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はじめに
荒川または長瀞といえば関東で一番有名な砂金産地です。関東の砂金は荒川で始まり荒川で終わると言っても過言ではない奥深さがあります。エリアも大滝村奥地から寄居より下流まで長大で特に上流域は結晶、ひも状など他所では見られない形態の物が多く見られ、ソースと砂金の色、形態の関係を観察するのに最高の川です。
多少迷いはあったのですが今回の補足で幾分産地名を明確にしました。このデータを参考に荒川の他の場所、秩父鉱山の色々な沢で調査される方が増えれば嬉しいところです。砂金というものを単なる宝探しではなく、鉱物学的な位置づけが出来ればそれにこしたことはありません。
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現在、大きく分けて8カ所で砂金のサンプリングをしました。ここでは供給源からの距離における砂金の変化について観察していこうと思います。
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砂金はかなり黄色っぽく紙のように薄い。白金が採集できる確率はここが一番高い。この手の物は長旅をしたタイプだが、粉末状の砂金の一部は、樋口の苦灰石脈から供給されている可能性もある。しかし量としてはたいしたことはないだろう。
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寄居より、やや厚みがあります。岩盤が多いためクラックから割と大きめの砂金が採れます。こういったサイズの物は上流では、ほとんど見られず、砂金が旅をしている間に化学的または物理的に成長していることを示唆しているようです。
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ほとんど大きな物はありませんが、量は他所より圧倒的に多い。ごらんの通り不定形な扁平型でより原産地に近づいていることが分かります。
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秩父市では見られない紐型が多く混じっていきます。この手の物は新鮮な物が多く、供給源としては、大黒というよりもっと下流にある塩沢ではないかと思われます。
ここでの砂金は秩父鉱山方面の他に秩父湖上流の入川からの供給もある。
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出合と滝沢の間で採取。一般には採集しにくい川ですが、一部には微細砂金が濃集している場所があり、最近そういった場所を発見することが出来ました。ここでは原産地型の板状やひも状などの結晶質砂金が豊富にあります。
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石榴石スカルン露頭近辺より採取、新鮮なため光沢が強い。稀にルーズな結晶面が見られます。近年の仮説では荒川の砂金の供給は、大半がこの山鳥付近の石榴石スカルンと言われている。しかし、私は大黒付近の供給の方が、多いように思えます。
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河床の岩盤の隙間からピックでほじくり出したものです。稀にひも状砂金やルーズな結晶の連なる連晶型のひも型もみられる。山鳥に見られる石榴石スカルン起源のものは丸みを帯びたまるでサボテンのような樹枝状とは、明らかに異なる形態である。
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秩父鉱山とは違うルートで荒川に砂金を供給している川です。まだ未知な部分も多く、調査にまだ課題が残っています。
上流には黒川金山衆が3年ほど採掘した股野沢があり、砂金の供給はそのあたりからだと考えられます。史実によれば、ここは幕府の直轄地であったため黒川衆は、ここでの採掘をやめさせられたようです。
砂金の量としては中津川系に比べ明らかに少ない。
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長瀞町より下流では、稀ではあるが砂白金も採集できます。白金というのは白金族鉱物の総称でプラチナ、イリジウム、オスミウム、ロジウムなどのことを指します。
荒川で採れる白金はイリドスミンと、フェロプラチニュウムです。肉眼での見分けは不可能に近いのですが、一つだけ大きな違いがあります。それは硬度です。イリドスミンは硬度が高いため角張ることが多く、プラチナを含むと硬度が低くなるため丸みを帯びることが多いということです。
まとめ
2004年9月、神流川を調査、秩父鉱山周り、広河原沢との合流点周りを調査したが砂金の発見には至りませんでした。無いことは無いはずだが、あったとしても、極小量だと思われる。こうしてみると大黒付近が一番砂金の量に富んでいる。しかも大黒坑より上流でも砂金の採取が可能だということも確認できた。
現在、荒川における砂金の供給の大部分は山鳥鉱床周りの石榴石スカルンだとのレポートも発表されている。しかし調査上の分布、中津川下流部で見られる砂金の形状などを考察すると大黒タイプが圧倒的に優勢である。
山鳥は確かに自然金の濃厚な露頭がある。しかし、川で採れる砂金の量は山鳥の上流側には及ばない。私は荒川砂金の大半は広河原沢や大黒におけるスカルン鉱脈に始まり下流に行く都度、山鳥石榴石スカルン、塩沢近辺の石榴石スカルン、入川系統のものが加わっていったと推測しています。そして砂金は下流に行くほど潰れて扁平し重さのわりに大きなものに変化していくようです。
そして砂金が上流に行くほど大きくなるという定説も必ずしも正しくないことがわかります。また長瀞付近が平均的に一番大きい事から砂金の大きさは、堆積する環境が大きく作用すると考えています
最終更新 2008年03月14日
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