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第二話・蒼い鬼
2年後・・・
西暦1598年(慶長3年)
1月30日
駿河国 原
蒼鬼
「来やがった
おい みの吉」
みの吉
「はいさ!」
蒼鬼
「準備はいいか?」
みの吉
「万端 整ってござる!」
蒼鬼
「手筈どおり行くぜ」
みの吉
「承知!」
団右衛門
「何用だ若造」
蒼鬼
「豊臣太閤殿下が御家臣
ご高名な武士と見受け
貴殿に折り入って
お願いがございまする」
団右衛門
「面白い
申してみるがよい」
蒼鬼
「その荷車置いて
ここから 立ち去って
くんねぇかな?」
団右衛門
「な・・・何をぬかすか!
これを太閤殿下の
荷と知っての狼藉か!」
蒼鬼
「太閤・・・秀吉ね・・・
とにかく その“桜”を置いて
とっとと消えろ・・・
団右衛門」
団右衛門
「某の名を知ってか・・・
貴様・・・
この百戦錬磨
血達磨団右衛門への侮辱
ただではすまぬぞ!」
蒼鬼
「やめとけって
オマエじゃ
勝てねぇ」
団右衛門
「こいつは
俺が相手をする
オマエ達は荷を
駿河の砦に届けるのだ」
蒼鬼
「そりゃ無理だな」
みの吉
「んちょおおおおう!!」
蒼鬼
「これで道は無くなった
このまま帰るか?
それとも
やるかい?
くせぇな・・・
おい オマエ
蟲を喰ったな?」
団右衛門
「太閤様より賜りし
武勇を上げる豊国蟲なら
たらふく喰ったわ
喰えば喰うほど
力がみなぎる」
蒼鬼
「そうか・・・
あの蟲を喰ったのか・・・
それじゃあ 俺は・・・
オマエを
斬らなきゃならない」
団右衛門
「小童
ずいぶん余計な
ことまで知っている!
殿下に仇なす盗人め!
名を名乗るがいい
いまここで
成敗してくれる」
蒼鬼
「俺の名か・・・
蟲憑きに名乗る名前はねえな!」
蒼鬼
「俺の名は蒼鬼・・・
灰燼の蒼鬼だ
団右衛門
成仏してくれよ
みの吉・・・」
みの吉
「はいさ!」
蒼鬼
「準備してくれ・・・」
みの吉
「・・・承知でござる」
柳生宗矩
「ほおぅ・・・
蟲憑きの団右衛門を
事も無げに討ち取りやがった
ヤツが秀吉様の“桜”を奪う
アオオニか・・・
ヤツは強いな
まあ しかし
所詮俺の敵ではない・・・
おい このまま
斬っちまうか?」
お初
「彼だわ・・・
見つけた
ようやく見つけた」
宗矩
「何?
これは何たる偶然
秀吉様に仇なす
アオオニとは
かの有名な
不忠者であったか・・・
しかし そうなれば
おいそれと斬るわけにも
いかなくなったな
策を練って出直しだ
ゆくぞ」
蒼鬼
「しょうがないんだ
こうするしかないんだ」
みの吉
「・・・わかってござる」
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