浅井家臣
「長政様!
織田信長様、越前朝倉領に侵攻!」
浅井家臣
「織田に服すか、朝倉との義を貫くか…
浅井の誇りに殉ずるならば
朝倉と命運をともにすべきなのでござりましょう
されど、今は乱世…さすれば…!」
浅井長政
「義兄上はお強い」
浅井家臣
「…は?」
浅井長政
「それがしの力では、とても義兄上の支えにもなれぬ
だが、義景殿が頼れるのは
それがしだけなのだ」
信長という
苛烈な兄を持つお市にとって、
長政の純粋な心こそ
魅力であった。
しかし、その純粋さが
お市の幸せを揺るがすことになる。
斎藤を滅ぼした信長は
越前・朝倉に侵攻。
しかし、長政の清き心は、
古くからの盟友朝倉家の滅亡を
見逃せなかった。
この決断が、
今、姉川を挟んでの、
織田・徳川軍対、
浅井・朝倉軍の決戦をもたらす。
兄を敵に回すことになったお市は
揺れる思いで長政の傍らにあった。
「あの人の優しさが…私を少し、不安にさせる。
第三話 姉川の戦い
愛は、私を強くする」
浅井長政
「市
織田に戻ってほしい」
お市
「長政様!
長政様…私は…!」
浅井長政
「待っていてくれ
この地から争いを、憎しみをなくし
皆がともに手をとって暮らせる国を
それがしが築いてみせる」
お市
「そんな…
そんな国が、あるわけない…!
だから…! 一緒にいたいのに…!
待って!
長政様…!
ここにある…
長政様の築く国は、ここにある…!」