・・か・・・」
茜
「みのちゃん!!」
西暦1598年(慶長3年)
8月17日
京
妖星降臨まで
あと・・・三刻(6時間)
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