今までのリサイタル
今までに5回のリサイタルを行いました。ご覧ください。
第2回は2002年「ソロとアンサンブルで探るラモーとバッハの世界」
第5回 は2011年 「アンサンブルの至芸」です。
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第5回 リサイタルの記録 「アンサンブルの至芸」 |
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チェンバロ奏者 岡田龍之介さんの第5回目のリサイタルが、2011年11月23日(祝)に、山手111番館で開かれました。 山手111番館は、広い芝生を前庭とし、ローズガーデンを見下ろす住宅として大正15(1926)年に建てられました。設計者は、ベーリック・ホールを設計したJ.H.モーガン。彼は横浜を中心に数多くの作品を残していますが、山手111番館は彼の代表作の一つと言えるでしょう。第5回のコンサートは、共演に3名の古楽の名手に集まっていただきました。チェンバロソロだけでなくアンサンブルの名手でもある岡田さん。最近は指揮も手掛け、さらに深みの増した解釈に基づくアンサンブルの至芸をお聞かせいただきます。 満員のお客様と、古き香りのただよう西洋館の贅沢な空間で、アンサンブルの語りあいを、ワインの香りと共にご一緒に味わいました。 どうも有難うございました。 プロフィール 岡田 龍之介 (チェンバロ Cembalo) 東京生れ。慶応義塾大学経済学部、東京藝術大学卒業。同大学院修了。音楽学を角倉一朗、チェンバロを有田千代子、渡邊順生各氏に師事。またW.クイケン、J.V.イマゼール、T.コープマン各氏にレッスンを受ける。全国各地の演奏会に出演し、国内外のバロック奏者との共演を通じてアンサンブル経験を深める一方、ソロ、教育活動にも力を注ぐ。栃木[蔵の街]音楽祭、目白バ・ロック音楽祭、北とぴあ国際音楽祭、ソウル国際古楽祭などに出演。第13回及び第23回甲府古楽コンクールでは審査員をつとめる。ほぼ毎年訪れる韓国や、ドイツでの公演など海外での演奏の機会も多い。ソロCD「銀色の響き」(レコード芸術誌準特選)をはじめ、これまでに8枚のCDをリリース。古楽アンサンブル「ムジカ・レセルヴァータ」主宰。現在、洗足学園音楽大学、都留音楽祭各講師。 国枝俊太郎(リコーダー、フラウト・トラヴェルソ) リコーダーを安井敬、フラウト・トラヴェルソを中村忠の各氏に師事。第16回全日本リコーダー・コンテスト「一般の部・アンサンブル部門」にて金賞受賞。現在はバロック室内楽を中心に、幅広く活動している。 小野萬里(バロック・ヴァイオリン) 東京藝術大学ヴァイオリン科卒業。1973年ベルギーに渡り、S.クイケンに師事、以来たゆみない演奏活動を展開している。現在、コントラポント、クラシカルプレイヤーズ東京、チパンゴコンソートのメンバー。 橋弘治(バロック・チェロ) 桐朋学園大学、及び、ブリュッセル王立音楽院古楽器科卒業。6年間ラ・プティット・バンドのメンバーとして演奏。現在は、日本に活動拠点を移し、バロック、モダン、両方の分野で活発に演奏活動を行っている。 プログラムと演奏風景 J.S.バッハ : チェンバロのための前奏曲 変ホ長調 BWV998より Prelude プレリュード
G.Ph.テレマン : フルート、ヴァイオリン、チェロと通奏低音のための四重奏曲 ニ長調 TWV 43:D6 Con Contento 満ち足りて / Allegro アレグロ / Largo ラルゴ / Presto プレスト J.S.バッハ : ヴァイオリン、オブリガート・チェンバロのためのソナタ第4番 ハ短調 BWV1017 Siciliano: Largo シチリアーノ: ラルゴ / Allegro アレグロ / Adagio アダージョ / Allegro アレグロ
G.Ph. テレマン : 『パリ四重奏曲』より フルート、ヴァイオリン、チェロと通奏低音のための組曲第2番 ロ短調 TWV 43:h1 Prélude. Gaiement プレリュード 陽気に / Air. Modérément エア 控えめに 節度をもって / Réjouissance レジュイサンス / Courante クーラント / Passepied パスピエ
******* 休 憩 ******* G.Ph. テレマン : リコーダーと通奏低音のためのソナタ ニ短調 TWV 41:d4
Affettuoso アフェットゥオーゾ / Presto プレスト / Grave グラーヴェ / Allegro アレグロ
C.Ph.E. バッハ : フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ハ長調 Wq 149
Allegro di molto アレグロ ディ モルト / Andante アンダンテ / Allegretto アレグレット
G.Ph. テレマン : 『パリ四重奏曲』より フルート、ヴァイオリン、チェロと通奏低音のためのソナタ第1番 イ長調 TWV 43:A1
Soave ソアーヴェ / Allegro アレグロ / Andante アンダンテ / Vivace ヴィヴァーチェ アンコールはテレマンのトリソナタ ホ長調よりエア(プレスト)を、演奏いただきました。 使用楽器
プログラム解説 「アンサンブルの至芸」にようこそ 山手111番館 ようこそおいでいただきました。山手111番館は、広い芝生を前庭とし、ローズガーデンを見下ろす住宅として大正15(1926)年に建てられました。設計者は、ベーリック・ホールを設計したJ.H.モーガン。彼は横浜を中心に数多くの作品を残していますが、山手111番館は彼の代表作の一つと言えるでしょう。本日は、国内外で活躍中のチェンバロ奏者岡田龍之介氏をお迎えし、共演に3名の古楽の名手に集まっていただきました。チェンバロソロだけでなくアンサンブルの名手でもある岡田氏。最近は指揮も手掛け、さらに深みの増した解釈に基づくアンサンブルの至芸をお聞きいただきます。古き香りのただよう西洋館の贅沢な空間で、アンサンブルの語りあいを、ワインの香りと共にご一緒に味わいたいと存じます。 (以下は演奏された国枝さんによるプログラムノート) プログラムノート 国枝俊太郎 本日は、チェンバロ奏者の岡田龍之介さんのもとに、様々なご縁でつながった器楽奏者が集合し、アンサンブルの醍醐味を西洋館で共有させていただきたいと思います。まず、バッハ自身も愛したとされる「チェンバロのための前奏曲 変ホ長調 BWV998」でコンサートを始めさせていただきます。 さて、お聴きいただいた「バッハ」と、次に演奏する「テレマン」が、本日の2枚看板です。この2人は、親しい友人として少なからぬ縁でつながっていた間柄であり、今ではバロック時代を代表する作曲家として有名な二人ですが、残された作品や評伝などからみても、存命中からその人気には大きな開きがあったようです。 まず、ゲオルク・フィリップ・テレマンですが、自伝によると「わずか12歳で(!)」作曲を始めたそうです。もちろん、モーツァルトなどはもっと子供の頃から作曲をしていたとはいえ、その才能の開花の早さには驚かされます。また、自身がありとあらゆる楽器を演奏していて、その中でも特に「鍵盤楽器、ヴァイオリン、ブロックフレーテ(リコーダー)」が得意だったそうです。彼の作品中でリコーダーが喜んでいるように感じる瞬間が多いのも、これで納得がいく気がします。さらに、彼は自作を自ら銅版に掘り込んで印刷出版して予約注文まで受け付けるという、まさに実業家と呼ぶにふさわしい才能も発揮しました。今も昔も器用な人はいるものだなぁ、と感心させられてしまいます。 「四重奏曲 ニ長調 TWV43:D6」は長らく「ヘンデル作」として知られていましたが、近年テレマンの作品である事が明らかになったようです。この曲にはいくつかの筆写譜が残されており、「ヘンデル作」と「テレマン作」の両方が存在するため、昔からどちらの作品なのか論議の的になっていました。編成は「トラヴェルソ、ヴァイオリン、バスーンもしくはチェロと通奏低音」となっていますが、今回はチェロで演奏いたします。「リコーダー・ソナタ ニ短調 TWV41:d4」は、1740年ごろにハンブルクで出版された「エセルツィーチ・ムジチ(音楽練習帳)」という曲集に収められています。ここには彼自身が得意であったリコーダーの良さがふんだんに詰まっていて、通奏低音とのやり取りのスリリングなところも楽しんでいただきたいと思います。「組曲第2番 ロ短調 TWV43:h1」と 「ソナタ第1番 イ長調 TWV43:A1」は、どちらも1730年にハンブルクで出版された「クヮドリ(四重奏曲集)」という曲集に収められています。この曲集は1736年にパリで再販され、翌年には念願のパリ旅行を実現して、その時多くの優れた音楽家との交流が生まれ、様々な作品も出版されました。そのうちの一つの曲集が、今回の「クヮドリ」と全く同じ編成(トラヴェルソ、ヴァイオリン、ガンバまたはチェロと通奏低音)で書かれた「新しい四重奏曲集(一般にはパリ四重奏曲と呼ばれています)」です。 一方のヨハン・セバスチャンバッハですが、18世紀中頃には既に古いスタイルであった「フーガ」に固執していた為か、彼自身が「時代遅れ」呼ばわりされてしまうという、今から考えるとかなり気の毒な作曲家でした。しかし、バッハは新しいスタイルに対する研究に熱心で、彼が作り上げた作品は非常に独創的な世界を持っています。流行に敏感なところも持っていたバッハが「時代遅れ」であったわけはありません。また、世界中でバッハを神のように崇めている人が多いのとは裏腹に、一人の人間としてのバッハは、残された記録を読んでみると大変魅力的な存在だったようです。長男フリーデマンや2人目の妻アンナ・マグダレーナのために立派な音楽手帳を残したり、学校で教え子と殴り合いのけんかをしたり、勤め先でいざこざを起こしたりする反面、子供達を立派に育て上げようと必死に仕事をする姿は、どこにでもいる普通の「お父さん」そのものです。 「ソナタ第4番 ハ短調 BWV1017」は、ヴァイオリンもチェンバロも両方巧みに演奏したバッハならではと思える、実に濃密な世界を作り上げています。バロック時代に最も流行ったトリオ・ソナタ(旋律楽器2つと通奏低音のための作品)を、旋律楽器1つとチェンバロの右手、それにチェンバロの左手によるバスの形に仕立て上げた物で、彼はこの編成で6曲、旋律楽器がトラヴェルソの物を2曲、ヴィオラ・ダ・ガンバの物を3曲残しています。この他にオルガンのためのトリオ・ソナタを6曲残しています。手鍵盤2声と足鍵盤によるバスでトリオ・ソナタを弾いてしまうという発想は、オルガンの名手であった彼ならではだったと思われます。こうした作品群の存在を見ても、バッハが新しいスタイルにいかに貪欲であったかがよくわかります。 J.S.バッハは生涯二人の女性と結婚をし20人の子供を儲けました。そのうち4人が名のある音楽家に成長しました。 カール・フィリップ・エマヌエルは最初の妻マリア・バルバラとのあいだに生まれた子で次男にあたります。バッハ家はテレマンと深い関わりがありました。テレマンがエマヌエル・バッハの名付け親をつとめたこと、そして、のちにエマヌエルがテレマンの後を継いでハンブルクの音楽監督として後半生を過ごしたこと、これらの事実は二人の関係の深さを物語っているといえるでしょう。また、バッハ自身もテレマンが開始したライプチッヒの市民音楽「コレギウム・ムジクム」を引き継ぎ、テレマンの曲も演奏しています。さて、エマヌエル・バッハの「トリオ・ソナタ ハ長調 Wq149」は1745年に作曲されました。その音楽は直接人々の心に触れて諸々の感情を揺り動かします。内的で繊細な主観的表現を得る事を目指した「多感主義」の理念を良く表しているでしょう。 それぞれ個性的なカラーを持った作品を並べた本日のプログラム、果たして皆さんのハートに一番刺さる作品はどれになるか、そんな事を想像しながら演奏する側も楽しみたいと思います。「テレマンvsバッハ親子」その勝敗はいかに! |
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