若き天才剣士・佐々木小次郎は、
宮本武蔵の剣を間近に感じたくなった。
おりしも、織田信長幕下の重鎮
羽柴秀吉と柴田勝家がおのおの軍を率い、
模擬戦を行うと聞いた。
その顔ぶれたるや、
いずれも名だたる将ばかりである。
魔王の軍…行く手に立ちふさがれば、死。
武蔵の剣を感じるにこれ以上の舞台はない…
そう思った瞬間、小次郎の体は動いていた。
「武蔵、行こう
敵全て倒すか死かの、修羅の世界
外伝、天正御前仕合乱入
君の剣、僕は超える…!」
宮本武蔵
「小次郎、俺と一緒に戦いたいってのは…」
佐々木小次郎
「僕はただ君の剣を間近で感じたいだけさ」
柴田勝家
「乱入者か、大殿を恐れぬ不届き者め…!」
佐々木小次郎
「銃でも超えられない剣の壁を見せてあげる」
ガラシャ
「いよいよわらわの出番か? で、何をするのじゃ?」
佐々木小次郎
「君は何をするって聞いてたね…僕に斬られるのさ」
ガラシャ
「しょんぼりなのじゃ」
明智光秀
「我らの結束の強さを見てもらいます」
佐々木小次郎
「何の冗談? 笑えるよ」
小早川秀秋
「ひ、秀秋は光秀と一緒にやられとうない」
脇坂安治
「光秀殿、すまん」
赤座直保
「小次郎殿 私はこれより貴公の側につきますぞ」
小川祐忠
「私はこれより、小次郎殿にお味方する!」
明智光秀
「全員に裏切られてしまうとは…」
佐々木小次郎
「悲しいな…信じないでよ、人を」
宮本武蔵
「お前の剣…強ええぜ!」
佐々木小次郎
「君の剣もね…見てるとゾクゾクしてくるよ」
今川義元
「まろと蹴鞠ろうの? まろと蹴鞠ろうの?」
佐々木小次郎
「緊張感が無い人だなあ…僕が教えてあげるよ
恐怖という名の緊張感をね」
宮本武蔵
「天下無双は俺様だ 小次郎、お前には負けられねえ」
今川義元
「の? の、の、の〜!!」
佐々木小次郎
「あれ、逃げるんだ? どうしよっかなあ
見て見て、こんなに斬れたよ! 君も頑張って!」
今川義元
「つ…次…会ったときは仲よく蹴鞠ろうの…」
宮本武蔵
「ボロボロになっても求道精神貫いてやがる…!
毬と剣…道は違っても頭が下がるぜ…」
牢人
「野郎ども、やっちまいな!」
宮本武蔵
「お前、強ええな…だが俺のほうがもっと強ええ!」
前田利家
「俺が鬼柴田ンしたで仁義張ってる前田利家だ!
命要らねえ奴からかかってきな!
叔父貴が見てんだ…かっこ悪いトコ見せられっかよ
今度は本気でいくぜ!」
宮本武蔵
「すげえ気迫だ…」
佐々木小次郎
「叔父貴ばっか…叔父貴いなくなったらどうすんの?
可哀想だし、叔父貴より先に送ってあげるよ」
前田利家
「くうっ、悔しいぜえええ!」
佐々木小次郎
「なんか斬りがいないね」
宮本武蔵
「俺らにかなう奴はいねえ!」
柴田勝家
「わしと戦う気か 笑止!」
佐々木小次郎
「ほんとに笑えなくしてあげるよ」
柴田勝家
「わしが簡単にやられると思うたか」
羽柴秀吉
「おわっ! ここまで入られたんかっ!」
佐々木小次郎
「…って言う割には余裕で襲ってくるねえ」
羽柴秀吉
「悪りい、それ影武者だったんさ!」
佐々木小次郎
「こんな相手ばかりじゃ満足できないなあ
やっぱり僕には…」
柴田勝家
「かかってこい 返り討ちにしてくれるわ」
羽柴秀吉
「わしに任せて、柴田殿は引っ込んでいてくだされ」
柴田勝家
「わぬしに任せるなど、ありえぬわ!」
織田信長
「ククク…クク…フハハハハ…!」
佐々木小次郎
「前座の強い人たちを斬ってたら、真打ち降臨だよ
すごい威圧感だね…斬りがいがある
武蔵、この魔王を一緒に倒そう」
宮本武蔵
「おう! 任せとけ!
俺らが手を組むなんて反則みてえなもんだな」
佐々木小次郎
「そうだね、武蔵」
宮本武蔵
「あらかた倒したみたいだな」
佐々木小次郎
「うん… 武蔵、ひとつはっきりしたことがあるんだ
やっぱり僕は…君を斬らないと満足できない!」
宮本武蔵
「またかよ…しょうがねえ、相手んなってやるぜ!」
佐々木小次郎
「やはり君との命の削り合いは面白いなあ
武蔵、また斬り合おうね…絶対だよ」