那須の山 黒尾谷岳

9月10日(日) 夜中から明け方雨のち晴れ


 今日は黒磯のナベちゃんの家で目を覚ました。前夜から隊長を連れて遊びに来ていたのだ。最近はここに泊まると翌日は登山というパターンになっている。軽く汗を流してから温泉での生ビールが目的である。今日も近場の山を一つやっつけてから温泉に行く事になっている。行き先はナベちゃん任せにしてある。彼は本を見ながら2〜3のコースを考えてくれていた。

 予定では佐飛山に連なる百村山か沼ッ原湿原から白笹山もしくは黒尾谷岳から白笹山に行く筈だったが昨夜の痛飲が影響して予定の時刻には寝床の中といった体たらくだった。それに加えて夜中から聞こえる雨音は外が明るくなっても続いていた。酔いで重い身体を布団から無理矢理に剥がす様に起き上がり階下のリビングまで降りたが再びソファに横になり目を閉じてしまった。ナベちゃんも似たような様子のふやけた顔をして起きて来た。しばらくテレビを点けて眺めていたが雨は時折大きな音を立てて降り続いていた。

  ところが朝6時前の天気予報が以外にも好天を伝えて来た。

「晴れるみたいね?」

「午後には崩れ出すみたいだよ。」

と言った会話の後、「じゃあ、ちょっと歩きますか!」と言う事になり隊長を叩き起こしてバタバタと支度を始めたのだった。


 時間も大幅に遅れた(予定より1時間強遅れ)事から行き先を黒尾谷岳(1589m)だけに変更した。この黒尾谷岳を経由して白笹山へのコースも候補に上がっていたのだが時間の遅れから白笹山をカットして手前の黒尾谷岳だけの登山にしたのだ。それでもガイドブックによると下山タイムで1時間半、高低差500m。今回は逆コースである登りに要する時間を2時間と予測しての出発だった。
 
 那須ハイランド別荘地の奥にある登山道入り口には乗用車が一台だけ止まっていた。県北有数の山々が連なる那須連山にしてはひっそりとした車止めだ。二級三級の低山ハイキングはこの静けさが良い。混雑する有名峰を遠く離れて他所の頂から眺めるのも奥ゆかしいぺんぎん隊にはお似合いだ。

 登山道は広葉樹の雑木の間をなだらかに登って行く。登山道脇にはタマゴ茸やイグチ系のキノコがぽつぽつと見られる。キノコに詳しければ楽しく歩けるのだが生憎とキノコにも奥ゆかしいぺんぎん隊は足を止めて眺めるだけ。
 次第に登山道は勾配を強めて来た。一気に汗が噴出し昨夜のアルコールが再び勢力を甦らせて身体中を走り回っている。隊長を先頭にゆっくりと登っているにも関わらず息が切れて来る。満更アルコールのせいだけでは無いのだろうが・・・。

 
 ここの急登は天狗の登山道のミニチュア版の様だ。ここでそれなりの荷を担いでトレーニングがてらに登れば天狗攻略に太鼓判を押せるだろう。そんな登りに息を切らせながら40分も登っただろうか、明るい尾根筋の登山道になる。雨を降らせていた低い雲は眼下に降り、残暑の太陽が樹間から射し込んで来る。

 緩い勾配の尾根道を息を整えながら進んで行くと最後の登り。これも勢いで上がってしまうと三畳ほどの黒尾谷岳山頂に着く。

 目の前には多分白笹山であろう山が、そしてその先には茶臼岳の山頂が頭を出しているのが眺められる。双眼鏡があれば茶臼岳山頂の登山者が覗けるのでは?と思うほどに近くに見える。

 登山口からここまで1時間強で登って来た。登山道もそれなりに「登山」を主張している行程で、なだらかな始まりから広葉樹に囲まれた急勾配の登山道とヤシオツツジが目立つ尾根道。春には花を、秋には紅葉を楽しめそうな意外と掘り出し物のコースだった。

 時間的に余裕があればこの先白笹山を経由して茶臼岳まで足を伸ばすのも楽しい山歩きになると思う。ちなみに下りは40分程度。(参考までに空身)