
3月20日 曇りのち雪
天気予報は夕方から雨と言っていた。午前中の山登りなら大丈夫と宇都宮市の北にある通称”おはぐろさん”に登る事にした。鉛色の空の様子を窺いながら田原街道(県道63号線)を上河内方面へと走る。”おはぐろさん”とは羽黒山(458.2m)のことであり山頂の羽黒山神社創建以前は河内山と言われていたという。羽黒山神社は出羽三山を意識して創建されたそうで出羽の羽黒山から勧請されている。
毎年秋11月23〜24日に行われる祭礼”梵天まつり”は五穀豊穣、家内安全を願って梵天を神社に奉納する祭で、 町内、近在はもとより県外からも多くの見物客が訪れる。 江戸時代中期に収穫を感謝する行事として始められたといわれ、 およそ300年の歴史を持つ伝統ある祭です。
梵天とは、もともと修験や祈祷の幣束を竿の先に結び付けたものが原形で、 後に孟宗竹2本を藁縄で継いだ竿に麻やかんぴょう、 繭、檜のかんな引き、和紙などの特産品で作った房を付けるようになったもので、 現在では孟宗竹と真竹を継いだ15m程度の竿に和紙やビニールで房が作られています。 それを揃いのハッピ、鉢巻き、白足袋姿の若者が担ぎ、 「ホイサ、ホイサ」の掛け声も勇ましく、 今里の宿から3qほどの参道を羽黒山神社まで練り歩きます。 神社に次々と梵天奉納されると、祭も最高潮に達します。(河内町HPから)
こうした歴史と由緒ある羽黒山神社を頂く羽黒山は山頂付近の神社下までマイカーで登れる手軽さもあり河内町だけでなく宇都宮市民にも親しまれている。ところがそこはぺんぎん登山隊。近場の山ほど何にも知らないのん気な登山隊である。「マイカーで上がれる・・・」と聞いただけで「ヘン、チョロイチョロイ!」と後回しにしていたのが隠しのない現実である。いつでも登れると高をくくっていたところが山には行きたし、天気は悪しで今回急きょ自宅から最短距離の手頃な山といえる羽黒山に白羽の矢が立った訳なのである。
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県道63号線で田原町を過ぎ東北自動車道のガードをくぐる。100mほど進んだ左手に羽黒山神社の鳥居があり、ここが登山道入り口となる。いくら天気が崩れそうでも山頂付近までマイカーで登れようともぺんぎん登山隊も登山隊の端くれであることに変わりはなく、ちゃんと真面目に山麓の登山道から歩いて(這って?)登るのでした。(笑)
登山道は鳥居をくぐりアスファルトの道が砂利へと代わり、更に石畳に代わる辺りから急に勾配を増す。道端の壊れかけた道程碑が告げる”一丁、二丁”が励みとなる。丁度二丁で赤い鳥居をくぐり石畳の急坂を登りはじめる。十一丁で山頂直下の自動車道路を横断して”カラッソ坂”へと差し掛かる。
”カラッソ坂”とは山頂を目の前にした最後の急坂でここまで登ってくる間に身も心も煩悩から離れ清らかになる(カラッポになる)ことから名付けられたと言うことだ。「疲れた!」と言うのが煩悩で無ければそれ以外は確かに頭の中はカラッポになっている。急坂にはロープが張られ、横には木の階段が造られている。階段の段数は174段。「稲穂」から取って決められた段数だと案内板に書かれていた。
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”カラッソ坂”を登ると神社下の広場に出る。楽珍部隊ならここがマイカー駐車場となる。展望台もあり晴れていれば田園地帯を流れる鬼怒川から宇都宮市内の奥に筑波山が望める筈である。が、本日は生憎の曇天、しかも雪がチラチラ舞い出した空の下では宇都宮市内でさえも望めない状態である。展望台には登るが早々に退散。
天気も崩れ出したので広場を神社へと向かう。鳥居の先に長い石段。”夫婦杉”の前を通り過ぎ石段に喘ぎながら社殿前へと飛び出す。神社に参拝し、本殿横に奉納された色とりどりの梵天を眺め密嶽神社へと進む。無線中継塔、NHKテレビ塔の横を通り抜け坂を下ると密嶽神社前に出る。本殿の彫刻を眺めて帰路に着く。NHKテレビ塔横には二等三角点が道路に埋まっている。
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帰路、羽黒山神社本殿裏に延びる道を発見し寄り道。実は近道だと勝手に思い込んでいたのであるが、道の先にはカタパルトがあった。パラグライダーが飛び出す飛行基地である。鉄パイプで足場を組み、板を敷き詰め、防水用のビニールシートが敷いてあるだけの頼りないモノである。まあ、これから空に飛び出そうという人達が乗るのであるから充分と言えば充分な作りなのかも知れない。私は地に足が着いているのが大好きな人間であるから恐る恐る先端まで行ってみた。隊長は”チンもげ状態”にて撃沈!その後、ビクビク立っている私に「サッサと帰りな!」とばかり突風が吹き付け私も撃沈!!
雪が本降りとなって来たので下山開始。急坂の石畳は濡れると滑る。足元に気を付けながら一気に下る。雪に濡れた頭がひんやりして来た頃、登山口に到着。冷えた身体を温めるために車で10分程度の「梵天の湯」へ。雪降る中の露天風呂など楽しみながら半日登山は終了した。