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11月のニュース


レセプト情報の収集・分析 個人情報は削除、保険医療機関番号は必要 厚労省(2007.12.3,2:00)

時間外評価は初再診と切り離し、疾患別リハの逓減制廃止、7:1入院基本料に医師数要件 中医協・基本小委(2007.12.3,2:00)資料

7:1入院基本料、多くの医師がいることを前提とした評価だった 厚労省(2007.12.3,2:00)資料

材料価格算定方式 改良加算1−20%、内外格差は1.5倍目指し1.7倍に縮小(2007.12.3,2:00)

ノバルティス 慢性骨髄性白血病治療薬タシグナがEUで承認(2007.12.3,2:00)資料

HIV/エイズ治療薬、臨床試験中またはFDA承認待ちが92種 米国研究製薬工業協会(2007.12.3,2:00)資料


診療所の時間外評価 日医が受け入れ、点数変更し来院した時間帯で加算 中医協・基本小委(2007.11.30,17:15)資料

疾患別リハ、逓減制廃止と早期加算導入で点数引き下げ 中医協・基本小委(2007.11.30,17:15)資料


診療報酬改定の基本方針決定、診療所の夜間開業時間の評価は初再診料引き下げと分離 医療部会(2007.11.30,1:10)

回復期リハの結果評価 居宅退院率・重症患者率・重症患者の日常生活機能の改善率 厚労省(2007.11.30,1:10)資料

疾患別リハの逓減制を廃止、医学管理料は点数を一本化厚労省(2007.11.30,1:10)資料

後期高齢者医療、重複投薬防止に医師もお薬手帳を確認 中医協・基本小委(2007.11.30,1:10)資料

療養病棟入院基本料は点数据え置き、質の評価導入に向けた取組を義務化 中医協・基本小委(2007.11.30,1:10)資料

エーザイ 肥満症治療薬シブトラミンを承認申請、体重5%減少(2007.11.30,1:10)資料

大日本純友製薬、中国市場でガスモチンを自社販売(2007.11.30,1:10)資料


診療報酬本体はマイナス改定の状況にない、引き上げに踏み込まず 中医協が意見書(2007.11.28,16:40)資料

薬価かい離率6.5%、調整幅切り込みが前回並みなら引き下げ率5.2%・医療費ベース1.1%(2007.11.28,16:40)資料


DPC病院も検証の時代 再入院とアップコーディング規制、データの質チェック、指定解消も(2007.11.28,1:30)資料

社会保障カード(仮称) 日本経団連が積極導入を主張、日弁連は慎重な導入を求める(2007.11.28,1:30)

アステラス製薬 米国がん抗体医薬専門ベンチャーAgensys,Inc を買収、抗体医薬研究体制強化(2007.11.28,1:30)資料


2200億円削減策 被用者健保財政調整は年末決着へ、 社保審医療保険部会が結論出せず(2007.11.27,0:30)

診療報酬改定の基本方針 医療保険部会は了承(2007.11.27,0:30)

回復期リハ病棟の結果評価、入院時と退院時の状態を比較し改善状態を見る(2007.11.27,0:30)


来年度医療費改定 ±0%ラインの攻防へ、薬価引き下げと診療報酬引き上げ(2007.11.26,0:20)

中医協が財政審に対抗、どういう要件が出たら引き上げるのか 公益委員が発言(2007.11.26,0:20)


次期診療報酬改定基本方針 患者のわかりやすさの観点・オンライン化推進を盛り込む 医療部会(2007.11.22,18:00)資料


中医協 診療報酬引き上げ意見提出へ、公益委員・支払側委員が主張(2007.11.22,1:30)資料

DPC病院の新基準 軽症の急性期入院を含む案が大勢、準備期間2年は決定 中医協・小委(2007.11.22,1:30)資料

中医協・薬価部会 特許期間中新薬の扱いは来年の改革以降の課題と位置付け、再算定は対象を拡大(2007.11.22,1:30)資料

BIのスピリーバ、COPD患者の経年的肺機能低下抑制で画期的報告の期待 順天大・福地客員教授(2007.11.22,1:30)

中外製薬 国内創製抗体医薬のアクテムラを米国FDAに承認申請、関節リウマチの適応症(2007.11.22,1:30)

ロシュの慢性腎疾患に伴う貧血治療薬Mircera、米FDAの承認を取得(2007.11.22,1:30)


財政審建議 診療報酬マイナス改定求める、被用者保険間の財政調整も必要(2007.11.21,0:30)

腎疾患対策作業班 厚労省のメタボ対策などヒアリング、課題はかかりつけ医対策と専門医育成(2007.11.21,0:30)

高血圧症 初期のARB製剤投与で投薬中止後もメモリアル効果、生活習慣病対策の見直しも(2007.11.21,0:30)

社会保障カード(仮称)、病院・保険者・介護施設関係者は「必要性が薄い」(2007.11.21,0:30)


がん対策の概算要求 厚労・文科・経産の3省合計で648億円、21%増(2007.11.20,3:10)

がん診療連携拠点病院 指定要件見直しへ、厚労省(2007.11.20,3:10)

がん検診は重要が95%、拠点病院は8割が知らない 内閣府世論調査(2007.11.20,3:10)

薬価制度改革 届出価格方式は来年の改定後の議論を想定、製薬協・青木会長(2007.11.20,3:10)

武田薬品、抗体医薬研究子会社を米・サンフランシスコに設立(2007.11.20,3:10)

中外製薬、注射用セフェム「ロセフィン」に「小児1日1回投与」の新用法用量(2007.11.20,3:10)


中医協・小委 回復期リハで医療の結果評価、検査の院内体制を評価、通院精神療法は一定時間未満引き下げ(2007.11.19,0:00)資料

米国研究製薬工業協会加盟企業 開発中の感染症治療薬338種、新クラスのC型肝炎治療薬も(2007.11.19,0:00)


通院精神療法 診療時間による評価を導入、短時間は引き下げ 精神科救急など評価へ、厚労省(2007.11.16,17:00)資料

医療の結果による評価 回復期リハ病棟で導入、病棟単位で 厚労省・原医療課長(2007.11.16,17:00)資料

精神科救急入院料の要件を緩和、精神病棟入院基本料では認知症・身体的合併症対応を評価 厚労省(2007.11.16,17:00)資料

検体検査実施料、院内の迅速検査・24時間対応を重点評価 厚労省(2007.11.16,17:00)資料


医薬品流通改善待ったなし、変わらねばメーカー出荷価格に基づく算定方式も 厚労省・武田経済課長(2007.11.16,0:30)

改革の見直しが多すぎる、考え抜いた制度設計が必要 柳沢前厚労相(2007.11.16,0:30)

イノベーションの第1にあがった医薬に「ぶったまげた」 柳沢前厚労相(2007.11.16,0:30)

どうして社会保険庁ができてしまったのか、柳沢前厚労相(2007.11.16,0:30)


経済財政諮問会議 診療報酬体系見直しで民間議員ペーパー、勤務医と開業医の格差是正が必要(2007.11.15,1:30)

味の素/アステラス製薬、ナテグリニドがビグアナイド系薬剤との併用療法の効能追加を取得(2007.11.15,1:30)


08年診療報酬改定方針で中医協が議論、病院の経営悪化に焦点 診療所は黒字に日医が反発(2007.11.14,17:10)資料

手術施設基準は先送り、分科会での調査・解析が途中段階のため 中医協・小委(2007.11.14,17:10)資料

糖尿病対策 生活習慣病管理料引き下げ・フットケア評価・長時間人工腎臓評価 中医協・小委(2007.11.14,17:10)資料


公立病院改革ガイドライン 総務省が策定、民間病院並みの経営効率を 廃止・統合も促す(2007.11.14,1:20)

田辺三菱製薬、レミケードがクローン病維持療法の効能追加を取得(2007.11.14,1:20)


調整係数廃止 平成21年もあり得る、新準備病院は調整係数なしも(2007.11.13,1:15)資料

「データ/病床」比3.5以上、DPC対象病院も3病院が基準未満(2007.11.13,1:15)資料

DPC分科会、再入院とアップコーディング対策・新基準案・新機能評価係数で提案書(2007.11.13,1:15)資料

DPCの影響評価、平均在院日数の減少で効率化が進展(2007.11.13,1:15)資料


DPC病院 準備期間は2年へ、新基準案で分科会が意見 10:1看護未達のDPC病院は指定解消(2007.11.12,19:00)資料


後発医薬品への変更率6倍以上にも、処方せん様式変更と薬局のへのインセンティブで(2007.11.12,1:15)(資料)

在宅療養支援診療所、一部病院も対象に 医療用麻薬の使用を老健・介護療養で出来高に(2007.11.12,1:15)(資料)

タミフルと異常行動、直接的に支持するデータは得られていない WGが試験結果を報告(2007.11.12,1:15)


処方せん様式変更決定、日医が賛成 薬局の調剤基本料も後発薬調剤率が一定以上を重点評価(2007.11.9,14:55))(資料)


医療事故調(仮称)、「医療安全」を前面に出し医療関係者が一体として取り組む(2007.11.9,0:15)資料

医療事故調(仮称)と届出、範囲の明確化、ペナルティの内容、医師法21条は改正 検討会で詰め(2007.11.9,0:15)資料

中外製薬 アクテムラが海外臨床試験でRAに有効性、年内に欧米で申請(2007.11.9,0:15)


後発医薬品への変更 薬局の対応進まず、今年も「変更可」処方せんの8%(2007.11.8,2:00)(資料)

有床診療所の夜間体制を評価、特殊疾患療養病棟入院料の経過措置は継続 次期診療報酬改定(2007.11.8,2:00)(資料)

第一三共9月中間、売上4437億円・9%減、営業利益939億円・20%増(2007.11.8,2:00)

大日本住友製薬9月中間、売上1287億円・1%増、純利益138億円・46%増(2007.11.8,2:00)


財務省が日医要望に「不適当」 医師の給与を引き上げた上、一律に黒字化求めるもの(2007.11.7,0:50)

被用者保険の財政調整案を財務省が後押し、倒産による健保組合解散はない(2007.11.7,0:50)

アステラス製薬9月中間、売上4835億円・8%増、営業利益1481億円・104%増(2007.11.7,0:50)

ノバルティスファーマ、抗アレルギー剤「ザジテン」のスイッチOTCを発売(2007.11.7,0:50)


DPC病院の新基準案 データの質の確保・急性期病院の担保を狙う(2007.11.6,2:50)(資料)

第一三共、抗血小板剤プラスグレルがクロピドグレルに対し有意に上回る効果(2007.11.6,2:50)

中外製薬、今シーズンのタミフル供給は半減の600万人分(2007.11.6,2:50)

武田薬品9月中間、売上7085億円・10%増、純利益2180億円・37%増(2007.11.6,2:50)

塩野義製薬9月中間、売上1042億円・13%増、純利益108億円・69%増(2007.11.6,2:50)


DPC病院の新基準案 今年度準備病院のDPC移行は先送り、既存DPC病院の絞り込みも(2007.11.5,0:30)(資料)

勤務医の負担軽減策、「決定機関としてどこかで折り合わなければ」 土田会長が合意へ強い姿勢(2007.11.5,0:30)

診療所の初再診料 後期高齢者では初診料を上げ・再診料引き下げ(2007.11.5,0:30)

メディカルクラーク評価、急性期病院に限定(2007.11.5,0:30)

夕方も開業していれば患者は診療所を受診する、厚労省医療課が調査結果示す(2007.11.5,0:30)

大日本住友製薬、米社の新睡眠導入剤を導入(2007.11.5,0:30)

アステラス製薬、インド市場参入目指し駐在員事務所開設(2007.11.5,0:30)

米ファイザー 1%減収45%減益、第3四半期まで(2007.11.5,0:30)


DPC病院の新基準案 準備期間2年で今年度の準備病院は先送りも、2階建構想は撤回(2007.11.2,19:50)(資料)

勤務医負担軽減 診療所の時間外加算要件緩和・メディカルクラークに点数・入院時医学管理加算見直し(2007.11.2,19:45)


医薬品承認審査の利益相反ルール、米欧の一歩先を行くものに 厚労省WG(2007.11.2,1:50)

田辺三菱製薬9月中間 三菱ウェルファーマ分が微増収にとどまる(2007.11.2,1:50)

明治製菓・バイエル薬品 シプロキサン注の共同販売を08年1月末で終了(2007.11.2,1:50)




レセプト情報の収集・分析 個人情報は削除、保険医療機関番号は必要 厚労省(2007.12.3,2:00)

日医・日歯が反発、年内取りまとめは困難(医療経営:レセプト情報)

 厚生労働省は、医療費適正化計画策定の資料として保険者から提出を求めることとしているレセプト情報で、患者については氏名と被保険者証の記号・番号など、医療機関については医療機関名と調剤レセプトの保険医師名を削除することで、「個人情報保護法による個人情報を収集しない」とする考えを、11月30日のレセプト情報の活用に関する検討会(座長:開原成允・国際医療福祉大学大学院院長)に示しました。
 しかし、保険医療機関番号を削除しないのは個人情報の削除にならないとするなど、日本歯科医師会と日本医師会の委員は反対の姿勢を明確にしました。

 レセプト情報から削除するデータとして厚労省が示したのは、患者情報として「患者の氏名、生年月日のうちの日」「被保険者証の記号・番号」「公費負担医療受給者番号」の3種、医療機関情報としては「医療機関・薬局の名称」「保険医師名(調剤レセプト)」の2種です。
 また、特定健診・保健指導データについても受診者の氏名・住所などの個人情報の削除を予定しているとしました。
 これにより、個人情報保護法上の個人情報について、「国が収集するデータには含まれず、個人情報を収集しない」との考えを示しました。

 また、厚労省はレセプト情報と特定健診・保健指導情報について、同一人物の情報を特定できるようにして医療費分析を行う方針ですが、同一人物と特定するための方法論として、設定する値からは元データを再現することのできない「ハッシュ関数」を使用する考えを明らかにしました。暗号化などで使用されているものです。
 健康保険では転職すると保険者が変わり同一人物の追跡が困難になりますが、それを追跡するために、同一人について「保険者番号・記号番号・生年月日、性別」を元にしたハッシュ値(1)を設定、また「氏名、生年月日、性別」を基にしたハッシュ値(2)を設定します。こうすることで、レセプトと特定健診データの結ぶつけも含めて、原則として同一人物の追跡が可能になります。ただし、健康と同時に退職し、保険者と氏名の両方に変更が生じた場合は追跡できなくなるという問題張残ります。

 これに対し、弁護士で日本医師会総合政策研究機構主任研究員の尾崎氏は、「国家機関が病歴というプライバシーに関する情報を集めることで発生するリスクを上回るメリットはなく、デメリットが大きい」として反対を表明。
 さらに、ハッシュ関数についても、ハッシュ値から元データを再現できないものの「保険者番号や生年月日などからハッシュ値は出せてしまう」として、個人情報と切り離すことはできないとの見解を示しました。ハッシュ値が漏れた場合に罰則を課したとしてもセキュリティを確保することにはならないとしています。
 国による情報漏えい530件のうち、社会保険庁も含めると厚労省が400件を超えているとも指摘しました。

 日本歯科医師会常務理事の稲垣氏は、保険医療機関番号は公開されているとして「これを削除しないのは個人情報の削除にならない」と主張しました。

 しかし、厚労省は「医療費適正化計画は医療の効率的な提供の推進」を目的としているとして、「医療機関の種類別の分析」や「病床の種類別の分析」を行うために必要だと反論。レセプトには記載がなく保険医療機関コードしかないとしました。
 ただ、「特定された医療機関ごとの分析の必要はない」としています。

 日本医師会常任理事の中川氏も、「メリットは幻想にすぎない。個人情報を追跡できる仕組みであり、現時点では賛成できない」と反対を表明しました。

 一方、滋賀県の国保データを追跡した滋賀医大社会医学講座教授の上島氏や国立保健医療科学院経営科学部経営管理室室長の岡本氏は、個人データを追跡・分析することで有用な成果が得られると主張。日本経団連の委員も個人情報保護の観点は重要としながらも医療内容の透明化により効率化も進むとして推進を求めました。
 連合の委員は、医療費動向や疾病同行の把握には意味があるとしながらも、保険者ではなく国が個人情報を把握して分析することの意義については疑問があるとしています。

 こうした議論に対し、厚労省は「医療費適正化計画を進めるために分析することは緊急課題」であり、レセプトデータ自体に問題点はあるものの「わかることはかなりある」とし、「医療費の地域差すら理由がわかっていないが、どの程度適正なのかは診療行為ごとの点数があればある程度分析できる。高額なものも低額なものもあってばらつきがきいため、全数がないとぶれが大きくなる」と説明、エビデンスのある分析のために必要だとしました。

 厚労省は当初、年内に意見をまとめる予定でしたが、次回を12月に開いたあと、年明け後にさらに議論を詰めることとしています。


時間外評価は初再診と切り離し、疾患別リハの逓減制廃止、7:1入院基本料に医師数要件 中医協・基本小委(2007.12.3,2:00)資料

血友病HIV患者の薬剤料は包括から除外(診療報酬情報:08改定)

 中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長:土田武史・早稲田大学商学部教授)は11月30日、リハビリテーション、感染症対策、勤務医の負担軽減策、7:1入院基本料の見直しについて検討を進めました。

 「勤務医の負担軽減策」で厚労省は、診療所の時間外診療の評価と関連して初再診料引き下げを行うことはないと明言。疾患別リハビリテーション料では点数の逓減制を廃止する方針を示しました。

 7:1入院基本料では、看護必要度を把握するために「一般病棟の重症度・看護必要度に係る評価表(案)」を使用するとともに、医師の診療体制を要件に加える方針を示しました。

 感染症対策では、2類感染症患者(排菌量の少ない患者を除く)についての個室での療養環境の確保を評価します。感染症対策としては現在、HIV感染者療養環境特別加算として個室250点、2人部屋150点があります。
 また、血友病を伴うHIV感染者とエイズ患者については、長期療養するケースが多い中で、その入院料は包括点数となっていますが、使用される薬剤料が月に15万円から17万円に及ぶケースもあることから、薬剤を包括外とすることとします。
資料1:勤務医の負担軽減(診療所の時間外評価)(厚労省)
資料2:参考資料=勤務医の負担軽減(診療所の時間外評価)(厚労省)
資料3:感染症対策(厚労省)
資料4:基本問題小委員会配布全資料(厚労省)
関連記事1:「診療所の時間外評価 日医が受け入れ、点数変更し来院した時間帯で加算 中医協・基本小委」(2007.11.30,17:15)
関連記事2:「疾患別リハ、逓減制廃止と早期加算導入で点数引き下げ 中医協・基本小委」(2007.11.30,17:15)


7:1入院基本料、多くの医師がいることを前提とした評価だった 厚労省(2007.12.3,2:00)資料

10:1入院基本料には看護補助者の評価を付加(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省は、7:1入院基本料に医師数要件を加えることとし、11月30日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に、提示しました。
 これは、7:1入院基本料が目的とした「急性期入院医療の実態に即した手厚い看護配置を適切に評価する」ことの中に、「基本的に多くの医師が急性期病院で診療を行っていることを含めて評価するもの」との考えからだとしています。
 また、入院基本料自体は「基本的な入院医療の体制を評価するもの」とし、具体的に「入院中の患者に係る医師の基本的な診察や診療計画の作成など」を評価しているものであることも示しました。

 このため、今回の見直しの基本的な方向としていた看護必要度による評価に加えて、医師の診療体制についても要件とする必要があるとしています。

 一方、看護必要度については、ハイケアユニットの「重症度・看護必要度評価票」を活用して調査を行った結果、一般病棟では治療や処置の内容がハイケアユニットとは異なることが明らかになったとして、タイムスタディ調査の結果も加味して、新たに「一般病棟の重症度・看護必要度に係る評価票(案)」を提案したものです。

 具体的には、A項目「モニタリングおよび処置等」として、(1)創傷処置、(2)血圧測定、(3)時間尿測定、(4)呼吸ケア、(5)点滴ライン同時3本以上、(6)心電図モニター、(7)シリンジポンプの使用、(8)輸血や血液製剤の使用、(9)専門的な治療・処置、の9項目をあげ、最後の「専門的な治療・処置」の内容としてさらに、抗悪性腫瘍剤の使用、麻薬注射剤の使用など7項目をあげました。

 B項目としては、(1)寝返り、(2)起き上がり、(3)座位保持、(4)移乗、(5)口腔清潔、(6)食事接種、(7)衣服の着脱、の7項目をあげています。

 各評価項目は、急性期の一般病棟での実施頻度、7:1と10:1とで差のあるものを選んだとしています。

 また、看護必要度の調査結果から、10:1入院基本料算定病院でも「手厚い看護が必要な患者が一定以上いる」として、看護補助者の体制評価を行う方針を示しました。
資料1:7:1入院基本料について(厚労省)
資料2:参考資料=7:1入院基本料について(厚労省)
資料3:基本問題小委員会配布全資料(厚労省)


材料価格算定方式 改良加算1−20%、内外格差は1.5倍目指し1.7倍に縮小(2007.12.3,2:00)

新機能材料の保険導入を2ヵ月短縮(中医協情報:医療機器)

 厚生労働省は11月30日の中医協・保険医療材料専門部会(部会長:遠藤久雄・学習院大学経済学部教授)に、特定保険医療材料の算定基準見直しの具体的な内容を示しました。

 迅速な保険導入のため、新機能である区分C1は「保険適用開示月の1月前の末日までに決定されたもの」として2ヵ月短縮します。

 補正加算は、「有用性加算2」(5−10%)を「改良加算」と改め、改良型医療材料についても加算の対象とします。加算率は、「1−20%」とします。
 画期性加算は「40−100%」を「50−100%」とし、「有用性加算1」(15−30%)は「有用性加算」として「5−30%」とします。市場性加算は変わりません。
 原価計算では、営業利益率を0.5倍から1.5倍の範囲で調整しメリハリをつけます。

 内外格差是正については、外国価格との価格調整で「外国価格の相加平均の2倍以上の場合に2倍の価格」としているものを、次々回改定時には「1.5倍」とすることを前提に、次回は「1.7倍」とします。激変緩和だとしています。

 一定価格幅については、他よりも高くしているダイアライザー(11%)とフィルム(5%)を引き下げ、ダイアライザーは7.5%、フィルムはその他と同じ4%とします。

 再算定は、外国価格の相加平均の2倍以上または1.5倍以上で直近2回の価格の下落率が15%以内であるものを対象としていますが、次々回改定時には「1.5倍」とすることを前提に、次回は「1.7倍以上または1.5倍以上」とします。


ノバルティス 慢性骨髄性白血病治療薬タシグナがEUで承認(2007.12.3,2:00)資料

既存治療に抵抗性または不耐容、世界37ヵ国で承認(医薬品:企業情報)

 ノバルティスファーマは11月30日、ノバルティス社(スイス)の「タシグナ」(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)が「既存治療に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病(DML)」治療薬として、11月28日に欧州連合(EU)から承認されたと伝えました。米国、スイスに次ぐもので、これにより世界37ヵ国の承認を得たことになります。日本では、今年6月26日に承認申請を行っています。

 タシグナは、同社のCML治療薬グリベック(一般名:イマチニブメシル酸塩)を含む既存治療に抵抗性または不耐容のCML患者に対する新規の抗がん剤で、慢性期のフィラデルフィア染色体陽性CML患者の49%に奏功、多くの患者では投与開始後3ヵ月以内に効果が現れます。
資料:慢性骨髄性白血病治療薬タシグナがEUで承認(ノバルティスファーマ)


HIV/エイズ治療薬、臨床試験中またはFDA承認待ちが92種 米国研究製薬工業協会(2007.12.3,2:00)資料

既存薬の3倍以上、ワクチン20種含む(医薬品:企業情報)

 米国研究製薬工業協会(PhRMA)によると、HIV/エイズ治療薬として現在、ワクチン20種、抗ウイルス薬46種など92種の薬剤が臨床試験または米国FDAの承認待ちの段階にあります。
 20年以上前にエイズウイルスが特定されて以来、これまでに30種のHIV/エイズ治療薬が承認されていますが、研究開発中の新薬がその3倍以上に達しています。

 開発中の治療薬の中には、耐性細胞工学によるものが1種あります。HIVに対する免疫反応を高める2種類の画期的技術を用いて、遺伝子発現をターゲットとするアンチセンス療法です。血液細胞に遺伝物質を挿入してウイルスの成長を遅らせる技術と、ターゲット細胞に新しい遺伝子を挿入し遺伝子が細胞の染色体に組み込まれるようにする技術で、この新しい遺伝子を組み込んだ細胞を患者に移植します。

 ワクチンでは、世界で最も一般的なHIV-1ウイルス3種の防御を目的として、現在開発を進めている遺伝子を基本としたワクチンがあり、HIV患者のさまざまな免疫反応を引き起こすことが確認されています。
資料:HIV/エイズ治療薬92種を開発中(PhRMA)


診療所の時間外評価 日医が受け入れ、点数変更し来院した時間帯で加算 中医協・基本小委(2007.11.30,17:15)資料

深夜・休日と小児科は変更なし、初再診料は別途検討(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省は「勤務医の負担軽減策」としての診療所の時間外診療の評価については、早朝の6時から8時までと夕方の18時から22時までの「時間外加算」の対象時間帯に対し、現行の「開業時間」との関係ではなく、「来院した時間帯」によって加算する方式に変更することとします。点数も変更となります。11月30日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に示しました。

 また、現行では昼間帯の12時から15時までを開業時間としていない場合、その時間帯に診療すれば時間外加算を算定できましたが、新方式では「開業しているか否か」に関わらず昼間帯は加算の対象外となります。

 初再診料の再編の中で実施するのではなく、時間外の診療の評価として対応するものとし、初再診料とは切り離して対応することを明確にしました。

 これに対し、支払側で健保連専務理事の対馬氏が「初再診料は別途対応することになるのか」と質問、厚労省の原医療課長は「初再診料については、(改定の)財源の問題もあり別途検討する」と答えています。
 初再診料の引き下げは、改めて提案する方向です。

 時間外の評価については、日医常任理事の鈴木氏が午前の8時から9時の時間帯の評価、また土曜日の評価を求めましたが、原医療課長は財源の問題から対応は困難としました。
 今回の見直しは、深夜加算や休日加算の部分には踏み込まないものとしています。また、点数の変更は小児科では行わない方針です。

 日本医師会は、時間外の評価自体について、実施状況に地域差があること、高齢の医師には無理があること、時間外に対応した場合に休日・夜間診療所への参加に影響する可能性があることなどを理由として反対を表明していました。
 しかし、厚労省はこの日、現在の時間外診療の実施状況から、そうした状況は見られないとするデータを提出し、当初方針通り時間外の評価を行うものとしました。

 日医副会長の竹島氏は、これを受け入れ、かつては診療所も時間外には大学から派遣された医師で対応していたがそれができないため「診療所としても苦しさがある」が、「勤務医の苦しさを少しでも支える」との考えを表明しました。
資料1:勤務医の負担軽減(診療所の時間外評価)(厚労省)
資料2:参考資料=勤務医の負担軽減(診療所の時間外評価)(厚労省)
資料4:基本問題小委員会配布全資料(厚労省)


疾患別リハ、逓減制廃止と早期加算導入で点数引き下げ 中医協・基本小委(2007.11.30,17:15)資料

回復期リハ病棟入院料は3−4段階評価に(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省は11月30日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に疾患別リハビリテーション料の見直しを説明、一定日数以後は低い点数としていた逓減制を廃止して一本化するとともに、早期加算を導入、また、維時期を対象としているリハビリテーション医学管理料は、疾患別リハビリテーション料と同一の1単位当たり点数に統一した上で1月当たりの実施単位数を設定するものとしました。
 早期加算は疾患別リハビリテーション料のすべてに適応するもので、そのため、各疾患捌リハビリテーション料は現行より引き下げとなります。

 「医療の質の評価」を導入する回復期リハビリテーション病棟入院料は、(1)一定以上の居宅退院患者率、(2)一定以上の重症患者受け入れ、(3)日常生活機能が退院時に一定程度以上改善、の3指標により、3−4段階で評価する方針です。
 日常生活機能は、看護必要度の指標とされている「日常生活機能指標」を使用します。重症者は10点以上で20%以上、居宅等への退院患者率75%というデータを示しましたが、成績の良い施設の例であり、そのまま算定の基準とするものではないとしています。
 居宅等退院は有料老人ホームなどとし、老人保健施設は含めない方針で、特別養護老人ホームは今後の検討としています。
資料1:リハビリテーションについて(厚労省)
資料2:参考資料=リハビリテーションについて(厚労省)
資料3:リハビリテーションの診療実態に係る調査結果(厚労省)
資料4:基本問題小委員会配布全資料(厚労省)


診療報酬改定の基本方針決定、診療所の夜間開業時間の評価は初再診料引き下げと分離 医療部会(2007.11.30,1:10)

中医協に提出(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省の社会保障審議会医療部会(部会長:鴨下重彦・国立国際医療センター名誉総長)は11月29日、「平成20年度診療報酬改定の基本方針」を了承しました。この日の議論を踏まえて表現の修正を加え、医療保険部会と調整したうえで中医協に提出します。

 中医協は、この基本方針に基づいて個別点数の改定を議論します。個別点数の改定の考え方については、中医協はすでに議論を進めていますが、基本方針の考え方の方向に沿ったものとなっています。

 緊急課題としての「病院勤務医の負担の軽減」の具体策として盛り込まれている「診療所の開業時間の夜間への延長が進むための評価のあり方」については、前回の議論での日本医師会の委員の発言を踏まえ「診療所の夜間開業時間の評価のあり方」と修正されました。

 この表現の見直しに関連して、日医常任理事の中川氏は夜間開業時間の評価のために初再診料の引き下げは行わないことの確認を求め、厚労省保険局の原医療課長は「初再診料については、診療所の夜間開業時間の評価と関連して点数を動かすことは考えていない」と答えました。

 しかし、厚労省は初再診料の引き下げ自体は、診療報酬改定全般の財源になるものとして行う方針です。それを「診療所の夜間開業時間の評価」と関連付けることにはしないということです。


回復期リハの結果評価 居宅退院率・重症患者率・重症患者の日常生活機能の改善率 厚労省(2007.11.30,1:10)資料

医師の専従要件は外す(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省は「提供された医療の結果による評価」を導入することとしている回復期リハビリテーション病棟について、評価のための指標を(1)居宅等への退院患者が一定以上、(2)重症患者を受け入れている、(3)重症患者の日常生活機能が退院時に一定程度以上改善されている、の3点とし、重症患者については日常生活機能指標10点以上とする方針です。11月28日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に提出、30日の同小委で検討されます。

 回復期リハビリテーション病棟入院料は、現行では1日につき1680点の一律の点数となっていますが、これを新たな評価基準で病棟ごとの評価とします。
 評価指標については、試行的なものであるとし、その妥当性について検討しながら導入することとしています。

 回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準は、(1)病棟に専従の医師1名以上、理学療法士2名以上、作業療法士1名以上の常勤配置、(2)心大血管リハビリテーション料1、脳血管疾患等リハビリテーション料1または2、運動器リハビリテーション料1または呼吸器リハビリテーション料1の届出、などとされていますが、このうち、「医師の専従」は必要がないとの指摘があるとして、除外する方針です。
資料:リハビリテーションについて(11.28基本小委資料、PDF13ページ)(WAMNET)


疾患別リハの逓減制を廃止、医学管理料は点数を一本化厚労省(2007.11.30,1:10)資料

言語障害の集団療法を評価、障害児リハは評価充実(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省は今年4月に算定日数上限の見直しを行った疾患別リハビリテーション料について、点数の逓減制を廃止して一本化するとともに、脳血管疾患等リハビリテーション料と運動期リハビリテーション料については早期加算を導入する方針です。
 また、リハビリテーション医学管理料は、疾患別の点数を統一し、1月当たりの実施単位数を設定します。

 逓減制については、逓減の前後でもリハビリテーションの内容は変わらず、患者の理解が得にくいとして廃止するものです。
 リハビリテーション医学管理料は、医時期のリハビリテーションは1回当たりの時間や内容が疾患ごとに大きく変わるものではなく、実施頻度が急性期や回復期に比べて減少することに対応して変更します。

 また、言語障害について、集団コミュニケーション療法を新たに評価。障害児(者)リハビリテーション料は評価を充実し、一定以上の障害児(者)を受け入れ専門性の高いリハビリテーションを行っている施設を新たに対象とします。
資料:リハビリテーションについて(11.28基本小委資料)(WAMNET)


後期高齢者医療、重複投薬防止に医師もお薬手帳を確認 中医協・基本小委(2007.11.30,1:10)資料

院内投薬は医療機関が記載、主治医1人に日医が反対(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省は11月28日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に、後期高齢者医療の薬歴管理と外来医療について、具体的な考え方を提示。主治医については「高齢者総合担当医」など5種類の候補名称をあげ、点数として包括するのは医学管理等・検査・処置・画像診断の4項目で、投薬と注射については「対象となる疾患が幅広い」ため除外する考えを明らかにしました。

 主治医は、患者の受診歴や服薬状況を確認することとされますが、重複投薬のチェックのため、診療ごとに「お薬手帳」を確認することを義務付け、院内投薬する場合でもお薬手帳への記載を必須とします。

 主治医としての対象疾患は、現行の特定疾患療養管理料の対象疾患を基本とし、糖尿病、高脂血症、高血圧性疾患、心不全、脳血管障害、気管支拡張症などとします。悪性新生物、思春期早発症、性染色体異常などは除外、一方、認知症、便秘症などを加えます。

 主治医であるための研修は、講義を3日程度、演習を1日程度としました。講義は後期高齢者の診療計画、後期高齢者の評価、認知症の診療、高齢者の口腔ケアなど、演習は後期高齢者の診療計画の立案、総合的な評価の演習、高齢者の検査・画像所見の見方、高齢者の薬物療法などです。

 お薬手帳については、薬局だけでなく医療機関でも活用するものと位置付けます。
 薬局については、薬剤服用歴管理料と薬剤情報提供料を統合し、お薬手帳への記載を義務付けます。
 認知機能の低下したような患者に対しては、患者が持参した薬剤も含めて服薬カレンダーを活用した服薬管理の支援を評価することとします。

 しかし、主治医を1人とすること、後期高齢者の再診料を引き下げることに日本医師会が強く反対し、継続して審議することとされました。
資料:後期高齢者医療について(11.28基本小委資料)(WAMNET)


療養病棟入院基本料は点数据え置き、質の評価導入に向けた取組を義務化 中医協・基本小委(2007.11.30,1:10)資料

療養病床から転換した介護老人保健施設を評価(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省は11月28日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に、療養病棟入院基本料について、評価分科会からコストに見合わないと指摘された入院区分1も含めて点数は据え置きとする方針を示しました。認知機能障害加算は廃止します。

 医療区分の評価項目については、酸素療法、うつ症状、他者に対する暴行、脱水、嘔吐について、見直します。

 将来的には「医療の質の評価」を行うこととし、それに向けて「ケアの質」を反映する「褥瘡の発生割合」「ADLの低下」などを継続的に測定・評価して記録することを義務付けます。

 また、療養病床から転換した介護老人保健施設での医療サービスの給付の調整について示しましたが、再度整理して提案すべきとされました。
資料:療養病棟入院基本料、療養病床から転換した老人保健施設の医療サービス(11.28基本小委資料)(WAMNET)


エーザイ 肥満症治療薬シブトラミンを承認申請、体重5%減少(2007.11.30,1:10)資料

世界83ヵ国で承認のメリディア(医薬品:企業情報)

 エーザイは11月29日、アボット社から導入し国内で開発していた肥満症治療剤シブトラミン塩酸塩水和物を同日付で製造販売承認の申請を行ったと発表しました。

 セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用に基づく肥満治療剤で、米国で1997年11月に承認され、現在では世界83ヵ国で承認されています。海外ではメリディアの販売名です。

 国内での臨床試験でも、52週間を治療期間として体重変化率は5%との結果が出ています。また、内臓脂肪面積もプラセボに対して有意な改善を示しました。
資料:肥満症治療薬シブトラミンを承認申請(エーザイ)


大日本純友製薬、中国市場でガスモチンを自社販売(2007.11.30,1:10)資料

プレゼンス向上へ、自社販売4品目(医薬品:企業情報)

 大日本住友製薬は11月29日、中国の子会社住薬が消化管運動機能改善剤「ガスモチン」のプロモーションを開始、中国で自社販売すると発表しました。

 ガスモチンの中国での販売は、ライセンス契約により2001年から展開していましたが、自社販売に転換することとして、中国法人とのライセンス契約を解除しました。

 住薬は、これまでに抗生物質製剤メペム(日本:メロペン)、高血圧症等治療剤アルマール、抗不安薬セディールのプロモーションを実施しており、ガスモチンの投入で、中国市場でのプレゼンス向上が図れるとしています。
資料:中国子会社がガスモチンのプロモーションを開始(大日本住友製薬)


診療報酬本体はマイナス改定の状況にない、引き上げに踏み込まず 中医協が意見書(2007.11.28,16:40)資料

医療費ベース1%強引き下げか、薬価はかい離率6.5%(診療報酬情報:08改定)

 中医協は11月28日の総会で、薬価調査の結果、薬価の平均かい離率が約6.5%であったとの報告を受け、これまでの議論も踏まえて、平成20年度診療報酬改定について、「本体部分についてはさらなるマイナス改定を行う状況にはないこと、一方、後発医薬品の使用促進を着実に推進すること」という基本認識について意見の一致をみたとする意見書をまとめ、厚生労働大臣に提出しました。

 厚生労働省はこれを受け、年末の予算編成に向け、診療報酬改定率の決定にのぞむこととなりますが、意見書は「診療報酬本体については最低限プラスマイナス0%」を示したものと受け止めています。

 前回、11月21日の議論で公益委員、支払側委員が「引き上げるべき」との発言をし、この日の議論では、診療側で日本医師会副会長の竹島氏がその発言を意見書に盛り込むべきと主張しましたが、土田会長が「公益委員は調整役である」としてそれを退けました。
 したがって、意見書は「引き上げ」が必要とするところまでは含まれていません。

 一方、そうした基本認識の下でどのように20年度改定に望むべきかについては、意見の食い違いがあったとして、支払側は「医療における資源配分の歪みやムダの是正による範囲内で行うべき」、診療側は「地域医療を守るために診療報酬の大幅な引き上げの実現を行うべき」との意見であったとしています。
 引き上げについては、診療側の意見にとどめられています。

 厚生労働省も「国の財政が依然として厳しい状況にあり、2200億円の削減を求められている中で、引き上げは厳しい」との姿勢です。

 薬価の平均かい離率6.5%については、質疑の中で厚労省は、単純計算では調整幅2%を除いた4.5%が引き下げ幅となり、医療費ベースでは1%にいくかどうかだと説明。ただし、市場拡大再算定や最低薬価の見直し、不採算品への対応などがあり、最終的な引き下げ幅は現時点では不明としています。

 また、材料価格調査の結果、特定保険医療材料の平均かい離率は8.9%としましたが、医療費ベースでの影響については調整幅が基本の4%に対し、ダイアライザーとフィルムが別に設定されていることから、現時点では計算していないとしました。

 医療費トータルとしては、薬価と材料価格で1%強の財源があることになりますが、診療報酬本体がプラスマイナス0%の改定にとどまれば、医療費としては1%強の引き下げとなります。
資料:平成20年度診療報酬改定について(中医協意見、関連資料)(WAMNET)


薬価かい離率6.5%、調整幅切り込みが前回並みなら引き下げ率5.2%・医療費ベース1.1%(2007.11.28,16:40)資料

材料価格改定と合わせ医療費ベース1.3%か(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省医政局経済課は11月28日の中医協総会に、薬価調査の結果、薬価の平均かい離率は約6.5%と報告しました。前回調査の約8.0%に比べて1.5ポイント縮小しています。

 前回は、かい離率8.0%に対して、薬価改定は6.7%引き下げ、医療費ベースでは1.6%引き下げとなっています。
 薬価改定率は調整幅2%に対して0.7ポイント切り込んだことになります。

 今回も同様に、調整幅に対して0.7ポイント切り込むとすると、薬価改定率は5.2%引き下げとなります。薬剤比率21.7%で計算すると、医療費ベースでは1.1%引き下げとなります。これに材料価格の引き下げ率が前回並みの0.2%と仮定すると、医療費ベースで1.3%引き下げです。

 薬価のかい離率は、内用6.4%、注射7.4%、外用5.5%、歯科用6.6%。
 内用を薬効別にみると、血圧降下剤5.7%、消化性潰瘍溶剤6.9%、血管拡張剤6.1%、その他のアレルギー用薬6.4%、精神神経用剤6.9%、糖尿病用剤6.7%、催眠鎮静剤・抗不安剤6.6%などでした。
資料:薬価調査の速報値・材料価格調査の速報値(WAMNET)


DPC病院も検証の時代 再入院とアップコーディング規制、データの質チェック、指定解消も(2007.11.28,1:30)資料

厚労省の拡大方針は変わらず(診療報酬情報:DPC)

 DPCはこれまでの拡大一辺倒の路線に一定の枠がはめられることになりました。今年の新規準備病院募集では一気に700以上の病院が応募するというなだれを打ったようなDPCへの流れができていましたが、既存のDPC病院も含めて中にはDPCに対応しきれない病院、DPCにふさわしくない病院もあることが明らかになり、そうした病院を排除、またDPC病院として適切な運営を求めるものです。11月21日の中医協・診療報酬基本問題小委員会で方向づけられました。
 しかし、拡大を抑制するのではなく、厚生労働省は「検証しながら拡大する」姿勢です。

 DPCのこれまでの運用上で最も問題とされたのが、短期間での再入院の増加です。これに対しては、「3日以内の再入院は1入院として取り扱う」こととしました。包括点数の中でも入院初期を高い点数としていますが、再入院することによって高い点数を得ようとするのを無効にする狙いです。

 対応して「4日以上での再入院」とすることも考えられるため、「4−7日以内の再入院」の動向は引き続き調査します。
 外来でできる治療を入院で行っている事例についても今後、実態調査を進めます。

 点数のより高い方の病名を選択するというアップコーディングの問題に対しては、DPCレセプトの提出時にDPC算定部分の出来高点数も付記することとします。これによって、審査段階でコーディングの適否を評価することが可能になります。
 適切なコーディングのため、院内で標準的な診断・治療方法の研修を行うなどの体制をとることも求めます。

 DPC対象病院の基準も明確化、前回、平成18年度の基準(1)看護配置基準10:1以上、(2)診療録管理体制加算を算定または同等の診療録管理体制、(3)標準レセ電算マスターに対応したデータの提出と「7月から12月までの退院患者に係る調査」に適切に参加、の3点を踏襲することとしました。

 この明確化に合わせて、基準に適合しない場合は、DPC病院の指定を解消する措置も取ります。看護配置基準10:1以上は満たしていない場合でも08年3月末までに満たすという経過措置によってDPC病院となっている病院がありますが、11月時点で数病院がまだ満たしていないとされます。

 第3の要件となっている「7月から12月までの退院患者のデータ」の質も問われます。まず、準備病院については、準備期間を1年とした場合には「7月から10月まで」の4ヵ月間のデータで各種係数などの算定をしなければならない状況ですが、中小病院の場合、そうした短期間では特定の疾病の患者の存在によりデータにばらつきが出てしまうとして、「データの質・量を確保し、安定性を図る」ため、準備期間を2年とすることとされました。

 この措置によって、今年応募した準備病院698病院は来年度の改定時にDPC病院となることはできなくなりました。DPC病院の指定は、これまで診療報酬改定時に行ってきたため、2010年の改定まで待たされる可能性もありますが、厚労省は診療報酬改定時に限っているわけではないとして、09年度からの適用もあり得るとの考えです。その場合、改めて中医協で決定することが必要になります。

 さらに、第3の要件のうちの「適切なデータを提出できる」についても、「提出期限の厳守」と「データの正確性(適切に診断群分類が決定されていること、薬剤の使用量の入力ミスがない等)」が確保されていることと明確化しました。
 DPC対象病院にも求めるものとし、「重大な疑問」があった場合には、DPC評価分科会で原因を調査し改善を求めることとしました。ヒアリングが行われることになると見られます。

 平成16年度の要件としていた「データ/病床」比も改めて要件として設定、データ提出期間が2年間となったため、比率は8.75とされました。病床はDPC算定病床です。
 16年対象病院1、18年対象病院2、18年準備病院5の合計8病院が、8.75未満となっていますが、新たに設定した要件であるため、経過措置を設定して対応を求めることになります。

 DPCの拡大の抑制となり得る基準案も示されていますが、拡大を続ける案との2者択一の選択となっています。11月21日の中医協・診療報酬基本問題小委員会はこの問題の決着を先送りしました。
 しかし、DPC評価分科会は、「軽症の急性期入院医療も含める」案が多かったとし、中医協での議論でも病院団体と支払側を中心に大勢はこの案を支持しています。日本医師会だけがこれに強く反対しました。

 「ある程度以上の重症の急性期入院医療」を対象とするという抑制案は、重症度の指標として「手術、放射線療法、化学療法、救急車搬送」の件数の全件数に対する比率を加えるものです。
 50%とすれば特定機能病院1病院を含む137病院が除外され、25%とすれば除外されるのは4病院にとどまります。
資料:DPC病院のあり方等に係る提案書(案)(DPC評価分科会資料)(厚労省)


社会保障カード(仮称) 日本経団連が積極導入を主張、日弁連は慎重な導入を求める(2007.11.28,1:30)

厚労省、共通番号があれば効率的(医療環境:IT化)

 健康保険証・介護保険証と年金手帳を1枚に統合する「社会保障カード(仮称)」についての議論を進めている厚生労働省の検討会(座長:大山永昭・東京工業大学大学院理工学研究科教授)は11月27日、日本経済団体連合会、日本弁護士連合会、国家公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団の4団体からヒアリングを行いました。

 日本経団連は今年2月にまとめた「社会保障制度のICT化促進に関する提言」を紹介、インターネット上に「社会保障ポータルサイト」を創設、さらに「社会保障個人勘定」も設定して国民1人ひとりが社会保障ポータルサイトから情報照会、申請、通知ができるようにすることとし、ポータルサイトへの多様なアクセスを保証するため、ICカードを活用することも提案、その立場から、社会保障カードの導入も積極的に支持する姿勢を示しました。

 日弁連は、個人情報の安全性確保の観点から、システム化にあたっては細心の注意が必要であることを指摘しましたが、反対の立場ではないことを明らかにしました。議論の過程で、健康保険については保険者の異動時の追跡が可能などICカードによって利便性が高まるとの認識も示しました。
 しかし、社会保障番号については、プライバシーに大きく関わることになるとして、反対する姿勢です。

 厚生労働省は、社会保障番号に関する日弁連の質問に答え、「社会保障番号の導入を前提とした議論ではない」ことを明言。
 ただ、1枚にした場合に3つの制度の資格情報を結びつけるためにリンクするものが必要になり「共通の番号、統一番号を導入することが効率的であり簡単」との考え方は持っていると説明しました。その場合に、紛失や各制度の利用時にカードを持参しない人、コンピュータを扱えない人への対応、カードの再発行時の本人確認などリスクがあるとの指摘も考慮する考えです。

 国家公務員共済、私学共済は、社会保障カードの導入に積極的なメリットが見いだせないとの考え方を示しています。


アステラス製薬 米国がん抗体医薬専門ベンチャーAgensys,Inc を買収、抗体医薬研究体制強化(2007.11.28,1:30)資料

第1相臨床試験含む7件のパイプラインを保有(医薬品:企業情報)

 アステラス製薬は11月27日、米国のがん領域抗体医薬を専門とするバイオベンチャー企業のAgensys,Incを買収したと発表しました。Agensysは、これまでに14のがん種から30の新規標的抗原を発見、前立腺がんなどを対象に第1相臨床試験中の抗体治療薬をはじめ前臨床段階まで含めて7件のパイプラインを有しています。

 アステラス製薬は、Agensysの買収により、完全ヒト型抗体作製技術、がんの独自標的分子と開発抗体を取得、抗体医薬創出のスピード化、重点研究領域であるがん領域を含む抗体医薬研究体制の強化につながるとしています。
 また、Agensysの標的分子は、低分子がん治療薬の自社研究への応用にもつながるものとしています。
資料:米国バイオベンチャーのAgensys,Incを買収(アステラス製薬)


2200億円削減策 被用者健保財政調整は年末決着へ、 社保審医療保険部会が結論出せず(2007.11.27,0:30)

診療報酬本体引き上げ財源にも影響(診療報酬情報:08改定)

 来年度の社会保障予算に求められている2200億円の削減で、厚生労働省がターゲットとした被用者保険間の財政調整による政管健保の国庫負担削減策は、11月26日の社会保障審議会医療保険部会(部会長:糠谷真平・国民生活センター顧問)でも、連合、健保連、日本経団連が反対を主張したままで意見の取りまとめができず、年末の予算編成に向けて、厚生労働省が関係団体と調整しながら決着を図ることとなりました。

 この財政調整によって2200億円を手当てすることで、診療報酬本体は引き上げ改定とする方向が見えていましたが、財政調整の決着が難航する見通しとなったことで、その決着の仕方によっては診療報酬本体の引き上げ幅にも影響が出てきそうです。

 厚生労働省はこの日の医療保険部会に、前回の議論での指摘を踏まえて、2200億円削減の方策として検討しているものとして、(1)薬価改定で市場実勢価格とのかい離率等を踏まえた薬価の引き下げ、(2)後発医薬品の使用促進、(3)財政調整により被用者保険間の格差の是正を行うことを前提として政管健保の国庫負担を見直す、(4)その他、の4項目を示しました。

 4項目の中にはやはり診療報酬改定は入れていません。予算削減の対象としては考えていないということです。
 しかし、ここで注意しなくてはいけないのは、薬価改定と後発医薬品の使用促進を入れていることです。2200億円は使用者保険の財政調整で賄うのが厚労省の狙いでしたから、薬価改定と後発医薬品の使用促進は、診療報酬改定の財源となるはずでした。

 その2つをここに入れてきたのは、最終調整の結果として財政調整で賄いきれない場合には、この2つも合わせて検討することを意味するものと見られます。その場合には、診療報酬改定の財源が削られることとなります。

 部会では、連合、健保連、日本経団連がそれぞれに反対を主張。それに対して、日本医師会常任理事の鈴木氏が「医療現場は今混乱している。代わる案があれば出して欲しい。なければなんとか助けていただきたい」と診療報酬のプラス改定を前提したような発言をしています。しかし、健保連も連合も応ずる姿勢を示すことはないままです。

 こうした対立状態の中で糠谷部会長は、「部会での議論を踏まえて来年度予算のセットに向け、事務局が関係団体と調整すると思う」として厚労省に下駄を預け、「部会としての取り扱いについては部会長一任」との了承を取り付けて審議は打ち切りとしたものです。


診療報酬改定の基本方針 医療保険部会は了承(2007.11.27,0:30)

医療部会との調整を経てとりまとめ(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会(部会長:糠谷真平・国民生活センター顧問)は11月26日、「平成20年度診療報酬改定の基本方針(案)」について基本的に了承、医療部会の意見との調整を含めて部会長に一任しました。
 医療部会は11月30日に意見をまとめる予定です。中医協はすでに具体的な項目の検討を進めていますが、今後、この基本方針に沿って、最終的な詰めを行っていきます。

 基本方針は、緊急課題として「産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減」を位置づけ、診療所の開業時間の夜間への延長、大病院が入院医療の比重を高めていくことの促進、病院勤務医の事務負担の軽減を行うこととしています。

 日本医師会常任理事の鈴木氏は、見直し項目には混乱を招くところもあるとして、「時間をかけたやり方をすべき」と主張、特に、大病院の外来縮小をあげました。
 また、診療所の開業時間の夜間への延長については、初再診料の検討とは切り離して対応するよう求めました。
 後発医薬品の使用促進については「努力は惜しまない」と、当初の反対から一転しての協力姿勢です。
 DPCでは、ひずみが出ているとして、それを正してから改めてやるべきとしました。

 健保連専務理事の対馬氏は、連合、日本経団連の委員と連名で提出した意見書を示し「基本方針の方向性をおおむね理解する」立場であることを強調しました。
参考資料:平成20年度診療報酬改定の基本方針(案)(11.22医療部会資料)(WAMNET)


回復期リハ病棟の結果評価、入院時と退院時の状態を比較し改善状態を見る(2007.11.27,0:30)

リハビリテーションでいかに自立できるか(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省保険局の原医療課長は11月26日の社会保障審議会医療保険部会で、診療報酬改定の基本方針に盛り込んだ「提供された医療の質を評価する手法の検討」で対応することとしている回復期リハビリテーション病棟での具体策について、「入院時の状態」と「退院時の状態」を比較し、「改善状態を見て評価する」考え方であることを明らかにしました。
 「リハビリテーションでいかに自立できるか」を評価するものとしています。


来年度医療費改定 ±0%ラインの攻防へ、薬価引き下げと診療報酬引き上げ(2007.11.26,0:20)

支払側「引き上げ環境にない」は薬価を含めた意見(診療報酬情報:08改定)

 診療報酬本体の来年の改定は2000年の1.9%引き上げ以来8年ぶりのプラス改定となる可能性が出てきました。中医協の11月21日の総会(会長:土田武史・早稲田大学商学部教授)で公益委員と支払側委員から、物価・人件費の上昇などを理由に「プラス改定が妥当」との意見が出され、28日に取りまとめる予定の中医協としての意見もそうした内容となることが予想されます。
 薬価引き下げ分も含めたトータルの改定では、支払側委員が「引き上げる環境にない」というのは薬価を含めた意見と発言しており、±ゼロが攻防の目安となりそうです。

 薬価改定・診療報酬改定を合わせた医療費改定は、00年の0.2%引き上げを最後に、02年2.7%引き下げ、04年1.0%引き下げ、06年3.16%引き下げと3回連続のマイナス改定が行われてきました。

 診療報酬本体も、00年の1.9%引き上げのあとは、02年1.3%引き下げ、04年±0%、06年1.36%引き下げと続き、引き上げは3回連続で行われていない状況です。

 特に前回改定は過去最大の1.36%の引き下げとなり、その結果として医療経済実態調査では、医業収支差額の対医業収入比が薬局以外で悪化しました。特に病院経営の悪化が目立っています。

 一方、厚労省が11月14日の中医協総会に提出した資料では、06年4月以降の2年間で物価は0.7%上昇、賃金も0.7%上昇していることが明らかにされました。

 来年度の改定率について2度目の審議を行った11月21日の中医協総会では、診療側が5.7%の引き上げを要望、支払側は「引き上げる環境にはない」との意見書を提出、それぞれの立場からの主張が展開されました。

 しかし、その過程で、支払側で連合生活福祉局長の小島氏が「2年間の物価・賃金を適切に反映させることが必要」と発言。
 さらに、この日提出した支払側委員連盟の意見書で「引き上げる環境にはない」としたのは、「薬価引き下げもあり、それを含めての意見のつもり」との見解を示しました。
 これは、薬価引き下げと診療報酬引き上げとで「最大限±0%」との考えに立っていることを示したものとみられます。

 その後、公益委員で学習院大学経済学部教授の遠藤氏が、「病院経営が特に地方で悪化し、勤務医が疲弊しているという問題が、前回改定以後に起きている。一方で物価・人件費は上昇傾向にある。常識的には引き上げが妥当と考える」と発言、さらに「この状況で引き上げないとすると、どういう要件が出たら引き上げるのか」とまで言い切って見せました。

 中医協の空気を一気に引き上げの方向へと持っていくものとなり、支払側で坂出市長の松浦氏が「病院の経営努力」を求める発言をしかけたのに対し、予定時間を大幅に超過したこともあって土田会長は「経営努力の話は何回も聞いている」と遮り、「次回にまとめて大臣に提出したい」と締めくくりました。

 遠藤氏は、総会での発言は診療報酬本体に関するもので、薬価とは関連させていないとしています。薬価専門部会長としての立場から「触れることはできない」としています。

 薬価改定は、最近では医療費ベースで02年1.4%引き下げ、04年1.0%引き下げ、06年1.8%引き下げとなっています。
 来年度の改定が前回並みの1.8%引き下げとすると、診療報酬本体は1.8%引き上げが上限ラインとなってきます。
資料1:賃金・物価の動向(11月14日中医協資料)(厚労省)
資料2:11月5日財政審議会・財政構造改革部会資料(物価・賃金の動向と診療報酬改定)(社会保障2、PDF41ページ、資料40ページ)(財務省)


中医協が財政審に対抗、どういう要件が出たら引き上げるのか 公益委員が発言(2007.11.26,0:20)

診療側「期間の取り方で数字は変わる」、支払側「乱暴だ」(診療報酬情報:08改定)

 診療報酬改定率をめぐる中医協総会の議論では、これまでの物価・賃金の下降と診療報酬本体の改定率とのかい離3.6%の是正を図るべきとする財務省・財政制度等審議会建議に対抗する姿勢が、診療側だけでなく、支払側、公益側からも示されました。
 財政審建議は98年からの10年間で見て3.6%のかい離があるとしていますが、中医協では「期間の取り方で数字は変わる」「乱暴な議論だ」と批判する声があがりました。

 口火を切ったのは診療側で全日本病院協会会長の西沢氏です。「今の地域医療の崩壊を仕掛けているのはこれまでのマイナス改定の結果だ。財政審の数字3.6%が独り歩きしているが、どこを起点とするかで異なるデータを使うのはおかしい」と批判。

 これを受けて、土田会長が即座に「そのとおり。厳しい条件の下でやっているのは事実であり共通認識となっている」と応じました。
 続けて、支払側で連合生活福祉局長の小島氏も「財政審の3.6%というのは乱暴な話だと思っている」と厳しく指摘。

 その後、別の観点でのやりとりがありましたが、予定時間を大幅に過ぎた中で会長が閉会宣言を出すタイミングを見計らっている中で、公益委員の遠藤氏(学習院大学経済学部教授)が「引き上げが妥当」との見解を示したものです。

 さらに遠藤氏が、「そうでないとすると、どういう要件が出たら引き上げるのか」とまで言い切ってみせたのは、財政審を名指すことこそしなかったものの、3.6%のかい離を是正すべきとする財政審に対抗するものであるのは明らかです。
資料1:11月19日平成20年度予算の編成に関する建議(PDF25ページに診療報酬改定)(財政制度等審議会)(財務省)
資料2:11月5日財政審議会・財政構造改革部会資料(物価・賃金の動向と診療報酬改定)(社会保障2、PDF43ページ、資料42ページ)(財務省)


次期診療報酬改定基本方針 患者のわかりやすさの観点・オンライン化推進を盛り込む 医療部会(2007.11.22,18:00)資料

厚労省が提示、診療所の開業時間延長を図る(診療報酬情報:08改定)

 厚生労働省は11月22日、社会保障審議会医療部会(部会長:鴨下重彦・国立国際医療センター名誉総長)に「平成20年度診療報酬改定の基本方針(案)」を提示しました。 緊急課題としての「産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減」と(1)患者の視点、(2)質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点、(3)重点的に対応していくべき領域の評価のあり方、(4)効率化余地がある分野の評価のあり方、の4つの視点、さらに後期高齢者医療の診療報酬体系、を主な内容としています。
 中医協での具体的な議論の基本とすべきものですが、中医協はすでにそれらの議論を進めています。

 産科・小児科などの病院勤務医の負担軽減では、産科・小児科の重点評価、診療所・病院の役割分担、病院勤務医の事務負担の軽減をあげています。
 診療所・病院の役割分担では、「診療所の開業時間の夜間への延長が進むための評価」「大病院が入院医療の比重を高めていくことを促進する評価」をあげました。

 患者の視点では、患者の要請に応じて医療機関が明細書を発行する仕組み、わかりやすい診療報酬体系、生活を重視した医療、保険薬局の機能強化をあげました。
 わかりやすい診療報酬体系では、医療費の内容のわかる領収書の発行が義務付けられ明細書の発行も広がりを見せていることから、「わかりやすさの観点」から診療報酬体系や個々の評価項目の算定要件について、必要な見直しを行うべきとしました。
 中医協の議論で、支払側の勝村氏は、「○○指導料1」のように内容を示すものを数字化してしまうと明細書をもらっても患者はわからないとし、内容のわかる名称とすべきとの意見を表明しています。

 質の高い医療を提供するための医療機能の分化・連携では、「医療資源を効果的・効率的に投入する」観点から「引き続き平均在院日数の短縮に取り組んでいくことが必要」とし、DPC対象病院の拡大をあげました。
 質の評価手法の検討として、「提供された医療の結果により質を評価する手法」をあげています。この面では、厚労省は回復期リハビリテーション病棟を対象に、成績のよい病棟を評価する方針を中医協で説明しています。

 重点的に評価していくべき領域としては、がん医療の推進、脳卒中対策、自殺対策と子どもの心の対策、医療安全の推進と新しい技術の評価、イノベーション等の評価、オンライン化・IT化の促進をあげました。
 オンライン化・IT化では、オンライン化義務付けの時期がまだきていない医療機関に対して、オンライン化への対応を含めたIT化が積極的に推進されるような評価を検討すべきとしています。
資料:平成20年度診療報酬改定の基本方針(案)(WAMNET)


中医協 診療報酬引き上げ意見提出へ、公益委員・支払側委員が主張(2007.11.22,1:30)資料

物価・賃金の上昇傾向を反映すべき、薬価分は別(診療報酬情報:08改定)

 中医協は11月21日の総会(会長:土田武史・早稲田大学商学部教授)で来年度の診療報酬改定について議論、公益委員で薬価専門部会と診療報酬改定結果検証部会の部会長を務める遠藤氏(学習院大学経済学部教授)が、前回改定以後の状況として病院経営が悪化、勤務医が疲弊しているなどの問題が起きており、一方で物価・賃金は上昇傾向にあることから「常識的に診療報酬を引き上げることが妥当」との考えを表明しました。
 中医協としては、次回、11月28日に意見をまとめることとしていますが、診療報酬本体を引き上げるべきとする方向がほぼ固まりました。

 支払側、診療側が、次回診療報酬改定についての考え方を表明、支払側は「社会経済の実情や患者・国民の負担感を勘案すると、診療報酬を引き上げる環境にはない」とし、診療側は「地域医療体制は崩壊の危機に直面している」として大幅引き上げを要望、医科では日医が打ち出していた5.7%引き上げを求めました。

 議論の中で、支払側の小島氏も「物価・賃金の動向を適切に反映すべきとの立場」であることを表明、「今回は物価・賃金がプラス傾向であり、それを適切に反映させる必要がある」として、診療報酬の引き上げが必要との考えを示しました。
 支払側意見の「引き上げる環境にはない」は、薬価引き下げがあり、それを含めた意見のつもりだとしました。
 遠藤氏も薬価は別だとしています。
資料1:1号側(支払側)提出意見(厚労省)
資料2:2号側(診療側)提出意見(厚労省)
資料3:総会配布全資料(厚労省)


DPC病院の新基準 軽症の急性期入院を含む案が大勢、準備期間2年は決定 中医協・小委(2007.11.22,1:30)資料

日医の強い反対で新基準の結論は持ち越し(中医協情報:DPC)

 中医協・診療報酬基本問題小委員会は11月21日、DPC評価分科会の報告を受け、DPC対象病院の基準案について議論。「軽症の急性期入院も含む案」を推す意見が大勢となりました。
 分科会報告は、「軽症の急性期入院医療も含めてDPCの対象とする案」が望ましいとする意見が多かったとしながら、「ある程度以上の重症の急性期入院医療をDPCの対象とする案」が望ましいとする意見も一部にあったとしました。

 議論では、全日本病院協会会長の西沢氏が「軽症も含める」案を主張、支払側も同案のい採用を主張しましたが、日医常任理事の鈴木氏が「反対」を強く主張、時間切れとなり、次回に持ち越されました。
 準備期間を2年とする分科会の考え方は了承されました。
資料1:DPC評価分科会提案書(新基準案)(厚労省)
資料2:「データ/病床」比の考え方(厚労省)


中医協・薬価部会 特許期間中新薬の扱いは来年の改革以降の課題と位置付け、再算定は対象を拡大(2007.11.22,1:30)資料

イノベーション評価は加算引き上げと原価計算にメリハリ(中医協情報:薬価算定方式)

 中医協の薬価専門部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は11月21日、来年度薬価制度改革の骨子について、厚労省から提示を受け、ほぼ了承しました。
 特許期間中の新薬や特許期間満了後の薬価のあり方などは、来年度の薬価制度改革以降、「引き続き総合的な検討を行う」こととされ、次回改定以後の課題として明確に位置付けられました。

 来年度の改革では、画期性加算を上積みするとともに傾斜配分を廃止、原価計算では営業利益率(19.2%)をプラスマイナス10%の範囲でメリハリをつける(9.2%から29.2%)こととする一方、市場拡大再算定については、再算定対象品のすべての薬理作用類似薬を同等に扱い、引き下げることとしました。
 再算定の対象拡大に対しては、業界代表の専門委員がイノベーションの評価に反するものと意見表明しました。
資料:薬価制度改革の骨子(たたき台)(WAMNET)


BIのスピリーバ、COPD患者の経年的肺機能低下抑制で画期的報告の期待 順天大・福地客員教授(2007.11.22,1:30)

日本含む大規模臨床試験、来年の欧州呼吸器学会で発表(医薬品:企業情報)

 順天堂大学医学部呼吸器内科の福地義之助客員教授は11月21日、日本ベーリンガーインゲルハイムが開催した記者会見で、同社がCOPD治療薬「スピリーバ(一般名:チオトロピウム)」に関して実施中の「COPD患者の経時的な肺機能の低下率」を確認する大規模臨床試験UPLIFTについて、「画期的な報告をもたらすものになる期待が高まっている」と語り、スピリーバがCOPD患者の肺機構の低下を有意に抑制する結果が得られるとの見通しを示しました。

 UPLIFTは、4年間の無作為化二重盲験プラセボ対照試験で、日本を含む37ヵ国、470施設、約6000人のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者が参加して、2002年12月に開始。その結果は、来年のヨーロッパ呼吸器学会で発表されることとなっています。

 スピリーバによって、COPD患者の肺機能低下の速度を長期間にわたって抑制できるかを明らかにすることを目的とした試験ですが、1日1回投与のためコンプライアンスが高いこと、循環器系の副作用が少ないこと、呼吸器リハビリテーションの効果を高めることが明らかになっていること、スピリーバの使用によって急性増悪の回数が減ることも明らかになっていること、などから、肺機能の低下速度を経年的に抑制することについて「画期的な報告の期待」が高まっているとの見解を示したものです。


中外製薬 国内創製抗体医薬のアクテムラを米国FDAに承認申請、関節リウマチの適応症(2007.11.22,1:30)

日本では06年に申請済み、欧州は年内に申請(医薬品:企業情報)

 中外製薬は11月21日、大阪大学と同社が国内初の抗体医薬品として開発したヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体「アクテムラ」(一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え))について、「中等度から重症の関節リウマチの症状改善」を適応症とする生物学的製剤承認申請書を米国FDAに提出したと発表しました。

 国内では2005年4月に世界初のキャッスルマン病治療薬(希少疾病用医薬品)として中外製薬が製造販売承認を取得して6月に発売。 06年4月に「関節リウマチおよび全身型若年性特発性関節炎」の効能追加申請を行っています。
 海外では、中外製薬とロシュが共同開発しており、欧州では12月上旬に承認申請を行う予定です。
資料:アクテムラを関節リウマチの適応症で米国FDAに承認申請(中外製薬)


ロシュの慢性腎疾患に伴う貧血治療薬Mircera、米FDAの承認を取得(2007.11.22,1:30)

欧州は発売済み、日本は臨床試験中(医薬品:企業情報)

 中外製薬は11月21日、ロシュ社が15日付で慢性腎臓疾患(CKD)にともなう貧血の治療薬としての赤血球造血刺激因子製剤(ESA)Mirceraが米国FDAの承認を取得したことを発表したと伝えました。
 米国では貧血治療薬として初めて2週間に1回の投与方法となるESAであり、CKD患者に対して月1回または2週間に1回の投与でヘモグロビン濃度を安定させるESAとしても初めてのものです。

 欧州ではすでにEMEAの承認を受けて各国で発売中。日本では「がん治療に伴う貧血および腎性貧血」を適応として臨床試験を実施中です。
資料:ロシュの慢性腎疾患に伴う貧血治療薬Mirceraが米FDAの承認を取得(中外製薬)


財政審建議 診療報酬マイナス改定求める、被用者保険間の財政調整も必要(2007.11.21,0:30)

物価・賃金とのかい離(3.6%)を縮小すべき(診療報酬情報:08改定)

 財務省の財政制度等審議会は11月19日、平成20年度予算編成に対する建議をまとめ、診療報酬改定については、概算要求基準で示された国庫負担2200億円削減の達成には社会保障費の4割を占める医療分野を中心に削減努力を行う必要があるとの認識を示した上で「近年の物価・賃金の動向と診療報酬改定率とのかい離(3.6%程度)を是正する方向で見直していく必要がある」とし、マイナス改定を求めるものとなりました。

 2200億円の削減策について厚生労働省は、診療報酬のマイナス改定はこれ以上できないとして、被用者保険制度間の財政調整を行うことで政管健保の国庫負担を2200億円削減する案を提示していますが、財政審の建議は、この財政調整も実施すべきだとしています。

 建議は、診療報酬改定の具体的内容として、「全般的に診療所に手厚い配分を見直し、診療科間等でメリハリをつけつつ、全体として効率化を図る必要がある」と指摘しました。
 診療所に手厚い例として、(1)診療所常勤医師と病院常勤医師では若手医師を中心に10行時間に大きな差がある、(2)休日・時間外診療を実施している診療所は少なく、休日の患者数や往診患者数も減少傾向にある、(3)法人診療所の開業医の年収は病院勤務医の約1.8倍で、個人診療所の収支差額も病院勤務医の給与等の約2.0倍と大きな格差がある、(4)同様の診療行為であっても病院に比べ診療所の方が高い点数となっている例もある、ことをあげています。
 診療所の初再診料の引き下げを求めるものです。

 このほか、包括払いの推進、後期高齢者医療の長期入院や頻回受診、重複投薬の是正、後発医薬品の使用促進、薬価・医療材料の引き下げなどを指摘しました。
資料1:平成20年度予算の編成に関する建議(PDF25ページに診療報酬改定)(財政制度等審議会)(財務省)
資料2:平成20年度予算の編成に関する建議(全資料)(財政制度等審議会)(財務省)


腎疾患対策作業班 厚労省のメタボ対策などヒアリング、課題はかかりつけ医対策と専門医育成(2007.11.21,0:30)

肥満対策は食事療法が第1で「1に運動」は誤り(医療行政:腎疾患対策)

 慢性腎臓病(CKD)の早期対策により重症化と透析導入の防止を目指して検討を進めている厚生労働省「腎疾患対策検討会」(座長:菱田明・浜松医科大学内科学第一講座教授)の作業班(班長:飯野靖彦・日本医科大学腎臓内科教授)は11月20日、かかりつけ医としてCKDに取り組んでいる医療法人宮崎内科医院院長の宮崎正信氏、また慶応大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授の伊藤裕氏、さらに厚労省生活習慣病対策室からヒアリングを行い、議論を進めました。

 具体策に関する議論では、やはりかかりつけ医に対するCKDに関する知識の普及啓発、一方で腎臓病専門医の育成の重要性が指摘されています。
 かかりつけ医に対しては、講習会などに参加すること、またCKDの知識を得ることへのインセンティブが必要とされました。
 インターネットを通じた専門医による診療支援としては、腎臓病学会としての取組が提案され、班長の飯野氏は学会に提案する考えを示しました。

 厚生労働省のメタボリックシンドロームを中心とした生活習慣病対策に対しては、実測により日本地図を作り上げた伊能忠敬をシンボルとして使用していることに対し、慶応大学医学部教授の伊藤氏が「誤解を招く」と批判しました。
 伊藤氏は、肥満の解消は食事療法しかない。食べたいだけ食べて運動してもやせない」とし、運動は体全体にとっていいことではあるが、「1に運動」という考え方は誤りと指摘しました。

 班員で北海道上川町役場保健福祉課の松川洋子氏も、「肥満者にいきなり運動を進めると、膝が痛くなって運動をしなくなってしまうので気を付ける必要がある」としました。
 厚労省は、伊能忠敬が適切かどうかは考えたいとしています。


高血圧症 初期のARB製剤投与で投薬中止後もメモリアル効果、生活習慣病対策の見直しも(2007.11.21,0:30)

ラットでCa拮抗剤は効果なし、慶大・伊藤教授(医療行政:腎疾患対策)

 11月20日の厚生労働省「腎疾患対策検討会」作業班に参考人として招かれた慶応大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授の伊藤裕氏は、メタボリックシンドロームとCKDについて解説。日本人のメタボリックシンドロームは高血圧から始まり、次第に高脂血症や肥満、糖尿病、さらには腎臓病などに進展するという「メタボリックドミノ」の考え方を示した中で、高血圧症の初期に降圧剤としてARB製剤を投与すると、投与を中止しても血圧は正常な状態が維持されるという「メモリアル効果」があると紹介しました。

 伊藤氏によると、カルシウム拮抗剤のニフェジピンとARB製剤のカンデサルタンを比較したラットの試験で、ニフェジピンでは投与中止後すぐに血圧は上昇したものの、カンデサルタンでは「高血圧の退行」が見られました。これはレニンアンジオテンシン系薬剤の効果であり、ACE阻害剤でも同様の効果があるとしています。
 現在、ヒトでの試験を開始した段階で、3年後には結果が得られるものとしています。

 この効果が確認されると、「1に運動、2に食事、3、4がなくて、最後に薬」という厚労省のメタボリックシンドローム対策も見直しが迫られることになりそうです。作業班でもそうした意見が出ています。


社会保障カード(仮称)、病院・保険者・介護施設関係者は「必要性が薄い」(2007.11.21,0:30)

厚労省、住基コードのシステムは活用の可能性も(医療環境:社会保障カード)

 健康保険証・介護保険証と年金手帳を1枚に統合する「社会保障カード(仮称)」についての議論を進めている厚生労働省の検討会(座長:大山永昭・東京工業大学大学院理工学研究科教授)は11月20日、日本病院会、国民健康保険中央会、全国介護事業者協議会、全国老人福祉施設協議会の4団体からヒアリングを行いました。
 各団体とも、現在の健康保険証、介護保険証で問題はないとして、消えた年金問題に端を発した社会保障カード(仮称)の議論に違和感を表明しました。一方、ICカード化をすることで個人情報に関する安全性が高まること、また仕組み作りの過程で国保加入対象者の捕捉が可能になり得ることに対しては、メリットになるとの考えも示されました。

 日本病院会は、病院のIT化は進んでいないが、昨年の診療報酬3.16%引き下げでIT化への投資がさらに落ち込んでいると説明。社会保障カードが病院経営上の難題となっている未収金対策になるとの議論があることに対しても、保険者が変わったことで発生するような故意ではない未収金については大きな問題はなく、問題のある故意による未収金に対しては社会保障カードは意味がないなど、社会保障カードの導入には消極的な姿勢を示しました。
 ただ、被用者保険から国保の適用になった場合に、国保加入の手続きをせずに無保険の状態で受診するようなケースに対しては、社会保障カードによって対応することができる可能性もあるとの考えを示しました。

 国保中央会も、現状では問題はないことを基本認識として示した上で、やはり被用者保険から国保の適用になった場合などに発生する被保険者の資格問題があることをあげました。事業者から国保側への通報がないため、本人が届け出ない場合には「かくれ被保険者」になり、病気になった時に初めて国保への加入申請が行われると保険料の支払いがないまま受診されるため国保財政に大きな影響が出ることになるとしています。
 しかし、これは社会保障カードで対応できる問題ではなく、事業者から国保への通報が行われれば解決されることだとしました。

 この「かくれ被保険者」の問題については、検討会からはカードで解決される問題ではないが、カードのための仕組みを作る中で対応できるのではないかとされました。

 一方、検討会でも大きな議論となった番号を付けることに関連して住基コードを利用することへの懸念が、介護保険事業者から示されました。
 これに対しては厚労省が、「総背番号制のような新しい番号をつけるのではない。住基コードと結びつけることで4種類を1つにするということも考えていない。年金・医療・介護を結びつけるための必要最小限の結び付けを考えている」と説明しました。 しかし、「費用対効果」の面から、「住基コードにはシステム整備があり、それを活用することはある」との考えは持っています。


がん対策の概算要求 厚労・文科・経産の3省合計で648億円、21%増(2007.11.20,3:10)

がん対策推進協議会、5年計画に対応した将来像が必要(医療行政:がん対策)

 厚生労働省は11月19日、がん対策推進協議会(座長:垣添忠生・日本対がん協会会長)を開催、がん対策関係の平成20年度予算概算要求は厚生労働省・文部科学省・経済産業省の3省合計で今年度予算に比べて114億円、21.3%増の648億円となっていると報告しました。

 がん対策関係予算の概算要求額は、厚生労働省が70億円、33.0%増の282億円、文部科学省が32億円、15.8%増の234億円、経済産業省が11.7億円、9.8%増の131.7億円となっています。

 具体的には、厚労省が(1)放射線療法・化学療法の推進と専門医等の育成=74億円、(2)治療の初期段階からの緩和ケアの実施=7.4億円、(3)がん登録の推進=32百万円、(4)がん予防。早期発見の推進とがん医療水準均てん化の促進=97億円など。
 文部科学省は(1)がんの本態解明、(2)トランスレーショナル・リサーチ、(3)革新的ながん診断・治療法、など。
 経済産業省は(1)創薬に向けた支援技術=78.3億円、(2)医療機器関連=29.6億円、(3)イノベーションの創出・加速=28.5億円、などです。

 しかし、5ヵ年計画としてのがん対策推進基本計画をまとめた委員からは、こうした項目の羅列ではなく「5年後にどうするという基本的な考え方を示すことが必要」との意見が強く出され、垣添座長も「ロードマップの議論をした経緯を踏まえて、今後5年間の全体計画を踏まえた整理」を厚労省に求めました。


がん診療連携拠点病院 指定要件見直しへ、厚労省(2007.11.20,3:10)

年内に検討会を開催、見直し後の要件で診療報酬評価(医療行政:がん対策)

 厚生労働省は11月19日のがん対策推進協議会で、がん診療連携拠点病院について、整備指針による指定要件の見直しを行う方針を明らかにしました。見直しに向けた検討会を年内に開催することとしています。

 中医協で進められている診療報酬改定論議の中でのがん対策に関する検討状況を説明、がん診療連携拠点病院に対する評価の充実があげられていることに対する委員からの質問に答えたものです。
 具体的には検討会で議論するものとしていますが、診療報酬上の評価については見直した要件に基づいて行われるものと見ています。


がん検診は重要が95%、拠点病院は8割が知らない 内閣府世論調査(2007.11.20,3:10)

検診の受診率は3割強にとどまる(医療行政:がん対策)

 厚生労働省は11月19日のがん対策推進協議会に、内閣府が今年9月に実施したがん対策に関する世論調査の結果を報告、がん検診に対する関心度は「重要と思う」が94.7%と高いことが明らかにされました。しかし、受診状況では胃がん37.5%、大腸がん32.4%、乳がん32.4%と低率にとどまっています。

 がんに関する情報では、「セカンド・オピニオンを知っている」は53.3%と半数を超えた一方、「拠点病院・相談支援センターは知らない」が78.8%、厚労省が国立がんセンターに委託して実施している「インターネットによるがん情報サービス」も知らないが78.9%に達しました。
 がん登録も知らなかったが85.6%ですが、その内容を説明した上で必要度を聞くと54.6%が「必要」と答えました。

 政府に対する要望は、(1)がんの早期発見(がん検診)=61.3%、(2)がん医療に関わる医療機関の整備=49.1%、(3)がんに関する専門的医療従事者の育成=45.4%、の順となりました。

 調査は、全国の20歳以上の3000人を対象として、調査員による面接調査を実施、有効回収は1767人(58.9%)です。


薬価制度改革 届出価格方式は来年の改定後の議論を想定、製薬協・青木会長(2007.11.20,3:10)

市場拡大再算定はイノベーションの評価に逆行(薬価算定方式)

 製薬協の青木初夫会長(アステラス製薬共同会長)は11月19日記者会見し、薬価制度改革に対して製薬協が要望している届出価格制度などについては「来年4月の改定後に1年余裕ができるため、そこで十分な議論をするよう行政と中医協に要請している」とし、来年の制度改正後の課題と位置付けていることを明らかにしました。

 来年の改正に向けた議論については、「中医協は財政が厳しい中で来年の改正をどうするかという議論になっている」とし、また自民党の丹羽雄哉衆議院議員が降圧剤のARB製剤が再算定のターゲットになっているとの考え方を示したとされることに対しては、イノベーションの評価を基本としている立場からは市場拡大再算定そのものが「イノベーションの尊重には若干逆行する」と語り、懸念を示しました。

 中医協で処方せん様式の変更が決定され後発医薬品の使用促進が図られる見込みとなったことに対しては、「ジェネリックの拡大には時間的ラグがあると思う」とし、一方、長期収載品の追加引き下げと再算定では「どちらかというと、再算定の方がわれわれの考え方からはかい離が大きい」とし、再算定問題をより重視していることも示しました。

 また、製薬協加盟14社(06年3月期売上1000億円以上)の9月中間決算で、売上高は5.8%増となったものの、海外売上高が14.4%増と大きく伸びたのに対し、国内は1.0%の微増にとどまったことについて、「海外売上比率が今後も高まる傾向は続く」としながらも、「日本市場がもう少し伸びてくれないと困る」との見方を示しました。


武田薬品、抗体医薬研究子会社を米・サンフランシスコに設立(2007.11.20,3:10)

抗体医薬研究を加速化、買収も含め積極投資(医薬品:企業情報)

 武田薬品は11月19日、同社の抗体医薬研究の中心と位置付ける武田サンフランシスコを、米国の武田アメリカ・ホールディングスの100%子会社としてバイオ医薬産業の集積地となっているサンフランシスコに新設したと発表しました。

 抗体医薬研究を加速させ、抗体医薬の創製・開発・活性強化・製造などの面で高い技術基盤の確立と早期上市を目指します。それに向けて、長谷川社長は「人材確保と積極的な投資を通じて研究の推進を図り、また他社との共同研究、提携、買収などあらゆる可能性を追求していく」としています。
資料:米国に抗体医薬研究子会社を設立(武田薬品)


中外製薬、注射用セフェム「ロセフィン」に「小児1日1回投与」の新用法用量(2007.11.20,3:10)

学会要望を受け「適応外使用の取扱い」通知で対応(医薬品:企業情報)

 中外製薬は11月19日、注射用セフェム「ロセフィン静注用・点滴静注用」が「小児1日1回投与」の用法用量を追加取得したと発表しました。

 ロセフィンはスイス・ロシュ社が1978年に合成、日本でも1986年に発売されたセフェム系抗生物質注射剤で、セフェム系注射剤としては唯一成人で「1日1回」が認められていました。

 「小児1日1回投与」は日本化学療法学会から要望書が提出されたことから、厚労省通知「適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて」に基づき申請していたもので、医学薬学上公知であるとして承認されたものです。
資料:注射用セフェム「ロセフィン」が「小児1日1回投与」の用法用量を追加取得(中外製薬)


中医協・小委 回復期リハで医療の結果評価、検査の院内体制を評価、通院精神療法は一定時間未満引き下げ(2007.11.19,0:00)資料

精神科救急入院料要件緩和など精神入院医療を充実(中医協情報:08改定)

 次回診療報酬改定で厚生労働省は医療の質の評価として「提供された医療の結果を評価」する新たな手法を導入します。これまでの「医師の経験年数や具備すべき施設など」の要件の設定による評価とは別の評価手法として取り組むもので、来年度改定では回復期リハビリテーション病棟の評価に導入、成績の良い病棟の評価を厚くします。
 11月16日の中医協・診療報酬基本問題小委員会で明らかにしました。

 16日の基本問題小委員会では、検査と精神医療について、具体的な改定内容の検討を進めました。
 検査では、院内検査の実施体制の評価を厚くすることとし、外来迅速県対検査加算(5項目を限度として各1点)、時間外緊急院内検査加算(110点)を対象とします。一方、受託検査所がコスト割れになっている項目については実施料の再評価を行います。
 また、病理学的検査診断・判断料については、「検査」の部から独立させ、新しい部を設定します。新規技術や既存技術の見直しは医療技術評価分科会と先進医療専門家会議での検討を踏まえて対応することとしています。

 精神医療では、通院精神療法に従来の初診時で30分を超えた場合の加算(500点)とは別に、「病院330点、診療所360点」に診察時間による評価を導入し、一定時間未満の場合は引き下げます。

 引き下げ分は、精神医療の他の部分での評価の財源とし、入院医療での1年以上入院患者に関する「精神科退院前訪問指導料」、「精神科訪問看護・指導料」の要件緩和、認知症患者への取組の評価、精神科を持つ総合病院での身体的合併症に対する医療の評価、特別入院基本料の経過措置延長、また、精神科救急入院料の算定要件の緩和と入院初期からの退院に向けた取組の評価を行います。
 患者の社会復帰の観点から30日処方できる薬剤の拡大も行います。
資料:診療報酬基本問題小委員会配布全資料(WAMNET)
関連記事1:「医療の結果による評価 回復期リハ病棟で導入、病棟単位で 厚労省・原医療課長」(2007.11.16,17:00)
関連記事2:「検体検査実施料、院内の迅速検査・24時間対応を重点評価 厚労省」(2007.11.16,17:00)
関連記事3:「通院精神療法 診療時間による評価を導入、短時間は引き下げ 精神科救急など評価へ、厚労省」(2007.11.16,17:00)
関連記事4:「精神科救急入院料の要件を緩和、精神病棟入院基本料では認知症・身体的合併症対応を評価 厚労省」(2007.11.16,17:00)


米国研究製薬工業協会加盟企業 開発中の感染症治療薬338種、新クラスのC型肝炎治療薬も(2007.11.19,0:00)

黄色ブドウ球菌耐性菌の選択的阻害薬など多様(医薬品:企業情報)

 米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、加盟企業が臨床試験段階または米国食品医薬品局(FDA)の承認待ちとなっている新薬のうち感染症治療薬が338種に達することを明らかにしました。ブドウ球菌感染症に対する治療薬11種とワクチン4種が含まれています。11月6日付で発表したものです。

 特に注目されるものとしては、(1)黄色ブドウ球菌の耐性菌を選択的に阻害するクラス初の薬剤、(2)C型肝炎治療薬として新しいクラスとなる自然免疫を制御する薬剤、(3)結核を引き起こすバクテリアのライフサイクルを止める薬剤、がそれぞれ1種類ずつあります。

 また、338種のうち臨床試験段階にある新薬には、天然痘やブドウ球菌感染症などの疾病を予防するワクチンが146種、肺炎や結核などの感染症を治療する抗生物質と抗細菌薬が83種、肝炎やインフルエンザなどに対する抗ウイルス薬が75種、抗真菌薬が25種あります。
資料:PhRMA加盟企業、開発中の感染症治療薬が338種(PhRMA)


通院精神療法 診療時間による評価を導入、短時間は引き下げ 精神科救急など評価へ、厚労省(2007.11.16,17:00)資料

診療時間の実態は15分未満が大半(中医協情報:08改定)

 厚生労働省は11月16日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長:土田武史・早稲田大学商学部教授)に、精神医療の点数評価見直しを提案、外来の「精神通院療法」について、診療時間に応じた評価を導入し、一定時間未満の場合点数の引き下げを行う方針です。一方、認知症患者や合併症患者の入院料、精神科救急入院料などは引き上げます。

 通院精神療法は、初診時で30分を超えた場合に500点、それ以外は病院330点、診療所360点となっています。
 初診で30分を超えた場合の500点は変えずに、それ以外の点数について、「患者の状態に応じて診療が兆時間となる場合もある」ため、「患者の特性や診療時間に応じて評価」を行うこととします。
 精神科外来の診療時間は、医療課が精神科診療所57施設を対象に行った調査で、5分未満3施設、5−10分未満13施設、10−15分未満20施設、15−20分未満9施設、20−25分未満4施設、25−30分未満0、30分以上4施設となり、多くが15分未満となっています。

 調査が診療所のみであることもあり、どこで区切るかについては厚労省は「十分考えたい」としていますが、15分で区切るとした場合、15分未満は現行点数を引き下げます。一方、15分以上を引き上げるかは今後検討するものとしています。長時間の点数を算定する場合は、カルテに診察時間を記載することを義務付けます。
 引き下げ分は、入院料評価などの財源とすることになります。
資料:診療報酬基本問題小委員会配布全資料(WAMNET)


医療の結果による評価 回復期リハ病棟で導入、病棟単位で 厚労省・原医療課長(2007.11.16,17:00)資料

患者選別にも配慮しながら(中医協情報:08改定)

 厚生労働省保険局の原医療課長は11月16日の中医協・診療報酬基本問題小委員会で、社会保障審議会で議論が進められている「平成20年度診療報酬改定の基本方針」の検討状況を報告、新たな考え方として盛り込んだ「提供された医療の結果により質を評価する手法」について、「回復期リハビリテーション病棟で回復の度合いの高い病棟を評価する」方針であることを明らかにしました。土田委員長の質問に答えたものです。

 回復期リハビリテーション病棟での回復の度合いの評価は、患者個人単位で見るのではなく「病棟で回復の成績のいいところ」を評価するものとしています。
 ただ、そうした評価をする場合、施設側が患者を選別する可能性もあるとして、そうした面での配慮もすることとします。具体案は、今月の最終週に中医協に提案する予定としました。
資料:診療報酬基本問題小委員会配布全資料(WAMNET)


精神科救急入院料の要件を緩和、精神病棟入院基本料では認知症・身体的合併症対応を評価 厚労省(2007.11.16,17:00)資料

1年以上入院者の退院前訪問指導・退院後患者の訪問指導も(中医協情報:08改定)

 精神医療について厚生労働省は、精神通院療法のほか、1年以上の長期入院患者の退院前訪問指導、認知症患者や合併症患者の入院料、精神科救急入院料などの評価を行います。

 精神科の救急医療を評価する「精神科救急入院料」は、高い評価をなっているものの施設基準の厳しさから、算定施設は今年10月時点で全国35施設にとどまっています。
 (1)隔離室を含む個室が30室以上、(2)常時精神科救急外来診療が可能で、時間外、休日または深夜の診療件数が年間200件以上、(3)地域の1年間の措置入院、緊急措置入院、応急入院の新規入院患者のうち原則として4分の1以上の患者を受け入れている、の3点が特に難しいとされており、これらの要件を緩和します。

 また、精神科救急医療施設でも3ヵ月以内に退院できない患者が30%程度いて長期入院化する傾向があることに対し、「入院初期からの退院調整の実施」などを行う体制を評価します。

 精神病棟基本入院料では、認知症患者の入院については、入院早期のせん妄などに対するより手厚い医療の提供や合併症の診療体制を評価します。

 また、精神科を持つ総合病院などを対象に、身体的疾患の合併症を持つ患者に対する精神科病床での医療の提供を評価します。総合病院の精神病床の入院患者の21%が中等度以上の身体合併症を有しているとの厚生労働科学研究があり、一方で総合病院の精神病床削減が進んでいることに対応するものです。

 看護配置25:1の「特別基本料」は08年3月31日までの経過措置としていますが、医療法では基本の4:1以上に対して25:1を期限なしの経過措置として認めています。
 このため、医療法の経過措置に合わせて、特別基本料を08年4月以降も算定できるものとします。

 退院前に看護師が患者の家庭を訪問して退院調整を行う「精神科退院前訪問指導料」については、入院期間「3月を超える」「6月を超える」の2種類に対し、「1年を超える」を新たに設定します。
 04年9月に策定された精神保健医療福祉の改革ビジョンにより「入院医療中心から地域生活中心へ」との対策がとられ、入院期間の短い患者の退院は進んでいますが、1年以上の入院患者の退院は増えていないためです。
 また、入院期間1年未満の場合、入院直後から退院支援ができるよう「精神科退院前訪問指導」を充実します。

 退院後の「精神科訪問看護・指導料」は、「週3回、退院3月いないは週5回まで」を限度としていますが、「精神症状が急性増悪した場合に再入院とならないように症状回復までの一定期間」について、「一定の要件」の下に算定回数を緩和します。一定の要件としては、医師による診察と指示が必要とします。
資料:診療報酬基本問題小委員会配布全資料(WAMNET)


検体検査実施料、院内の迅速検査・24時間対応を重点評価 厚労省(2007.11.16,17:00)資料

微生物学的検査などコスト割れは是正(中医協情報:08改定)

 厚生労働省は、08年診療報酬改定で、院内での迅速な検体検査や検査を24時間実施できる体制を重点的に評価することとします。11月16日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に提案、了承されました。
 検体検査実施料の「時間外緊急院内検査加算110点」や「外来迅速県対検査加算」の評価を引き上げます。
 一方、検体検査判断料は引き下げがありそうです。

 衛生検査所などが受託して行う微生物学的検査などでは、実施料点数が実際のコストに見合わないものが出ていることから、実勢価を踏まえながら引上げることとします。実施料がコストを下回っている例として、細菌顕微鏡検査、細菌培養同定検査、抗酸菌分離培養検査、抗酸菌薬剤感受性検査(4薬剤以上)をあげています。
資料:診療報酬基本問題小委員会配布全資料(WAMNET)


医薬品流通改善待ったなし、変わらねばメーカー出荷価格に基づく算定方式も 厚労省・武田経済課長(2007.11.16,0:30)

価格交渉では卸機能の付加価値を加えた具体的提案を(医薬品:流通改善)

 厚生労働省医政局の武田経済課長は11月15日、医薬品卸連合会のセミナ−で講演、医療用医薬品の流通改善について、「未妥結・仮納入、総価取引による一律価格は容認できない時代に入っている」との厳しい認識を示すとともに、医療機関との価格交渉では「単に価格だけでなく支払サイトや在庫管理など卸機能による付加価値を加えた経済合理的な提案」を行うことが重要だと指摘しました。
 流通改革は「待ったなし」であり、進まなければメーカー蔵出し価格に基づく算定という議論になる可能性があるとして、「新時代にふさわしい卸」を目指すよう強く求めました。

 経済課は、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会の議論を経て流通改善のための「緊急提言」をまとめ、「一次売差マイナスと割戻し・アローアンスの拡大傾向の改善」についての具体策を「留意事項」として提示、それを中医協に報告しましたが、武田課長は、その時の中医協で「今後も改善が進まなければ、医療保険制度下の卸のあり方も議論しなければならない」との意見もあったと紹介。
 「未妥結・仮納入や総価取引による一律価格を容認できない時代」というのは、中医協での認識であることに注意を促しました。

 総価取引が続くようであれば「メーカーの蔵出し価格を調べて、一定のマージンを乗せる薬価算定方式」になるかも知れないとの考えも示し、その場合には競争もさらに厳しくなるとみています。

 厚労省としては、緊急提言を踏まえて、各医療団体に改善への取組を進めるような依頼を改めて行うとともに、メーカーに対してはヒアリングを行って改善への取り組み努力を求めていく考えを示しました。
 緊急提言は、メーカーに対して、(1)薬価内示後に割戻し・アローアンスの基準を卸に提示、(2)薬価告示後に一次仕切価を卸に提示、(3)一次売差マイナスの改善のため割戻し・アローアンスのうち一次仕切価に反映可能なものは反映させる、(4)仕切価水準の設定にあたっては取引当事者による協議を行う、などを求めており、ヒアリングによってその実行を促すことになります。

 経済合理性のある価格交渉については、緊急提言では「購入量、配送コスト、支払サイト、包装単位の大小、使用状況など」をあげています。
 そうした条件を示すことが医療機関にとっても卸にとってもメリットのある提案になるとしています。

 武田課長は、これまでの価格交渉について、「病院はただ安くと言い、卸も具体的な提案ができない面もあった。その中で値段だけの勝負になっていたのではないか」とし、また、卸側には「メーカー系列の中で真の卸間競争ができなかったこともある」と指摘。
 しかし、メーカー間の再編が今後も進むと、卸のメーカー系列色は薄れていき「本当の卸間競争になる」と見通しています。

 医薬品流通のあり方に対する中医協の厳しい視線、また、メーカーを含めた流通環境の変化や要素を念頭に置いておく必要があるとし、「そうした新時代にふさわしい卸」を目指すよう求めました。
参考資料:医療用医薬品の流通問題に関する改善策について(中医協資料)(厚労省)


改革の見直しが多すぎる、考え抜いた制度設計が必要 柳沢前厚労相(2007.11.16,0:30)

リハビリ・療養病床など、有識者も偏りが多い(医療行政:制度改革)

 前厚生労働大臣の柳沢伯夫衆議院議員(自民党)は11月15日、医薬品卸連合会のセミナーで講演、厚生労働省の行うさまざまな改革で実施直後に見直しを迫られるケースが多いとして、現場の状況を十分に把握すること、また有識者の意見を聞く場合はより広い立場からの参加を求める必要があるなどと指摘、「よく考え抜いて制度設計をすることが強く望まれる」との考えを示しました。これらは、在任中にも厚労省内部で議論していたこととして披露したものです。

 行政の施策については間違いはないという「無謬性神話」が言われる一方、最近はまったく逆で、「実施したばかりの改革をすぐに見直して補正予算で対応する。それがあまりに多すぎる。誤りだからいつも見直しではあまりに極端」と指摘しました。
 昨年9月に厚生労働大臣に就任してすぐの国会で問題とされたのが、障害者に施設利用時に1割の自己負担を求める障害者自立支援法、リハビリテーションの日数上限設定、療養病床の削減であったとし、意見が噴出し、「実施しながら見直す」という答弁になったと振り返りました。改革については、「実態を踏まえた対応」と「財政当局の圧力」があるとしています。

 厚労省内部では「現場の実情把握が不足しているのではないかとよく言った」ものの、現実には忙しすぎて現場に出向いて調べることができないため「どこかに実態調査を依頼して、データだけでやっている」状況になっていると紹介、しかし、「それが見直しの原因ではないか」と指摘していたと言います。

 厚労省に限らず、「3年後見直し規定」が入る法律が多いことも指摘、国会も「よくわからないがとりあえずこれで」という形で通りやすくなることも背景にあって「スタートさせるのが楽になる」ことがあるとしましたが、「3年後の見直しではスターとしてすぐに見直しの準備が必要。いたずらに検討を浅いものにしているのではないかと指摘してきた」ということです。

 有識者の意見については、「厚労省の仕事自体は専門家の助言が必須」のものである一方、「有識者の集め方に偏りがあると感じ、それを言っていた」と言います。
 「厚労省としてねらっているところの意見を持っている先生を集めると、とんでもない話になる。別なところでもっと有力な意見が出かねない」ためだとしました。


イノベーションの第1にあがった医薬に「ぶったまげた」 柳沢前厚労相(2007.11.16,0:30)

厚労省で全員に「しっかりやろう」と呼びかけた(医療行政:制度改革)

 柳沢前厚労相は11月15日の医薬品卸連合会セミナーの講演で、安倍前内閣のイノベーションのテーマとして医薬品が取り上げられたことについて、「昨年9月の安倍首相の最初の所信表明演説でイノベーションが必要とされ、その一番手に医薬品をあげた。脇に座っていてぶったまげた」と、当時の思いを語りました。

 厚労省に帰ってすぐに「期待されているからしっかりやろう」と全役所に呼びかけるとともに、具体的なテーマとして、(1)日本の医薬の世界シェアを膨らませる、(2)国民の健康へのサービスの向上に資するものとする、(3)サービス産業としての医療を育てる、ことを掲げたと言うことです。


どうして社会保険庁ができてしまったのか、柳沢前厚労相(2007.11.16,0:30)

管理のための情報が上がってこない組織(医療行政:制度改革)

 柳沢前厚労相は11月15日の講演で、社会保険庁の問題にも触れ、「管理のための情報がまったく上がってこない。びっくりした」「内部の意思疎通ができていないことが最も基本的な問題」「日本の官僚組織の中でどうして社会保険庁ができてしまったのか」などと語り、官僚組織として大きな欠陥があったと指摘しました。

 問題となっている5000万件のデータについて、「年代はどのような層で、トータルの保険料はいくらか」ということが「さっぱりわからない」とし、それは「管理のための情報があがってこない」ためだとしました。
 担当者がどのような作業をしてどのような結果になっているかという情報を、管理者に報告する仕組みになっていないということです。

 コンピューターが古く「レガシーシステムだから」との説明だったということですが、国税庁から支援に入っている職員に聞いたところ、「国税庁でもレガシーシステムだったがその時でも国民の税務申告の状況は10分前の情報が把握されていた」と言われたと言います。

 社会保険庁で意思疎通ができていないことの背景として、(1)地域採用の現場職員、(2)本庁採用の職員、(3)厚労省採用の職員、という3層構造にあるとの指摘については、どの省でもそうした構造はあるとして「一面ではあたっているが一面ではあたっていない」としました。

 問題は、給与は国が払うが指揮命令系統は都道府県知事にあるという地方事務官制度にあり、その地方事務官中心の組織が社会保険庁であり、そのことで「想像以上に意思疎通ができないことになっている」との見方を示しました。
 そうした中で、作業の状況を上司に上げない体制ができてしまっていたということです。


経済財政諮問会議 診療報酬体系見直しで民間議員ペーパー、勤務医と開業医の格差是正が必要(2007.11.15,1:30)

診療所の初再診料引き下げで(中医協情報:08改定)

 政府の経済財政諮問会議は11月14日、医療・介護のコスト構造の是正についての議論、民間議員が診療報酬体系の見直しについて、(1)診療所の初再診料を下げて勤務医と開業医との格差是正を図る、(2)総合的な診療能力を持つ医師の養成(ホームドクター制の構築)、(3)後発医薬品の数量シェアの拡大、などの実施を求めました。
 これに対し、舛添厚労相は、厚労省としてすでに実施していたり実施したいものであるとして、同意する考えを示しました。

 民間議員の提案は、(1)勤務医と開業医の格差是正、(2)診療所・病院・介護施設の役割分担、(3)医療介護従事者の役割・要請システムの見直し、(4)診療行為の効率化、IT化の推進、(5)高率病院の再編・効率化、の5点です。

 勤務医と開業医の格差是正は、収入や労働時間の格差是正が必要とし、全体のコストを抑制しつつ、病院と診療所間の医療費配分を見直すべきとしました。
 具体的には、「産科・小児科救急など九世紀の病院医療に対する報酬の充実」と診療所の初再診料の引き下げをあげています。

 診療所・病院・介護施設の役割分担では、本来の機能を果たすような報酬のメリハリ、病院と診療所の連携の促進をあげました。
 医療介護従事者の役割・養成システムの見直しでは、看護職・介護職の業務範囲の拡大を第1に上げ、ホームドクター制の構築、都道府県のニーズに応じた医学部定員や地元出身者枠の設定を指摘しています。

 診療行為の効率化・IT化の推進では、(1)入院や後期高齢者医療の診療報酬の包括化の推進、(2)後発医薬品の数量シェアの拡大、(3)レセプト・オンライン請求義務化の着実な実施、(4)社会保障カードの導入、を求めています。

 公立病院の再編・効率化では、早急に改革プランを作成し再編や経営の効率化を進めるべきだとしました。
資料:診療報酬体系の見直しに向けて(経済財政諮問会議・民間議員ペーパー)(経済財政諮問会議)


味の素/アステラス製薬、ナテグリニドがビグアナイド系薬剤との併用療法の効能追加を取得(2007.11.15,1:30)

インスリン分泌促進作用とインスリン抵抗性改善作用(医薬品:企業情報)

 味の素とアステラス製薬は11月14日、共同開発していた速効型食後血糖降下剤「ファスティック錠/スターシス錠」(一般名:ナテグリニド)のビグアナイド系薬剤との併用療法の効能追加について、承認を取得したと発表しました。

 ナテグリニドは1999年8月の発売以来、単剤またはα-グルコシダーゼ阻害剤との併用で使用されてきました。インスリン分泌促進作用を特徴とするナテグリニドと、インスリン抵抗性改善作用のあるビグアナイド系薬剤との併用療法はすでに海外では有効性・安全性が認められていたものです。
 国内では、味の素が第一三共を通じて「ファスティック錠」として、アステラス製薬が「スターシス錠」として販売しています。
資料:ナテグリニドがビグアナイド系薬剤との併用療法の効能追加を取得(味の素/アステラス製薬)


08年診療報酬改定方針で中医協が議論、病院の経営悪化に焦点 診療所は黒字に日医が反発(2007.11.14,17:10)資料

賃金・物価はともに0.7%増、通例なら引き上げの根拠(中医協情報:08改定)

 中医協は11月14日の総会(会長:土田武史・早稲田大学商学部教授)で、来年の診療報酬改定についての意見のとりまとめに向けた議論をスタートさせました。  医療経済実態調査の結果、病院経営の悪化が明らかになったことから、病院の経営改善を目指す方向で議論は進みつつあります。その中で、診療所の初再診料を引き下げて病院の入院医療を評価するという厚労省の方針もあり、日医が「一般診療所も収支は悪化している」と抵抗姿勢を示す形になっています。

 議論に先立って、健保連が医療経済実態調査の分析についての見解を示し、一般診療所と保険薬局は大きな黒字である一方、病院は100床以上で赤字であり特に200床以上の減収幅が大きいことを指摘しました。
 また、厚生労働省が、この2年間の賃金・物価の動向を資料で提出、賃金(人事院勧告)は0.7%増、物価(消費者物価)も0.7%増となっていることを示しました。

 日医代表委員は、健保連の見解に対し、前回10月31日に提出した資料でTKCの医業経営指標では一般診療所も収支は悪化しているとして、強い反発を示しました。
 日本薬剤師会副会長の山本氏も、薬局としては人件費の削減などの努力をした結果と説明。

 しかし、病院代表委員からは、「TKC資料、健保連資料とも病院医療の崩壊をテーマにすべきであると読める」、また「赤字病院の数が増えていることを重視すべきであり、その中で賃金・物価が上がっていることをどう考えるかだ」など、病院の経営問題を取り上げるべきとの意見が出されました。

 土田会長は、診療側と支払側の双方に診療報酬改定についての考え方を提出するよう求め、それを踏まえて中医協としての意見をまとめる方針を示しました。11月21日には薬価調査と保険医療材料価格調査の結果も報告されると見られ、そうしたデータを見ながら、11月28日、または11月30日には中医協意見のとりまとめが行われます。

 日本医師会はすでに5.7%引き上げの要望書を公表しています。今回、病院代表の声を反映させるような意見書となるかが注目されます。
 前回の改定時には、診療報酬のマイナス改定が声高に言われていた中であったため、病院代表も日医の意見に一本化しての意見書でしたが、今回は事情が違っています。

 賃金・物価がともにプラスとなっているのは、診療報酬もプラス改定とすることの根拠となり得るものですが、この日はそうした意見は出ていません。前回はともにプラスマイナス0%の中でのマイナス改定でした。

 中医協の意見としては、前回はマイナス改定を求める支払側意見と、プラス改定を主張する診療側意見の併記となりました。今回も一本化した意見とするのは困難と見られます。
資料1:賃金・部下の動向(厚労省)
資料2:医療経済実態調査の結果に関する分析・健保連(厚労省)
資料3:総会配布全資料(厚労省)


手術施設基準は先送り、分科会での調査・解析が途中段階のため 中医協・小委(2007.11.14,17:10)資料

「件数増で成績向上」が明らかになった段階で検討(中医協情報:08改定)

 厚生労働省は11月14日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長:土田武史・早稲田大学商学部教授)に、手術の施設基準については分科会での検討の結論が得られていないとして、今回の改定では対応しないものとしました。

 手術の施設基準については、診療報酬調査専門組織の手術に係る施設基準等調査分科会で検討を進めていますが、日本外科学会、日本胸部外科学会、日本脳神経外科学会、日本産婦人科学会、日本泌尿器科学会、日本整形外科学会の6学会に依頼して症例を集積し、分析を進めていますが、まだ作業が終了していません。また、中間報告の段階では手術件数や経験年数とアウトカムの関係については十分に明らかにされていないとしました。

 このため、厚労省は「手術件数の増加により手術成績が一定程度以上向上すること等が明らかとなった時点で、診療報酬上の評価を行うことを検討する」ことを提案、了承されました。
資料1:手術施設基準の検討状況(厚労省)
資料2:手術について(論点)(厚労省)
資料3:参考資料(厚労省)
資料4:診療報酬基本問題小委員会配布全資料(厚労省)


糖尿病対策 生活習慣病管理料引き下げ・フットケア評価・長時間人工腎臓評価 中医協・小委(2007.11.14,17:10)資料

包括点数の生活習慣病管理料は広がりをねらって再引き下げ(中医協情報:08改定)

 厚生労働省は11月14日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に、糖尿病対策として、生活習慣病管理料の点数引き下げと療養計画書の簡素化、足壊疽などに対するフットケアの評価、4時間以上の人口腎臓の評価を行う方針を示しました。

 生活習慣病管理料は、検査や薬剤費を含めた包括点数ですが、施設基準はなく療養計画書の作成を行うことで、医療機関は自由に選択することができます。
 薬よりも食事や運動指導が重要として高い点数をつけて、選択へのインセンティブとしていましたが、患者負担が3割に引き上げられたことから、高い点数であることが患者の負担増につながるとして、医療機関の選択が進まない状況となっていました。

 そのため、前回改定でも点数引き下げが行われましたが、診療報酬改定結果検証部会が改定後に行った調査で、算定する医療機関が少なく、算定しない理由として「点数が高く患者負担増につながる」「療養計画書の記載内容が増えた」ことが多くあげられていました。

 厚労省は、生活習慣病対策を進めるためには、生活習慣病管理料を算定する医療機関が広がり、必要な患者に適切な治療計画に基づく治療管理が実施されることが重要として、点数をさらに引き下げ、また療養計画書の負担を減らすこととします。

 フットケアについては、糖尿病足病変について効果があるとのデータがあるとして、糖尿病足病変のみを対象に評価します。糖尿病の有病者数は増加しており、その中で足壊疽を合併している率も平成9年(1997年)の0.4%が14年(02年)には1.6%に増えています。
 「医師が認めた場合、糖尿病足病変が悪化することを防止するための専門的な指導等を実施した場合の評価」を行います。

 人口腎臓で4時間以上を評価するのは、透析導入患者の40%以上が糖尿病性腎症の患者であることへの対応です。
 1回当たり透析時間は、患者の希望もあって4時間未満が増加、24%に達していますが、短時間の透析は急激に循環状態が変化することにより血圧低下や下肢筋肉の痙攣、頭痛、嘔吐などの副作用が出やすくなります。
 このため、時間をかけて透析せざるを得ない患者もいることを踏まえ、4時間以上かけた場合に評価する方針です。資料提出の要求もあったため、再度議論することとされました。
資料1:糖尿病対策(1)生活習慣病管理料の評価(厚労省)
資料2:生活習慣病管理料算定医療機関の患者状況調査結果(厚労省)
資料3:糖尿病対策(2)ハイリスク患者のケアの充実(フットケア)(厚労省)
資料4:糖尿病対策(2)参考資料(厚労省)
資料5:糖尿病対策(3)人口腎臓(厚労省)
資料6:糖尿病対策(3)参考資料(厚労省)
資料7:透析医療の改定影響調査結果(厚労省)
資料8:診療報酬基本問題小委員会配布全資料(厚労省)


公立病院改革ガイドライン 総務省が策定、民間病院並みの経営効率を 廃止・統合も促す(2007.11.14,1:20)

薬剤の一括購入・職員給与比率改善なども目標値設定して(医療経営:病院経営)

 総務省の公立病院改革懇談会(座長:長隆・東日本税理士法人 公認会計士)は、経営状態の悪化が続き、最近では医師不足による診療科閉鎖が迫られる状況になっている公立病院の経営改善に向けた「病院改革ガイドライン」をまとめました。
 (1)経営の効率化、(2)再編・ネットワーク化、(3)経営形態の見直し、の3つの対応策を上げ、特に都市部で多くの民間病院と混在しているケース、また複数の公立病院や国立病院、公的病院などと競合しているケースでは、廃止・統合を含めた検討を進めるべきとしています。経営効率化では民間病院並みの経営指標を目指すべきとしました。

 ガイドラインは、病院事業を行っている地方公共団体は3つの視点に基づく「公立病院改革プラン」を08年度(平成20年度)中に作成すべきものとしました。「経営効率化」については3年程度、「再編・ネットワーク化」は5年程度の期間で行うべきとしています。

 経営効率化では、経常収支比率、職員給与費対医業収益比率、病床利用率については必ず数値目標を設定するものとしています。
 具体的には、収支改善策として、経常収支比率、医業収支比率のほか、経常損益の額、減価償却前収支の額、職員給与費対医業収益比率、100床当たり職員給与費などをあげています。
 経費削減策としては、医薬材料費を一括購入により○%削減、薬品使用効率、100床当たり職員数などをあげています。

 さらに、収入確保に関わるものとして、病床利用率、平均在院日数、患者1人当たり診療収入、経営の安定性に関わるものとしては純資産の額、現金保有残高を例示しました。

 公立病院としては不採算部門での役割を果たすことも求められており、そうした不採算部門については、「一般会計からの繰り出しが行われれば経常黒字が達成される水準」での目標設定を行うものとしています。
 これは、現実の病院経営の結果による赤字をそのまま追認して補てんするものではないとくぎを刺しています。

 地域内に民間病院がある場合は、「民間病院並みの効率性」を目指すことが望ましいとしました。地域の民間病院との精緻な比較が難しい場合には全国的な民間病院の経営統計を参照して目標を設定するものとし、目標数値の例も表で示しています。

 経営効率化への具体的な取り組みとしては、PFI方式の導入、民間委託の活用など民間的経営手法の導入、過剰病床の削減や老人保健施設あるいは診療所への転換、職員給与体系の見直し、薬剤一括購入などによるスケールメリットの追求や競争性の導入など契約の見直し、医療機能に見合った診療報酬の確保など、細部にわたる事例を示しています。

 再編・ネットワーク化では、200床程度の中小病院を再編・統合して400床規模の中核病院を作り、既存の施設は中核病院と連携する診療所として配置する案、日赤病院など中核病院の周囲に小規模の公立病院があるケースでは日赤病院を「指定管理者」とし公立病院は診療所化する案、さらに大規模民間病院の周囲に200床規模の公立病院が複数と小規模病院があるケースでは公立病院を統合して350床規模とした上で大規模民間病院を「指定管理者」とし統合した病院と診療所化した小規模病院の経営を委ねる案、という具体例をあげています。
資料1:公立病院改革ガイドライン(総務省)
資料2:公立病院改革ガイドライン(概要)(総務省)
資料3:公立病院改革懇談会構成員名簿(総務省)


田辺三菱製薬、レミケードがクローン病維持療法の効能追加を取得(2007.11.14,1:20)

クローン病の緩解導入と合わせ広く展開(医薬品:企業情報)

 田辺三菱製薬は11月13日、クローン病の緩解導入の効能で発売中の「レミケード点滴静注用」(一般名:インフリキシマブ)について、「クローン病の維持療法」の効能追加を取得したと発表しました。

 レミケードは抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤で、2002年に「クローン病の緩解導入」の効能で承認されています。
 クローン病は、口から肛門までの間で、特に小腸と大腸に炎症を起こして腹痛や下痢、発熱、体重減少などの症状が現れます。緩解と再燃を繰り返す中で半数の患者が腸管の病変を取り除く手術が必要になるとされています。
 現在の治療法は、早期に緩解状態にし、その状態を維持することが重要となっています。

 レミケードは海外では1998年にクローン病の緩解導入で承認され、02年にクローン病の維持療法の効能を追加、広く使用されています。
資料:レミケードが「クローン病維持療法」の効能追加を取得(田辺三菱製薬)


調整係数廃止 平成21年もあり得る、新準備病院は調整係数なしも(2007.11.13,1:15)資料

厚労省、段階的廃止も含めて分科会での検討を要請(中医協情報:DPC)

 DPC病院の調整係数は次回改定までは存続とされていますが、厚生労働省は11月12日のDPC評価分科会で、廃止されるのは次々回改定の平成22年とは限らず、平成21年に廃止となることもあり得るとの考えを示しました。
 DPCの新基準によって準備期間が2年とされた場合、今年応募した準備病院がDPC病院に移行できるのは平成21年以降となりますが、その時には調整係数がなくなっているということになります。
 一方、調整係数の廃止については、全面的に廃止して新しい機能評価係数に移行することだけでなく、段階的な廃止についても分科会で議論するよう求めました。

 調整係数については「平成20年度改定時までは存続することとしているが、それ以降は廃止」とされています。これを文字通りに解釈すると、今年応募した準備病院が平成21年にDPCに移行できることになったとしても、やはり調整係数は適用されないことになります。

 ただ、厚労省は調整係数の段階的な廃止についても分科会での議論によるとしています。また、調整係数が前年度の医療収入を保証するものとの考え方をとっていることについても、廃止に向けてその考え方をどうするかについては分科会での議論によるとしました。

 調整係数の廃止と新たな機能評価係数の設定については、中医協・診療報酬基本問題小委員会からあらためて分科会での検討が要請されることが予想され、分科会としては松田研究班からの提案を求めて議論を進めることとしました。

  、中医協・診療報酬基本問題小委員会から付託されていた(1)適切な算定ルールの構築、(2)DPC対象病院のあり方、(3)調整係数の廃止および新たな機能評価係数の設定、について、分科会の「提案書」としてまとめました。
関連記事:DPC病院 準備期間は2年へ、新基準案で分科会が意見 10:1看護未達のDPC病院は指定解消(2007.11.12,19:00)
資料1:DPC評価分科会提案書(案)(新基準案ほか)(厚労省)
資料2:DPC評価分科会配布全資料(厚労省)


「データ/病床」比3.5以上、DPC対象病院も3病院が基準未満(2007.11.13,1:15)資料

DPC病床で算定、未達は全病床算定時の1割以下に(中医協情報:DPC)

 DPC病院の新基準案に盛り込まれた「データ/病床」比について厚生労働省は11月12日のDPC評価分科会に、これまで説明していた「全病床」ではなく「DPC算定病床」と修正しました。
 これにより、3.5以上の基準を満たせない病院は、平成15年対象病院0、16年対象病院1、18年対象病院2、18年準備病院5の合計8病院となります。
 全病床としていたこれまでの試算では、15年対象病院0、16年対象病院5、18年対象病院9、18年準備病院72、合計86病院としていましたが、その1割以下に減少します。  経過措置を設定して、基準を満たすよう指導します。
資料1:(データ/病床)比に係る整理(厚労省)
資料2:(データ/病床)比3.5未満の医療機関数(厚労省)
資料3:DPC評価分科会配布全資料(厚労省)


DPC分科会、再入院とアップコーディング対策・新基準案・新機能評価係数で提案書(2007.11.13,1:15)資料

新基準案は「軽症の急性医療」まで含めるか「重症」に限定か(中医協情報:DPC)

 厚生労働省のDPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)は11月12日、中医協・診療報酬基本問題小委員会から付託されていた(1)適切な算定ルールの構築、(2)DPC対象病院のあり方、(3)調整係数の廃止および新たな機能評価係数の設定、について、分科会の「提案書」としてまとめました。

 適切な算定ルールは、再入院とアップコーディング(診断群分類の決定方法)への対応に関するものです。
 再入院については、「3日以内の再入院(病棟間の転棟に伴う再転棟も含む)」を「1入院として取り扱う」こととし、「4−7日以内の再入院」については調査・検討を継続、「本来外来で実施できる治療を入院医療で行われている例」については実態を調査・検討、としました。

 アップコーディング対策は、DPCレセプト提出時に「包括評価部分に係る診療行為の内容がわかる情報も加える」こととしました。具体的には、出来高点数の項目の提出を求めます。
 また、院内で標準的な診断・治療方法の周知を徹底し適切なコーディングにつながるような体制を確保することとします。

 DPC病院のあり方は、新基準案としてまとめた内容です。
 準備病院の期間を2年とするのは、データ収集期間について、現状は「7−12月」を対象としているのに対し、準備期間を1年とした場合、「DPC対象病院への参加の判断を12月までに行うには、実際には10月までの4ヵ月分のデータしか利用できず、データの質・量の確保が不確実になる」ためとしています。
 一方、2年とすれば、前年度の6ヵ月分と当該年度の4ヵ月分の合計10ヵ月分のデータを利用することができます。「病床数が少ない医療機関にとっては、より長期間のデータとなり、バラツキを少なくする」ことができます。

 また、「適切なデータを提出できる」との要件の内容として、「提出期限の厳守およびデータの正確性等(適切に診断群分類が決定されていること、薬剤の使用量の入力ミスがないこと等)」と記載、既存のDPC対象病院でも「データの質に重大な疑問」があった場合には、分科会でその原因を調査し改善を求めるものとしました。

 新基準案としては、「手術・化学療法・放射線療法・救急車搬送」の件数の全データ数に対する割合を含めるかどうか、の問題となります。
 含めない場合について、厚労省は「軽症の急性期入院医療も含めてDPCの対象とする案」とし、一方含める場合は「ある程度以上の重症の急性期入院医療をDPCの対象とする案」と区分しました。
 軽症と重症とで区分する考え方ですが、DPCの中で2階建とするのでなく、どちらか一方とします。つまり、DPC対象病院を広く設定するか、限定的にするかです。
 DPCの拡大に慎重姿勢の日本医師会の木下常任理事は、この日も限定的な案とするよう主張、また、DPCの推進論者の中にも明確な急性期病院に限定すべきとの考えを主張する委員も複数あり、広く対象とすべきとの考え方を主張する意見と分かれたままとなりました。

 調整係数の廃止と新たな機能評価係数の設定については、調整係数が平成20年改定までは維持することとされていることから、具体案の作成は今後検討するものとしています。
 ただ、(1)望ましい要件については係数として評価することを検討すべき、(2)救急、産科、小児科など重要でありながら不採算になりやすい診療分野について評価できる係数を検討すべき、(3)救急医療体制整備など高度な医療を提供できる体制を評価できる係数を検討すべき、(4)高度な医療体制は地域の必要性を踏まえた評価を反映できる係数を検討すべき、などの考え方をあげています。
関連記事:DPC病院 準備期間は2年へ、新基準案で分科会が意見 10:1看護未達のDPC病院は指定解消(2007.11.12,19:00)
資料1:DPC評価分科会提案書(案)(新基準案ほか)(厚労省)
資料2:DPC評価分科会配布全資料(厚労省)


DPCの影響評価、平均在院日数の減少で効率化が進展(2007.11.13,1:15)資料

特定機能病院の自院外来増加傾向の実態を調査へ 分科会報告書(中医協情報:DPC)

 厚生労働省は11月12日のDPC評価分科会に、今年度の「DPC導入の影響評価に関する調査結果」の中間報告案を提出、平成19年度DPC準備病院は698病院となったことを明らかにしました。応募した722病院から、24病院が脱落したことになります。

 調査結果は、平均在院日数は減少傾向で、DPCによる効率化が進んでいるなど、これまでの調査と同様の内容となっています。
 ただ、平成15年対象病院である特定機能病院について、退院先として寺院の外来の割合が増加傾向であることを指摘、外来化学療法や外来放射線療法など専門外来の実施が考えられるとしましたが、その実態について調査する必要があるとしました。中医協に報告します。
資料1:平成19年度「DPC導入影響評価調査結果概要」中間報告(案)(厚労省)
資料2:7月から12月までの退院患者に係る調査・中間報告(厚労省)
資料3:DPC評価分科会配布全資料(厚労省)


DPC病院 準備期間は2年へ、新基準案で分科会が意見 10:1看護未達のDPC病院は指定解消(2007.11.12,19:00)資料

手術・化学療法などの件数比の採否は中医協で決定(中医協情報:DPC)

 厚生労働省のDPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)は11月12日、DPC病院の新基準案について、(1)平成18年対象病院の基準+準備病院の期間は1年または2年+「データ/病床」比は3.5相当(準備期間2年の場合は8.75)、(2)(1)に加えて手術・化学療法・放射線療法・救急車搬送の件数の全症例に対する比率を設定(25―50%)、のいずれかとすることで整理、これを中医協・診療報酬基本問題小委員会に報告することとしました。

 準備期間は両論併記ですが分科会としては「2年が望ましい」との意見を付けます。これが決定されると、今年から準備病院となった698病院はDPC病院への移行が少なくとも1年先送りとなります。
 手術・化学療法などの件数の比率については、意見がまとまらず、両論をそのまま報告します。

 平成18年対象病院の基準は、(1)看護配置基準10:1以上、(2)診療録管理体制を算定している、または同等の診療録管理体制を有する、(3)7月から12月までの退院患者について、標準レセ電算マスターに対応したデータを適切に提出、の3点です。

 看護配置基準10:1については、平成20年3月31日までの経過措置として、達成のための計画の提出により認められているDPC病院がありますが、そのうち数病院は現時点で未達成とされています。来年3月末までに達成できない場合、厚労省はDPC病院の指定を解消する考えを明らかにしました。
 「データ/病床」比3.5以上について厚生労働省は、「全病床」としていたこれまでの説明を改め「DPC算定病床」としました。これまでの適用が「DPC算定病床」であったことを確認したためとしています。新たな基準となるため、経過措置が設定されることになります。
資料1:DPC評価分科会提案書(案)(新基準案ほか)(厚労省)
資料2:DPC評価分科会配布全資料(厚労省)


後発医薬品への変更率6倍以上にも、処方せん様式変更と薬局のへのインセンティブで(2007.11.12,1:15)(資料)

日医は方針転換で初再診料引き下げの縮小狙う(中医協情報:後発医薬品)

 後発医薬品の使用促進のための処方せん様式変更が決定、「後発医薬品への変更不可」の場合に医師が署名する方式となったこと、また、薬局に対しては調剤基本料に差をつけるというインセンティブが付けられることになりました。11月9日の中医協・診療報酬基本問題小委員会で日医も賛成して決定、後発医薬品への変更は大きく進むとみられます。
 現状の「変更可」に署名のある処方せんに対する変更率8.2%は全処方せんに対しては1.4%に過ぎないのですが、処方せん様式が変更になると、全処方せんが基本的に変更可となり、薬局の変更率が変わらないとしても、全体の変更率は8.2%へと6倍近くに跳ね上がります。薬局がインセンティブに対応して動けば、その率はさらに上がります。

 処方せん様式の変更に大きな抵抗感を示していた日本医師会は、あっさりとその姿勢を覆しました。
 日医として実施した病院を対象とした後発医薬品の使用実態と処方せん変更への意識調査の結果、後発医薬品の使用がすでに大きく進展していること、処方せん様式の変更にも反対は34.9%と3分の1程度に過ぎなかったことを理由としています。
 一方、処方せん様式の変更に合わせて、後発医薬品を処方した場合に処方せん料を2点高くしているのを廃止する方針を厚労省が示したことに対し、日医は、その分を勤務医の負担軽減のための財源に回すよう要望しました。初再診料の引き下げをできるだけ抑えようとの考えです。

 厚労省は、この2点だけでなく、後発医薬品への変更による医療費削減分を診療報酬改定の財源とする方針です。その影響額についてはさまざまな算定が必要になり、今後詰めることとしています。

 薬局の調剤基本料の見直しは、後発医薬品の調剤率(単位期間あたりの全受付処方せんのうち実際に後発医薬品を調剤した処方せんの割合)が一定以上の場合を重点的に評価するものですが、30%以上あるいは40%以上が目安になりそうです。
 それ以下の場合の調剤基本料を引き下げ、逆に30%以上あるいは40%以上を引き上げるとすれば、薬局は後発医薬品への変更に大きく動くことになると予想されます。
 しかし、中医協での質疑で、日本薬剤師会副会長の山本信夫氏は、「薬局としてはどうしようもない問題もある」として調剤基本料以外での対応を要望しました。
 調剤基本料を現状通りとして、加算などでの対応とした場合、よほどの差がつけられない限り、大きな進展にはつながらないと見られます。
関連記事:処方せん様式変更決定、日医が賛成 薬局の調剤基本料も後発薬調剤率が一定以上を重点評価(2007.11.9)

資料1:後発医薬品の使用促進のための環境整備について(厚労省)
資料2:後発医薬品の使用状況調査(厚労省)
資料3:日医、後発医薬品の使用に関するアンケート調査(厚労省)


在宅療養支援診療所、一部病院も対象に 医療用麻薬の使用を老健・介護療養で出来高に(2007.11.12,1:15)(資料)

訪問看護は74歳以下も評価(中医協情報:08改定)

 厚生労働省は11月9日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長:土田武史・早稲田大学商学部教授)に、後発医薬品の使用促進策のほか、訪問看護の充実、在宅医療を支援する病院の評価、疼痛緩和の推進、についての方針を提案、いずれも基本的に支持されました。

 在宅医療を支援する病院の評価は、診療所がなく病院だけがある地域では病院を在宅療養支援診療所と同様に評価するものです。厚労省は病院の周囲半径5勸米發某芭貼蠅ないことを要件とする考えです。一部病院団体の調べでは、その団体の中で4病院が該当するとしています。

 しかし、全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、診療所と連携している中小病院を評価して欲しいとして距離制限の撤廃を求めました。
 この問題は再度議論することとされました。

 疼痛緩和の推進は、がん患者の疼痛緩和のための医療用麻薬の使用促進を図るものです。医療用麻薬の使用は、患者の状態が安定しているときには1日当たり500円余りの薬剤費ですが、病状が進行すると2000円程度の使用量となり、終末期には1万円を超える量の使用が必要になるとされます。
 これに対し、介護老人保健施設や介護療養病床ではその薬剤費が包括された評価となっているため、特に終末期になると医療用麻薬の使用により大きな赤字が出る可能性があります。
 このため、厚労省は、介護老人保健施設と介護療養病床について、保険医療機関の医師が処方した場合には医療用麻薬を算定できるものとする方針です。
 介護老人保健施設は保険医療機関でないため、保険医療機関の医師による処方であることが必要となります。介護療養病床は、ほとんどが保険医療機関内部にあるため、内部の医師が外来で処方することができます。
 また、在宅での疼痛緩和の促進のため、処方せんに基づき保険薬局で交付できるものとして、必要な注射薬、バルーンディスポーザブル連側注入器を追加します。

 訪問看護については、後期高齢者医療で評価することとした、退院前後の支援、24時間体制の支援、患者の状態に応じた訪問、終末期の手厚い看護、についての評価を、74歳以下でも同様に評価することとしました。
資料1:在宅医療の支援する病院の評価について(厚労省)
資料2:在宅医療を支援する病院の評価・参考資料(厚労省)
資料3:疼痛緩和の推進について(厚労省)
資料4:疼痛緩和の推進・参考資料(厚労省)
資料5:訪問看護の充実について(厚労省)
資料6:基本問題小委員会配布全資料(厚労省)


タミフルと異常行動、直接的に支持するデータは得られていない WGが試験結果を報告(2007.11.12,1:15)

「10代への投与差し控え」は改めて全国医療機関に伝達(医薬品:タミフル)

 厚生労働省の薬事食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(座長:松本和則・国際医療福祉大学教授)は11月11日、タミフルと異常行動・突然死についての調査・検討を進めている基礎ワーキンググループから、「タミフルの中枢神経系の副作用と言われるものを直接的に支持するデータは得られていない」とする報告を受けました。
 異常行動の原因とは言えないというものですが、質疑の中で厚労省の黒川審議官はインフルエンザのシーズン入りに向けて、「10代の患者への投与を差し控えること」などとした今年春にとった「当面の対応」を、改めて全国の医療機関に伝達するようメーカーに指導する考えを示しました。

 調査会は12月上旬に臨床ワーキンググループの報告、基礎ワーキンググループのさらなる報告を受け、タミフルの服用と異常行動・突然死の因果関係についての評価を行い、合わせて、「当面の対応」の継続または変更など対応策についての意見もまとめる予定です。

 この日報告されたのは、中枢神経系への安全性を評価するための新たな試験結果、また、心血管系への安全性を評価するための新たな試験結果で、いずれもワーキンググループの指示によりメーカー(ロシュ、中外製薬)が行ったものです。
 中枢神経系に関しては、成熟ラットを用いたタミフル投与後の血漿と脳脊髄液中の濃度に関するものなど3種の試験結果で、「タミフルの中枢神経系への悪影響を示す成績は得られていない」としました。
 この結果について、東京大学医学部大学院医学系研究科国際生物医科学講座教授の水口雅氏は、試験の対象が健常な動物であることに対し「タミフルを服用するのはインフルエンザの患者である」として、病態の動物での試験を行う必要があると指摘しました。

 突然死との関係をみるための心血管系に関する試験結果でも、「心臓への作用の可能性は示唆されなかった」と報告されましたが、ワーキンググループではデータのばらつきがあると指摘しています。

 この日の調査会で、臨床ワーキンググループの報告が行われなかったことについて、日本医師会常任理事の飯沼雅朗氏をはじめ複数の臨床医から、「試験は終わっているのに報告が遅すぎる」と、メーカーの姿勢への批判があり、厚労省の黒川審議官は「試験の内容も含めた状況を次回に報告する」と約束するという場面もありました。

 疫学調査として、厚生労働科学研究費により、これから始まるシーズンについて、全国のすべての医療機関を対象として、飛び降りや急に走り出すなどの重度の異常行動について報告を求め、また、全国5000のインフルエンザ定点医療機関からは軽度の異常行動までも報告を求め、データを収集し解析する計画が明らかにされました。すべての医療機関を対象とした重度の異常行動については昨シーズンの状況についても報告を求めます。
 この調査により、タミフルが10代の患者だけでなく多くの患者に投与されなくなった今シーズンと昨シーズンとの比較などができるとされています。


処方せん様式変更決定、日医が賛成 薬局の調剤基本料も後発薬調剤率が一定以上を重点評価(2007.11.9,14:55)(資料)

中医協、薬局は療養担当規則で後発薬調剤を義務化(中医協情報:後発医薬品)

 後発医薬品の使用を促進するため、処方せん様式を変更し、「後発医薬品への変更不可」の場合に医師が署名することが決定されました。11月9日午前の中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長:土田武史・早稲田大学商学部教授)に厚生労働省が提案、日本医師会も医師の処方権の確保を前提にして賛成しました。
 同時に、薬局側の調剤基本料を見直し、「後発医薬品の調剤率が一定以上の場合を重点的に評価する」こととします。薬局・薬剤師の療養担当規則も変更し、「保険薬剤師は後発医薬品を調剤するよう努めなければならない」とします。

 来年4月から処方せん様式が変更されると、院外処方せんはすべて後発医薬品を使用することが基本となり、薬局は後発医薬品への変更のための説明をし、変更していくことが義務となるとともに、変更ができなければ薬局経営上も影響を受けることになります。
 後発医薬品の使用は、一気に大きな進展を見せることになると予想されます。

 中医協が今年7月分を対象に実施した後発医薬品の使用状況調査では、「後発医薬品への変更可」の署名のある処方せんは17.1%で、署名のある処方せんのうち薬局が患者に説明し同意を得て後発医薬品に変更したのは8.2%にとどまっていることが明らかにされました。後発医薬品に変更した割合は全処方せんに対しては、わずか1.4%です。
 調査の中で、薬局は、後発医薬品への変更を進めるための要件として、患者への説明の時間や後発医薬品の備蓄コストに見合った調剤報酬上の評価を第1に上げていました。厚労省のこの日の提案は、薬局のそうした考えに対応したものです。

 処方せん様式の変更では、現行の医師の署名欄は「変更不可の場合」とされます。また、すべてを不可とするのでなく、一部の医薬品についての変更を不可とする場合には、医師は署名はせずに、個別の医薬品ごとに「変更不可」と書き込みます。

 薬局側の対応としては、銘柄指定された後発医薬品について医師に疑義照会することなく、患者に説明し同意を得た上で、別の銘柄の後発医薬品を調剤できることとしました。10月17日の小委員会でも厚労省が提案、日医は反対を表明していましたが、この日は後発医薬品の使用促進策に全体として賛成しました。

 また、処方された先発医薬品が口腔内崩壊錠で、後発医薬品では同一成分の口腔内崩壊錠がない場合、薬局は通常の錠剤の後発医薬品に変更して調剤できることも前回、10月17日と同様に提案しました。
 しかし、これには全日本病院協会会長の西沢氏が「医師は口腔内崩壊錠の必要性があるとして処方しているもの」として反対を表明、さらに検討することとされました。

 後発医薬品への患者の不安を和らげるため、薬局が初めて後発医薬品に変更する場合には、短期間、後発医薬品を試せるように「分割調剤」をすることを評価することも前回と同様に提案され、了承されました。

 薬局の調剤基本料を後発医薬品の調剤率(単位期間当たりの全受付処方せんのうち、実際に後発医薬品を調剤した処方せんの割合)が一定以上の場合の重点評価は、医療経済実態調査の結果、薬局の収支率は、後発医薬品調剤率20−29%が最も悪くなっていることを踏まえたもので、30%以上、あるいは40%以上が目安になりそうです。変更ではなく銘柄指定されていた後発医薬品の調剤も含めて算定します。調査結果の平均は31.0%となっています。
資料1:後発医薬品の使用促進のための環境整備について(厚労省)
資料2:後発医薬品の使用状況調査(厚労省)
資料3:日医、後発医薬品の使用に関するアンケート調査(厚労省)


医療事故調(仮称)、「医療安全」を前面に出し医療関係者が一体として取り組む(2007.11.9,0:15)資料

「懲罰的意味合いが濃い」のパブコメに「説明不足」と反省(医療行政:診療行為関連死)

 医療機関で診療に関連して患者が死亡した場合に、医療機関からの届出を受けて死亡原因を調査・分析する「医療事故調査委員会(仮称)」の設置について議論している厚生労働省の検討会は11月8日、第2次試案に対するパブリックコメントの結果、医師から「懲罰的意味合いが強い」などの懸念が多く示されたことを受けて議論。
 制裁や懲罰ではなく「医療安全のため」であるとの旗印を立てる必要があり、また「医療界が一体となって取り組むことが重要」との意見が出され、日本医師会、外科学会の委員はそうした姿勢できたがさらに医療界全体に広めたいとの考えを表明、検討会としても議論を深めることとしました。

 具体的な項目では、医療機関の届出とそれを怠った場合のペナルティを中心に医療関係者からの懸念が示されたことから、届出範囲の明確化、また院内事故調査委員会の役割についての詰めを進めます。

 「診療行為に関連した死亡に係る死因究明のあり方に関する検討会」(座長:前田雅英・首都大学東京法科大学院教授)に報告された第2次試案に対するパブリックコメントは、10月17日の開始から11月2日の締め切りまでで104件(個人87件、団体17件)でした。
 職種別では、医療従事者65件、一般14件、法曹関係者3件、不詳5件で、ほとんどが医療従事者によるもの。医療従事者の内訳は、医療機関管理者22件、医師(管理者以外)33件、看護師5件、その他5件と、管理者も含めるとほとんどが医師からのものです。

 その内容は、試案に基本的に賛同するものもある一方、「死亡の原因には医療者の怠慢や誤りがあるという前提に立っているように見える」「全般的に懲罰的な意味合いが濃い」「萎縮医療・医療崩壊が促進され、または決定的なものにする懸念がある」など、強い懸念も示されました。
 ただ、「日本病院団体協議会としては調査委員会への専門家の派遣等について可能な限り協力する」「日本医師会は調査委員会設置に際し、調査担当医師の派遣等、全面的に協力する」とのコメントもあり、病院団体と日本医師会は、協力姿勢を明確にしています。

 パブリックコメントで、医療関係者から強い懸念が示されたことに対し、東京大学大学院法学政治学研究科教授の樋口氏が口火を切り、「検討会の意見が十分伝わらなかったために、厳しい意見となった面もあるようだ」として、総論で制裁型や懲罰型でなく「医療安全のため」であるという旗を掲げるべきとの考えを示しました。
 その中核を担うのは医療界であり「医療者がまとまって医療安全の旗を立て、遺族も一緒に取り組み、また第三者的な立場の人も含める」という考え方です。「こうした組織は世界的にもなく、それを日本でやってみる。患者や遺族が、あの時にこうしたものがあったら、と思えるようなものにすべき」とし、多くの委員が賛同しました。

 外科学会の立場から発言した東京大学医学部心臓外科教授の高本氏は、今回の医療者からの懸念に対して「説明不足と思っている」としながら、外科学会では評議員の役目として医療安全に協力することを位置付けたことを紹介、他の学会にも広めたいとし、「医療安全への取り組みに対しては大多数の学会の賛同が得られると思う」と期待感を表明。

 日本医師会常任理事の木下氏は、最初に「医師会は、新たな組織を作ることが医療安全につながることと全面的に支持してきた」との姿勢を明確にするとともに、「医師仲間だけで作るのでは我々にしか通じない面もある。我々の主張が司法に通るのかなど1年をかけて検討した」とし、「医療界全体としてやっていく気持ちにぶれることはない」と発言しました。
 一方、パブリックコメントの中に一部医師会による批判的な意見があったとして「説明不足で、我々の責任だ」としました。

 調査委員会のあり方を規定するものとしてその名称の重要性を指摘してきた南山大学大学院法学研究科教授の加藤氏は、「医療安全質向上委員会」との案を示し、院内事故調査委員会については医療者によるピアレビューとして重要でありそうした位置づけを明確にすべきだとしました。

 医療事故被害者の遺族としての立場で新葛飾病院のセーフマネージャーを務めている豊田氏は、自身の被害が明らかになったのは内部告発がきっかけだったとして内部告発の位置づけや警察による調査も必要との考えを示しながら、現在の立場で医療者と関わっている中ではこの検討会での考え方が理解されるものと思うと語りました。
資料1:第2次試案に寄せられた意見(厚労省)
資料2:第2次試案(厚労省)
資料3:検討会配布全資料(厚労省)


医療事故調(仮称)と届出、範囲の明確化、ペナルティの内容、医師法21条は改正 検討会で詰め(2007.11.9,0:15)資料

パブリックコメントに対応(医療行政:診療行為関連死)

 11月8日の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明のあり方に関する検討会」(座長:前田雅英・首都大学東京法科大学院教授)では、パブリックコメントの結果を受けて、届出の範囲、届出の義務化とペナルティ、医師法21条への対応、調査機関の委員構成などについて、さらに整理すべきとの意見が出されました。

 樋口氏は、届出については従来の警察への届出の内容との違い、また遺族が納得できないような場合などについて、考え方を明確にする必要があるとしました。
 届出の義務化は必要だとし、何らかのペナルティもあっていいとしましたが、個人情報保護法がとっているような「勧告」して従わねば「命令」、それでも従わない場合に「ペナルティ」といった段階的な対応があり得るとしています。
 医師法21条については、新制度が制裁ではなく医療安全のためであるという観点からも「後ろに下がってもらう」との考えを示し、改正の必要性があるとしました。

 神奈川県病院事業管理者・病院事業庁長の堺氏も、届出の内容の定義が必要、調査期間は国民の視点もあることがわかるような委員構成にすべき、警察との関係についてはガイドラインのようなものが必要、医師法21条はある程度の改正が必要、などとしました。
資料1:第2次試案に寄せられた意見(厚労省)
資料2:第2次試案(厚労省)
資料3:検討会配布全資料(厚労省)


中外製薬 アクテムラが海外臨床試験でRAに有効性、年内に欧米で申請(2007.11.9,0:15)

国内は関節リウマチの効能追加を申請中(医薬品:企業情報)

 中外製薬は11月8日、キャッスルマン病治療薬として国内で発売中の「アクテムラ」について、海外でのロシュ社との共同開発の中で、関節リウマチ患者を対象とした臨床第3相試験で、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)との併用による有効性が認められたと発表しました。海外で2本目の今回の第3相臨床試験は、DMARDsによる治療で効果が不十分な患者での効果を検討したもので、11月10日の米国リウマチ学会(ボストン)で発表されます。
 ロシュ社は07年第4四半期に欧米でRAを適応とした承認申請を行う予定です。

 「アクテムラ」は、国内ではキャッスルマン病の治療薬として05年4月に承認、06年4月に「関節リウマチおよび全身型若年性特発性関節炎」の効能追加の申請を行っています。
資料:アクテムラが海外第3相臨床試験で関節リウマチに有効性(中外製薬)


後発医薬品への変更 薬局の対応進まず、今年も「変更可」処方せんの8%(2007.11.8,2:00)(資料)

調剤報酬評価の求めに批判、医師は8割がこだわりなし(中医協情報:後発医薬品)

 「後発医薬品への変更可」に医師の署名のある処方せんを受け付けても薬局が積極的に対応しないことが問題とされていましたが、実施から1年3ヵ月経過した今年7月の調査でも、薬局が「後発医薬品に変更した」割合は8.2%と進んでいないことが明らかにされました。一方、医師の8割は後発医薬品を処方することにこだわりをもっていません。
 中医協は11月9日の診療報酬基本問題小委員会で後発医薬品の使用促進策を検討することとしていますが、改めて薬局の姿勢が問われることになりそうです。

 後発医薬品の使用状況については、中医協・診療報酬改定結果検証部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が昨年10月に行った調査の結果、「後発医薬品への変更可」に医師の署名のある処方せんを受けながら、薬局が実際に変更したのが5.7%と非常に少なかったことが問題とされ、今年も引き続き調査を行うこととされたもので、7月の状況についての調査結果が11月7日の同部会で報告されました。

 薬局を対象とした調査では、医師の署名のある処方せんの割合は17.4%で、前回調査の17.1%とほぼ同じです。この署名のある処方せんのうち、実際に変更したのが8.2%で、前回調査の5.7%から2.5ポイント増加したに過ぎず、全処方せんに対する割合では1.4%と、前回に比べて0.4ポイントの増加にとどまっています。
 前回調査結果で薬局の取組姿勢が問題とされ、それを受けて日本薬剤師会は積極的に取り組む考えを表明してきていましたが、現実には大きな進展は見られなかったことになります。

 今回は「薬局として後発医薬品への変更を進めるための要件」についても質問、単一回答で、最も多かったのは「薬剤師が十分に説明できるだけの時間や後発医薬品の備蓄コスト増に見合った調剤報酬の評価」で51%を占めました。
 これに対しては、部会での議論で「薬局が患者に説明して変更を進めるのは当然のこと。薬局に対する指導を行う必要がある」との指摘がありました。
 診療報酬基本問題小委員会での議論では、こうした意見がさらに強く出されることになると見られます。
 一方、薬局側の求める要件として「後発医薬品に対する患者の理解」をあげたのは12%にとどまっており、患者の理解はそれほどの問題ではないことが示されています。

 医師に対する調査の中で、後発医薬品を処方することに対する考え方を質問、「患者の要望がなくても積極的に処方する」が11%あり、「特にこだわりはない」は69%に達しました。8割の医師が後発医薬品の処方にこだわりを持っていないことが明らかにされました。
資料1:後発医薬品の使用状況調査(中医協・検証部会)(厚労省)
資料2:中医協・診療報酬改定結果検証部会配布全資料(厚労省)


有床診療所の夜間体制を評価、特殊疾患療養病棟入院料の経過措置は継続 次期診療報酬改定(2007.11.8,2:00)(資料)

歯科診療報酬の文書提供要件を見直し(中医協情報:08改定)

 中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長:土田武史・早稲田大学商学部教授)は11月7日、有床診療所の評価、入院医療の評価、歯科診療の患者への文書による情報提供のあり方、の3項目について検討しました。

 有床診療所については、医療法改正により入院時間に関する48時間を超えないとする規定がなくなったことを受けた評価を行います。
 48時間規定の廃止に伴い、入院患者の病状の急変に備えた体制の確保が努力義務とされたため、そうした体制の確保を評価します。医師1人の診療所が多いため、外出時や夜間の体制を整える必要があり、その具体的な対応体制を届け出ることで評価することとします。
 夜間の手厚い看護体制についても、複数の夜勤体制を要件とした新たな加算を設定して評価します。

 入院医療の評価では、「障害者施設等入院基本料」と、一般病床と精神病床のみに経過措置として残されている「特殊疾患療養病棟入院料」について、前回改定で療養病床の評価に医療区分を設定し医療の必要度の低い医療区分1の点数を大幅に引き下げたことから、脳卒中後遺症の患者などをそうした病棟に移動させている状況があり、それに対応します。

 特殊疾患療養病棟入院料(病室単位の場合は特殊疾患入院医療管理料)は重度の神経難病患者などを対象としているものですが、前回の療養病床の評価の見直しの中で療養病床については廃止となり、 経過措置として、重度の患者が対象の特殊疾患療養病棟入院料1の患者は「医療区分3」とみなし、特殊疾患療養病棟入院料2の患者は「医療区分2」とみなすこととしています。
 一般病床と精神病床については、特殊疾患療養病棟入院料(特殊疾患入院医療管理料)を来年3月末までは残すとする経過措置がとられています。

 これに対し、現状では経過措置による患者の6割が入院中であることなどから、「特殊疾患療養病棟入院料」(特殊疾患入院医療管理料)については「本来担うべき対象を明確にするなど、基準の見直し」を行った上で、算定を継続できるものとします。
 また、療養病床での経過措置による入院患者についても、「対象とする疾患を明確にした上で、手厚い看護配置を行っている病棟に入院している患者」について、経過措置を延長することとします。
 いずれも、要件を明確化して経過措置を継続するもので、経過措置の期限は設定しないこととしています。
 障害者施設等入院基本料も、療養病床から患者が流れていることに対応して「医療の内容から本来対象とすべき疾患を明確化」します。

 歯科診療報酬で患者への文書提供を要件としているものは多数ありますが、中医協の検証部会での調査の結果、患者は基本的に文書による情報提供をわかりやすいと評価しているものの、「毎回は不要」「指導内容の変更時でよい」などの意見があったことを受け、文書提供のあり方などを見直します。
資料1:有床診療所の評価について(中医協・基本小委)(厚労省)
資料2:(日医提出資料)有床診療所の評価について(厚労省)
資料3:入院医療の評価のあり方について(中医協・基本小委)(厚労省)
資料4:(参考資料)入院医療の評価のあり方について(日医提出資料)(厚労省)
資料5:歯科診療の文書による情報提供のあり方について(厚労省)
資料6:(参考資料)歯科診療の文書による情報提供のあり方について(厚労省)
資料7:診療報酬基本問題小委員会配布全資料(厚労省)


第一三共9月中間、売上4437億円・9%減、営業利益939億円・20%増(2007.11.8,2:00)

統合シナジーで減益予想から営業利益二桁増に(医薬品:企業情報)

 第一三共の庄田社長は11月7日、9月中間決算について記者会見し、減収減益予想に対して営業利益・経常利益が大幅増を達成、品目構成の改善による売上総利益の増加と販管費の削減という統合シナジーによるものだとしました。
 また、MR生産性が年換算で前期比18%増の219億円となったことも統合シナジーだとしています。MR数は2300人です。

売上高   4437億08百万円(8.7%減)
営業利益  939億11百万円(19.9%増)
経常利益  1006億96百万円(14.2%増)
純利益   602億43百万円(9.9%減)

 主力製品の売上高は、オルメサルタンが966億円で15.1%増となりました。通期では2020億円(26.0%増)と2000億円の大台に乗せる見込みです。
 レボフロキサシンは8.4%増の529億円、通期では1100億円、5.6%増としています。
 プラバスタチンは22.4%減の403億円となりました。通期では15.5%減の790億円を見込んでいます。
 海外売上比率は42.5%で、前年同期に比べ2.4ポイント上昇しています。

 国内の医療用医薬品の売り上げ(建値)は、2110億円で2.4%増にとどまりました。しかし、通期では5.4%増を見込み4430億円の予想です。
 トップは依然メバロチンで317億円、9.0%減となりました。通期では5.6%減、640億円の予想です。
 オルメテックは36.0%増の264億円で、クラビットを上回りました。下期にはメバロチンをも上回る予想ですが、通期では610億円、44.5%増の見込みです。
 クラビットは5.1%増の221億円、通期では510億円、9.1%増と500億円にのセル見込みです。
資料:9月中間決算短信・補足説明資料(第一三共)


大日本住友製薬9月中間、売上1287億円・1%増、純利益138億円・46%増(2007.11.8,2:00)

循環器認定MR制度導入を検討(医薬品:企業情報)

 大日本住友製薬は11月7日、9月中間決算を発表、微増収の中で純利益は45.5%の大幅増となりました。特別損失の計上がなかったためとしています。
 宮武社長は、アムロジンの最大化とイルベサルタンの発売への備えとして、循環器認定MR制度の導入を検討していることを明らかにしました。すでに育成のためのプログラムを実施中で、1500人のMRのうち当面は半数程度の認定を目指し、最終的には全員の認定を目標としています。
 また、来春発売予定のブロナンセリンに備えて、CNS領域専任MRの増強を図ります。10月末現在のCNS1千人MRは80人です。

売上高   1287億41百万円(1.4%増)
営業利益  223億16百万円(9.0%増)
経常利益  221億72百万円(13.3%増)
純利益   137億97百万円(45.5%増)

 戦略4製品の売上高は、合計557億円で8.4%増となりました。アムロジンは11.9%増の321億円です。
資料1:9月中間決算短信(大日本住友製薬)
資料2:補足資料(大日本住友製薬)
資料3:説明会資料(大日本住友製薬)


財務省が日医要望に「不適当」 医師の給与を引き上げた上、一律に黒字化求めるもの(2007.11.7,0:50)

物価・賃金動向に対し診療報酬は3.6%高い(診療報酬情報:08改定)

 診療報酬の5.7%引き上げを求める日本医師会の要望は、「医師の給与を引き上げた上で、公立病院も含めて医療機関収支を一律に黒字化しようとするもので不適当」。財務省が、11月5日の財政制度審議会構造改革部会に提出した来年度の診療報酬改定に関する説明資料の中で、日医の要望を切り捨てました。
 さらに、総医療費を対GDP比で先進国並みにすべきとの日医の主張にも、国民負担の増加をもたらすとし、「医療費の対GDP比のみで議論することは不適当」との考えを示しています。
 プラス改定の状況にはないとの厳しい姿勢を示したものです。

 ここ数年にわたって続けられた医療費抑制策の中で、政府は来年度予算編成にあたっても、社会保障費の増加分に対し国庫負担として2200億円削減を行う方針ですが、担当する厚生労働省は、診療報酬の引き下げも患者負担の増加もこれ以上はできないと判断、被用者保険制度間の財政調整を行うことで政管健保の国庫負担を2200億円削減するという新たな対応を提案しています。

 財務省は、この新提案も資料として提出し、支持する姿勢を示していますが、それで2200億円の削減はできるにしても、診療報酬を引き上げる状況にはないとの姿勢を強く打ち出しています。

 「我が国の医療制度の現状」として、(1)現行では医療費は高齢化の進展により毎年3−4%程度増加、(2)公費負担割合の高い高齢者医療費が増加するため交付負担も大幅増となる、(3)高齢者1人当たり医療費は若人の約5倍と高い、(4)病床数が多く入院日数も長い、(5)外来患者の受診回数が多い、(6)高学医療機器の台数が多い、(7)医療機器に相当の内外価格差がある、(8)後発医薬品の使用が進んでいない、(9)成分が同じで保険適用の医薬品と薬局で自費購入できる医薬品がある、(10)医薬品の飲み残しが多い、と指摘。

 対策としては、診療報酬の見直しを第1にあげ、「近年の賃金・物価の動向を踏まえた見直し」が必要としています。
 賃金と物価は、1999年から07年までに4.4%下落しているのに対し、この間に行われた診療報酬改定では0.8%の引き下げにしかなってなく、その間には3.6%のかい離があるとしました。
 また、再診料など診療所と病院の不均衡の是正、包括払いの促進を求めています。

 さらに、後期高齢者医療で、コストの縮減・合理化とともに、頻回受診や重複投薬の是正を指摘。
 医薬品については、後発医薬品の使用促進と市場実勢価格に基づく薬価の見直し、内外価格差のある医療機器の価格の見直しをあげています。

 こうした状況の中で出された日医の要望に対しては、5.7%引き上げは国民に2兆円の負担増を求めるものとし、5.7%の内訳についてもそれぞれに問題点を指摘しています。
 「地域医療を支えるためのコスト」としての3.8%引き上げは、「経営の効率化が求められている公立病院も含まれており過大」「医療経済実態調査による赤字の試算は稼働日数が少ないことを考慮してなく過大」「実態調査では給与費比率が3.3%ポイント高くなっており、これを全体にした試算は過大」。
 「医療安全コスト」としての0.9%引き上げは、「現在すでに発生しているコストと説明しながら、新たなコストとして加算しており矛盾」と指摘。
 「医療の質を確保するためのコスト」1.1%引き上げは、「賃金上昇率、物価上昇率とも年間0.5%としているが足もとの物価上昇率は▲0.1%であり高すぎる」「賃金・物価の動向による引き上げを主張するなら、これまでの賃金・物価の動向と診療報酬改定とのかい離3.6%を解消することが先決」というものです。

 日医が今後、要望書に沿った引き上げを主張する場合、これらの指摘に反論していくことが求められそうです。
資料1:財政審議会・財政構造改革部会資料(社会保障2、資料56ページ)(財務省)
資料2:財政審議会・財政構造改革部会資料(社会保障1、2医療)(財務省)
資料3:財政審議会・財政構造改革部会資料(社会保障1、1総論)(財務省)


被用者保険の財政調整案を財務省が後押し、倒産による健保組合解散はない(2007.11.7,0:50)

財政調整しても高齢化で公費負担割合は増加が続く(診療報酬情報:08改定)

 財務省は、被用者保険制度間の財政調整による政管健保の国庫負担2200億円の削減策についての財政審議会財政構造改革部会への説明で、厚労省資料とは別に、健保組合の最近の解散状況も提示しました。 02年度37、03年度36、04年度27、05年度18、06年度9、07年度12と解散していますが、そのうち倒産によるものは、02年度に7、03年度に4あったものの、それ以降はありません。企業経営がそれほど厳しいものではないことを示したものとみられます。

 また、医療給付費の負担は、06年度で保険料59.2%、公費負担40.8%となっていますが、高齢化の進展で公費負担の割合が高い高齢者の医療費が増大すると、全体の公費負担の割合も増加して、2025年度には45%と4ポイント増大するとの試算も示しました。保険料負担は逆に55%に縮小します。
 その中で、財政調整によって政管健保の国庫負担を縮減した場合でも、高齢者医療費が増大することは変わらないため、公費負担も増加傾向が続くことに変わりはないとしています。
 これらは、審議会委員だけでなく、財界などの理解を求めるための説明と見られます。
資料:財政審議会・財政構造改革部会資料(社会保障2、資料68ページ)(財務省)


アステラス製薬9月中間、売上4835億円・8%増、営業利益1481億円・104%増(2007.11.7,0:50)

海外売上高比率が50%上回る、リピトール通期1000億円(医薬品:企業情報)

 アステラス製薬は11月6日、9月中間決算を発表、7.9%の増収の中で営業利益は104%増となりました。営業利益の倍増は、昨年同期に多額の導入一時金を計上していたことが影響しています。そのため、今期の研究開発費は36.5%減の622億円となっています。
 海外売上高は16.0%増の2476億円となり、海外売上高比率は51.2%(前年同期47.7%)と50%を超えました。通期でも50.4%の見込みです。

売上高   4835億16百万円(7.9%増)
営業利益  1481億38百万円(104.4%増)
経常利益  1515億73百万円(96.8%増)
純利益   889億27百万円(46.6%増)

 主力製品の売上高は、プログラフが976億円で19.2%増となりました。通期では2003億円(14.2%増)と2000億円の大台に乗せる見込みです。
 ハルナールは7.7%増の656億円となりましたが、通期では4.5%の減少を見込み1214億円としています。
 ベシケアは74.4%の増加を示し277億円となりました。通期では69.6%増の615億円を見込んでいます。

 国内の医療用医薬品の売り上げ(仕切価ベース)は、2330億円で2.5%増にとどまりました。しかし、通期では4.2%増を見込み4746億円の予想です。
 リピトールが486億円で2.4%増にとどまっています。しかし、通期では5.6%増で1000億円を達成すると予想しています。
 ガスターは307億円で2.5%減となりました。通期でも2.7%減の606億円の見込みです。
 ミカルディスは27.1%増と好調な伸びで302億円となりました。通期では24.7%増の628億円でガスターを上回る見込みです。
資料1:9月中間決算短信(アステラス製薬)
資料2:補足資料(アステラス製薬)
資料3:新薬開発状況(アステラス製薬)


ノバルティスファーマ、抗アレルギー剤「ザジテン」のスイッチOTCを発売(2007.11.7,0:50)

主成分含有量は医療用と同じ(医薬品:企業情報)

 ノバルティスファーマは11月6日、抗アレルギー剤ザジテンのスイッチOTCを「ザジテンAL」シリーズとして今月上旬から発売すると発表しました。
 鼻炎カプセル、鼻炎スプレー、点眼液の3種類で「アレルギー専用」をうたっています。主成分の「ケトチフェンフマル酸塩」は、基本的に医療用製品と同じ含有量となっています。
 価格は、カプセル(1日2回服用)が1260円(10カプセル、税込)と2100円(20カプセル、同)、鼻炎スプレーと点眼液が1449円(税込)となっています。
資料:アレルギー専用「ザジテンAL」シリーズ新発売(ノバルティスファーマ)


DPC病院の新基準案 データの質の確保・急性期病院の担保を狙う(2007.11.6,2:50)(資料)

厚労省・原医療課長「検証しつつ拡大する」(中医協情報:DPC)

 DPC病院の絞り込みを狙って厚生労働省が提案した新基準案は、(1)準備病院の期間を1年または2年とし「データ/病床」比は3.5相当(準備期間2年の場合は8.75)、(2)(1)に加えて手術・化学療法・放射線療法・救急車搬送の件数の全症例に対する比率を設定(25―50%)、のいずれかとするものです。

 準備期間を2年とする案は、データの質を確保するためとしています。「データ/病床」比3.5相当は、退院患者に関するデータ提出期間中のデータ数の全病床に対する割合を見るものでケアミックス型などの平均在院日数が長い病院では達成しにくくなります。手術件数等の全症例に対する比率は急性期病院であることを担保しようとするものです。

 準備病院のデータの質を問うことになったのは、準備病院として応募しながら、データを確保するための人員が整わないなど病院の体制づくりが困難として準備病院にもなれない病院が出ているためです。06年からの準備病院は375病院が応募しましたが5病院が脱落して370病院となり、今年からの準備病院は722病院が応募したものの8月末で702病院となり現在では700を切っているとされます。
 「適切なデータ」の考え方としては、(1)提出期限の厳守、(2)データの正確性(適切に診断群分類が決定されていること、薬剤等の使用量の入力ミス等がないことなど)、をあげています。
 この「適切なデータ」については、DPC対象病院に対しても求めるものとし、重大な疑問があった場合はDPC評価分科会で調査し改善を求めることも含めています。

 「データ/病床」比は、04年度DPC病院の要件としたものです。退院患者に関するデータ提出期間である7−10月の4ヵ月間のデータ数の全病床数に対する割合を04年度と同様に「3.5相当」とします。これは準備病院としての期間を1年とする場合です。
 準備期間を2年とする場合は、06年度が7−12月の6ヵ月間、07年度が7−10月の4ヵ月で合計10ヵ月となることから「8.75相当」とします。

 手術・化学療法・放射線療法・救急車搬送の件数の全症例に対する比率は、「入院患者の病態に応じた医療資源の投入量を踏まえた医療機関の特徴」を考慮するものとしています。急性期病院であることを確認しようとするものです。DPCの分類方法などを検討している松田研究班による分析の結果、この4項目を基準として設定できる可能性があるとされました。

 準備病院の期間を2年とすると、今年応募した約700の準備病院は来年度からのDPCへの移行ができなくなります。また、2年経過後の09年度から移行とするには、中医協で診療報酬改定年以外でもDPC病院の新規指定を可能とする決定が行われる必要があり、厚労省はそれを含めた提案だとしています。

 分科会の議論では、慶応大学医学部教授の池上氏が、今年からの準備病院に対しては募集の段階でそうした前提を置いていないとして、新たな基準の設定に反対の考えを示しましたが、厚労省は「今回の分は平成20年に入ってもらうことを前提としてはいない」と応じました。
 急性期病院であることを担保するための手術件数などの割合について池上氏は、「連続性のある指標」のため「弊害が大きい」として明確に反対を表明、新たな基準としては(1)を支持するとしました。

 一方、外科医の委員は手術件数などの指標について「外科としてはありがたい」と賛成を表明。他の委員からも反対の意見は出ていません。  指標が外科にかたよったことについて厚労省は、「内科も検討したが適当なものがなかった」としています。
また、DPC病院の今後の取り扱いについて、厚労省の原課長は「検証しながら拡大する」との考え方を示しました。拡大の方針は崩していません。

 分科会は次回11月12日に、2案があることを分科会としてのまとめとし、中医協・診療報酬基本問題小委員会に報告する予定です。2案のどちらとするのか、また準備期間を1年とするのか2年かは同小委で検討します。
資料1:DPCのあり方に係る論点の整理(DPC対象病院の基準案、ほか)(厚労省)
資料2:手術・放射線療法等ありと「データ/病床」比の関係(厚労省)
資料3:「データ/病床」比3.5未満の医療機関数、手術・放射線療法等を含む割合別医療機関数(厚労省)
資料4:前回(11.2)資料(厚労省)
資料5:伏見参考人提出資料(手術・放射線療法等の割合についての検討結果)(厚労省)
資料6:DPC評価分科会配布全資料(厚労省)


第一三共、抗血小板剤プラスグレルがクロピドグレルに対し有意に上回る効果(2007.11.6,2:50)

クロピドグレルと比較する新たな大規模第3相臨床試験も(医薬品:企業情報)

 第一三共は11月4日、経口抗血小板剤プラスグレルが、クロピドグレルとの比較試験で、経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた急性冠症候群患者(ACS)の「心血管死」「非致死性心臓発作」「非致死性脳卒中」の複合評価項目の相対リスクを、統計的有意差をもって19%減少させたとの報告が、同日に米国で開催された米国心臓病会(AHA)の学術大会で行われたと発表しました。
 また、クロピドグレルとの有効性比較のため、新たな大規模第3相臨床試験を08年度第1四半期(4−6月)に開始すると発表しました。

 新たな第3相試験は、不安定狭心症(胸痛)、心臓発作などの心疾患症状を持つ急性冠症候群(ACS)患者に対して行うもので、35ヵ国の800以上の施設で約1万人の患者を対象とする計画です。

 プラスグレルは、第一三共と宇部興産が発見し、第一三共とイーライリリーが共同開発しています。PCIを受けた急性冠症候群(ACS)患者への治療薬として開発しており、今回の学術大会に報告した結果を受けて、承認申請資料を早急に取りまとめ、年末までに米FDAに申請することを目指しています。
資料1:抗血小板剤プラスグレルがクロピドグレルに対して統計的優越性示す(第一三共)
資料2:プラスグレルをクロピドグレルと直接比較する新たな第3相試験(第一三共)


中外製薬、今シーズンのタミフル供給は半減の600万人分(2007.11.6,2:50)

処方数が半減と推測(医薬品:企業情報)

 中外製薬は11月5日、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」の今シーズンの供給計画を600万人相当分とすると発表しました。最大流行規模を想定した従来の1200万人相当分からは半減となります。

 服用患者の転落事故があったことから予防的措置として10歳代への投与は原則として差し控えることとの警告が出されており、中外製薬では、インフルエンザ受診患者の約20%を占める10歳代に限らず、その他の年代でもタミフルの処方動向は大きく変化、処方患者数は半減していると推測しています。
資料:タミフルの供給計画について(中外製菓)


武田薬品9月中間、売上7085億円・10%増、純利益2180億円・37%増(2007.11.6,2:50)

ピオグリタゾンの世界売上2077億円・29%増(医薬品:企業情報)

 武田薬品は11月5日、9月中間決算を発表、二桁の増収増益となりました。純利益は、昨年同期に移転価格税制に基づく追徴課税571億円があったこととの関係で大幅な増益となりました。

売上高   7084億68百万円(10.3%増)
営業利益  2649億05百万円(12.1%増)
経常利益  3336億96百万円(11.6%増)
純利益   2180億11百万円(37.0%増)

 国内売り上げは、ブロプレスが686億円で8.5%増、リュープリンが333億円で3.5%増、タケプロンが315億円で11.2%増となりました。
 糖尿病用薬では、ベイスンが4.4%減の271億円となりましたが、アクトスは25.6%増で201億円となっています。

 国際戦略品の世界売上は、ピオグリタゾンが2077億円で28.7%増、ランソプラゾールが1987億円で3.1%減、カンデサルタンが1133億円で12.3%増、リュープロレリンが928億円で1.6%増となっています。
資料1:9月中間決算短信(武田薬品)
資料2:参考資料(武田薬品)


塩野義製薬9月中間、売上1042億円・13%増、純利益108億円・69%増(2007.11.6,2:50)

クレストールが大幅増、通期108億円へ(医薬品:企業情報)

 塩野義製薬は11月5日、9月中間決算を発表、二桁の増収、50%を超える大幅な増益となりました。利益の大幅増は、売上増に加えて工業所有権等使用料収入の増加があったためとしています。

売上高   1041億67百万円(13.0%増)
営業利益  171億45百万円(56.1%増)
経常利益  171億50百万円(56.2%増)
純利益   107億88百万円(68.7%増)

 主力品では、フロモックスが12億円減の124億円にとどまりましたが、クレストールは33億円増の44億円で通期は108億円の予想となっています。
資料1:9月中間決算短信(塩野義製薬)
資料2:補足資料(塩野義製薬)


DPC病院の新基準案 今年度準備病院のDPC移行は先送り、既存DPC病院の絞り込みも(2007.11.5,0:30)(資料)

準備期間2年・データ/病床比3.5以上・手術件数等/全症例数比(中医協情報:DPC)

 厚生労働省は、今年の募集でDPC準備病院となった700病院の来年度のDPC病院への移行を見送る新たなDPC基準案を11月2日のDPC評価分科会に提示しました。また、06年度からのDPC準備病院のDPCへの移行を絞り込むと同時に既存DPC病院でも適応外となる基準案も提示。それらの考え方を分科会で整理し、中医協・基本問題小委員会に報告することとしています。

 今年準備病院となった700病院を先送りする基準案は、準備病院としてデータを提出すべき期間を「2年間」とするものです。この基準が採用されれば、700病院がDPC病院に移行できるのは09年度以降となります。ただ、これまでDPC病院の新たな指定は診療報酬改定年としているため、09年度からDPC病院とするためには改定年以外でもDPC病院の指定をできることとするとの中医協の決定が必要となります。

 06年度からの準備病院の絞り込みと、既存DPC病院の振い落しとなる基準案は、「データ/病床」比3.5と、「手術・化学療法・放射線療法・救急車搬送」の件数の全症例に占める比率(25%から50%の間で設定)です。
関連記事:DPC病院の新基準案 準備期間2年で今年度の準備病院は先送りも、2階建構想は撤回(2007.11.2)
資料1:DPCのあり方に係る論点の整理(DPC対象病院の基準案、ほか)(厚労省)
資料2:手術・放射線療法等ありと「データ/病床」比の関係(厚労省)
資料3:「データ/病床」比3.5未満の医療機関数、手術・放射線療法等を含む割合別医療機関数(厚労省)
資料4:前回(11.2)資料(厚労省)
資料5:伏見参考人提出資料(手術・放射線療法等の割合についての検討結果)(厚労省)
資料6:DPC評価分科会配布全資料(厚労省)


勤務医の負担軽減策、「決定機関としてどこかで折り合わなければ」 土田会長が合意へ強い姿勢(2007.11.5,0:30)

日医・初再診料引き下げに「断固反対」(中医協情報:08改定)

 「勤務医の負担軽減」のための診療報酬上の対応として厚生労働省は、(1)急性期病院のメディカルクラークの評価(新)、(2)診療所の初再診料を引き下げて、時間外加算の算定要件を緩和、(3)「入院時医学管理加算」を見直し、24時間救急対応と地域の医療機関との連携体制による外来の縮小対策を行うことを評価の要件とする、という3点を、11月2日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長:土田武史・早稲田大学商学部教授)に示しました。
 診療所の初再診料の引き下げには日本医師会が「断固反対」を表明しましたが、土田委員長は「中医協は決定機関だから、勤務医の負担軽減についてどこかで折り合わなければならない」と発言、合意を図る強い姿勢を示しました。

 メディカルクラークを新たに評価することについては大筋で合意、診療所の初再診料と入院時医学管理加算は日医が反対という形で、さらに議論を続けることとされました。
関連記事:勤務医負担軽減 診療所の時間外加算要件緩和・メディカルクラークに点数・入院時医学管理加算見直し(2007.11.2,)


診療所の初再診料 後期高齢者では初診料を上げ・再診料引き下げ(2007.11.5,0:30)

主治医の「継続的な医学管理」を月単位で包括評価(中医協情報:08改定)

 診療所の初再診料の見直しについて厚生労働省は、時間外への対応を促すことと併せて、後期高齢者医療で初診料を引き上げる一方再診料は下げて「継続的な医学管理」を評価する、という組み合わせでの対応を、11月2日の中医協・診療報酬基本問題小委員会で提案しました。「継続的な医学管理」は主治医としての取組を評価するもので、診療所を原則としています。

 日医は、後期高齢者医療についても、医療の内容に変化はないとして「75歳で変えるべきではない」と反対を主張、一方、支払側は「患者にとっては、主治医はありがたい」と厚労省案を支持しました。


メディカルクラーク評価、急性期病院に限定(2007.11.5,0:30)

日医も同意(中医協情報:08改定)

 「勤務医の負担軽減策」の第1にあげられたメディカルクラークの評価は、「急性期医療を担う病院」が対象です。「医師の事務作業を支援する事務職員の人員配置」を評価するものです。

 具体的には、(1)救命救急センターでの外傷データバンク、救急搬送記録などの登録、(2)患者への説明書類の作成、紹介状返書の作成、データ入力などの補助、(3)放射線科での読影記録の口述筆記、などを事例として示し、「従来の医事課業務、病棟事務業務とは異なる」としています。
 この項目には日医も同意しました。


夕方も開業していれば患者は診療所を受診する、厚労省医療課が調査結果示す(2007.11.5,0:30)

6時以降開業地域の患者数は開業していない地域より多い(中医協情報:08改定)

 「勤務医の負担軽減策」の第2が、診療所の初再診料の引き下げを財源とする「診療所の時間外加算」の評価の見直しです。
 時間外加算は、午後6時以降と午前8時以前で、深夜加算の対象となる午後10時から午前6時までを除いた時間帯が対象ですが、各医療機関の通常の診療時間以外であることが算定の条件となっています。午後8時までを診療時間としている場合、午後6時を過ぎても8時まで時間外加算を算定できないこととなっています。
 しかし、小児科では、特例として、通常の診療時間としている場合でも午後6時から時間外加算を算定できることとしています。

 この小児科の方式を診療所の時間外にも適用しようとするのが厚労省の案です。
 厚労省医療課の調査では、愛知県と京都府、大阪府では午後7時までを診療時間としている診療所が6割程度と多く、午後8時までの開業も20%を超えています。一方、岩手県、山口県、熊本県で午後7時まで開業しているのは10%あるかどうか、午後8時まで開業はほとんどないという状況です。
 その中で、第2次・第3次の救急医療機関の時間帯別患者数の割合は、午後6時から午後8時までは岩手・山口・熊本の方が多く、午後9時以降になると愛知・京都・大阪の方が多くなります。
 また、第2次・第3次救急医療機関の時間外受診者に対して診療所受診の希望を聞いた調査では、6割の患者が診療所を受診すると答えました。
 このため医療課では、診療所が開業している時間であれば午後6時以降も患者は診療所で受診するものと見ています。

 一方、こうして時間外加算の算定要件を緩和した場合、その時間帯に特化する対応も考えられ、その対応策として「一定の開業時間の確保」を前提とします。昼間帯で6時間程度を想定しています。

 小児科の時間外加算の特例は04年改定で導入、それにより時間外加算の算定回数は大幅に増加しました。

 診療所の時間外加算の要件緩和に対しては、診療所の初診料と再診料の引き下げを財源とします。
 診療所としては、時間外への対応をしなければ、初診料・再診料の引き下げ分がそのまま減収につながることになり、時間外対応を促すための措置ともなっています。

 厚労省は、病院勤務医の負担の程度の資料として、勤務時間が病院勤務医の週平均48時間に対して診療所勤務医は40時間弱とのデータを示しましたが、日医はこの診療所勤務医のデータの個数が少ないことを指摘、また、日医調査では勤務時間外に学校医や産業医などの負担があることをあげ、診療所の医師の負担が現状でも軽くはないことを主張しました。
 支払側で健保連専務理事の対馬氏が、厚労省医療課による診療所の開業時間の差と患者数の割合の関係についての調査結果に対して「統計的有意差」を質したのに対し、厚労省は「検証していない」ことを明らかにしました。

 このため、土田会長はデータについて精査する必要があるとして、次回に改めてデータの詳細を説明するよう厚労省に求め、その上で議論を続けることとしました。ただ、対馬氏は、厚労省の提案を「十分、検討に値する」としています。


大日本住友製薬、米社の新睡眠導入剤を導入(2007.11.5,0:30)

非ベンゾジアゼピン系で半減期短く副作用軽減(医薬品:企業情報)

 大日本住友製薬は11月2日、米ニューロクライン社が米国で承認申請中の睡眠導入剤「indiplon(一般名)」について、日本での独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を締結したと発表しました。

 Indiplonは、GABA-A 受容体に選択的に作用する非ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤で、半減期は既存の超短時間型睡眠導入剤に比べさらに短く、受容体選択性が高いため、持ち越し効果や記憶障害、筋弛緩作用などが軽減され、既存薬よりも安全で使いやすいことが期待されるとしています。
資料:睡眠導入剤に関するライセンス契約締結(大日本住友製菓)


アステラス製薬、インド市場参入目指し駐在員事務所開設(2007.11.5,0:30)

アジア第4の医薬品市場規模(医薬品:企業情報)

 アステラス製薬は11月2日、インド市場への参入を目指して、製品開発や販売戦略策定のための調査と情報収集を行う駐在員事務所として「アステラス製薬ムンバイ事務所」を10月26日付でムンバイに開設したと発表しました。

 人口11億人のインドでは、年率10%程度の経済成長を続けており、感染症用薬を中心とした医薬品市場は62億ドルとされ、アジアでは日本、中国、韓国に次いで4番目の規模となっています。
 また、物質特許制度が05年に確立、知的財産権に関する制度が整備されつつあり、今後も医薬品市場の拡大が期待されています。
 アステラス製薬は、アジアではこれまでに6ヵ国に販売子会社を設置していますが、さらなる事業拡大を目指します。
 米ニューロクライン社が米国で承認申請中の睡眠導入剤「indiplon(一般名)」について、日本での独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を締結したと発表しました。
資料:インド駐在員事務所開設(アステラス製菓)


米ファイザー 1%減収45%減益、第3四半期まで(2007.11.5,0:30)

ゾロフトとノルバスクの特許切れ・吸入型インスリン撤退で(医薬品:企業情報)

 ファイザーは11月2日、米ファイザー社の第3四半期の業績を紹介、売上高は前年同期比2%減の120億ドル、純利益は77%減の7億6100万ドル、07年累積では売上が1%減の355億ドル、純利益は45%減の54億2000万ドルとなりました。

 売上高の減少はゾロフトとノルバスクが市場独占権を失ったことが影響、利益の大幅な減少は糖尿病治療薬の吸入型インスリン「イスクラベル」の市場撤退にともなう税引前費用が大きく影響しています。
資料:米ファイザー社07年度第3四半期決算(ファイザー)


DPC病院の新基準案 準備期間2年で今年度の準備病院は先送りも、2階建構想は撤回(2007.11.2,19:50)(資料)

厚労省が分科会に提示、データ/病床比3.5以上で絞り込み(中医協情報:DPC)

 DPC対象病院の基準案として厚生労働省は11月2日、前回までの2階建構想を撤回、急性期病院としての要件を引き締めて、対象病院の絞り込みを図る方向で対応することとしました。DPC評価分科会に提示、次回11月12日に意見をまとめた上で、中医協・基本問題小委員会で提案します。
 絞り込みのための要件としては、平成16年DPC対象病院の要件であった「データ/病床比(対象期間に退院した患者の全データ数/病床)」を取り入れることとし、また、データの質を担保する観点から「2年間のデータ」を要件とする考え方を新たに示しました。準備期間を2年とするものであり、これが採用されると、今年の募集で準備病院となった約700病院は来年の改定でDPC病院に移行することはできなくなります。

 「データ/病床比」は、04年時と同じ「3.5以上」とすることで合意しています。その場合、16年対象病院5、18年対象病院9、また、18年準備病院のうち72、合計86病院が基準外となります。
 さらに、「入院患者の病態に応じた医療資源の投入量を踏まえた医療機関の特徴」を考慮して、手術件数・化学療法・放射線療法・救急車搬送」の全データ件数に占める割合を含める案も示しています。その割合を50%以上とすると、特定機能病院の1病院も含めて137病院が基準外となり、40%以上では28病院、30%以上では8病院が基準外となります。

 分科会は、これらを新たなDPC病院の基準案として併記した形でまとめ、どこまでを新基準とするかは中医協・診療報酬基本問題小委員会で議論することとなります。

 また、現行の「望ましい基準」については、病院機能を評価する係数とする方向で議論が進んでおり、新たに機能を評価する項目としては「病院機能評価機構の評価を受けていること」との提案が委員から出されました。
資料1:DPCのあり方に係る論点の整理(DPC対象病院の基準案、ほか)(厚労省)
資料2:手術・放射線療法等ありと「データ/病床」比の関係(厚労省)
資料3:「データ/病床」比3.5未満の医療機関数、手術・放射線療法等を含む割合別医療機関数(厚労省)
資料4:前回(11.2)資料(厚労省)
資料5:伏見参考人提出資料(手術・放射線療法等の割合についての検討結果)(厚労省)
資料6:DPC評価分科会配布全資料(厚労省)


勤務医負担軽減 診療所の時間外加算要件緩和・メディカルクラークに点数・入院時医学管理加算見直し(2007.11.2,18:45)

財源は診療所の初再診料、後期高齢者は初診料上げ・再診料下げ(中医協情報:08改定)

 「勤務医の負担軽減」のための「診療所からの支援」について、厚生労働省は11月2日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長:土田武史・早稲田大学商学部教授)に提示、「診療所の初再診料」の見直しを行い、それを財源として時間外加算の算定要件を緩和し、午後6時から夜10時までの時間帯を通常の開業時間としている場合でも「時間外加算」を算定できることとする方針です。

 また、急性期医療を担う病院を対象に、医師の事務作業を支援するメディカル・クラークを配置していることを評価。
 入院時医学管理加算(1日につき60点)を見直して、十分な人員配置と設備、産科、小児科、精神科を含む専門的な入院機能を備えた地域の急性期医療を担う中核的な病院については、24時間救急対応と「地域の医療機関との連携体制に基づく外来の縮小」など勤務医の負担軽減対策を行うことを要件に評価します。

 後期高齢者の外来診療では、初診時に受診歴や服薬歴などの聴取を行うこととして初診料を引き上げ、一方、再診は継続的な指導・管理が中心となるため点数を引き下げます。
 さらに、主治医の評価として、患者の同意を得て年間診療計画を作成し継続的に診療することを要件に、総合的な評価を年に1回実施、慢性疾患の継続的管理に必要な検査を年1−2回実施することに対して、月に1回の包括点数を設定します。薬剤料は包括外とします。主治医は診療所の医師を原則としますが、診療所がなく中小病院の医師がかかりつけ医機能を担っている場合は対象とする方針です。

 診療所の時間外診療の要件緩和は、初再診料の見直しで対応するため、時間外診療に対応しない場合には減収となる仕組みです。また、夜間帯に特化して稼ぐということへの対応として、昼間帯でも一定時間以上開業していることを条件とします。時間外診療の要件緩和は、小児科の時間外加算の特例と同様の方式です。
 再診料に関する「外来管理加算」については、処置などせずに計画的な医学管理を行うことを評価しているものですが、患者にとっては処置をした時よりも高くなることがあり、わかりにくいとされることから、「患者へのていねいな説明や計画的医学管理」に要する時間を要件として設定することとします。

 診療所の時間外加算の算定要件の緩和の財源としては、診療所の初再診料の見直しで対応します。
 このため、日医は反対を表明しています。日医は後期高齢者の外来医療の主治医に対する評価も反対だとしています。

 診療所の時間外加算の要件緩和に対応して、院外処方せんを受け入れる薬局の時間外調剤の評価についても見直す方針です。


医薬品承認審査の利益相反ルール、米欧の一歩先を行くものに 厚労省WG(2007.11.2,1:50)

委員と企業との関係の公表を基本に据える(医薬品:承認審査)

 新薬の承認審査を行う厚生労働省の薬事食品衛生審議会薬事分科会に関して、大学教授などである委員が企業などから受けている寄付金などとの関係から、審議参加のあり方についてのルールとしての利益相反に関するルール作りを進めているワーキンググループは、11月1日、米欧のルールを上回る、より厳しいルール作りを目指すことでほぼ合意しました。
 ルールの考え方としては、委員が申告した企業から受けている寄付金などを公表することを基本とし、具体的な項目についても米欧に合わせるのでなく、その一歩先を行くものとします。

 厚生労働省はこの日、これまでの議論を踏まえた「論点に対する考え方」を整理、「暫定ルールをベースにして検討」する案を示しましたが、東京大学法学部教授の樋口範雄氏が、「本当の専門家は寄付をもらっていても、それに動かされることなく正々堂々と意見を言えるもの」とし、「寄付をもらっていることを公開した上で堂々と意見を言う」形を基本としたルール作りを目指すべきだと主張。
 さらに、先行している米欧のルールを見ながら作るのだから、「同じレベルにするのでなく、一歩でも二歩でも進めるものにしたい」との方向性を提案しました。
 供応接待やゴルフなどの事例まで申告すべきものとしてルールに記載する案に対しては、個別事例を記載するのでなく、ディスクロージャー(公開)を基本とする考え方に立つべきとし、審議会の議事録についても2年後に公開とされている委員名を当初から公開すべきなどの考えを示しました。

 東京女子医大病院循環器内科主任教授の笠貫宏氏らもこの考え方を基本的に支持したことから、議論はその方向で進められました。
 企業との関係の公表を基本とすべきこと、米欧のルールの先を行くものとすべきことは、前回のヒアリングで、薬害被害者団体から出されていた考え方です。樋口氏は、公表を前提とする形であれば利益相反のある委員でも審議に参加することに薬害被害者も理解を示したものとするとともに、それは国民にも理解が得られるものとなるとの見方を示し、その考え方への支持を訴えました。

 今後、申請品目と競合する品目を持つ企業との関係と審議参加のあり方、また審議会議事録の委員名の公表などについて、厚労省が詰めを行い、次回の12月13日に骨子のまとめを行う予定です。


田辺三菱製薬9月中間 三菱ウェルファーマ分が微増収にとどまる(2007.11.2,1:50)

合併特別損失で三菱ウェルの中間利益は大幅減少(医薬品:企業情報)

 田辺三菱製薬は11月1日、9月中間決算を発表、旧田辺製薬は増収増益、旧三菱ウェルファーマは微増収ながら合併特別損失の計上などで純利益は大幅減となりました。
旧田辺製薬
売上   938億円(9.7%増)
営業利益 184億円(30.9%増)
経常利益 192億円(26.4%増)
中間利益  99億円(4.4%増)

旧三菱ウェルファーマ
売上   1139億円(1.5%増)
営業利益  213億円(3.5%増)
経常利益  210億円(3.6%増)
中間利益  104億円(23.5%減)

 医薬品事業の売上は、旧田辺製薬が873億円で10.7%増、旧三菱ウェルファーマは1054億円で1.6%増となっています。
資料1:08年3月期中間決算短信(旧田辺製薬)(田辺三菱製菓)
資料2:08年3月期中間決算短信(旧三菱ウェルファーマ)(田辺三菱製菓)
資料3:中間決算説明資料(田辺三菱製菓)


明治製菓・バイエル薬品 シプロキサン注の共同販売を08年1月末で終了(2007.11.2,1:50)

以後はバイエル薬品が単独で販売(医薬品:企業情報)

 バイエル薬品と明治製菓は11月1日、ニューキノロン系合成抗菌剤「シプロキサン注200mg」「同300mg」に関する共同販売提携について、契約期間満了に伴い、08年1月31日付で終了することで合意したと発表しました。
 08年2月以降の情報提供・販売活動は、製造販売元であるバイエル薬品が引き続き行います。
資料:シプロキサン注の共同販売契約を終了(明治製菓)
資料:シプロキサン注の共同販売契約を終了(バイエル薬品)