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Online Medニュース 08年12月
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12月のニュース

糖尿病2210万人・メタボリックシンドローム2010万人 07年国民健康・栄養調査(2008.12.25,21:35)資料

KIT陽性消化管間質腫瘍完全切除後の術後補助療法に初の薬剤、グリベックを米FDAが承認 ノバルティス(2008.12.25,21:35)資料


社会保障費削減を行わないこととした、来年度予算で厚労省 実額は14%の大幅増加(2008.12.24,21:25)資料


医療費増大を前提とした大胆な制度再設計が必要、多様化・高度化を抑制すべきでない 規制改革会議(2008.12.23,23:00)資料

武田薬品、肥満症治療薬の第3相試験を国内で開始 英バイオからの導入品(2008.12.23,23:00)資料

HER2陽性転移性乳がんにエベロリムスの併用療法が効果、腫瘍の増殖を抑制 ノバルティス(2008.12.23,23:00)資料

早期乳がんでフェマーラが死亡リスクを改善、タモキシフェンを上回る ノバルティス(2008.12.23,23:00)資料


来年度予算原案内示 社会保障費2200億円削減維持、実質は後発薬の使用促進による230億円のみ 財務省(2008.12.21,23:50)資料

07年度保険指定取消し 医療機関52件・医師等61人、返還金55億5千万円 指導・監査の結果(2008.12.21,23:50)資料


決算データ活用する医療経済実態調査、会計基準の違いと比較可能性・実施方法など検討 中医協(2008.12.18,21:35)資料

インフルエンザ流行開始、昨シーズンに次ぐ早さ 前週の2倍の患者数 08年第49週(2008.12.18,21:35)資料

慢性骨髄性白血病、グリベック投与患者の86%が7年目も生存 ノバルティス(2008.12.18,21:35)資料


新薬の薬価維持特例、「良い制度にしたい」 前田・中医協薬価専門部会長(2008.12.17,23:00)

後発品の使用促進に「製薬業界は答えを出す」、未承認薬への対応も検討中 薬価専門部会(2008.12.17,23:00)

DPC新機能評価係数 中医協も7項目を了承、分科会は具体的検討を開始(2008.12.17,23:00)資料


社会保障機能強化のための消費税引き上げ3年後実施、中期プログラムに明記 諮問会議(2008.12.17,0:10)資料


社会保障番号・住民票コードと合わせ「納税者番号制度」を早期導入すべき、自民党税制改正大綱(2008.12.15,22:50)資料

消費税で複数税率を検討、税率は使途明確化後に 自民党税制改正大綱(2008.12.15,22:50)資料


DPCの新機能評価係数 分科会が7項目の基本的考え方で合意、在院日数・症例数・後発薬使用など指標(2008.12.14,21:10)資料

DPC調整係数廃止 段階的実施が分科会の大勢、3回以上の声も(2008.12.14,21:10)資料


内服薬の後発品使用割合、今年4月も5.7% 0.2ポイント拡大にとどまる MEDIAS(2008.12.11,21:30)資料

08年8月概算医療費1.2%減、稼働日数の影響 累計1.4%増 MEDIAS(2008.12.11,21:30)資料


政府のがん対策予算要求605億円、10.8%増 文科省・経産省が大幅増(2008.12.10,22:00)資料


消費税を社会保障目的税に、諮問会議で民間議員提案 引き上げ率と時期は今後の詰め(2008.12.10,1:50)資料


社会保障費2200億円削減、あいまい決着が続くのか 今後の政策の方向を占うカギ(2008.12.7,21:40)資料


社会保障制度と歳出削減は複眼的に考える、予算編成基本方針で与謝野大臣 閣議決定(2008.12.4,22:10)資料


09年度DPC対象病院募集 07年参入の700病院が対象、一気に倍増1400も 中医協了承(2008.12.4,2:5)資料

サリドマイド製剤など新薬9成分の薬価収載を了承、メーカーの不服申し立てを受け入れ 中医協(2008.12.4,2:5)資料


07年病院数8862 外科標榜病院が整形外科を下回る、診療所は9万9532で増加数減少(2008.12.1,22:55)資料


DPC対象病院を09年度も募集、ケアミックス病院が多数参入へ 3日の中医協議題に(2008.12.1,22:55)




糖尿病2210万人・メタボリックシンドローム2010万人 07年国民健康・栄養調査(2008.12.25,21:35)資料

糖尿病が強く疑われる人890万人・メタボ該当者は1070万人(医療行政:メタボ対策)

 厚生労働省は12月25日、平成19年国民健康・栄養調査の結果を発表、20歳以上で「糖尿病が強く疑われる人」は890万人、また40−74歳でメタボリックシンドロームに該当する人は1070万人になったと発表しました。
 糖尿病は可能性が否定できない人を含めると2210万人、メタボリックシンドロームは予備軍を含めると2010万人となり、いずれも初めて2000万人を超えました。

 糖尿病については、「強く疑われる人」が690万人(平成9年)、740万人(14年)と増加傾向にありましたが、この5年間で一挙に150万人の増加となりました。
 「可能性が否定できない人」は、680万人(9年)、880万人(14年)に対し、今回は1320万人と増大しています。

 メタボリックシンドロームは、該当者が940万人(平成16年)、920万人(17年)、960万人(18年)と推移していたのに対し、一気に110万人増加して1070万人となりました。その予備軍は19年が940万人で、前年の980万人を下回りました。
 メタボリックシンドロームについては、19年調査で服薬状況で「中性脂肪を下げる薬」を加えたため、それ以前と単純比較はできないとしています。
資料1:平成19年国民健康・栄養調査結果の概要(厚労省)
資料2:平成18年国民健康・栄養調査結果(厚労省)


KIT陽性消化管間質腫瘍完全切除後の術後補助療法に初の薬剤、グリベックを米FDAが承認 ノバルティス(2008.12.25,21:35)資料

KITを含むタンパクの活性を阻害(医薬品:企業情報)

 ノバルティスは12月25日、抗悪性腫瘍用薬「グリベック」(一般名:メシル酸イマチニブ)が、KIT陽性消化管間質腫瘍完全切除後の術後補助療法(アジュバント療法)の適応追加が米国食品医薬品局(FDA)により承認されたと発表しました。

 消化管間質腫瘍(GIST)は、粘膜下腫瘍の一種で軟部肉腫と呼ばれます。胃が最も多く、次いで小腸となっており、米国では人口100万人に15〜20例が新規に発症するとされます。
 KITはCD117としても知られる蛋白質で、変異するとGIST発症の主因の1つになることが確認されています。米国のGIST患者の90%以上がKIT陽性です。
 「グリベック」はこのKITを含む数種のタンパクの活性を阻害するとしています。KIT陽性消化管間質腫瘍完全切除後の術後補助療法の薬剤として初の承認となりました。
資料:KIT陽性消化管間質腫瘍の初の術後補助療法薬としてグリベックが米で承認(ノバルティスファーマ)


社会保障費削減を行わないこととした、来年度予算で厚労省 実額は14%の大幅増加(2008.12.24,21:25)資料

医療費国庫負担も5.4%増(医療行政:予算)

 政府は12月24日、平成21年度政府予算案を決定、社会保障関係費は前年度に比べ3兆515億円、14.0%増の24兆8344億円となりました。社会保障関係費のほとんど、24兆6522億円は厚生労働省予算に組み込まれており、厚労省予算はそれを含め25兆1568億円、前年度に比べ3兆346億円、13.7%増となりました。
 社会保障関係費の伸びの抑制2200億円への対応について厚労省は、後発医薬品の使用促進による230億円の削減以外には、「年金・医療等の経費の削減を行わないこととした」としています。

 政府全体の社会保障関係費は、平成20年度予算では伸びの抑制として2200億円削減が行われ、6415億円、3.0%の増加にとどまっていました。
 それに対し、21年度予算案では、増加額が4.8倍、伸び率は4.7倍となりました。2200億円の削減に対し、削減額を230億円にとどめたことだけでなく、年金に対する国庫負担の2分の1への引き上げを4月から行うこととしたためです。厚労省分の増加額3兆346億円のうち80%を占める2兆4318億円が年金の増加分です。年金の国庫負担は9兆8692億円となりました。
 一方、医療費への国庫負担は9兆252億円で、4609億円、5.4%の増加となっています。

 社会保障関係費の伸びの抑制2200億円について厚労省は、230億円以外は削減を行わないとし、実質的に抑制策を廃したことを示しました。政府の社会保障と税制に関する中期プログラムの方針から、今後も社会保障費の充実策がとられることになると見られます。

 しかし、今回はまだその差額1970億円について、道路財源から600億円、特別保健福祉事業資金の清算で1370億円を確保しました。形式上は2200億円削減が維持されています。
 2200億円削減策の今後の扱いについては、来年夏に行われる平成22年度予算の概算要求が改めて焦点となります。

 政府全体の21年度予算は、一般歳出が51兆7310億円で9.4%増、一般歳出に国債費と地方交付税を合わせた一般会計総額は88兆5480億円で6.6%増となりました。
資料1:平成21年度一般歳出概算(社会保障関係費)(財務省)
資料2:平成21年度厚生労働省予算案の概要(社会保障関係費とその内訳)(厚労省)
資料3:平成21年度一般会計歳入歳出概算(一般歳出)(財務省)


医療費増大を前提とした大胆な制度再設計が必要、多様化・高度化を抑制すべきでない 規制改革会議(2008.12.23,23:00)資料

「質の医療」「消費者論理」への転換が必要(医療行政:制度改革)

 政府の規制改革会議は12月22日、第3次答申をまとめ、重点分野の規制改革の第1にあげた医療分野について、急速な高齢化、技術革新と国民のニーズを考えると「医療費は急激な右上がりの凹型曲線を描いて増大する」と予測、「国家管理による大いなる無駄」の是正が必要とする一方、「医療の多様化・高度化による増加まで抑制しようとするなら本末転倒」とし、「将来的な医療費増大を前提」として国民皆保険制度を堅持し持続可能とするための「大胆な制度の再設計」が求められているとしました。

 大胆な制度の再設計の基本は、「量の医療」から「質の医療」への転換であり、「供給者論理」から「消費者論理」への転換だとしています。
 具体的には、2年に1度の診療報酬改定を中心に国が制度の運用を管理する「現物給付」の考え方の見直しを挙げています。また、混合診療の解禁、株式会社の医療への参入などが必要としています。

 一方、医療を効率化し、消費者に医療情報を広く知らせるために「医療のIT化の推進」が必要だとしています。
 レセプトオンライン化による診療情報の活用とともに、特定健康診査の情報の活用のための体制整備を図ること、また、病院医療に対する包括評価点数のDPCについて「DPC導入の影響評価にかかる調査」のデータを医療の質の向上に向けて活用できるような公開ルールの作成が必要としています。
資料1:第3次答申の決定・公表にあたって(規制改革会議)
資料2:医療分野(規制改革会議)
資料3:第3次答申全体(規制改革会議)


武田薬品、肥満症治療薬の第3相試験を国内で開始 英バイオからの導入品(2008.12.23,23:00)資料

糖尿病・脂質異常症への効果も期待(医薬品:企業情報)

 武田薬品は12月22日、肥満症治療薬ATL‐962について、日本で臨床第3相試験を開始したと発表しました。

 ATL-962は、英バイオベンチャーAlizyme社が創製したもので、作用機序は、脂肪の分解酵素である膵リパーゼの働きを阻害し、食事からの脂肪の吸収を抑えることで体重を減少させるとしています。肥満症のほか、糖尿病や脂質異常症への効果が期待されるとしています。
 日本人の肥満症患者を対象に臨床第3相二重盲検比較試験を開始します。
資料:肥満症治療薬ATL-962の日本における臨床第3相試験の開始(武田薬品)


HER2陽性転移性乳がんにエベロリムスの併用療法が効果、腫瘍の増殖を抑制 ノバルティス(2008.12.23,23:00)資料

第3相臨床試験の開始へ(医薬品:企業情報)

 ノバルティスは12月22日、海外で承認申請中の経口mTOR阻害剤エベロリムスについて、ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)+タキソール(パクリタキセル)またはハーセプチン+ナベルビン(ビノレルビン)に併用投与した第1相臨床試験で77%、62%の患者に腫瘍の増殖抑制効果が確認されたとするとともに、第3層臨床試験を国際的に開始する方針を明らかにしました。

 第1相試験は、いずれもハーセプチンに耐性となったHER2陽性転移性乳がん患者を対象にして実施したものです。第3相試験には日本の参加も検討しています。
 ノバルティスでは、乳がんに対するエベロリムスの効果とともに、他のがんについての可能性も評価していくこととしています。
資料:エベロリムスの第III相臨床試験開始へ(ノバルティスファーマ)


早期乳がんでフェマーラが死亡リスクを改善、タモキシフェンを上回る ノバルティス(2008.12.23,23:00)資料

5年間継続投与の結果(医薬品:企業情報)

 ノバルティスは12月22日、閉経後ホルモン感受性早期乳がん患者が術後にアロマターゼ阻害剤「フェマーラ」(一般名: レトロゾール)を5年間服用することで、タモキシフェンを服用した場合に比べて死亡リスクが13%低下したと発表しました。サンアントニオ乳がんシンポジウムで報告されたものです。

 また、タモキシフェン単剤治療から途中でフェマーラに切り替えられた患者に関する解析では、フェマーラを5年間投与することで死亡リスクを19%減少させたことも確認されたとしています。
資料:アロマターゼ阻害剤「フェマーラ」の乳がん手術後5年間投与で全生存の改善を示唆(ノバルティスファーマ)


来年度予算原案内示 社会保障費2200億円削減維持、実質は後発薬の使用促進による230億円のみ 財務省(2008.12.21,23:50)資料

道路から600億円・年金特会から1370億円を手当て(医療行政:予算)

 財務省は12月19日、来年度政府予算原案を内示、一般歳出が51兆7300億円、一般歳出に国債費と地方交付税を合わせた一般会計総額は88兆5500億円で、共に過去最大となりました。社会保障費の2200億円削減については、財源確保あるいは後発医薬品の使用促進等により達成するとしています。

 中川財務相は12月18日に事前の大臣折衝を行い、社会保障費については、道路特定財源の一般財源化による2000億円程度の中から600億円を振り替え、一方、厚労省の中での対応として、ジェネリック医薬品の使用促進による効果230億円、さらに年金特別会計の特別保健福祉年金事業精算額から1370億円を引き当てることで、舛添厚労相と合意したことを明らかにしています。
 実質的な削減額は、後発医薬品の使用促進による230億円のみとなりますが、形の上では「2200億円の削減」は維持されたことになります。
資料1:12.19(2)中川財務大臣の記者会見概要(財務省)
資料2:12.18中川財務大臣の記者会見概要(財務省)
資料3:平成21年度政府予算財務省原案(財務省)


07年度保険指定取消し 医療機関52件・医師等61人、返還金55億5千万円 指導・監査の結果(2008.12.21,23:50)資料

架空請求・付増請求・振替請求・二重請求(医療経営:指導・監査)

 厚生労働省は12月19日、07年度の保険医療機関に対する指導・監査の実施状況を発表、架空請求や付増請求、二重請求などで保険医療機関等の取り消しが52件、保険医等の取り消しが61人で、前年度に比べ16件、20人の増加となりました。これにより、返還金額も2億1千万円増加して55億5千万円となっています。

 取り消し事例のほとんどは、架空請求・付増請求・振替請求・二重請求です。返還金額が大きかったのは、藤枝市立総合病院の歯科で1億2285万円となっています。付増請求・振替請求・その他の請求とされました。昨年10月に取り消しが行われましたが、救急医療などに支障が生じるため歯科以外は同年11月に再指定されています。歯科医師は登録取り消しとなっています。

 取り消しとなったのは、医科が医療機関21件、医師19人、歯科は医療機関27件、歯科医師37人、薬局は医療機関4件、薬剤師5人です。
資料:平成19年度保険医療機関等の指導・監査の実施状況(厚労省)


決算データ活用する医療経済実態調査、会計基準の違いと比較可能性・実施方法など検討 中医協(2008.12.18,21:35)資料

会長も含めたワーキンググループに(中医協情報:医療経済実態調査)

 中医協の遠藤久雄会長(学習院大学経済学部教授)は12月17日の総会で、診療報酬改定の基礎資料とする医療経済実態調査に「決算データ」を活用することについて検討するため、会長と公益委員で経営問題の専門家の小林麻里氏(早稲田大学大学院公共経営研究科教授)を含む5人のワーキンググループを設置、経営主体ごとの会計基準の違いへの対応や実施方法などを検討する方針を報告、了承されました。

 検討内容は、
(1)経営主体ごとの会計基準(財務諸表)の違いを考慮した調査票の作成(調査項目の整理・調査項目の継続性)
(2)異なる会計基準の経営主体の経営数値(財務諸表)比較可能性確保(比較が可能か)
(3)複数の施設または支店をもつ法人の取り扱い(施設ごとに調査票の記入が可能か)
(4)実施方法(手法の検討・課題の整理) 等
としています。
 また、検討の過程では、医療機関に対するヒアリングも実施することとしています。
資料:決算データの活用に関するワーキンググループの設置について(12.17中医協総会)(厚労省)


インフルエンザ流行開始、昨シーズンに次ぐ早さ 前週の2倍の患者数 08年第49週(2008.12.18,21:35)資料

12月1日―7日、山梨で最も流行(医療経営:患者数)

 国立感染症研究所感染症情報センターのインフルエンザ流行レベルマップ08年第49週(12月1日―7日)によると、インフルエンザの定点医療機関あたり報告数は1.0を超えて1.62となり、全国的な流行状態に突入しました。過去10年では昨シーズンに次いで早い流行となりました。

 インフルエンザの定点医療機関は全国で約6000あり、それら医療機関からの患者報告を集計しています。第49週の患者発生報告数は7707で、定点当たり報告数が1.62となったものです。前週の0.83からほぼ倍増となっています。
 都道府県別で多いのは、山梨県(4.2)、山口県(4.1)、福井県(3.9)、兵庫県(3.8)、北海道(3.2)、大阪府(3.0)、島根県(3.0)、宮城県(2.6)、栃木県(2.5)、和歌山県(2.5)の順です。

 インフルエンザについては、別に全国の保育所、幼稚園、小中学校のインフルエンザ様疾患による学級閉鎖、学校閉鎖などの状況を集計している「インフルエンザ様疾患発生報告」があり、その08年第6報(11.30−12.6)では、全国の新患者数は3317人、今シーズンの累計患者数は6437人となっています。昨年同期に比べると、4分の1程度です。

 昨シーズンは流行の開始時期が過去10年で最も早かったものの、ピーク時の流行、シーズンを通した流行も少ない年となりました。
資料1:インフルエンザ流行レベルマップ08年第49週(感染症情報センター)
資料2:感染症週報08年第48週(6−8ページ)(感染症情報センター)
資料3:インフルエンザ様疾患発生報告第6報(感染症情報センター)


慢性骨髄性白血病、グリベック投与患者の86%が7年目も生存 ノバルティス(2008.12.18,21:35)資料

IRIS試験の結果を米国血液学会で報告(医薬品:企業情報)

 ノバルティスは12月18日、慢性骨髄性白血病治療薬「グリベック(一般名:メシル酸イマチニブ)」の大規模臨床試験「IRIS」の最新データが米国血液学会(ASH)で報告され、グリベックで治療を開始した患者の86%が投与7年目でも生存していることが明らかにされたと発表しました。

 この結果は、致死的な病であるフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病患者で観察されている生存期間としては最も長いものとしています。
 IRIS試験は2001年に開始、その間、毎年の病気の進行率は極めて低いことが報告されました。投与6年目から7年目の間に病気が進行した早期慢性期の慢性骨髄性白血病患者は1名であったとし、また、グリベックの服用を継続している患者の85%から90%が、投与6年目までに分子遺伝学的寛解を達成しているとしています。
資料:慢性骨髄性白血病治療薬「グリベック」7年間投与の最新データ(ノバルティスファーマ)


新薬の薬価維持特例、「良い制度にしたい」 前田・中医協薬価専門部会長(2008.12.17,23:00)

新薬のかい離率は3.3%、適用基準に関連(中医協情報:薬価)

 中医協は12月17日、薬価専門部会(部会長:前田雅英・首都大学東京都市教養学部長)を開催、特許期間中の新薬は一定条件に合えば薬価改定をしないという、製薬産業が提案している「薬価維持特例」の導入について議論を進めました。各委員から厳しい質疑があったものの、前田部会長は「何回か議論して、可能なら良い制度にしたい」と締めくくり、制度の導入を前提にしている姿勢を示しました。

 この日は厚生労働省が「議論の整理と今後の論点」を提示、これまでの議論の整理として、薬価維持特例に対して「研究開発投資を早期に回収しやすい環境を整備することによって、医薬品産業の国際競争力強化と革新的新薬の早期開発を促進しようとするものと理解する」との基本的立場を明記しました。
 一方、「提案の精査」を進めることとし、以下の4つの「論点」をあげました。
(1) 薬価維持特例を導入するメリット
   ・患者・国民に対するメリット
   ・前倒しされる収入を製薬企業の革新的新薬の創出や未承認薬の開発促進などの研究開発投資に振り向ける方策。特にドラッグラグの解消、世界に先駆けた新薬の提供、適応外効能への対応、小児用量の設定などにつなげていく方策
(2) 財政影響
   ・制度導入当初の財源確保と後発医薬品の使用促進策との関係。後発医薬品の使用が着実に進む方策や後発医薬品の使用が進まない場合の対応策。
   ・財政影響の精査
(3) 流通改善
   ・総価取引など医薬品流通慣行の改善と薬価維持特例との関係
(4) その他
   ・他の薬価算定基準との関係

 厚労省保険局医療課の磯部薬剤管理官は、説明の中で「民間企業が制度導入により得られた財源を革新的新薬などの開発に本当に振り向けるのか」とし、また、財政影響に関しては薬価維持特例の適用基準について「平均かい離率でいいのか。薬価維持そのものの疑問もある」との考えを示しました。

 関連資料として厚労省は、今年4月の薬価改定の中で、後発医薬品のない先発医薬品で、総価取引でなく「単品単価取引」の製品が94品目あったとし、その平均かい離率が3.3%にとどまっていること、その薬価改定率は1.4%であり、後発品の出ていない、つまり特許期間中の新薬であっても、薬価が引き下げられている状況を明らかにしました。
 薬効群別に乖離率と改定率を見ると、人工腎臓透析用剤が6.3%と3.9%、X戦造影剤が5.5%と3.8%、と大きくなっています。
 ただ、乖離率は全品目のかい離率6.9%までには達していません。

 議論では、薬価維持特例の適用基準についての意見は出なかったものの、厚労省が提出した後発品のない先発品のかい離率のデータは、適用基準を検討する材料になるものです。
 産業界の提案は、全品目の平均かい離率を使用するものですが、平均値で見る限り、産業界提案ではほとんどの新薬が薬価維持特例の適用範囲に入ることになります。

 平均かい離率をとるという産業界の提案を踏まえながら、対象は特許期間中の新薬であるということをより厳密に考えるなら、適用基準も「後発品のない先発品の平均かい離率」とすることが考えられそうです。
 業界提案が6.9%となるのに対し、3.3%まで絞り込むもので非常に厳しい考え方ですが、現行の調整幅2%以内であれば薬価は引き下げられないという仕組みからすれば、その適用幅は相当に拡大されることにはなります。

 一方、この方式ではまだ引き下げ対象となる新薬が多く残ることにもなり、国際競争力を確保するという観点からは、問題もありそうです。
 今後の本格的な議論が注目されます。


後発品の使用促進に「製薬業界は答えを出す」、未承認薬への対応も検討中 薬価専門部会(2008.12.17,23:00)

製薬産業からの専門委員が明言(中医協情報:薬価)

 12月17日の中医協・薬価専門部会(部会長:前田雅英・首都大学東京都市教養学部長)で、新薬の「薬価維持特例」との見合いとなっている後発医薬品の使用促進について、製薬産業側は「基本は患者・国民・医療関係者の信頼性の向上であり、業界として積極的に検討して答えを出す」との考えを示しました。
 また、未承認薬への対応についても業界のプロジェクトチームで検討を開始したことを明らかにしました。

 後発医薬品問題は、診療側で日本薬剤師会副会長の山本氏が、使用が進んでいないことで薬剤師の姿勢が指摘されているのに対し「他の要因があるのではないか。新薬にシフトしてしまうのではないか」として、新薬メーカーの販売のあり方に疑問を向けたことに、専門委員である第一三共常務執行役員信頼性保証本部長の長野氏が答えたものです。

 長野氏は、後発医薬品の使用促進策に対し「業界としては積極的に賛成の立場」であると明言、そのうえで、後発医薬品に対する信頼性の向上に向けて「答えを出す」としています。

 未承認薬についても山本氏が「必ず出してもらえるのか」と質問。専門委員で武田薬品コーポレートオフィサー業務統括部長の禰宜氏が、日本に支社や提携先など基盤のない国外企業の製品についての対応を、業界として検討開始したと答えました。


DPC新機能評価係数 中医協も7項目を了承、分科会は具体的検討を開始(2008.12.17,23:00)資料

特定機能病院の特徴示すデータく(中医協情報:DPC)

 中医協・診療報酬基本問題小委員会(会長:遠藤久雄・学習院大学経済学部教授)は12月17日、DPC評価分科会が12日の議論で了承したDPCの「新たな機能評価係数」に関する「基本方針」と「7項目の基本的な考え方」を了承しました。DPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)は同日、機能評価係数の具体的な検討を開始、松田研究班から効率性指数や複雑性指数、希少性指数などについての報告を受けました。
 来年3月末に機能評価係数の候補を選定、4月からそれらの妥当性についての議論を開始する方向です。

 松田研究班の報告は、DPC病院について、特定機能病院、500床以上、499〜200床、200床未満、ナショナルセンター病院の5分類で新たな機能評価に向けた各種指数を比較したものです。
 複雑性指数、全身麻酔下で行われた手術の割合、病理診断の状況、手術を実施した患者の割合、救急搬送患者で手術を実施した割合などで、特定機能病院とナショナルセンターが明らかに他の病院を上回ることが示されました。
 基本的に特定機能病院の特徴を示すデータとなっています。

 一方、効率性指数では5分類とも目立った違いはなく、また、特定機能病院とナショナルセンター以外の病院は救急車による緊急入院の割合が、特定機能病院やナショナルセンターよりも高いことが明らかにされ、地域で果たす役割の違いが認識されるものとなっています。
資料1:松田研究班からの報告(12.17 DPC評価分科会)(厚労省)
資料2:12.17DPC評価分科会配布全資料(厚労省)
資料3:調整係数の廃止と新たな機能評価係数の設定について(12.17中医協・診療報酬基本問題小委)(厚労省)


社会保障機能強化のための消費税引き上げ3年後実施、中期プログラムに明記 諮問会議(2008.12.17,0:10)資料

2015年度までに確立(医療行政:制度改革)

 政府の経済財政諮問会議は12月16日、「持続可能な社会保障の構築と安定財源確保」に向けた「中期プログラム」をまとめ、消費税を含む税制抜本改革を3年後の2011年度から実施し、2015年度までに持続可能な財政構造を確立すると明記しました。消費税率については、複数税率の検討など低所得層への配慮を行うこととしています。

 歳出改革の面では、社会保障について、「中福祉」に見合ったサービス水準を確保するため、安定財源の確保と平行して機能強化を図ることとする一方、コスト縮減、給付の重点化などの効率化を進めることを書き込んでいます。

 政府は、この中期プログラムについて、今後与党との調整を進めた上で、来年度予算政府案の決定とあわせて閣議決定する方針です。
資料1:中期プログラム(経済財政諮問会議)
資料2:12.16会議終了後記者会見要旨(経済財政諮問会議)


社会保障番号・住民票コードと合わせ「納税者番号制度」を早期導入すべき、自民党税制改正大綱(2008.12.15,22:50)資料

与党に検討会を設置し議論開始(医療行政:制度改革)

 自民党税制調査会が12月12日にまとめた「平成21年度税制改正大綱」は、今後の検討事項として、社会保障番号の制度化、また住民票コードの活用と合わせて「納税者番号制度」の「早期かつ円滑な導入を目指すべき」とし、社会保障番号、住民票コード、納税者番号を一体的に検討する方針を明記しました。
 与党内に納税者番号制度に関する検討会を立ち上げ、精力的に議論することとしています。

 納税者番号制度については、「的確な所得把握を通じて適正・公平な課税の実現に資する」ものとするとともに、「税制を国民の利便性に配慮して柔軟に設計していく上でも必要不可欠」「行政効率化に資する意義も大きい」との考え方を示しています。

 今後の税制や社会保障のあり方の議論と合わせて、住民票コードの活用、社会保障番号との関係の整理を含めて、早期の導入を目指すべきとしました。
資料:平成21年度税制改革大綱(P61、62)(自民党)


消費税で複数税率を検討、税率は使途明確化後に 自民党税制改正大綱(2008.12.15,22:50)資料

引き上げ時期は2010年代半ばまで(医療行政:制度改革)

 自民党税制調査会がまとめた「平成21年度税制改正大綱」は、社会保障制度の安定財源としての消費税引き上げを中心とする税制抜本改革の時期について「2010年代半ばまで」とするにとどめ、明示を避けました。税率についても、その全額が社会保障給付と少子化対策に充てられることを予算・決算で明確化した上で検討するものとするにとどめています。ただ、複数税率を検討し低所得者に配慮するものとしています。

 来年度の税制改正では、医療用機器の特別償却制度について、
(1)青色申告を行う法人で医療保健業を営む場合、来年度から2年間は新型インフルエンザに対応するための簡易陰圧装置について取得価額の20%の特別償却ができる措置を新たに加える、
(2)一般の医療機器については、特別償却の対象を「高度な医療の提供に資するもの」または「承認後2年以内のもの」に限定、
(3)建て替え病院用等建物については、対象要件としている「医療の提供体制の整備に資するための基準」を見直す、
こととしたうえで、2年延長します。

 地方税では、新制度の社会医療法人に対し、救急医療に関連する固定資産税と都市計画税、不動産取得税を非課税とします。
 医療関係者養成所に対する固定資産税、都市計画税、不動産取得税の非課税措置については、対象に非営利型の一般社団法人と一般財団法人、また社会医療法人を追加します。
 国民健康保険税について、2割減額の対象となる納税義務者の要件の見直し、介護納付金の課税限度額を現行9万円から10万円に引き上げ、特別徴収をしない納税義務者の要件の見直しを行います。
資料:平成21年度税制改革大綱(自民党)


DPCの新機能評価係数 分科会が7項目の基本的考え方で合意、在院日数・症例数・後発薬使用など指標(2008.12.14,21:10)資料

救急患者受け入れは連続的評価で対応く(中医協情報:DPC)

 中医協下部組織である診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)は12月12日、調整係数廃止後の新たな「機能評価係数」に関する基本的考え方として、(1)医療の透明化・効率化・標準化・質の向上が期待できる係数、(2)一定の基準による段階的な評価だけでなく連続的な評価の導入についても検討、(3)プラスの係数を原則とする、など7項目を了承しました。平均在院日数による効率性評価、症例数による標準的・効率的医療の評価、後発医薬品の使用促進の観点からの評価などを含むものです。

 基本的考え方は、11月7日の同分科会に厚生労働省が提示、11月19日には診療報酬基本問題小委員会にも提示、それぞれ2回ずつの審議を経てきています。

 基本的考え方のうち「医療の透明化・効率化・標準化・質の向上」はDPCの中心テーマであり、その具体的評価の例としてあげられているのが、(1)平均在院日数を用いた「効率性指数」による評価、(2)症例数に応じて標準化や効率化が認められる場合の「症例数に応じた評価」、(3)標準レジメンや診療ガイドラインに沿った標準的医療が提供される患者の割合に応じた評価、(4)療養担当規則で後発医薬品の利用に努めることとされていることを踏まえた後発医薬品の使用促進、の4点です。

 また、これまでにない新しい評価方法として基本的考え方に盛り込まれているのが「連続的な評価」です。
 厚労省はこの日、具体例として「救急患者の受け入れ状況」を連続的係数で評価する方式を提示しました。「年間救急受け入れ患者数をDPC算定病床数で割り」、それに「救急医療に関するDPC病院としての重みづけとしての一定数」をかけて機能評価係数とするものです。
 従来は、こうした算定を行ったとしても、評価としては一定の段階に達した場合に点数がつき、より高い点数や加算を得るにはまた一段高い水準に到達することが必要でした。
 しかし、連続的評価では、一定の水準に達したところで評価を開始し、その後は数値に比例した評価を行うという形になります。
 この連続的な評価については、賛成の意見が多く出され、反対意見は出ていません。

 このほか、DPC病院として求められている機能・役割の評価として、「複雑な症例を多く治療していることの評価」を行うために、「個別病院について各疾患ごとの在院日数が全DPC対象病院と同じと仮定した場合の平均在院日数」を「全病院の平均在院日数」で割り、それを「複雑性指数」とすること、また、難病や特殊な疾患に対応できる専門性を反映した「希少性指数」に応じた評価、「副傷病」の程度に応じた評価をあげました。

 さらに、「地域医療への貢献という視点」の検討をすることとし、具体例として(1)医療計画で定める事業(4疾病:がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病、5事業:救急医療・災害医療・へき地医療・周産期医療・小児医療)の症例数や医療圏でのシェアに応じた評価、(2)地域の救急・小児救急患者と妊産婦の受け入れに応じた評価、(3)各都道府県の定める医療計画で一定の機能を担う医療機関として定められていることの評価、をあげています。

 この日は基本的考え方について合意したもので、具体的な評価のあり方については今後、各項目ごとに詰めていくこととなります。

新たな「機能評価係数」に関する基本的考え方
以下の事項を基本的考え方として、新たな「機能評価係数」について議論してはどうか。
(1)DPC対象病院は「急性期入院医療」を担う医療機関である。新たな「機能評価係数」を検討する際には、「急性期」を反映する係数を前提とするべきではないか。
(2)DPC導入によリ医療の透明化・効率化・標準化・質の向上等、患者の利点(医療全体の貿の向上)が期待できる係数を検討するべきではないか。
(3)DPC対象病院として社会的に求められている機能・役割を重視するべきではないか。
(4)地域医療ヘの貢献という視点も検討する必要性があるのではないか。
(5)DPCデータを用いて係数という連続性のある数値を用いることができるという特徴を生かして、たとえば一定の基準により段階的な評価を行うばかりではなく、連続的な評価の導入についても検討してはどうか。
 その場合、診療内容に過度の変容を来さぬよう、係数には上限値を設けるなど考慮が必要ではないか。
(6)DPC対象病院であれば、すでに九世紀としてふさわしい一定の基準を満たしていることから、プラスの係数を原則としてはどうか。
(7)その他の機能評価係数として評価することが妥当なものがあれば検討してはどうか。
参考資料1:DPC評価分科会における新たな「機能評価係数」の検討に係る経過報告(P15以下に「基本的かんがえかた))(12.3基本問題小委)(厚労省)
参考資料2:12.3診療報酬基本問題小委配布全資料(厚労省)


DPC調整係数廃止 段階的実施が分科会の大勢、3回以上の声も(2008.12.14,21:10)資料

機能を評価している部分もある、厚労省が提示く(中医協情報:DPC)

 12月12日のDPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)では、廃止が決まっている調整係数の役割について、「(1)前年度並みの収入確保、(2)重症患者への対応能力・高度医療の提供能力等、現在の機能評価係数のみでは対応できていない病院機能の評価、という役割を含んでいる」とする整理を厚生労働省が提示、各委員が納得できるものとの声をあげました。
 新たな機能評価係数の議論の中で、同分科会や診療報酬基本問題小委員会で出されていた「調整係数は単に前年度の収入を保証するだけのものではない」との意見を受けたものです。

 調整係数についてのこの整理を基本として、分科会は、新たな機能評価係数の議論に確実な一歩を踏み出した形です。
 厚労省は、新たな機能評価係数の検討の基本方針として、調整係数が果たしていた役割のうち「前年度並の収入確保」については廃止し、「現在の機能評価係数のみでは対応できていない病院機能の評価」については新たな「機能評価係数」として評価できるものを検討するとの考えを示しました。
 また、「すでにDPCで評価されている項目全体を整理し、既存の評価のあり方の見直しも含めて、新たな機能評価係数について検討する」こと、さらに「調整係数の廃止に際しては、新たな機能評価係数の検討結果を踏まえて、激変緩和を目的とした段階的廃止の有無やその方法について検討する」ものとしました。

 これに対し委員からは、調整係数自体に機能を評価する部分が含まれていることから、新たな機能評価係数への移行は「2回程度では無理」「大学病院、地域中核病院、一般病院などの別に実際のデータに基づくシミュレーションを重ねて慎重に準備を進める必要がある」「評価のために新たなデータを取る必要があるものについては次回の改定で実施すべきではない」などの意見が相次ぎました。
 段階的実施としては、3回以上の改定を経る必要があるとの考え方です。

 診療報酬基本問題小委員会での議論を受け厚労省は、DPCによる診療報酬評価の項目の整理を示しています。基本方針のうちの「すでにDPCで評価されている項目全体の整理と、既存の評価のあり方の見直しも含めた新たな機能評価係数の検討」はそれに基づいて進められることになります。
参考資料:DPCによる診療報酬について(12.3診療報酬基本問題小委)(厚労省)


内服薬の後発品使用割合、今年4月も5.7% 0.2ポイント拡大にとどまる MEDIAS(2008.12.11,21:30)資料

使用促進策の効果見えず(医療費:MEDIAS)

 厚生労働省は12月11日、MEDIASによる「最近の調剤医療費の動向」の08年4月号をまとめました。4月の診療報酬改定で一段の使用促進策がとられた後発医薬品については、内服薬の使用金額割合が4月は5.7%となり、直前の3月の5.5%に対し、0.2ポイントの増加にとどまったことが明らかになりました。

 後発医薬品の使用促進策は、2006年度の診療報酬改定で処方せんの「変更可」欄に医師のサインがあれば、保険薬剤師の指導により変更できることとなり、同年度の後発医薬品使用金額割合は前年度の4.7%から0.5ポイント拡大しました。
 07年度も引き続き拡大し年度平均でも5.5%まで進んでいました。

 これに対し、08年度の診療報酬改定では「変更不可」欄への医師の署名がなければ変更できるものとされ、さらに調剤報酬でも後発医薬品に変更した処方せんの割合により加算がとれるものとされました。一段の使用促進策となりました。

 しかし、4月の段階では、使用金額割合が0.2ポイントの拡大にとどまっており、実際に後発医薬品を使用した割合は大きくは進まなかったことになります。
資料1:内服薬、薬効分類別後発薬使用割合(最近の調剤医療費の動向08年4月号)(厚労省)
資料2:最近の調剤医療費の動向08年4月号(厚労省)


08年8月概算医療費1.2%減、稼働日数の影響 累計1.4%増 MEDIAS(2008.12.11,21:30)資料

補正後は2.3%増(医療費:MEDIAS)

 厚生労働省が12月11日にまとめたMEDIASによる08年8月の概算医療費によると、8月は1.2%減で、今年度初のマイナスとなりました。前年8月と比べて平日が2日少なかったためです。4月からの累計は1.4%増です。稼働日数補正後は8月が2.3%増で7月の1.3%増を上回っており、累計は1.6%増となっています。

 日数補正前の累計で見ると、医科は入院1.9%増・入院外0.6%減で、入院外がマイナスとなりました。歯科2.5%増、調剤4.7%増です。

 1日当たり医療費の伸びは、全体が2.9%増、医科は入院(食事等含まず)2.8%増・入院外1.3%増で、やはり入院外が低くなっています。歯科2.5%増、調剤3.0%増です。
 受診延べ日数は、医科が入院0.8%減・入院外2.0%減、歯科0.0%減、調剤1.7%増。
 1件当たり日数は、医科が入院0.2%減・入院外2.1%減、歯科1.7%減、調剤1.9%減です。
資料:最近の医療費の動向(平成20年8月)(厚労省)


政府のがん対策予算要求605億円、10.8%増 文科省・経産省が大幅増(2008.12.10,22:00)資料

放射線療法・化学療法の推進と専門医育成に21%増(医療行政:がん対策)

 厚生労働省、文部科学省、経済産業省を合わせた政府全体のがん対策の来年度予算概算要求は605億円で、今年度予算の546億円に比べて、59億円、10,8%の増加となっています。厚労省が262億円で11.0%増、文科省が234億円で15.3%増、経産省が108.6憶円で19.7%増です。

 最も大きな伸びとなったのは、「放射線療法と化学療法の推進およびそれらの専門医の育成」で、今年度予算の73億円に対し15億円、20.5%増の88億円となっています。
 厚労省が、がん専門医の育成等8億円、がん診療連携拠点病院の機能強化54億円、国際共同治験および新薬の早期承認の推進等1億円で合計63億円、16.7%増です。
 文科省は、大学等でのがん専門医の養成費として25億円、31.6%増の要求を行っています。

 がん研究の推進費は、10.2%増の421億円となりました。文科省が基礎研究等で209億円(13.6%増)、経産省が医療機器開発等で109億円(1.9%増)、厚労省が臨床への応用等で103億円(13.2%増)です。

 このほか、厚労省の「がん予防・早期発見の推進とがん医療水準均てん化の促進」90億円(8.4%増)、「治療の初期段階からの緩和ケアの実施」6億円(14.3%減)、「がん登録の推進」32百万円(0.0%)があります。
資料1:がん対策関係予算について(がん対策推進協議会資料)(厚労省)
資料2:がん対策の推進について(がん対策推進協議会資料、厚労省)(厚労省)
資料3:文科省におけるがん対策について(がん対策推進協議会資料、文科省)(厚労省)
資料4:経産省における主ながん対策関連予算について(がん対策推進協議会資料、経産省)(厚労省)


消費税を社会保障目的税に、諮問会議で民間議員提案 引き上げ率と時期は今後の詰め(2008.12.10,1:50)資料

会計区分明確化で社会保障特別会計も(医療行政:制度改革)

 政府の経済財政諮問会議は12月9日、社会保障制度改革に関する中期プログラムの策定に向けた税制抜本改革についての議論を進め、民間有識者議員が、消費税を軸とした安定財源を「社会保障目的税化」すること、また、会計上も「社会保障部門」と「非社会保障部門」とを明確に区分することとした考え方を提出、今後さらに検討を進めることとしました。

 消費税を社会保障目的税化すること、会計区分を社会保障部門と非社会保障部門とに明確に区分することについては、その方向で固まったものと見られます。
 今後の検討課題は、最大の焦点である消費税引き上げの実施時期と引き上げ幅の問題であり、また、会計の区分では、他の項目も含む予算全体の中で社会保障部門を区分して取り扱うのか、一般会計と切り離して「社会保障特別会計」を設定して取り扱うのかという問題があります。
 与謝野大臣は、今後、与党との調整を経て決定するものとしています。
 しかし、消費税の引き上げは、今後行われる景気回復対策により景気が回復した後のこととされています。消費税を財源とした社会保障の機能強化・充実はあくまでも中期的な取り組みとの位置づけです。
資料1:社会保障、税制抜本改革、歳出改革の統合に向けて(有識者議員提出資料)(経済財政諮問会議)
資料2:中期の財政規律と歳出改革に向けて(有識者議員提出資料)(経済財政諮問会議)
資料3:12.9会議終了後記者会見要旨(経済財政諮問会議)
資料4:12.9会議配布全資料(経済財政諮問会議)


社会保障費2200億円削減、あいまい決着が続くのか 今後の政策の方向を占うカギ(2008.12.7,21:40)資料

予算原案策定までもつれ込み(医療行政:制度改革)

 来年度予算編成に向けて、社会保障に対する国庫負担の伸びの2200億円削減についての取り扱いが焦点の1つとなっています。3日の閣議決定ではその方針を「維持」するものとしましたが、翌日の財務大臣との折衝で舛添厚労相は、安定財源の確保がなければ社会保障の予算編成そのものが厳しい状況にあること、また、来年度の対応として挙げられている雇用保険に対する国庫負担1600億円の廃止についてはそうした考え方自体に問題がある上に雇用情勢も厳しく対応も困難であることなどを主張、決着は来週末の財務省原案策定直前になると見られます。

 2200億円削減自体をどの程度行うことになるのかが不明ですが、来年度は診療報酬改定がなく、医療制度の改正も予定がないため、医療費で対応すべきとする大きな課題はなく、その大きな財源として挙げられているのは雇用保険分の1600億円です。一方、介護保険については3%の引き上げ方針が決定されています。

 舛添厚労相は、雇用保険の国庫負担削減をせずに「たばこ税」の増税をすべきとの提案もしました。しかし、たばこ税の増税については、その後、自民党内で異論が出されています。

 現時点では2200億円の扱いはまったく不透明ですが、「予算編成の基本方針」のように、社会保障の充実・機能強化をうたいながら2200億円削減への対応をある程度は実施するということも考えられます。これがどう決着するかによって、今後の社会保障政策に対する麻生内閣の姿勢が示されることになります。
資料1:12.4事前大臣協議後舛添大臣記者会見概要(厚生労働省)
資料2:平成21年度予算編成の基本方針(12.3閣議決定)(首相官邸)


社会保障制度と歳出削減は複眼的に考える、予算編成基本方針で与謝野大臣 閣議決定(2008.12.4,22:10)資料

2200億円削減方針は「維持」に後退(医療行政:制度改革)

 政府は12月3日、経済財政諮問会議で「平成21年度予算編成の基本方針」を決定、直後に臨時閣議を開催しこれを閣議決定しました。「持続可能な社会保障制度の構築とその安定財源確保に向けた中期プログラムを早急に策定する」ことを明記、一方、「骨太2006」による基礎的財政収支を平成23年度までに黒字化させることについては努力目標としました。

 諮問会議後の記者会見で与謝野大臣は、抑制策の柱である歳出構造改革と社会保障制度について、「歳出削減目標が達成できたが、ある政策の根幹が崩れたのでは価値がない」「社会保障制度は中福祉と認識していてもほころびばかりが目立つのでは何のための歳出削減目標かとなる」とし、これらは年末の予算編成に向け「複眼的に考えていかなければいけない」との考えを示しました。
 社会保障制度に関する予算は、歳出削減とは別の視点で対応する方向です。

 今年夏に決定し社会保障費の伸びを2200億円削減する方針を盛り込んでいる「平成21年度予算の概算要求の基本方針」については「維持しつつ」との表現にとどめており、これまでの「堅持」から後退しています。
資料1:平成21年度予算編成の基本方針(12.3閣議決定)(首相官邸)
資料2:12.3会議後記者会見要旨(経済財政諮問会議)
資料3:11.28会議配布全資料(経済財政諮問会議)


09年度DPC対象病院募集 07年参入の700病院が対象、一気に倍増1400も 中医協了承(2008.12.4,2:5)資料

調整系数・データ/病床比は2年分で算定く(中医協情報:DPC)

 中医協・診療報酬基本問題小委員会(会長:遠藤久雄・学習院大学経済学部教授)は12月3日、来年度のDPC対象病院募集に関する対象病院の要件と調整係数の算定について厚生労働省から提案を受け、1日のDPC評価分科会での結論どおり了承しました。

 07年度に参入した約700病院が対象となり、DPCを希望する病院のうち要件に合致した病院が新たにDPC病院となります。4月からの実施ですが、今年と同様に7月からの実施分が出る可能性もありそうです。
 DPC病院は現在718病院で、これに新たに700病院の多くが加わることになれば、一気に倍増となります。
 新規DPC病院については、調整係数の算出方法と「データ/病床」比の算定方法にについて、基本的に今年の診療報酬改定前の要件で対応することになりました。
資料:DPCの在り方について(12.3基本問題小委)(厚労省)


サリドマイド製剤など新薬9成分の薬価収載を了承、メーカーの不服申し立てを受け入れ 中医協(2008.12.4,2:5)資料

12月12日付収載く(中医協情報:新薬)

 中医協は12月3日の総会(会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)で、新薬9成分13品目の薬価基準収載を了承しました。12月12日収載予定です。多発性骨髄腫用薬として新規に開発された藤本製薬のサリドマイド製剤「サレドカプセル」は有用性加算(2)で5%、市場性加算(1)で20%が適用され、1カプセル6570.40円の薬価がつきました。

 サレドカプセルは、薬価算定組織による当初の算定案に対し、メーカー側が不服意見を申し立て、それが認められて加算の算定が行われたものです。
 また、ノーベルファーマの新生児けいれん・てんかん重積状態治療薬「ノーベルバール」は、原価計算によるものですが、当初の算定案に対し、メーカー側が不服意見を申し立て、基礎研究費に関する規格と試験方法に関する経費の算定が認められました。
資料:12.3中医協総会・医薬品の薬価収載について(厚労省)


07年病院数8862 外科標榜病院が整形外科を下回る、診療所は9万9532で増加数減少(2008.12.1,22:55)資料

厚労省調査、小児科・産婦人科は減少続く(医療環境:施設数)

 厚生労働省は12月2日、07年医療施設動態調査をまとめました。07年10月1日現在の医療施設数は、病院が8862で前年に比べ81減少、一般診療所は923増加して9万9532となっています。一般診療所の増加数が前年より244の減少となりました。増加の勢いが弱くなっているようです。

 病院では、一般病院が7785で前年より85の減少、一方、精神科病院は4増の1076となりました。開設者別では、医療法人が8増の5702、個人は71減の533、その他(公益法人・学校法人・社会福祉法人)が18減の2627となっています。
 一般病院で、療養病床を有する病院が108減少し4135となりました。病院総数の46.7%です。療養病床を有する病院数は05年の4374がピークです。

 診療科別の病院数は、内科7186(70減)、整形外科5124(49減)、外科5113(78減)の順となり、整形外科が外科を上回りました。
 前年と比べると、減少したのは外科が最大となっています。小児科は60減にとどまりました。産婦人科は39減です。
 一方、増加したのは、神経内科42増、リウマチ科34増、形成外科27増、婦人科27増などです。

 病院の病床数は162万173床で、前年に比べ6416床減少です。そのうち一般病床は91万3234床で病院の全病床数の56.4%、前年に比べ2220床増加しました。療養病床は34万3400床で6830床減少、精神病床は35万1188床で1249床減少となっています。
資料:平成19年医療施設調査・病院報告の概況(厚労省)


DPC対象病院を09年度も募集、ケアミックス病院が多数参入へ 3日の中医協議題に(2008.12.1,22:55)

調整系数・データ/病床比を2年分で算定(中医協情報:DPC)

 厚生労働省は来年度もDPC対象病院を募集する方針で、12月3日の中医協・診療報酬基本問題小委員会に提案することとしています。対象病院となるためには準備病院として2年間、データ提出を行うことが要件とされており、昨年からの準備病院が対象となります。12月1日のDPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)で明らかにしました。ケアミックス病院を対象とすることも決定しており、多数の参入が見込まれます。

 DPC評価分科会では、来年度のDPC対象病院募集にあたっての調整係数の算出方法、「データ/病床」比の算定方法について意見をまとめ、3日の基本問題小委員会に報告することとしました。

 調整係数は、07年度の6ヵ月分のデータと08年度の4ヵ月分のデータを使用して算出することになります。また、08年度は点数改定が行われた後であるため内容が変更になっています。
 この取り扱い方として、07年度と08年度についてそれぞれ調整係数を算定した上で、単純に平均値をとるか、月数の違いを踏まえた加重平均値とするかを議論。両論について支持する意見がありましたが、結論としては、年度のデータとしては加重平均を取るべきではなく、単純平均を採用すべきとされました。

 「データ/病床」比は、DPC算定患者データと病床数との比率で「8.75以上」がDPC対象病院の要件の1つとされています。
 これに対し、今年4月の点数改定で、「3日以内の再入院は1入院とする」「DPC算定病棟から療養病棟へ転棟した場合もデータを提出する」と変更されたことから、08年度になってデータ数が少なくなった病院と多くなった病院があります。
 厚労省は、08年度についても07年度と同じ条件でデータ数をカウントする方式を提案し、了承されました。