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後期高齢者医療制度
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ニュース
後期高齢者医療制度見直し、国保と一体化し都道府県単位とする舛添私案を説明 厚労省・検討会
(2008.10.7,22:00)
資料
12月からの記事はバックナンバーにリンクしています
後期高齢者医療制度 レセプト・健診データ突合分析の視点から方法論まで 標準的健診プログラムで提示
(2006.11.7)
資料:保健事業計画の現状分析(標準的な健診・保健指導プログラムP56からP58、pdf1Pから4P)
メタボリックシンドロームあぶり出しに手取り足取り
後期高齢者医療制度で運営主体となる広域連合(市町村で構成)に対する各保険者からの「高齢者支援金」の分配率を左右するのが「特定健康診査等実施計画」の成果です。計画の作成方法については、厚労省の標準的な健診・保健指導のあり方に関する検討会がまとめた「標準的な健診・保健指導のプログラム(暫定版)」に詳細に示されています。まずレセプト分析を中心とした現状分析を綿密に行うことが必要だとされ、分析の対象とするデータ項目を示し、レセプトデータと健診データを突合しながら行う分析の視点まで指摘するものとなっています。医療保険の保険者にレセプト分析の能力を植え付けようとするものです。
健診データ・レセプトデータ・要介護度データを分析
現状分析について、標準的な健診・保健指導のプログラム(暫定版)は「健診結果の男女別・年代別の有所見状況、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の該当者数と予備群数およびリスクの重複状況、対象となる被保険者数・被扶養者数と過去の健診受診者数・未受診者数」の把握、「レセプトによる医療費データの分析」、「要介護度データの分析」を行い、集団の特性や健康課題を把握することを求めています。
レセプトと健診データの突合で糖尿病の多さ・医療費の高さを確認
特に、「レセプトによる医療費データと健診データの突合分析」が必要だとしています。まず「医療費、介護給付費の額の大きい疾病の分析」により「重点的に対策を行う病態や生活習慣を選定」し、次いで「医療費増加率、有所見率の増加が著しい疾患の分析」により「生活習慣や環境変化などの背景要因を踏まえて重点的に適正化を図るための計画の立案」につなげます。それによって「糖尿病や糖尿病合併症がいかに多いか、そして医療費が多くかかっているかが明らかになる」とし、「医療費適正化のための疾病予防の重要性を認識し確実な保健指導に結びつける」ことを求めています。
さらに、「プロセス(過程)、アウトプット(事業実施量)、アウトカム(結果)の関係の分析」により、保健事業の投入によって健康課題の改善が図られているかどうかを検討し、不十分な場合は保健事業の見直しや他の要因についての分析を行うこととしています。
分析項目とデータ把握時期を表で示す
こうした分析に必要とする項目について、「集団全体の分析項目」と「個人、保健事業の単位の分析項目」とに分けて、また、それぞれに計画作成時から把握可能な項目、事業実施後に把握可能な項目、事業の最終的な評価で把握可能な項目までの分類を示した表を提供、「手取り足取りのプログラム」となっています。
後期高齢者医療制度のメタボリックシンドローム健診、受診率で目標管理し支援金分配か
(2006.10.15)
資料:標準的な保健指導プログラム(暫定版)(健診項目・P19、判定基準・P21)
腹囲、LDL−コレステロール、尿酸を新規項目に
後期高齢者医療制度(高齢者医療法)で医療費の伸びの抑制のポイントとなるのは、メタボリックシンドロームをターゲットとした健診と医療費適正化計画の策定です。健診と医療費適正化計画とは連動していますが、ここでは高齢者医療のために各保険者から徴収される「後期高齢者支援金」の配分割合を左右する健診に絞って見て行きます。
健診は、厚生労働省の「標準的な健診・保健指導のあり方に関する検討会」で決められた必須項目18項目と選択的実施項目7項目の合わせて25項目とされ、高齢者医療法ではこれを「特定健康診査」と呼びます。
メタボリックシンドロームに関連するものとして、従来の老人保健法による老人保健事業の健康診査、労働安全衛生法による事業主の努力義務である定期健康診断の項目には入っていなかった3項目を必須項目として追加しました。腹囲、LDL−コレステロール、尿酸です。
腹囲は、メタボリックシンドロームの判定基準項目(男性85cm以上、女性90cm以上)です。LDL−コレステロールは、独立した心血管危険因子の判定指標として有用であるためとされました。保健指導判定値が120mg/dl、受診勧奨判定値が140mg/dlとされています。尿酸は、メタボリックシンドローム判定時の参考指標として有用であるためとされました。保健指導判定値が7.0mg/dl、受診勧奨判定値が8.0mg/dlです。保健指導判定値、受診勧奨判定値は各項目ごとに示されています。
こうした特定健康診査の結果によって必要とされる保健指導を「特定保健指導」と呼び、その両者を適切、有効に実施するための「特定健康診査等基本指針」を国が定めます。基本指針では、実施方法とその成果についての目標を設定するものとしています。
この特定健康診査等を実施するのは、各健保組合、市町村国保、政管健保などの保険者で、各保険者は、国が定めた特定健康診査等基本指針に即して、5年ごとの「特定健康診査等実施計画」を策定しなければなりません。ここでは、実施方法とその成果についての「具体的な目標」を定めることが必要とされます。特定健診の対象となるのは、すべての被保険者ではなく、家族も含めて40歳以上の者です。
特定健診の成果についての目標としては、健診対象者の受診率、また特定保健指導対象者に対する保健指導の実施率と実施内容が大きなポイントになると予想されます。 後期高齢者医療制度を運営するのは、都道府県ごとに全市町村で構成する広域連合ですから、各保険者からの「後期高齢者支援金」は最終的には市町村に分配されることになるのですが、その分配にあたっては、特定健診と特定保健指導の成果次第によって、100分の90から100分の10までの調整率が適用されるという仕組みです。
各市町村は、目標を達成するために必死の努力が迫られることになります。
後期高齢者医療制度、メタボリックシンドローム対策の成否で保険財源の分配に格差
(2006.10.9)
資料:高齢者に関する医療保険制度の歴史(一部負担など)
[訂正、11.5](解説。下線部分が訂正後)
高齢者自身には新たに保険料負担
75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度の診療報酬体系についての審議がスタートしました。08年4月に実施されますが、医療費に直接影響する患者一部負担は、現行の老人保健制度と同じ1割定率負担(現役並み所得者は3割負担)で変わりません。
一方、財政面で、75歳以上の対象者すべてから、医療費のうち患者負担分を除いた給付費の1割程度の保険料を徴収することになるため、対象者にとっては負担増となります。
医療費に影響が出てくるのは、メタボリックシンドロームに焦点を当てた健診と医療費適正化計画が実施されることです。
健診も医療費適正化もすでに長年にわたって実施されてきたことではあるのですが、後期高齢者医療制度がこれまでと違うのは、健診と医療費適正化計画による目標管理が行われ、その結果によって、各保険者に対する保険財源の分配に差がつけられる仕組みとなっていることです。給付費の4割を健保組合や政管健保、国保などからの支援金でまかなうのですが、その分配は、健診と医療費適正化計画で策定した目標達成の程度によって、100分の90から100分の110までの割合で行うという方式です。
分配金が減額査定された保険者は保険料の引上げを迫られることになります。運営は都道府県ごとに全市町村で組織する広域連合が行いますから、都道府県単位となります。つまり、都道府県ごとに保険料の水準に差が出てくることになるのです。
また、健診と医療費適正化計画の結果についても、都道府県ごとの状況が公表されることとなっています。 後期高齢者医療制度は、こうした形で、メタボリックシンドロームをターゲットとした医療費適正化を進め、また都道府県間の競争を促し、医療費の伸びの抑制を図ろうとしているのです。
[解説]
現行の老人保健制度は、原則70歳以上を対象とし、一部負担は1割定率ですが、02年10月改正で、後期高齢者への重点化として対象者を毎年1年ずつ繰り上げ
ることとされ
、07年10月からは75歳以上となります。
08年4月の後期高齢者医療制度スタート時点で
70歳以上
75歳未満の人は、それまで
は各健康保険制度に属したまま
でいくのですが、
一部負担は70歳未満の3割とは違い1割とされています。しかし、
後期高齢者医療制度のスタートと同時に70歳以上75歳未満の人は2割負担
に引上げ
となります。
後期高齢者医療の診療報酬体系、在宅による医学管理から看取りまでを評価 特別部会で議論
(2006.9.24)
資料:後期高齢者医療のあり方に関する特別部会の設置
終末期医療のあり方踏まえ設定へ
75歳以上の後期高齢者を対象とした新たな医療制度が08年4月からスタートするのに伴い、厚生労働省は後期高齢者の心身の特性に対応した診療報酬体系を構築するため、社会保障審議会に特別部会を設置して10月5日から検討を開始します。
厚生労働省は、後期高齢者医療制度の新たな診療報酬体系の基本的な考え方について今年度中にまとめることとしており、特別部会での意見のまとめは来年3月になるものとみられます。
後期高齢者医療制度の診療報酬体系については、05年11月にまとめられた医療制度改革大綱が、
(1)終末期医療のあり方についての合意形成を得て患者の尊厳を大切にした医療が提供されるよう適切に評価する、
(2)地域の主治医による在宅の患者に対する日常的な医学管理から看取りまでの常時一貫した対応を評価する、
との方針を示しています。
また、改革大綱に先立って05年10月にまとめられた医療制度構造改革試案では、重点的に配慮する論点として、
(1)ターミナルケアのあり方についての国民的な合意の形成を踏まえた終末期医療の評価
(2)在宅での日常的な医学管理から看取りまで常時一貫した対応が可能な主治医の普及
(3)在宅での看取りまでの対応を可能とするための医師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、訪問介護員(ホームヘルパー)等の連携による医療・介護サービスの提供
(4)在宅医療の補完的な役割を担うものとしての入院による包括的なホスピスケアの普及
の4点をあげています。
終末期医療のあり方については、厚生労働省はすでに「終末期の医療の開始、変更、中止は、医学的妥当性と適切性を基に、患者の意思決定を踏まえて多専門職種の医療従事者から構成される医療・ケアチームによって慎重に判断すべき」などとする考え方をたたき台として公表(Online Medニュース9月15日)、国民からの意見を募り、それを踏まえた検討会での議論を経てガイドラインを策定することとしています。
来年の夏から秋にかけて新たな診療報酬体系の骨格をまとめた後、中医協で具体的な点数設定の議論が進められ、08年2月ごろに答申となる予定です。
後期高齢者医療のあり方に関する特別部会委員
遠藤久夫 学習院大学経済学部教授
鴨下重彦 国立国際医療センター名誉院長
川越 厚 ホームケアクリニック川越院長
高久史麿 自治医科大学学長
辻本好子 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長
糠谷真平 独立行政法人国民生活センター理事長
野中 博 医療法人社団博腎会野中医院院長
堀田 力 弁護士・さわやか福祉財団理事長
村松静子 在宅看護研究センター代表