信仰の山 三峰山

12月16日 強風
季節は冬を迎えて県北の山々が雪化粧を始めた。そんな中でぺんぎん隊が登れる山としては県央から県南の低山。この日は前日の協議の結果、栃木市にある三峰山(605m)に行くことになった。
三峰山は古くは地元の学校登山でも親しまれた弘法大師開山の信仰の山。登山道は全て参道であり麓の御嶽山神社境内から奥の院へと山深く入り込んでいる。
ガイドにある通常のルートは境内から入る。私達もそのつもりで駐車場に降り立ったのだが、何故か沢山立て掛けられた杖に誘われて林道を歩き始めてしまった。結果は下山ルートからの入山となった。
林道をダラダラと10分くらい歩くと山肌に細い登山道がある。そこから本格的な山登りとなる。
いきなり杉林の中を結構な急登が続き服の中はポカポカ状態となる。顔や手は寒風に晒されて冷たいままだ。
登山道は踏み跡に近い部分もあり時折スギの幹に付けられた赤いテープを頼りに不安を感じながら登って行く。「三山参道」という標識が所々に立てられていて登山道であることを確認出来るくらいだ。下山路にもあまり使われていないのか・・・
途中に立てられていた「浅間大神鍾乳洞」という標識に釣られて足取りが速くなる。「鍾乳洞があるのか!」と期待して踏み跡を追って急な斜面を上がって行く。
「ちょっとこの先の斜面はきついなぁ・・」と思っていたら前方に梯子が見える。その手前には岩にクサリが打ち付けられている。隊長を振り返ると足元ばかり見ていて前方の難所には気が付いていない様子。

「おお〜い、先に行って上から写真撮ってやるから!」と言い残して私はさっさとクサリに取り付き梯子を上がる。
元気に返事はしてみたものの先の難所に気が付いた隊長は足取りが一気に止まる。
「大丈夫だよ、しっかりしている梯子だから!」と高見の見物の私からも隊長の大ビビリ具合が手に取る様に判る。まあ慌てる事も無いのでここは時間を掛けさせて自分の力で切り抜けて貰いましょう。
こちらはそんな時間の間、隊長の写真を撮ったり後ろを振り返って洞窟の写真を撮ったりと忙しい。梯子を登り切ったこの場所が「浅間大神鍾乳洞」の場所。この洞窟がその鍾乳洞である。
が・・・・
中には入れない。従って鍾乳洞は見られない・・・・
そうこうしている間に漸く隊長が到着。
「怖かった・・・」
「おお、よく来たなぁ」
さて、この「浅間大神鍾乳洞」から尾根に上がるまでがまたかなりの急登だった。
多少のガレもあって慎重に登る。
登りながら思ったのだが、この斜面の下りはかなり膝にきついと思う。下山路からの入山は正解だったのかもしれない。
さて、この日の天気は風一つ無い快晴と言いたいところだが快晴は快晴でも強風が吹き荒れている。以前に林業関係の知人が「林業従事者は風のある日には山に入らない。」と話していた。強風で幹や枝が折れて危険だと言う意味である。
この日の強風で木々は悲鳴を上げている。
「ギギギ」「コココ」「ギュ〜ン」「ギギギ」「コココ」「ギュ〜ン」
危険とは裏腹に私はこの音が好きだ。木々がなにかおしゃべりをしている様な気がするのだ。そしてそれは隊長も同じらしい。立ち止まって木々を振り仰いではニッコリしてまた歩き出す。
街にいたら聞こえない音がある。
何かを見つけるのも登山の楽しみの一つなのだ。
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急登を登り切ると尾根に上がる手前の「倶利伽羅不動」の前に這い上がる。ここは三峰山山頂と奥の院との分岐点でもある。「倶利伽羅不動」は大きな岩の洞の中に奉られていた。
お参りを済ませて三峰山山頂へと向かう。背丈ほどの笹を掻き分け、石灰掘削現場の立ち入り禁止ロープと平行して登山道は山頂へ。
山頂手前で風に乗って大人数の話し声が聞こえて来る。そう言えば駐車場に土浦ナンバーのマイクロバスが止まっていた。そんな事を考えていたら続々と登山者が現れた。総勢20名ほど。
一人一人挨拶するのも面倒なので3〜4人ずつまとめて頭を下げる。しかしまあ、茨城から団体さんで来る様な山でもないのだが、これも登山ブームの現れなのだろうか・・・
団体さんと入れ違いに山頂へ
山頂もまた強風が吹き荒れている。そんな中で恒例の「山頂ラーメン」を2人ですする。
南斜面の笹薮を避けて眺めの良い場所に出てみると群馬方面がよ〜く見渡せる。多分空気の澄み具合が良ければ富士山も見えるのではないだろうか。この日は雪を戴いた赤城山がかすかに見えた。
山頂から「倶利伽羅不動」上のコルまで下る。ここからは「奥の院」までの気持ちの良い尾根歩きだ。時折吹き過ぎる強風には閉口したが陽だまりの尾根歩きはポカポカして気持ちが良いものだ。
多少のアップダウンを繰り返して「奥の院」へと向かう。途中にある下山路との分岐を更に進んで「奥の院」到着。
ドングリが敷き詰められた登山道を「奥の院」へ。奥の院には3体の銅像が三峰山山頂を向いて建っている。
綺麗に晴れわたった空に栃木市を越えて遠く筑波山がくっきりと見える。
銅像に手を合わせてお参りを済ませて一路下山。
「奥の院」から「御嶽山神社」までの登山道は完全な参道として整備されている。途中からは石段が連なり、所々に数々の祠が祭られている。
弘法大師を奉る祠を通り過ぎ、清滝不動を過ぎればいつの間にか御嶽山神社の境内に降り立っていた。
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