黒田官兵衛
「起きよ、半兵衛」
竹中半兵衛
「なんで昼寝の邪魔するかなあ」
黒田官兵衛
「遊兵を作らぬのが、勝利の鉄則だ」
竹中半兵衛
「百戦百勝は善の善なるものにあらず
休みなしで戦っちゃあ破滅するよ、官兵衛殿」
黒田官兵衛
「一組三丁の鉄砲が間断なく弾の嵐を見舞う
押し寄せた武田騎馬軍はなすすべなく絶望に沈む」
竹中半兵衛
「なんでそこまでやるかなあ」
黒田官兵衛
「世には英雄が多すぎる
そのうち、天をつかむ一人をのぞいた他のすべては
天下に争乱をもたらす火種にすぎぬ
世を泰平へ導く答えは
それら火種を完全に沈黙させることだ」
竹中半兵衛
「名軍師は言うことが違うなあ
でも、もっと賢いやり方があってもいいんじゃない?」
黒田官兵衛は、
同じく羽柴秀吉の軍師である
竹中半兵衛と共に
「両兵衛」と並び称される
当代きっての軍師である。
天正3年(1575)、
武田信玄の死後、
その跡を継いだ勝頼は
父の遺志を果たさんと上洛を敢行。
これに対して魔王・織田信長は、
この機に武田を滅ぼさんと、
長篠で待ち構えた。
完璧な策で
敵を完全に沈黙させる官兵衛。
意表を突く奇策で敵を翻弄する
半兵衛。両兵衛の軍略の競演が、
始まる。
「戦乱の火種を消し去る。それが私の使命だ。
第一話 長篠の戦い
手段は選ばぬ」