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Online Medニュース・バックナンバー 06年7月
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手術施設基準分科会、7分野14手術候補に検討(2006.7.31)

医師の経験症例数とアウトカムの関係も
 中医協・診療報酬調査専門組織の手術施設基準等調査分科会(分科会長:福井次矢・聖路加国際病院院長)は7月31日、第1回分科会を開催、医療機関の手術件数や医師の症例数などと手術成績との関係に関する調査への取り組み方針などを議論し、分科会メンバーの大江和彦・東大大学院医療情報経済学分野教授が厚生科学研究として行う「外科手術のアウトカム要因」に関する研究と連携して進めることとしました。

 大江氏は、調査対象手術として、「心臓・大血管系」「呼吸器系」「消化器・消化管系」「乳腺・内分泌系」「泌尿・生殖器系」「筋骨格系」「脳神経・脳血管系」の7分野の14種類をあげました。

 また、調査項目では、(1)医療機関について総病床数とICU・CCU病床数、当該手術と近隣領域の手術の年間実施件数、(2)外科医師について、当該手術と近隣領域の手術の経験症例数、手術経験・知識・技量を反映する専門医資格の有無、をあげました。

 さらに、(3)手術のアウトカム指標として、「在院日数、転科した場合はそこまでの日数」「入院期間中の重要な合併症とその回復程度」「退院時の患者の活動度を含めた転帰」をあげ、(4)アウトカムに及ぼす要因として「疾患の重症度・ステージをあらわす指標」「手術の重要なリスク要因や併存疾患の有無など患者側の要因」「手術中の重要なイベント」「入院中の手術以外の主要な併用療法の有無」などをあげました。

 対象手術、調査項目のそれぞれについて、関係学会と調整中であるとしましたが、分科会でもさまざまな意見が出され、次回に調査計画としてまとめて調査の実施に移していくこととしました。

     調査対象手術の候補
心臓・大血管系 : 冠動脈バイパス術、経皮的冠動脈インターベンション
呼吸器系 : 肺悪性腫瘍手術、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術
消化器・消化管系 : 食道がん・食道全摘手術、膵頭十二指腸切除術、直腸がん、直腸切除術/切断術、結腸がん・腹腔鏡下結腸切除術
乳腺・内分泌系 : 乳腺悪性腫瘍手術
泌尿・生殖器系 : 子宮悪性腫瘍手術、前立腺悪性腫瘍手術
筋骨格系 : 人工股関節置換術、人工膝関節置換術
脳神経・脳血管系 : 未破裂嚢動脈瘤手術
資料:第1回分科会配布資料

医師の経験症例数とアウトカムの関係も


がん診療連携拠点病院 47病院を新規指定、70病院が見送り(2006.7.28)

要件を厳しく査定、座長預かりも2病院
 「がん診療連携拠点病院」として新たに47病院の指定が決定されました。従来の地域がん診療拠点病院135病院から5病院が今回の新指定をうけたため、合わせて177病院が「がん診療連携拠点病院」となります。「がん診療連携拠点病院」は従来の地域がん診療拠点病院を見直したもので、地域がん診療拠点病院の指定を受けている病院は08年3月末までは新制度の指定を受けたものとみなされます。新制度では今回が初の指定です。

 都道府県からの推薦をうけて厚生労働省が7月28日の指定に関する検討会(座長:垣添忠生・国立がんセンター総長)に諮り決定されたものですが、推薦を受けた病院のうち70病院は要件を満たしていないとして指定が見送られました。
 中でも秋田県と兵庫県は、13病院、41病院と多数の推薦をあげてきましたが、「がん診療連携拠点病院」の意義を踏まえたものになっていないとの判断で一括して差し戻しとの結論になりました。

 また、群馬県の沼田医療圏は人口10万人の規模で2病院の推薦が出されましたが、小規模2次医療圏でのがん診療連携拠点病院のあり方を考える必要があるとして、座長預かりとされました。この2病院は指定となる可能性もあります。
 がん診療連携拠点病院は、地域がん診療連携拠点病院として2次医療圏に1ヵ所程度、また都道府県がん診療連携拠点病院を都道府県に1ヵ所程度の整備を目標としています。

 今回の指定により、指定病院のない都道府県は秋田と兵庫の2県のみとなります。都道府県からの指定の推薦は毎年10月末までに行うものとされており、厚生労働省は今年も10月末に再度受け付けるものとしています。
資料:がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会の開催について(ここをクリック) 


リピトールで劇症肝炎、牛車腎気丸で間質性肺炎(2006.7.27)

 厚生労働省は7月27日、医薬品・医療機器等安全性情報No.226で、アステラス製薬が販売する高脂血症用剤「リピトール錠(成分名:アトルバスタチンカルシウム水和物)」について、添付文書の改訂を行い、重大な副作用の項目に「劇症肝炎」「肝炎」を追記、また、ツムラの「ツムラ牛車腎気丸エキス顆粒」についても添付文書の改訂を行い、新たに「重大な副作用」として「間質性肺炎」を追記したと発表しました。

 リピトール錠は、05年度の年間使用者が約210万人とされています。直近3年間の副作用報告の中で、劇症肝炎と肝炎が12例ありました。うち死亡が4例となっています。
 症例によると、50代女性患者は外来受診でしたが点滴施行後に入院となり、逆流性食道炎、胃潰瘍、不眠症、高脂血症、更年期障害との診断でリピトール錠のほかランソプラゾール、酒石酸ゾルピデム、クアゼパム、クエン酸モサプリド、ドンペリドン、結合型エストロゲン、酢酸メドロキシプロゲステロンと多数の薬剤投与が行われました。
 4日目には逆流性食道炎の症状が改善して退院し、その後も徐々に投薬の種類は削減されていきました。しかし、投与から75日目に体調不良で勤務途中で帰宅、77日目にリピトール錠とランソプラゾールの投与も中止されましたが、中止4日後には意識がなく入院していたA院に救急搬送、さらに高度の肝障害・意識障害のためB院救命救急センターに移送、劇症肝炎と診断され、処置が行われました。投与中止から6日後に死亡しました。
 薬剤性肝炎となったものの軽快した症例も紹介されています。

 ツムラ牛車腎気丸エキス顆粒は、05年度の年間使用者数が約17万人とされています。直近3年間での間質性肺炎の報告は1例で死亡例はありません。
資料:医薬品・医療機器等安全性情報226号(ここをクリック) 


医療保険医療費3月分1.0%減、年度で初のマイナス(2006.7.27)

05年度伸び率を縮小させる
 厚生労働省MEDIASのデータである医療保険医療費の05年度は3.1%増となり、Online Medの予想を下回りました。06年3月分が1.0%減と05年度で初めてのマイナスを記録したためです。インフルエンザの流行の収束と花粉症の発生が少なかったことによる結果です。特に入院外は3.2%減と大きく落ち込みました。入院も0.4%減となっています。

 入院外について、その患者数である1施設当たり件数を見ると、医科は5.4%という大幅な減少を記録しました。中でも診療所は7.3%減となっています。病院も法人病院6.3%減、公的病院5.9%減、個人病院5.5%減と大きなマイナスです。大学病院は2.2%と小幅な減少にとどまっています。
 入院外の1施設当たり医療費は、診療所5.4%減、病院0.5%減となりました。病院は1日当たり医療費が増加したため1施設当たり医療費としては小幅なマイナスにとどまりましたが、診療所は1日当たり医療費の伸びが小さく1施設当たり医療費も大きなマイナスとなりました。
資料:最近の医療費の動向(06年3月号)(ここをクリック) 


薬価毎年改定でヒアリング、製薬団体は流通問題を理由に反対(2006.7.27)

 中医協・薬価専門部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は7月26日、薬価の改定頻度を中心に製薬団体から薬価算定方式についての意見を聞きました。外資を含む国内製薬企業を会員とする日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会在日執行委員会、欧州製薬団体連合会の3団体がいずれも現行の2年に1回の改定を毎年改定とすることに反対を表明しました。

 反対の直接的な理由としたのは、3団体とも、「未妥結・仮納入と総価取引の問題が未解決の中では正確な銘柄別市場価格の把握が困難」ということです。
 また、3団体とも、薬価算定方式全体についてそれぞれの立場から改善すべき点を要望しました。

 委員から未妥結・仮納入と総価取引についての解決策を問われたのに対し、製薬団体側は、卸側が取引の前に銘柄別収載方式であることの理解を医療機関に求めることだとするとともに、この問題で厚労省の医政局経済課の医薬品流通改善懇談会が議論を進めていることをあげてその結論を待つ姿勢を示しました。

 診療側で日本薬剤師会副会長の山本氏は、買う側に責任を押し付けるものと反発しましたが、頻回改定には「賛成するものではない」との立場を明らかにしました。  診療側では、日本医師会副会長の竹嶋氏も前回の部会で反対の意見を表明しています。
 次回は、日本医薬品卸業連合会の意見を聞くこととしています。
資料:「中医協・薬価専門部会(第32回)」各団体の意見(ここをクリック)


05年度医療保険医療費3.1%増にとどまる、インフルエンザなく(2006.7.26)

 05年度の医療保険医療費は、前年度に比べて9700億円、3.1%増加して32.4兆円となりました。厚生労働省が7月26日の中医協総会に報告しました。厚生労働省は制度改正や診療報酬改定のない年の自然増としては3%から4%と推計しており、「05年度はその範囲に入った」としています。

 05年度の増加額のうち高齢者医療費が7300億円に達し、増加分の4分の3は高齢者医療費となっています。
 また、ほぼ患者数と見ることのできる受診延日数は、入院で0.2%減、入院外で0.7%減、総計0.3%減となりました。制度改正がなかった中で患者数の減少があり、厚生労働省は「患者数の減少があったため、医療費は若干低めの伸びになった」と説明しました。04年度には3月にインフルエンザと花粉症の流行があって大きな伸びを示したのに対し、05年度はインフルエンザ、花粉症ともに少なく、それが患者数の減少になっているとしています。

 1日当たり医療費で、医科の入院が2.4%増、入院外が3.1%増、歯科が0.0%増となったのに対し、調剤は6.2%増と大きく伸びたことを厚生労働省は指摘。「薬価改正が行われている中で調剤が伸びている。自然増がかなりの規模になっている」と説明しました。

 医療保険医療費は、確定値である国民医療費に対して自費診療分や労災保険分が除外されていますが、国民医療費の約98%を占め国民医療費よりも早く傾向をつかむことができます。国民医療費の公表は現時点では03年度までで、04年度分が8月中にも発表される見込みです。
資料:平成17年度医療費の動向(ここをクリック) 


DPC準備病院375病院に、DPC病院360の病床数は18万(2006.7.26)

 DPC対象病院は360病院に拡大していますが、08年度以降のDPC適用を目指す「DPC準備病院」が375病院となったことが明らかになりました。厚生労働省が7月26日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に報告しました。

 新たにDPC適用を希望して「DPC準備病院」となった病院が365、従来の調査協力病院でDPC適用にならずに引続きDPC準備病院となったのが10で、合わせて375病院です。  DPC準備病院のための説明会には400病院以上が参加しました。

 委員からの質問に応えて、DPC対象病院360の病床数は約18万床であることも明らかにしました。一般病床総数約90万床の20%、「10;1」の看護配置を持つ急性期病床約50万床の36%となります。
資料:平成18年度調査の実施状況(新DPC準備病院の状況)


国内治験施設2117、治験責任医師・CRCなど実態調査(2006.7.25)

 新薬や新医療機器の開発を行うための治験を実施する国内の医療施設は、2117あることがわかりました。
 厚生労働省の次期治験活性化計画策定検討会(座長:楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター副院長)は、これらを対象にして「治験責任医師」「CRC」「生物統計家」「データマネジャー(DM)」「治験事務局員」「IRB委員」「その他関係者」について実態調査を行います。

 治験施設は、日本医師会治験促進センターの大規模治験ネットワーク参加施設が1210、治験推進協議会参加施設が573、その他治験の実施実績のある施設が962となっています(重複含む)。


治験活性化、医師への具体的なインセンティブなど議論(2006.7.25)

 厚生労働省の次期治験活性化計画策定検討会(座長:楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター副院長)は7月25日の第2回検討会で、治験関係者の現状とあるべき姿について議論を進めました。

 医師については、治験への取組みのインセンティブとしてキャリアアップにつながる「業績」としての評価の必要性が言われ、循環器学会が専門医点数の中に位置付け、5例の登録で1点としていることが紹介されました。また、治験の実施実績を研究費の申請と採用にあたって優先項目とする考え方が提案されました。
 一方、経済的なインセンティブについてはモラルハザードを誘発しかねないとして、避けるべきとされました。ただ、研究費の使い方に配慮すべきとされました。

 アメリカでは、研究費により若手医師を対象とした臨床研究専門医の養成プログラムが実施されており、対象医師は活動の75%以上をこの研究に費やす必要があるという形で行われていることも紹介されました。それに見合う研究費が支給されるものです。

 生物統計家については、圧倒的な不足状況が指摘され、人材育成が重要な課題とされました。CRCについては各団体による養成課程のばらつきの問題、経済的な処遇の問題が議論されました。


日本人の平均寿命 男78.53年・女85.49年、6年ぶりに縮小(2006.7.25)

 厚生労働省がまとめた05年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男78.53年、女85.49年となり、前年に比べ男は0.11年、女は0.10年下回りました。前年を下回ったのは、1999年以来6年ぶりです。
 心疾患と肺炎の死亡確率が増加、自殺も増加しました。一方、悪性新生物と脳血管疾患の死亡確率は低下しました。
資料:日本人の平均余命(ここをクリック) 


医療費の現況 05年度は3.3%を上回る伸び、06年度は件数減でマイナススタート(2006.7.24)

 05年度の医療費については、支払基金データ、国保データとも出揃い、それらを合算すると対前年度比3.3%増となりました。8月中に発表されると見られる厚生労働省のMEDIASでは、それをわずかに上回る伸びになると予想されます。

 06年診療報酬改定後では、現時点で公表されているのは支払基金の4月分のデータのみで、5.5%減となっています。大幅減少はレセプト件数の減少が主な理由です。昨年4月に比べて土曜日が1日少ないこと、また、今年は昨年に比べてスギ花粉の飛散が少なく花粉症患者が少なかったためと考えられます。

 数日のうちに支払い基金の5月分のデータが公表となる予定です。さらに、国保の4月分のデータも今週中に公表されるでしょう。それらにより、改定の影響はある程度見えてきます。
資料:医療費に関する各種先行指標(伸び率)の動向(ここをクリック) 


人口が増加 5月速報値、出生数の増加が2月から続く(2006.7.22)

合計特殊出生率の増加も?
 厚生労働省の人口動態統計速報によると、昨年11月から減少が続いていた人口の自然増(出生数と死亡数の差)が5月に増加に転じたことが明らかになりました。また、前年同月比で減少が続いていた出生数も今年の2月から増加に転じて5月まで4ヵ月連続の増加となっています。このまま出生数の増加が続けば、合計特殊出生率も05年に過去最低を更新した1.25で一度底を打つことになりそうです。

 人口の自然増は、死亡数が出生数を上回った05年に初めてマイナスを記録(統計のない1944年から46年を除く)、月別では05年の1月から4月までのマイナスのあと11月に再びマイナスを記録、それ以降12月、06年1月とマイナスの数値は拡大を続けました。
 しかし、出生数が前年同月に比べて増加した2月からは、人口の自然増のマイナス数値が縮小に転じ、さらに5月にはプラスを記録したものです。自然増は05年にも5月からプラスに転じましたが、今年は出生数の増加が背景となっているのが大きな違いです。

 出生数は06年の1月〜5月までの累計で45万7208人、前年同期に比べて8986人、2.0%の増加となりました。
 一方、自然増の5月までの累計はマイナス2万4561人となっています。出生数の増加が続いたとしても、高齢化の中で死亡数の増加は続くため、年間を通して自然増がプラスとなることは考えがたいものの、マイナスの数値がそれほどには拡大しないことは予想されます。
資料:人口動態統計速報06年5月分(ここをクリック) 


病院の外来患者数 インフルエンザのピーク時にも減少(2006.7.21)

 厚生労働省の06年1月分の病院報告によると、今シーズンのインフルエンザの流行のピークとなった1月も全国の病院の1日平均外来患者数は、前年同月比で2万2856人の減少となったことが明らかになりました。1月の全国の病院の1日平均外来患者数は144万1078人となりました。

 また、05年12月に18.9日と最短を更新した平均在院日数は、1月には20.7日と再び20日台に戻しました。しかし、1月に多少長くなるのは例年の傾向で、年の後半に向け短縮化していくものと見られます。

 病院の月別1日平均外来患者数は、05年には2月、5月、8月に増加したものの、他の月は数千人から数万人の減少となり、減少傾向にあります。05年2月はインフルエンザの7年ぶりの大流行のピークとなった月でした。

 06年1月について、厚生労働省の「最近の医療費の動向(MEDIAS)」で見ると、病院は入院外の1施設当たりレセプト件数が0.6%増、一方でレセプト1件あたり日数は1.9%減となっていました。患者の実数は多少増加したものの、受診回数が減少していたということになり、その結果、1日平均患者数としてはマイナスになったと見ることができます。
資料:病院報告06年1月分(ここをクリック) 


医療機能評価機構 新規33病院を認定、認定病院2097に(2006.7.20)

 財団法人日本医療機能評価機構は、新規33病院、更新16病院、合わせて49病院の認定を発表しました。これにより認定病院数は2097となりました。  新規33病院の内訳は、一般病院18、精神科病院2、療養病院8、複合病院5です。
資料:認定病院一覧(機構HP、ここをクリック) 


医師需給検討委 6.1万人不足明記、不足県は医学部定員調整を(2006.7.19)

 厚生労働省の医師の需給に関する検討会(座長:矢崎義雄・独立行政法人国立病院機構理事長)は7月19日、報告書案について2回目の議論を行いました。再度修正を求める意見が相次ぎましたが、矢崎座長は議論はほぼ出尽くしたとして、再修正文について厚生労働省が各委員に対して個別に照会、了承を得て報告書とすることとしました。

 この日示された報告書案は、前回の案から大幅な修正が加えられたものでした。委員の反発を買った「医師数全体の動向としては充足の方向にある」の表現は削除され、「医師の偏在は必ずしも是正の方向にあるとは言えず、また、病院・診療所間の医師数の不均衡が予想される等の問題があり」と改められました。
 しかし、この修正文に対しても、あらためて表現が甘いと指摘されました。

 また、小児科について「新たに就職する医師が安定して増加している」、産婦人科では「新たに産婦人科を志望する医師の傾向に変化は見られない」、麻酔科では臨床研修に関する調査により麻酔科の選択が「順調に増加している」との記述に対し、そうした事実の中で問題点があることを書き込むべきとの注文が出されました。

 さらに、大学医学部の定員について、医師が不足している県では「さらに実効性のある地域定着策の実施を前提として暫定的な調整を検討するべきとの意見があった」との記述については、より強い態度を示すべきとの意見が出され、「意見があった」ではなく「検討する必要がある」と修正することとしました。

 一方、全国自治体病院協議会長の小山田氏が強く主張した必要医師数の推計と現状との差の記述については、「6.1万人」と明記されました。

 各委員からこの日もさまざまな意見が出されたため、最終的な確認の議論をすべきとの主張が複数の委員からありましたが、矢崎座長は15回の議論を重ねてきたことを理由に議論はこの日で終了することで押し切りました。
資料1:検討会報告書(ここをクリック)
資料2:第15回(最終)検討会配布資料(ここをクリック)


メタボリック・シンドローム予防の運動基準を策定、厚労省検討会(2006.7.19)

毎日1万歩、ジョギングなら週に35分
 厚生労働省の運動所要量・運動指針の策定検討会(座長=富永祐民・愛知県健康づくり振興事業団健康科学総合センター長)は7月19日、「健康づくりのための運動基準2006」をまとめ、メタボリック・シンドロームの予防や改善のためには、職場や家庭での日常生活活動を中心とした「身体活動」としては「毎日8000歩から1万歩」、「運動」を主体とする場合には「週にジョギングやテニスなら35分、速歩なら1時間」が目安だとしました。

「週23エクササイズ(Ex)」、身体活動の目安に 合わせて、さまざまな身体活動や運動についての活動量を測定する単位として、身体活動の強度(メッツ=MET、座って安静にしている状態が1メッツ)と実施時間をかけた「メッツ/時」を「エクササイズ(Ex)」と呼ぶこととし、このエクササイズ数を身体活動や運動に取り組むための目安としました。
 「毎日8000歩から1万歩」の身体活動は「23エクササイズ」、「週にジョギングやテニスなら35分、速歩なら1時間」の運動は「4エクササイズ」ということです。
 ただ、生活習慣病の予防のためには、これを組み合わせて「週23エクササイズの活発な身体活動! そのうち4エクササイズは活発な運動を!」を目標としました。

 1エクササイズに相当する運動としては、ボーリングやバレーボールなら20分、速歩やラジオ体操なら15分、ジョギングやエアロビクスなら10分、ランニングや水泳は7分から8分、また、1エクササイズの生活活動は、普通歩行や床掃除なら20分、自転車や介護なら15分、芝刈りや家具の移動は10分、重い荷物を運ぶ場合は7分から8分、との事例も示し、これを基に、自分の1週間の身体活動を評価するためのチェックシートを用意して、「週23エクササイズ」を目指すよう指導することとしています。

 検討会の委員に入っている日本フィットネス産業協会、運動・医療・薬学・看護・栄養など公衆衛生関連学会、日本栄養士会、日本整形外科学会、健康・体力づくり事業財団などが普及と活用に取り組むこととしています。


地域医療支援病院増大、今年度すでに7件承認し120施設に(2006.7.18)

 地域医療支援病院の増加が続いています。今年度は6月12日までにすでに7件が新規に承認され、合計で120件となったことが明らかになりました。厚生労働省が7月12日の医療施設体系のあり方に関する検討会に報告したものです。
 検討会では、地域医療支援病院について、(1)医療連携体制を各地域で行うこととすることとそれを医療計画に位置づけていくこととの関係、(2)承認要件のあり方を含む地域医療支援病院制度全般についての考え方、などを課題としています。

 医療施設体系のあり方に関する検討会は、ほかに、特定機能病院制度のあり方、医療連携体制・かかりつけ医について、専門医について国あるいは第三者機関が関与する仕組みとすること、病院の外来患者数に基づく医師配置標準の見直し、医師確保と病院・診療所の役割、などを検討します。


小児科標榜病院数が11年間に800減少、診療所は増加(2006.7.17)

 医師不足が言われる小児科医療で厚生労働省は、小児科医師の数は増加しているものの、小児科を標榜する病院数は最近11年間に795施設減少していたことを明らかにしました。病院の小児科が厳しい状況になっていることを示すものです。一方、小児科を標榜する診療所は増加しており、トータルでの減少はそれよりも少なくなっています。

 7月10日に行った医療制度改革関連法についての都道府県説明会の資料に盛り込んだもので、小児科を標榜する病院数は1993年の4029から04年には3231に減少しました。
 一方、小児科を標榜する診療所数は、1993年の2576から02年には2991と増加しています。
 トータルを1993年と02年で見ると、6602が6350となり、252施設の減少となっています。

 小児科医師数は、1994年の1万3346人が04年には1万4677人となり1331人、9.9%増加しています。ただ、医師数全体ではこの間に3万5815人、16.2%増加しており、それに比べると低い伸びです。
資料:小児救急電話相談事業の推進についての「P11−13」(ここをクリック) 


小児救急電話相談を全国で夜間・深夜と休日に、携帯も可(2006.7.16)

 厚生労働省は、小児科救急医療への対応策として各都道府県への補助事業として行っている「平日の夜間と休日」を対象とした「小児救急電話相談」を、全都道府県で深夜帯にも実施することとしました。携帯電話による利用も前提とします。

 小児救急電話相談事業は、地域の医師会と協力して地域の医師による体制が構築されることが望ましいものの、民間業者による医療に関する電話サービスの活用でも差し支えないとしています。
 小児の発熱などの場合に、電話相談を行って緊急に受診すべきか、あるいは翌日まで様子を見て受診すべきかを、専門的な経験を踏まえてアドバイスし、軽症が多いとされる小児の初期救急の現場で保護者に安心感を与えるものと位置づけています。

 04年度から実施していますが、今年7月1日現在で小児救急電話相談を行っているのは31都道府県にとどまり、未実施が青森、秋田、山形、福島、埼玉、富山、山梨、長野、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、長崎、鹿児島、沖縄の16県あります。
 実施都道府県のうち、深夜帯にも実施しているのは、大阪府と大分県、携帯電話の利用を可能としているのは福井県のみです。

 相談の実績は、相談件数が04年度で1日平均20.9件となっています。深夜帯(深夜から翌朝まで)については大阪府と大分県で相談件数の30%前後、携帯電話の利用は福井県で約30%程度となっています。

 厚生労働省では、全都道府県での体制整備を目指して、各都道府県に取り組み状況について今年9月1日までの報告を求め、その結果を公表することとしています。
資料:小児救急電話相談事業の推進について(ここをクリック) 


療養病床数が4月も減少、削減策と点数改定への対応か(2006.7.14)

有床診療所数も減少続く、評価見直しに反応せず
 厚生労働省の医療施設動態調査4月分によると、療養病床を有する病院が前月よりも11施設減少、その病床数も135床減少し、3月に続く減少となりました。  一方、療養病床のない一般病院が4施設増加しました。2月1施設増、3月3施設増に続いての動きです。療養病床を有する病院の減少は3月に初めて起こりましたが、療養病床のない病院の増加も、療養病床の制度ができて以来初めてのことと見られます。 こうした動きは療養病床削減策の発表とそれに合わせた診療報酬改定への病院側の対応の結果と推測されます。

 療養病床のない(一般病床のみの)一般病院は4施設増加して3578施設となりました。しかし、一般病床数は2月と3月の増加から再び減少に転じて148床減の90万5739床となりました。
 これに対し、療養病床を有する一般病院は4354施設、療養病床数は35万7836床です。療養病床のない病院と療養病床を有する病院をあわせた一般病院は、7施設減少して7932施設、ベッドの総数は283床減の126万3575床となりました。

 一般診療所は、無床診療所の増加と有床診療所の減少が続いています。有床診療所は、医療法上の意義が明確化され、診療報酬上の評価も行われましたが、それに呼応する動きにはなっていません。
 無床診療所は217増の8万4903施設、有床診療所は86減の1万3633施設、合計では131増の9万8536施設となりました。
資料:医療施設動態調査(平成18年4月末概数)(厚労省HP)(ここをクリック) 


医療機関のコスト調査、改定基礎資料の段階に入る(2006.7.13)

財源配分に影響する診療科別・部門別収支調査
 中医協・診療報酬基本問題小委員会の下部機関である診療報酬調査専門組織の「医療機関のコスト調査分科会」(分科会長=田中滋・慶応大学大学院経営管理研究科教授)は、「原価調査に基づく医療機関の部門別収支調査」「DPCコスト調査」「医療のIT化のコスト調査」「医療安全に関するコスト調査」の4種の調査について、05年度調査でほぼ調査方法を確立し、06年度にはより広範な調査を行い、診療報酬改定の基礎資料として07年3月までに結果を報告することとしました。

 特に、医療機関の部門別収支調査は、医療機関全体としての入院部門と外来部門の収支、さらに診療科ごとの入院部門と外来部門の収支を把握しようとするもので、この調査が確立してデータが提供されれば、改定財源の配分の面で診療報酬改定のあり方を大きく変えることにつながると予想されます。
 05年度はわずか8病院の調査でしたが、06年度調査では経営状況のデータ提出が義務付けられているDPC準備病院とDPC対象病院を調査対象とします。

 05年度調査の結果を医業収支で見ると、入院部門が2.8%の黒字、一方、外来部門は1.9%の赤字でした。
 診療科別では、入院部門は外科が0.9%の黒字であったのに対し、循環器科、小児科、婦人科が0.8%の赤字でした。外来部門では、内科が2.5%の黒字であったのに対し、整形外科は1.0%の赤字でした。

200床以上は入院が黒で外来は赤 病床規模別で見ると、200床以上の医業収支は、入院部門は3.9%の黒字、一方、外来部門は4.0%の赤字となりました。
 診療科別では、入院部門は外科が1.3%の黒字、小児科は1.4%の赤字。外来部門では、内科が0.7%の黒字、整形外科が0.9%の赤字でした。

200床未満は外来が黒で入院は赤 200床未満では、入院部門が0.3%の赤字となり、外来部門は2.6%の黒字となりました。
 診療科別では、入院部門は産婦人科が1.5%の赤字、内科が1.4%の黒字。外来部門は整形外科と産婦人科が1.4%の赤字、内科が6.7%の黒字でした。
資料:部門別収支調査結果
資料:部門別収支調査 資料編
資料:基本小委報告資料(8.9)
資料:分科会配布全資料


DPC病院のコスト削減、05年度は3.2%(2006.7.13)

給与費がターゲット、事務員給27%減
 7月13日の医療機関のコスト調査分科会で、DPC病院の05年度コスト調査の結果が報告され、1診断群分類のコストは4万6597円で前年度に比べ3.2%の削減が行われたことが明らかになりました。収入面のデータは報告されていません。

 コスト削減の主な項目は、給与費、経費、委託費、そして医薬品費です。給与費は、医師、看護師、医療技術員がそれぞれ6%台の削減となったのに対し、事務員は27%、技能労務員は25%という大きな削減が行われています。経費は12%、委託費は13%の削減となりました。
 医薬品費は3.2%の削減にとどまっていますが、購入価格ではなく薬価での計上のため実態よりも高めの値があてはめられているとしています。

 一方、診療材料費は38%の増加となりました。しかし、これも購入価格ではなく、診療報酬価格であり高めの値です。
資料1:診断群分類を活用した医療サービスのコストの推計に関する研究・概要
資料2:診断群分類を活用した医療サービスのコストの推計に関する研究・全文


中医協が薬価改定の頻度で議論開始、年1回改定視野に(2006.7.12)

 中医協・薬価専門部会(部会長=遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は7月12日、厚生労働省からの提示を受け、「薬価改定の頻度」についての議論に入ることを決めました。年1回の実施となる場合は来年4月の改定が想定されます。

 委員からは慎重な意見が多く、特に日医副会長の竹嶋氏は「3.16%という過去最大のマイナス改定をしたばかり。そこには薬価も含まれている。その検証もなく次のステップに進むのは問題」として、反対を表明しました。
 しかし、推進論もあり、特に医薬品卸の立場からの専門委員である渡辺氏が「審議の発端を作ってもらうことはありがたい」と、薬価に関する議論の促進を求めました。これを受けて遠藤部会長が議論を進めることへの同意を促し、そのまま決定とされました。

 医科の院外処方率が50%を超え、薬価差に対する医療機関の全体としての意識は薄くなっていますが、逆に見れば、薬価差が収入の一部となっている医療機関がまだ50%近くあるということです。そうした医療機関にとって、年1回の薬価改定となれば、経営に大きなマイナスとなります。医療側委員には慎重な対応が求められるところです。

 現行の薬価算定方式の下で薬価差も縮小してきていますが、05年調査の結果では、まだ8%あったことがこの日の資料として示されました。

 次回7月26日と8月上旬の2回に分けて医薬品産業界からの意見を聞き、議論を進めていきます。
資料:「中医協・薬価専門部会(第31回)」今後の検討の進め方(ここをクリック)


7対1入院基本料、一般病棟280施設・特定機能11施設・専門病院4施設(2006.7.12)

 厚生労働省は7月12日の中医協・診療報酬改定結果検証部会に、入院基本料の今年5月1日現在の届出状況を報告、新設された「7対1(従来ベースで1.4対1)入院基本料」は、一般病棟入院基本料で280施設4万4831床となったことが明らかになりました。

 「7対1入院基本料」は、ほかに特定機能病院入院基本料で11施設9382床、専門病院入院基本料で4施設1196床、また、結核病棟入院基本料で4施設80床、特定機能病院の精神で2施設47床となりました。
 一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料、専門病院入院基本料を合わせた一般病院の合計では、295施設5万5409床となります。

 一般病棟入院基本料では、05年度までの最高水準であった「10対1(従来ベース2対1)入院基本料」が、05年7月1日現在の1528施設から、今年5月1日時点では1899施設に増加しました。これに「7対1入院基本料」の280施設を合わせた「10対1以上」は2179施設となり、651施設増加したことになります。
資料:診療報酬改定結果検証部会議事次第(2ページに)


厚労省新型インフルエンザ対策、タミフルと死亡例でQ&A(2006.7.11)

 厚生労働省は7月10日、「新型インフルエンザ対策関連情報」を改訂、「3 新型インフルエンザに関するQ&A」の「IV.リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)について」に、タミフルと死亡事例についてのQ&Aを追加し、「現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていない」との見解を明らかにしました。

 Q&Aは、死亡事例について小児(16歳以下)と成人(17歳以上)に分けて示しています。
 小児については、15例の死亡例が報告されていますが、米FDAと日本小児科学会がタミフルと死亡についての因果関係が明らかなものはなかったとし、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会でも「タミフルと死亡との関係については否定的であった」ことから、タミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていないとしています。

 成人については、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、腎障害、肝障害、アナフィラキシーショックによる死亡4例は因果関係を否定できないものの、それ以外の33例はタミフルと死亡との因果関係は否定的であるとされているとし、因果関係を否定できないとされた「中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、腎障害、肝障害、アナフィラキシーショック」には、添付文書の「使用上の注意」を改訂して注意を喚起していることをあげ、これらの理由により、タミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていないとしています。
資料:新型インフルエンザ対策関連情報(厚労省HP)(ここをクリック) 


医療保険医療費2月分1.3%増、05年度最低の伸び(2006.7.7)

4月からの累計は3.5%増
 厚生労働省MEDIASの06年2月分がまとまりました。2月の医療保険医療費は対前年同月比1.3%増で、05年度では最も低い伸びです。前年は2月に入ってから流行が拡大したインフルエンザが今年は2月初めに頭打ちとなり、以後は急激に収束に向かったためです。4月から2月までの対前年同期比も3.5%増に落ち込みました。3月はマイナスとなる見込みのため05年度の伸び率はさらに落ち込み、3.3%程度が予想されます。

 2月の伸び率が低かったのは、インフルエンザの収束で入院外が前年同月比1.1%減と05年度として初めてのマイナスとなったためです。

 医療保険の制度別で見ると、被用者保険が3.0%減、国保が0.8%減となり、05年度で初のマイナスとなっています。一方、高齢者(老人保健分と被用者保険・国保の70歳以上)は5.8%増で、4月から2月までの累計の伸び率5.9%と大差なくインフルエンザの影響は見られません。

 入院外の状況を医療機関の種類別に1施設あたり医療費で見ると、病院では法人病院が0.7%減と唯一マイナスを記録、また個人病院も0.6%増と低い伸びにとどまり、一方、診療所は3.4%減と大幅なマイナスとなっています。
 ただ、1施設当たりレセプト件数は大学病院も含めてすべてマイナスで、病院は3.8%減(法人病院5.2%減)、診療所は4.8%減です。
 軽症の多いインフルエンザが収束したため1日当たり医療費の伸びは高く、1件当たり医療費も伸びたのですが、件数のマイナスが大きい法人病院と診療所が医療費でマイナスとなりました。

 3月は初頭にインフルエンザが収束、前年には3月がピークであったこととの関係で医療費はマイナスとなる見込みです。そのため、05年度の医療費の伸び率も3.3%程度にまでの落ち込みが予想されます。
資料:厚生労働省ホームページ「最近の医療費の動向」(ここをクリック) 


医薬品副作用報告05年度2万8515件、自主回収416件(2006.7.6)

医療機器自主回収は322件
 厚生労働省は7月6日、05年度の医薬品副作用報告数は製造販売業者からの報告が2万4523件、医師や薬剤師などからの報告が3992件で合計2万8515件となったこと、また、05年度の企業による製品自主回収は、医薬品が416件、医療機器が322件となったことを薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会に報告しました。

 医薬品副作用報告数は、製造販売業者からの報告、医薬関係者からの報告とも03年度をピークに減少傾向にあり、前年度に比べると619件、602件の減少となりました。  報告を受けて05年度に行われた安全対策上の措置は、「医薬品・医療機器等安全性情報」への情報掲載が31件、使用上の注意の改訂が250件、動物実験等の実施指示が1件でした。

 医薬品の自主回収416件は前年度の199件から大幅な増加となりましたが、日赤の血液製剤で献血後情報に基づいて投与前に事前回収されたものが259件あったためです。
 また、自主回収のうち「重篤な健康被害または死亡の原因となりうる状況」とするクラス1が260件ありましたが、そのうちの259件が日赤の血液製剤でした。
 他のクラス1の1件は、グンゼの体外診断用薬「サイクリックGBセンサー」でした。体外診断用薬ですが、全血中のグルコース濃度を測定するもので、誤った結果によりインスリン投与が行われる可能性があることから、自主回収されました。

 自主回収のうち、「一時的もしくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるか、または重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況」とされるクラス2が112件、「健康被害の原因となるとはまず考えられない」とされるクラス3が44件でした。
 医療機器の自主回収は、クラス1が11件、クラス2が267件、クラス3が44件でした。

抗がん剤イレッサ、1736施設に納入(2006.7.6)

新規処方は3ヵ月で2100人、副作用報告は減少
 アストラゼネカの抗がん剤「イレッサ」(ゲフィチニブ)について、厚生労働省は7月6日の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会に、生存期間に対する有効性の評価と副作用として起こる急性肺障害・間質性肺炎の原因解明への対応状況について、アストラゼネカからの報告書を提出しました。

 イレッサを服薬している患者数については、今年1月から3月の3ヵ月間の新規処方患者数が約2100人、3月末時点での継続投与患者数は約6400人とされました。3月末時点での納入施設数は1736施設であり、そのうち1730施設で新規処方患者があり、1729施設で継続投与患者があります。

 日本を含むアジア各国でイレッサの有効性・安全性を検討するための大規模な国債共同臨床試験(IPASS)が開始され、日本では今年4月に1例目の被験者が登録されました。

 納入施設数が1736施設とされたことに対し、委員から「かなり多い。専門家がいる施設を報告させるべき」との意見が出され、厚生労働省は企業に確認することとしました。


医療保険医療費1月分4.4%増、インフルエンザで(2006.7.3)

4月からの累計は3.7%増
 厚生労働省がまとめたMEDIAS(最近の医療費の動向)1月分によると、医療保険医療費の対前年同月比は4.4%増で、05年度では8月の6.3%増、5月の5.4%増に次いで高い伸びとなりました。入院外が5.0%増と高い伸びで、インフルエンザの流行によることを示しています。

 05年度のインフルエンザは全体としては前年度に比べて小さな流行にとどまりましたが、前年度は流行のピークが2月から3月にかけての時期であったのに対し、05年度は1月にピークを迎えたため、1月の入院外の伸びが大きなものとなりました。

 4月から1月までの対前年同期比は前月までと同じ3.7%増となっています。2月は伸び率が下がり、3月にはマイナスも予想されるため、05年度を通じた伸び率は3.7%を下回ることになります。

資料:厚生労働省ホームページ「最近の医療費の動向」(ここをクリック) 


医科の院外処方率51.7%、分業が当たり前の時代に(2006.7.2)

内科診療所も40%を越える
 病院と一般診療所の院外処方率は、04年に全体で51.7%となって初めて50%を超え、また、病院が初めて60%を越える62.5%、診療所では内科が初めて40%を超える41.6%となったことが明らかになりました。厚生労働省が毎年6月審査分を対象に行っている社会医療診療行為別調査の結果です。日本の医療も医薬分業が当たり前の時代に入りました。

 院外処方率は、「処方料」と「処方せん料」の合計算定回数に対する「処方せん料」の算定回数の割合で、まさに分業率と言えるものです。
 病院は前年の57.0%から一挙に5.5ポイントの増加となりました。一般病院が57.5%から62.6%、療養病床を有する病院が58.4%から65.0%とともに大きな増加で60%を超えたためです。
 特的機能病院は先行しており、65.4%から68.3%へと進みました。

 診療所は、45.4%から47.4%と増加は2.0ポイントにとどまり、病院に比べてゆるやかな進み具合となっています。しかし、05年には50%に達している可能性があります。  診療科別では、医療機関数・患者数とも最大の内科が39.3%から2.3ポイント増加して41.6%となりました。数年後には50%に達するものとみられます。
 最も進んでいるのは耳鼻咽喉科で前年の63.1%が68.7%になりました。