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医療経営  国病機構実績・受療行動調査・医療法人の付帯業務・未収金・医療法人持分否認・院外処方(分業)
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医療法人のホームページ (厚生労働省)
平成17年受療行動調査の概況
院外処方率
平成17年社会医療診療行為別調査   


ニュース

3.15 9:55 2013 医師以外の医療法人理事長、認可は柔軟に 厚労省(資料)


3.4 23:55 2013 患者・家族からの暴言や暴力、7割の医師が経験 「スタッフの対応」問題が6割(資料)


9.24 0:25 2012 病院の8.2%が医師数不適、北海道・東北は18.4% 厚労省22年度検査(資料)


9.11 23:55 2012 入院患者で「自宅療養可能」の回答が52.6%、特定機能病院外来患者は63%が紹介 受療行動調査(資料)


特定機能病院の業務報告書を公表、1日外来患者数は東京女子医大が3900人でトップ、剖検率は国立循環器病センターの32%(2010.8.18,12:35)資料


病院の入院患者の半数が「自宅療養可能」と回答、一方「自宅での定期的な訪問診療」希望は2% 厚労省調査(2009.9.9,23:10)資料


医師数標準、87%の病院が達成 患者の相談に応じる体制は3.2ポイント低下 07年度病院立入検査(2009.8.3,23:55)資料

診療所の入院外1日当たり点数14%増、初再診料は6%減 全体の増加で日医の主張かすむ(2009.6.25,22:10)資料


患者図書室を寄贈するプロジェクト 対象病院を公募、蔵書1000冊と設備一式 NPO質研(2008.7.4,0:10)資料


内科診療所の院外処方率が07年53% 本格分業時代に突入、病診合計60% 07年社会医療調査(2008.6.23,2:40)資料


内科診療所の院外処方率が06年で47.6%、すでに50%超えか 社会医療調査(2008.6.9,3:15)資料


病院の未収金対策、国保一部負担金減免・無料診療制度の改善、保険者徴収に基準設定など提言へ 厚労省検討会(2008.5.28,20:50)


病院の未収金で厚労省が実態調査 1施設当たり4800万円、支払能力なしは14%(2008.4.24,0:50)


公立病院改革ガイドライン 総務省が策定、民間病院並みの経営効率を 廃止・統合も促す(2007.11.14,1:20)

入院料保証金、患者への請求は可 厚労省が通知済み(2007.10.9,0:20)



10月からの記事はバックナンバーにリンクしています


医科診療所の院外処方率が5割超え51.7%、医科薬剤比率は0.4減の21.7%、後発医薬品使用は小幅な増加(2007.8.7,0:40)
資料1:院外処方率―平成18年社会医療診療行為別調査の概況(厚労省)
資料2:薬剤料の比率―平成18年社会医療診療行為別調査の概況(厚労省)
資料3:後発医薬品の使用状況―平成18年社会医療診療行為別調査の概況(厚労省)
資料4:平成18年社会医療診療行為別調査の概況(厚労省)
医科全体の院外処方率は1.9ポイント増加し54.6%
 厚生労働省が8月6日まとめた06年社会医療診療行為別調査の結果によると、医科診療所の院外処方率が前年に比べて2.2ポイント上昇して51.7%となり、初めて50%を超えました。医科病院の院外処方率も前年より1.3ポイント上昇して62.3%となり、診療所と合わせた医科計では前年より1.9ポイント上昇、54.6%となりました。

 医科のDPCや療養型病棟など包括点数を除いた部分の薬剤比率は、総数で21.7%となり、前年より0.4ポイント減少しました。しかし、04年と02年に記録した21.6%を0.1ポイント上回っています。

 後発医薬品の使用状況では、後発医薬品を使用したレセプト件数の総件数に対する割合は入院が前年と同じ75.2%、入院外は院内処方が2.6ポイント増の48.6%、院外処方は2.5ポイント増の41.4%となりました。これも包括点数を除いた出来高点数の状況です。  薬剤点数に占める後発医薬品の点数割合は、入院が0.2ポイント増の5.1%、入院外は院内処方が1.0ポイント増の9.0%、院外処方は0.5ポイント増の5.3%です。
 後発医薬品の使用量を示す「1件当たり薬剤種類数に占める後発医薬品の種類数」は、入院が0.1ポイント減の15.0%、入院外は院内処方が2.0ポイント増の23.9%、院内処方は1.1ポイント増の16.1%となりました。
 06年4月の診療報酬改定で後発医薬品の使用促進が図られましたが、やはり現実には目立った動きにはなっていないことが示されました。


1病院当たり年間未収金、都立病院8400万円・国立病院機構3200万円 厚労省検討会(2007.8.4,0:20)

回収策として都は主税局に依頼、国病は支払督促制度や訴訟
 都立病院の1病院当たり未収金は06年度で8433万円、国立病院機構は今年1月末現在で3178万円と、いずれも巨額になっていることが明らかにされました。8月3日の厚生労働省・医療機関の未収金問題に関する検討会で報告されました。
 特に、救急診療時に保険証も所持金もないケースでそのまま未収金となる場合が多いとされ、都立病院では東京ERと位置づけている3病院のうち墨東病院が3億円、広尾病院も1億円に達しているとされました。

 都立病院は、回収のために04年度から主税局に回収事業を依頼しています。3人を病院経営本部と併任としており、06年度は8934万円の回収を依頼、結果は任意の支払1763万円、法的措置以降の支払558万円で合計2320万円を回収しました。依頼したのは350人分で、120人が完納しました。

 国立病院機構は、未収金の医療収益に対する割合は0.193%としました。発生の理由は、92.3%とほとんどが「生活困窮」です。保険未加入(外国人以外)2.5%、保険未加入(外国人)2.2%、診療上のトラブル1.8%、住所不定1.2%となっています。
 法的措置は、支払督促制度を5病院で56件実施し回収率58.9%、少額訴訟を3病院で11件実施し回収率35.5%、訴訟を4病院で19件実施し回収率86.8%となりました。また、債権回収業者への依頼は3病院で174件実施し回収率6.7%です。


未収金問題、国民の3分の2が「知っている」 日医が調査結果報告 厚労省検討会(2007.6.1,23:50)
資料:「医療機関の未収金問題に関する検討会」の開催について(厚労省)
「医療機関が負担すべき」は国民の14%・患者は6%
 日本医師会が行なった調査の結果、医療機関の未収金問題について一般国民も患者も3分の2が「知っている」ことが明らかにされました。厚生労働省が設置した「医療機関の未収金問題に関する検討会」が6月1日、第1回目を開催、その中で日本医師会常任理事の今村氏が報告しました。
 「強制的に取り立てるべき」は4分の1程度で、6割弱は「払えない人には一定の配慮をし、払える人からは強制的に取り立てるべき」としています。「強制的に取り立てるべきでない」は16から19%でした。

 調査は今年3月から5月にかけて、国民は無作為抽出による4000人を対象に個別面接調査、患者は医師会員の医療機関の協力を得て窓口で協力依頼した3250人を対象としたもので、回答率は国民65.6%、患者89.0%です。

 未収金問題は、患者負担の増大に伴い増えているとされ、調査ではまず患者負担の水準について質問しています。現状について、「高くなりすぎ」が国民63%、患者45%、「ほぼ妥当」は国民37%、患者55%で、「もっと高くすべき」は国民・患者とも1%未満でした。

 現状では医療機関の負担となっている「未払い治療費」を誰が負担すべきかでは、医療機関は国民14%、患者6%と少なく、保険者(地方自治体、健保組合)が国民37%、患者45%、国が国民・患者とも49%となりました。

 また、「窓口での現金払いが未払いの原因か」では、「はい」は国民22%、患者15%と少なく、「いいえ」が国民62%、患者46%となっています。「わからない」は16%と36%。

 これとは別に日医は、医師会病院の未収金についても調査、05年度末で1施設当たり1939万円で医業収益の0.8%となっています。一方、請求後1年以上経過した未収金は696万円で、回答施設の医業収益の0.3%となり、5割以上減少しています。1年後の減少の理由は不明ですが、回収が進んだ結果と見ています。
 日医では、診療所を対象とした未収金の実態調査も実施する予定です。

 検討会では、病院4団体の治療費未払い問題検討会が昨年まとめた1施設当たり716万円という調査結果も報告されました。

 議論では、患者負担の増加に伴い顕在化してきたこと、保険証やお金を持たずに治療を受けることになる救急患者に多いこと、保険に加入していない外国人の問題もあることが指摘されました。ただ、未払い者数の状況についての調査はなく、そうした調査の必要性も指摘されました。
 法的位置づけなどは次回以降に検討します。


厚労省が未収金問題で検討会設置、法的位置付けを整理し解決目指す(2007.5.22,20:15)
資料:「医療機関の未収金問題に関する検討会」の開催について(厚労省)
病院団体・保険者・法律専門家・自治体の福祉担当者・患者代表など
 厚生労働省は医療機関の未収金問題に取り組むこととしました。病院団体や保険者のほか、法律学者、弁護士、自治体の福祉担当者、患者の立場などの委員を選任した検討会を設置、6月1日に第1回目を開催します。
 未収金問題について、法律的位置付けを整理した上で、解決策を検討します。


新医療法人制度に出資者への返還を認める「基金」制度導入、医療法施行規則で規定(2007.4.16)
資料:医療法人制度関係厚労省通知(07年3月30日付)(日本医療法人協会HP)
出資額限度法人に近い「持分のない社団医療法人」
 改正医療法による医療法人に関する規定が4月1日に施行され、今後認められる医療法人は「持分の定めのない」もののみとなります。一方、厚生労働省は医療法施行規則(厚生省令)で、社団医療法人について活動原資となる資金の調達手段として「基金」制度を採用したことが明らかになりました。従来の出資額限度法人に近いもので、法人の解散時に出資分に限って出資者に戻る方式を認めたものです。

 厚生労働省医政局指導課の金森勝徳医療法人指導官が4月14日、日本医療法人協会のセミナーで講演し、社団医療法人の基金制度の考え方を明らかにしました。
 社団医療法人は現在、そのほとんどが出資金について「持分のある」ものとなっています。出資金には法人設立後は医業経営による剰余金が生じて、法人の解散時などには出資金に応じて剰余金も出資者に分配されることになります。
 しかし、それでは営利組織と大きな違いはないとの見解が医業経営に株式会社の参入を求める立場から出されていました。

 それに対し、非営利の原則を貫こうとする厚労省は、改正前の医療法の下で、出資者への返還は出資金に限定し剰余金は返還しないという「出資額限度法人」制度を設定しました。ただ、これも「持分のある」社団医療法人の範疇の制度でした。

 これに対し、改正医療法では、新設する医療法人は「持分のない」もののみとされました。「持分のない」医療法人では、解散時にも出資者には一切返還されません。新しい医療法人の定款例では、解散時の残余財産は国、地方公共団体、公的医療機関の開設者、医師会(郡市区または都道府県)、持分の定めのない財団または社団医療法人の中から選定するものとしています。

 しかし、改正医療法でも、既存の持分のある社団医療法人と出資額限度法人についても、「当分の間」存続を認めるものとしています。しかも、「当分の間」についても、現時点では「次の医療法改正時」あるいはそれ以降との考えで、「50年後、100年後」もあり得るとしています。次の医療法改正がいつになるかも不明です。

 そうした状況の中で、厚労省は新法人制度への移行を促すため、また新制度でも原資を集めやすくするために、「基金」制度を導入したものと見られます。その基金は解散時には返還しなければなりません。しかし、それは出資金ではなく「基金」であるため、形式上は「持分のない」社団医療法人となります。


特定機能病院の院外処方率70.1%、一般病院も65.8%に拡大 05年社会医療調査(2007.4.9)
資料:病院・診療所別(診療科別)院外処方率の年次推移(厚労省・社会医療診療行為別調査から)(Online Med)
内科診療所は2.3ポイント拡大し43.9%
 厚生労働省の05年社会医療診療行為別調査によると、特定機能病院の院外処方率が70.1%となり、70%を超えたことが明らかになりました。また、一般病院の院外処方率も65.8%と前年より3.2ポイント拡大しました。診療所では内科が43.9%と前年より2.3ポイント拡大、着実な増加を続けています。

 病院全体の院外処方率は05年には61.1%となり、前年に比べて1.4ポイント低下していますが、療養病床を有する病院が前年比で10.6ポイントの大幅減少で54.4%となったためであることが明らかになりました。
 療養病床を有する病院以外では院外処方率は拡大しています。特定機能病院は1.8ポイント拡大して70%台に乗せ、一般病院も大きな伸びを見せたほか、精神科病院も前年よりも4.2ポイント拡大し35.7%となりました。

 診療所では、内科が43.9%と着実な拡大を見せているほか、最も進んでいる耳鼻咽喉科が69.6%とほぼ70%を達成、皮膚科は一気に3.9ポイント拡大して59.9%とほぼ60%、整形外科も4.3ポイントの拡大で49.5%とほぼ50%という水準になっています。
 診療所全体では49.5%と50%を目前にし、その中心的存在である内科も2ポイント余りの拡大を続けているとすれば、来年には50%を達成することになります。


診療所を超えた、保険薬局1施設あたり医療費05年度9926万円 厚労省(2007.2.7)
資料:医療費の動向(8ページ目)(厚労省・医療費の将来見通しに関する検討会)
伸び率は6%前後と突出、分業進展でマイナス改定も影響せず
 分業率の進展に伴い保険薬局の1施設あたり医療費は最近でも5%を上回る高い伸び率を維持、その額は04年度で9432万円となり、医科診療所を241万円(2.6%)上回っていたことが明らかになりました。05年度には9926万円となり、医科診療所との差は589万円、6.3%に拡大しています。
 厚生労働省が2月6日の医療費の将来見通しに関する検討会で説明した医療費の動向によるものです。

 医療費抑制策が続く中で医療機関の1施設あたり医療費の伸びも低迷、医科診療所は初めての診療報酬のマイナス改定が行われた02年度には4.4%ものマイナスとなり、03年度もそれを引きずってマイナス0.0%、2年連続のマイナス成長を余儀なくされました。
 その両年以外でも、伸び率は01年度1.4%、04年度1.5%、05年度1.6%と1%台にとどまっています。

 また、医科病院の1施設あたり医療費も、05年度が2.7%と高目となったものの、02年度は1.2%のマイナスであり、それ以外も、01年度1.8%、03年度1.9%、04年度1.4%と低い伸びです。

 これに対して、保険薬局の1施設あたり医療費は、01年度が10.5%という高い伸びであり、マイナス改定の02年度も伸びは半減したものの5.1%という高率となり、その後も03年度6.4%、04年度5.0%、05年度5.2%と高い伸び率を維持しています。医薬分業が進展中であるためで、今後も続くと考えられます。

 この伸びの下で、保険薬局1施設あたり医療費は、01年度の8034万円から3年後の04年度には9432万円と一気に9000万円台に乗せるとともに医科診療所を上回ることになったのです。

 一方、医科診療所1施設あたり医療費は、01年度の9475万円から翌02年度には9056万円に落ち込み、03年度もマイナスが続いた後増加に転じましたが、05年度でも9337万円と、まだ01年度の水準に戻すことができていない状況です。
 また、診療科別で見ても、保険薬局の05年度の9926万円は、内科診療所の9512万円を初め、整形外科診療所以外のすべての診療科の額を上回るものとなっています。

 医療費全体で見ても、保険薬局は05年度には4兆5900億円で概算医療費32.4兆円の14.2%を占め、医科診療所の7兆7500億円、23.9%に肩を並べつつあります。保険薬局の医療費のあり方にも今後、目が向けられそうです。


病院のホームページ、患者の望む情報の公開は一部施設に限られる 全国の病院HPを調査(2006.12.18)

名城大学保健医療情報学教室、情報の内容が今後の患者の増減に影響
 多くの病院がホームページを開設していますが、地図による病院の案内や交通機関を利用した病院への行き方、診療科別曜日別担当者など、患者の受診のための案内は広く行われている一方、医療事故防止マニュアルの有無、手術件数、医師の選択など患者が望む情報の公開は進んでいないことが明らかにされました。名城大学都市情報学部保健医療情報学研究室の浅野氏らが調査したものです。

 調査は、06年4月現在でWAMNETに登録されている一般病床500床以上の病院327施設を対象としてホームページにアクセスし、その内容を評価しました。規模による違いを見るため、一般病床600床未満145施設と、600床以上182施設に分類して分析しています。

少ない公開施設、手術件数・クリニカルパス・医師選択・事故防止マニュアル 情報の内容別の公開状況を見ると、「年間手術件数」を公開しているのは600床以上で66施設(37%)、600床未満では28施設(20%)と、多くの病院は公開していないことが示されました。
 治療指針としての「クリニカルパス導入」についての公開は、600床以上で15施設(8%)、600床未満では14施設(10%)と少数にとどまっています。

 さらに、患者の権利としての医師の選択については、600床以上で9施設(5%)、600床未満では2施設(1%)と、ごくわずかな公開状況です。

 また、患者の安全のための「医療事故防止対策マニュアル」の作成の有無の公開についても、600床以上で15施設(8%)、600床未満では3施設(2%)とわずかです。

 一方、日本医療機能評価機構の認定の公開は、600床以上110施設(61%)、600床未満96施設(66%)とかなり進んでいます。
 患者の来院のための地図による病院の場所の案内、公共交通機関を利用した病院への行き方は、600床以上、600床未満とも80%以上が公開。  診療科目別曜日別担当者の公開も600床以上、600床未満とも80%以上に達していました。

 患者案内としての基本的な情報は多くの病院が公開しています。しかし、医療の安全や医療の質、患者の権利に関する情報の公開は大病院に多い傾向があるものの、全体に進んでいません。
 特に、医療事故防止マニュアル、年間手術件数、医師の選択といった、患者が希望する情報の公開はごく一部でしか行われていない状況です。

 浅野氏らは、厚労省の受療行動調査によると、患者が入院時に入手したい情報は(1)入院に必要な経費、(2)医師の専門分野・経歴、(3)治療方法・治療実績、の順となっていることを踏まえ、患者の安心・納得につながる情報公開が今後の病院のホームページに求められ、それが患者の増減に影響するようになると見ています。


活力のある病院の条件、クリニカルパス・病院機能評価・中長期経営計画 能率協会総研がアンケート調査(2006.12.14)

診療科別原価計算・CS経営・DPCでも違いが鮮明に
 病院の経営活力についての自己評価をアンケート調査した結果、活力のある病院と活力のない病院とでは経営課題への取り組みに大きな差が出ていることがわかりました。特に、クリニカルパス、病院機能評価、中長期経営計画の3項目で大きな差が現れています。活力のある病院では65%から70%を超える病院が実施しているのに対し、活力のない病院で実施しているのは20%強から30%強にとどまっています。

 また、全般に取り組み状況が少ない中でも、活力のある病院と活力のない病院とで大きな差が出ているのは、DPC、診療科別原価計算、個人情報保護対策、CS経営・患者満足の向上、部門別原価計算といった項目です。

 アンケート調査は日本能率協会総合研究所が行いました。回答した373病院の半数を上回る53%が「活力はある」とし、「活力はない」は15%と少数にとどまり、「どちらともいえない」が26%でした。

 活力評価の指標としては、(1)顧客対応力(顧客の病院アイデンティティの理解など)、(2)財務力(目標に沿った業績)、(3)業務プロセス(医療の質やプロセスの継続的向上、チャレンジする風土など)、(4)人材・組織力(成果をあげる人材の充足など)、の4つの視点からの12項目をあげ、これを5段階で自己評価しています。

 全体的には、顧客対応力の自己評価は3から4でほぼ良好ですが、人材・組織力の面は自己評価が低く、各病院で共通した課題となっています。業務プロセスとしての「スピードを重視した意思決定・経営」や「コスト管理の徹底」も課題となっています。

 黒字病院と赤字病院とで分けてみると、黒字病院(160)は全体に3を割る項目がなく活力のある状態になっています。ただ、人材・組織力の面の評価は3程度にとどまっています。
 赤字病院(205)は、全体に評価は低い中で顧客対応力は3を越えています。「チャレンジする風土」が最も低い評価で、「活発な上下のコミュニケーション」も低くなっています。


恵寿総合病院 4月からDPCで減収も利益維持、厚労省方針に乗れば最初のメリットは出る(2006.11.16)

収入重視から利益重視の時代に
 石川県七尾市で急性期医療から慢性期医療、在宅医療、そして介護までとグループでほぼ完結したシステムを展開している恵寿総合病院(特別医療法人財団董仙会)の神野正博理事長(院長)は11月16日、日本医療福祉設備学会のシンポジウムで講演、今後の病院経営の考え方について「増収の時代は終わり、効率化とコスト削減が必要。収入重視から利益重視に転換すべき」との考えを示しました。「厚労省の方針にいかに乗るかだ」として、今年4月からDPCに移行したことを中心に具体的取り組みを示しました。

 DPC導入によるこれまでの結果として、平均在院日数が4月の19日から9月には13日にまで短縮、一方で新規患者数は増加したが、在院日数の短縮には追いつかずに減収になっているとしました。しかし、粗利益は減っていません。
 増収が望めない中では「選択と集中が必要」でダウンサイジングも考えるべきとし、恵寿総合病院では一般病床の一部を廃止し、療養病床も縮小しました。

   看護体制も現在の10:1を12月から7:1とする予定です。医療と福祉の複合は「一体戦略」だとし、「差別化」として進めています。

 厚労省の方針に乗った場合に「はしごをはずされる危険性」について質問を受け、神野氏は「新提案には、乗れば最初のメリットは出るだろう」とし、最初の段階で対応することが重要だとしました。DPCについては、新規に準備病院を募集したこともあり「もうしばらくは(メリットが)続く」との見解を示しました。


中小病院 入院単価4.4%増・外来単価0.5%減、患者数減少し医業収入2.2%減 5月分を全日病調査(2006.11.14)
資料:平成18年度病院経営調査報告(全日本病院協会)
収支悪化、東京は全体で赤字に
 中小の民間病院を主体とする全日本病院協会がまとめた5月診療分についての会員病院を対象とした経営調査の結果、入院1人1日当たり金額は4.4%増とかなりの伸びを見せ、外来1人1日当たり金額は0.5%減とマイナスになったものの小幅にとどまったことが明らかになりました。
 しかし、従業員1人当たり医業収入は2.2%減となりました。1病院あたり病床数が1.1%減となったこともあって入院患者数と外来患者数が減少したためと見られます。医業収支率は103.7で黒字となったものの、前年度に比べて0.7ポイント悪化しました。

 調査には226病院が回答、1病院あたり病床数は179床で前年調査に比べ1.1%減少し、1病院あたり1日入院患者数も152人で3.8%減少、1病院あたり月間外来患者数も5600人で0.1%減少となりました。入院患者数が減少したため病床利用率も1.7ポイント落ち込んで85.6%となりました。

1人1日当たり金額、入院2万8565円・外来9149円 入院1人1日当たり金額は2万8565円で4.4%の増加となりました。外来1人1日あたり金額は9149円で0.5%減です。一方、従業員1人当たり医業収入は87万6200円で2.2%減となりました。入院1日単価のアップにも係らずトータルで増収とならなかったのは、入院の患者数減少と 病床利用率の落ち込みがあったためと見られます。その背景には在院日数の短縮があると考えられます。外来も1件当たり日数の減少が影響しているとみられます。

200床以上は入院単価6.4%増・外来単価1.4%増 入院1人1日当たり金額は、199床以下が2万7244円で3.6%増、200床以上が2万9824円で6.4%増となり、大規模病院が大幅に伸びました。
 外来1人1日あたり金額は、199床以下が8524円で1.5%減となったのに対し、200床以上は9949円で1.4%増となりました。
 大規模病院は入院、外来とも1日単価アップになっています。

医業収支率は医療保険のみ療養病床のみが114.8と際立つ良さ しかし、医業収支率は、全体の103.7に対し、199床以下は104.7、200床以上は102.5と、199床以下の方が良い結果となっています。また、DPC病院は101.7、非DPC病院は104.5と、非DPC病院の方が良好です。
 さらに、一般病床のみの病院は102.3、療養病床のみの病院は109.9と、療養病床のみの病院の良さが目につきます。療養病床のみでも医療保険のみは114.8、介護保険のみは103.2と、医療保険適用の療養病床の良さが際立っています。
 ただ、全日病では、療養病床については患者分類に基づく新点数が7月からの適用となるため、「7月以降の収入減は必至」と見ています。

赤字病院の拡大に危機感 医業収支は、全体の103.7に対し、東京では98.3と赤字に落ち込みました。赤字病院の割合は、全体では27%で前年の23%よりも4ポイントの増加となりました。しかし、東京では61%となり、前年に比べて14ポイントの大幅な増加を示しました。全日病では民間病院の存続が危ぶまれるとの懸念を示しています。


戸田中央病院グループ 4−8月期3.2%増収、急性期0.9%増・ケアミックス1.5%減・特殊病院46%増(2006.11.13)

急性期は200床以上で大幅減益
 戸田中央医科グループ21病院(産院を除く)の今年度4月から8月までの医業収入は、240億円で前年同期比3.2%増となりました。醍醐象器(だいごしょうき)総局長は日本能率協会総合研究所でのセミナーで、診療報酬の3.16%マイナス改定の中での増収に、療養病棟の打撃は大きかったが急性期は言われたほどではなかったとの見方を示しました。
 病院のタイプ別の医業収入は、急性期13病院が190億円で0.9%増、ケアミックス・療養型・回復期リハの5病院は30億円で1.5%減、特殊疾患の3病院は20億円で45.5%増となっています。

 医業収入の状況は、それぞれのタイプの中でも増収と減収に分かれます。急性期病院では、13病院のうち増収は8病院で、5病院は減収となりました。減収となったのは、収入規模で2番手、4、5、6番手、9番手の位置にあるもので、比較的規模の大きい病院が多くなっています。
 ケアミックス・療養型・回復期リハでは、全体で減収となった中で2病院が増収を記録しました。ともに回復期リハビリのみに転換したためです。特殊疾患病院は大幅な増収ですが、1病院は減収となっています。

 一方、経営方針としての増益という面では、また違った様相となっています。急性期病院では、200床以上のクラスが大幅な減益となりました。それに対し、100床以上200床未満は小幅ながら増益、100床未満は大幅な増益となりました。100床未満の大幅増益はよくわからないと言います。200床以上の大幅減益は「頭が痛い」とし、組織的な問題もありそうと見ています。
 ケアミックス・療養型・回復期リハはわずかながら増益、特殊疾患病院は利益の額は大きいのですが大幅な減益となりました。利益が小さい上に減益が続いている産科病院は移転を計画しています。

 増益を基本としながらも、やはり増収は狙います。地域医療連携による紹介患者の獲得、救急医療の充実、健診事業、専門外来の充実などです。専門外来は医師の専門性を生かすことになるため医師のモチベーションの維持ができ、結果的に患者当たり単価アップにもつながります。患者への接遇の改善にも取り組み、元客室乗務員を採用しました。広報活動にも力を入れています。

厚労省からのおみやげをしっかりと算定 より直接的な増収策としては、医療に対する正当な対価を得るために「医事課の能力を疑う」ことから始めています。加算点数を確実に算定しているか、施設基準に十分に対応しているか、高点数を算定できているか、を確認します。これらは「厚労省からのおみやげ」だと言います。こうした取組みをするためにも、レセプト請求の外部委託はすべきではないとの考えです。受託業者は、そうした意識をもったレセプト作成をすることはないからです。

医師には目標データを示して協力を依頼 さらに、医師へのアプローチもします。医師は基本的に能力が高いため、論理立てた話をすれば理解して対応してくれるということです。そのため、設定された目標利益を達成するために、入院件数で対応するなら1日当たり入院件数アップの目安、あるいは患者単価で対応するなら1日単価アップの目安、さらにはその両面で取り組む場合にはそれぞれの目安、といったデータを提供しています。

医療経営も収益管理の時代に 醍醐氏は、医療経営にも「収益管理の時代」が到来したとしています。戸田中央医科グループでは、材料費(医薬品を含む)+給与費について医業収入の75%以下を「経営の目安」としています。実際には、給与費が50%前後、材料費が20%台前半となっています。
 また、経営目標達成のためには「全職員による情報の共有化」が必要とし、「話す。そして話す。また話す」を基本に取り組んでいます。
 事務局のこうした取組みが可能なのは、理事長の父親が事務長をしていたという経緯から事務局の地位が確立しているという事情もあるとしています。


戸田中央病院グループ 急性期10病院をDPCに、増益重点経営で経費削減に組織的取組み(2006.11.12)

医療材料費今年度2億円削減目標、上期で80%達成
 戸田中央総合病院(埼玉県戸田市)を核とする戸田中央医科グループの醍醐象器(だいごしょうき)総局長は11月10日、(株)日本能率協会総合研究所のセミナーで講演、同グループの経営方針を明らかにしました。増収増患よりも「増益」に重点を置き、そのために急性期病院はDPCへの移行を進め、一方でグループ経営による医薬品の共同購入などグループの強みを最大限に生かした経費削減に取り組んでいます。特に今年度は医療材料費の2億円削減を目標とし、上期が終了した時点ですでにその80%を達成しています。

中央医科グループ76病院1万8000床、民間トップ 戸田中央医科グループは、6つの法人で構成、22病院(4109床)、5老人保健施設(定員680人)があります。
 また、板橋中央医科グループ(30病院、8241床)、上尾中央医科グループ(24病院、5677床)と合わせて、中央医科グループを構成、76病院1万8027床の病院グループ(老人保健施設は36施設、定員5080人)となっています。病床規模では、国内の病院グループとしては国立病院機構、日赤、厚生連、国立大学法人、済生会に次いで6番目、民間病院では徳洲会を上回りトップになるとみています。

 これだけの規模ですが、埼玉、東京、神奈川、千葉、静岡の1都4県にとどまります。「病院は遠方では管理ができない」という考えによっています。

 戸田中央医科グループは、22病院のうち急性期病院が13病院で、戸田中央総合病院が04年7月からDPCに移行、また今年度から91床の田園調布中央病院がDPC準備病院として厚労省へのデータ提供を開始しました。次回改定後にはさらに2病院が準備病院に移行予定で、最終的には100床未満の3病院を除く10病院をDPC病院とする方針です。田園調布以外の100床未満病院では対応に難しさがあると見ています。

DPCデータ活用しEBMに基づく医療の見直しへ DPCの導入は、DPCデータを活用して自院の分析ができ、クリニカルパスの積極的な推進による医療の効率化と医療のオープン化による医療事故防止、そして医療内容の透明化という流れでEBMを踏まえた医療の見直しにつながると考えています。

紹介患者獲得に地域連携室スタッフを3倍増 一方で平均在院日数の短縮が進み、在院患者数の減少、病床稼働率の低下という側面が出てきます。戸田中央総合病院でもそうした現象が起きましたが、DPCへの移行と同時に紹介患者を増やすため地域医療連携室の体制を3人から10人に拡充、紹介率は30%を超えて急性期入院加算を算定できるようになりました。今年の改定で急性期入院加算は廃止されて、その打撃は大きかったのですが、紹介患者数は月に1000人程度に達しています。

平均在院日数短縮に病床コントローラー配置 平均在院日数の短縮は、患者1人1日当たり単価のアップにつながります。そのために進めるのですが、病床稼働率と合わせて管理する病床コントローラーを配置しています。

医薬品は中央医科グループの共同購入でボリュームディスカウント 経費削減では、医薬品の価格交渉が重要となり、医薬品に限っては76病院、1万8000床の中央医科グループ全体で共同購入をしており、現在でも相当な薬価差を確保しています。同種同効品を洗い出しターゲットを絞り込み、グループの選定品に搭載されるか否かの条件を前面に出して、ボリュームディスカウントでの最安値を求めるのです。

マルチスライスCTを6台共同購入 医療材料は戸田中央医科グループとして最近取り組みを始め、今年度2億円削減の目標を設定したものです。それ以前は、グループ内でも購入価格は大きくばらついていました。
 事務用品の共同購入では、今年度4月から8月までで6000万円削減しました。医療機器も共同購入します。CTのマルチスライスCT(高点数)への買い替えは6台のまとめ買いを行いました。
 水道代や電気代については、それぞれの分野に興味を持つスタッフを集めて施設研究会を設置して取り組んでいます。

休日出勤手当や残業代も合理的に削減 人件費の面では、変動型労働時間制を採用、日曜日出勤者は平日に休むなどの方式として休日出勤手当ての減少を図りました。特に、レセプト作成時の100時間から120時間に達する残業は、40時間程度に減らすことができています。


日医標準レセプトソフトORCA、3000施設超える 2011年1万施設も十分可能に(2006.10.24)

オープンソース方式で急速な伸び
 日本医師会が会員向けの公開ソフトとして普及を進めているレセプト電算ソフトのORCAが、10月現在で3330施設に導入され、2011年に1万施設達成という目標は十分に可能な状況となってきました。特に最近数ヵ月の導入の進み方は診療報酬改定直前の2月、3月を上回る状況となっています。日医総研でORCAプロジェクトのマネージャーを務める上野智明氏が10月24日、医療関連サービス振興会のセミナーで明らかにしました。

 ORCAは、日医総研のプロジェクトとして2000年4月にスタートしました。日医が開発したレセプトソフトである「日医標準レセプトソフト」をオープンソース(公開ソフトウェア)として提供する事業を中心としています。
 ソフトは無料ですが、これを導入するためにはコンピューター機器を入れるとともにメンテナンスが必要になるため、プロジェクトでは民間業者を認定事業所として指定、そうした業者の利用を進めています。導入費用としては、レセプトソフトのコストが不要になり、認定業者ではORCAを使用することにより10年で420万円の差が出るとしているところもあります。

 大手コンピュータメーカーを中心としたレセコンは、ソフトの更新が有料で、機器も5年余りで更新する必要がありますが、ORCAは日医総研が更新したソフトを無料で提供するため、医療機関側は機器の更新だけですむという仕組みです。

想定マーケットは2万7000施設 レセプト処理のためのコンピュータとしてのレセコンはすでに導入が進んでいて、診療所でも8万7300施設のうち導入されていないのが1万9600施設に過ぎず、その中でもレセコン導入の対象となるのは月間レセプトが200枚以上の7260施設ですが、導入済みの施設の買い替えを1万3500施設見込み、新規開設も4500施設を見込んで、合計2万5300施設が対象になると想定しています。
 また、病院でもレセコン未導入で月間レセプト200枚以上の200施設、導入済み施設の買い替え需要が1250施設、新規開設170施設の合計1620施設が対象になるとしています。  診療所と病院の合計は2万7000施設となります。 6ヵ月前倒しで達成した3000施設 当初は導入の進み方が遅かったのですが、04年以降は急速な伸びを示しています。毎年25%増で2011年には1万施設を達成できるという予想ですが、その中で07年4月の予想としている3038施設を6ヵ月前倒しでクリアしている状況となっています。
 10月から内容のわかる領収証の発行が義務付けられるための需要もあったとみていますが、10月以降も動きは続いているとしています。

電子カルテ導入にもメリット 電子カルテの導入はこれからで、メーカー間のデータの互換性への対応などが進められていますが、特定メーカーのレセコンを導入した場合、電子カルテを導入する場合もそのメーカーのものに限定されることになります。しかし、レセプトソフトにORCAを使用しておけば、電子カルテは開発が十分に進んだ段階で適切なメーカーのものを選ぶことができ、それがORCAのメリットだとしています。ORCAとして電子カルテを手がける予定はないとしています。

医療費動向・受療動向のデータ解析も 日医総研では、ORCAの普及に伴い、レセプトデータを月次でしかも定点で収集して、医療費動向や受療動向を解析する手法を確立する計画で、この10月からパイロットスタディを開始しました。データ収集は参加希望医療機関が対象です。厚生労働省の社会医療診療行為別調査と同等以上のものを目指しています。
ORCAプロジェクトのホームページ(日医総研)


医療機関は医薬品を共同購入またはメーカー直接交渉すべき、公取委が提言(2006.10.1)

資料1:医療用医薬品の流通実態に関する調査報告書
資料2:医療用医薬品の流通実態に関する調査報告書(概要)

後発医薬品の使用促進、先発品メーカーは妨害情報を出してはならない
 医療機関は医薬品をできるだけ安く購入するために共同購入を促進すべきであり、卸を通じた共同購入で安くすることが期待できなければ、メーカーと直接交渉を行うことも検討すべきである。
 消費者が望んでいる後発医薬品の使用については、医療機関には安全性、安定供給、情報量などの不安があるが厚生労働省の取組みの促進と共に後発医薬品メーカーがそうした懸念の払拭と理解の促進に努めるべきであり、先発品メーカーは後発品の販売妨害となる情報提供活動を行ってはならない。
 公正取引委員会が医療用医薬品の取引について、こうした提言を盛り込んだ調査報告書をまとめました。

 公正取引委員会は、後発医薬品の使用や医療機関による医薬品の共同購入が進んでいないのは、「医療用医薬品の流通に非競争的な取引形態や取引慣行が存在するのではないか」との懸念があるとして、取引の実態を調査し、競争政策上の観点から改善すべき点を提言するために調査を行ったとしています。

 共同購入については、医療機関に対するアンケート調査の結果、実施しているのは18%に過ぎず、実施していない医療機関の理由は「仕切価格制度により卸の利幅は極めて薄いとされ、大幅に安く調達できる見込みがない」、一方、卸に対するアンケート調査では「共同購入により発注数量が多くなってもメーカーからのリベートはそれほど増えないため販売価格を安くすることはできない」との結果であったこと、また、医療機関へのヒアリングでは医師が大学医局から派遣されているために品目の絞込みができないことが共同購入が進まない理由とされたことをあげました。

 これに対し報告書は、医療機関は品目の絞込みによる購入量の増大で共同購入に取り組むよう促すとともに、それでも値引きが期待できなければ、メーカーからの直接購入も検討すべきと提言しました。
 この場合、医療機関とメーカーが直接価格交渉をして製品の取次ぎは卸が行ったとしても、卸が単なる取次ぎとしての機能である場合は独禁法違反にはならないとの解釈も示しています。
 一方、卸業者に対しては、共同購入などでは取扱い数量によるリベートの拡大をメーカーに交渉するなどの営業努力を求めました。

JD-NET情報、廉価販売の卸に不利な対応すれば独禁法違反 さらに、JD-NETなどによりメーカーが卸から販売価格などの情報を入手し、それに基づいて仕切価格やリベート、アローアンスを決定しているとの実態も把握、一定の価格を下回って販売した卸に不利な取り扱いをした場合は独禁法違反になるとして、公取委として注視していく姿勢を明らかにしました。

後発医薬品、先発品メーカーの問題事例を列挙 後発医薬品については、医療機関へのアンケート調査の中で、不適切な比較方法や誤った試験結果によって後発医薬品の品質が自社先発医薬品よりも劣るとする情報を医療機関に流布して、後発医薬品メーカーの販売活動を妨害する行為が指摘されたことをあげ、独禁法上問題になるケースとして「特定後発品の欠陥情報を後発医薬品一般の情報であるかのように説明する」「同じ被験者で比較すべき先発品と後発品との品質検査データについて、異なる被験者で比較したものを説明する」などを例示、先発品メーカーに対してこうした情報提供を行ってはならないと指摘しました。


自治体病院05年度決算 赤字拡大し1475億円、医業収入は0.4%増(2006.9.29)

資料1:地方公営企業の平成17年度決算概況(詳細)
資料2:地方公営企業の平成17年度決算概況

市町村合併で事業数・職員数が大幅減
 全国の地方公共団体が運営している病院674事業の05年度決算は、1475億円の赤字となり、赤字額は前年度に比べて214億円拡大しました。しかし、医業収入は130億円(0.4%)の増収となっています。総務省が9月29日にまとめた地方公営企業の決算概況で明らかにしました。

 05年度の病院事業の決算規模は4兆7577億円で、前年度に比べ0.5%増となりました。それ以前は減少傾向にありましたが、わずかながら増加に転じました。
 医業収入は3兆4276億円で総収益の82.5%を占め、前年度に比べて0.4%の増収です。他会計からの繰入金は7014億円で、前年度より45億円減少しました。
   累積欠損金は1兆7820億円で、前年度に比べて994億円の増加となりました。また、不良債務が834億円となり、前年度より73億円、14.1%増加しました。

 病院事業数の674は前年度に比べて52減となりました。減少傾向が続いていましたが05年度は市町村合併もあり、大幅な減少となったものです。職員数も1805人と大幅な減少で、23万4091人となりました。


院外処方に多剤投薬傾向、社会医療診療行為別調査で判明(2006.9.25)

資料:平成17年社会医療診療行為別調査(ここをクリック)
 医薬分業が進めば、不必要な投薬が減るなど医薬品使用の適正化が図られ、医療費の抑制効果があるとされてきましたが、05年社会医療診療行為別調査に現れた結果は、必ずしもそうではないことを示しています。
 また、後発医薬品の使用は、院外処方よりも院内処方の方が進んでいることが明らかになりました。

薬剤種類数は院外処方の方が多い
 05年調査の結果、使用された薬剤の種類数は、院内処方の3.48に対し院外処方は3.84で院外処方の方が多くなっています。一般、老人とも院外処方の方が種類数は多く、7種類以上の多剤投薬の割合も、院外処方の方が高くなっています。
 また、02年調査と比べると、院内処方では減少しているのに対し、院外処方はわずかながら増加しました。
 いずれも、医薬分業による効果として見込まれたのとは、逆の結果になっています。

レセプト1件当たり薬剤種類数(カッコ内は後発医薬品)
           院外      院内
平均(05年)   3.84(0.57)  3.48(0.76)
   (02年)   3.82(0.52)  3.57(0.71)
一般        3.54(0.51)  3.20(0.68)
老人        4.63(0.75)  4.25(0.97)

7種類以上の多剤投薬の割合
           院外     院内
平均        15.1%    11.9%
一般        11.6%    8.7%
老人        24.3%    20.4%

後発医薬品の使用は院外処方で少ない
 後発品の使用状況は、総レセプト件数に占める後発医薬品使用レセプトの割合で見ると、院内処方が46.0%と半数近くに上るのに対し、院外処方では38.9%とまだ4割を切っています。
 薬剤点数に占める後発医薬品の割合も、院内処方の8.0%に対し、院外処方は4.7%と低くなっています。

 医薬分業では、処方内容が患者に公開されるため医師はブランド品使用傾向が強くなると言われましたが、ここではそうした形になっています。また、02年調査に比べると、院内処方、院外処方ともに、使用頻度も点数割合もわずかな増加にとどまっています。
 ただ、06年診療報酬改定で後発医薬品の使用促進点数がつけられたため、06年調査では相当に進展しているものと見込まれます。

総レセプト件数に占める後発医薬品使用レセプト
         院内   院外
平均(05年) 46.0%  38.9%
    (02年) 43.6%  36.7%
一般      43.1%  35.5%
老人      53.6%  47.9%

薬剤点数に占める後発医薬品の割合
         院内   院外
平均(05年) 8.0%   4.7%
   (02年) 6.8%   4.5%
一般      7.7%   4.6%
老人      8.5%   4.9%


医科の院外処方率05年52.8%、診療所も49.5%に拡大(2006.9.21)

資料1:院外処方率(ここをクリック)
資料2:平成17年社会医療診療行為別調査(ここをクリック)
 厚生労働省が9月21日にまとめた05年社会医療診療行為別調査によると、医科の院外処方率は52.8%となり、前年に比べて1.1ポイント上昇しました。
 診療所が2.1ポイント上昇して49.5%となったためです。病院は61.1%で1.5ポイント減少しました。社会医療診療行為別調査は6月審査分を対象としています。診療所の院外処方率は、06年には50%を超えているものとみられます。


国立病院機構146病院 05年度純利益が3億27百万円、経常利益は35億64百万円(2006.9.5)

資料:国立病院機構の平成17年度の業務実績の評価結果(ここをクリック)
 国立病院機構146病院の05年度の経営状況は、純利益3億27百万円となり、総収支で前年度の15億61百万円の赤字から黒字に転じました。経常利益は35億64百万円で、経常収支は2年連続の黒字を記録するとともに、その額は前年度の1億96百万円から大幅な増加となりました。
 厚生労働省の独立行政法人評価委員会が行った05年度業績評価の結果、明らかになりました。この結果について、同委員会は、S、A、B、C、Dの5段階評価のSとしました。

医薬品は本部で一括入札 04年度から実施した医薬品の共同入札は、05年度に新たに東北と九州(沖縄を除く)でブロック単位の共同入札を行い、これにより北海道、東北、関東信越、東海北陸、近畿、中国四国、九州、沖縄と全国8ブロックでの共同入札となりました。
 今年度には、さらにスケールメリットを活かすために入札エリアの拡大を図るとともに、価格交渉の効率化による医薬品費の抑制を図るために全国の入札業務を本部で実施しています。

 また、EBM推進の一環として、医薬品使用の標準化をはかるための検討会を設置。全国146病院で使用している医薬品1万数品目に対し、医薬用ガスなどをのぞいた薬価収載品目1万401品目について検討して、その72.9%となる7582品目を掲載品目とする標準的医薬品一覧を作成、06年度の医薬品の共同購入に活用しています。

治験受託費44億円 一方、治験への取組みを強化し、治験実施症例数は前年度比17.2%増の4173件となり、受託研究費は、22.7%増の44億200万円となりました。

紹介率42.7%、逆紹介率33.2% 地域医療連携への取組みも進め、各病院平均の紹介率は42.7%で2年前に比べて5.9ポイント増、逆紹介率は33.2%で、2年前に比べて8.8ポイント増となりました。
 地域医療支援病院は05年度中に新たに3病院(仙台医療センター、浜田医療センター、鹿児島医療センター)が指定を受け、合計9病院となっています。


病院を選んだ理由、外来はかかりつけ医だから・入院は医者の紹介  厚労省05年調査(2006.8.31)

資料:平成17年受療行動調査の概況(ここをクリック)

インフォームドコンセント進むも治療方針は医師が決定
 病院の患者がその病院を選んだ理由の第1は、外来患者では「かかりつけ医だから」(40.9%)、入院患者では「医師に紹介されたから」(39.7%)で、病院の外来患者の4割はかかりつけ医として通院していることが明らかになりました。
 厚生労働省が全国の病院の患者を対象に05年10月中旬に行った受療行動調査の結果です。

 外来で病院を「かかりつけ医」としている患者の割合は、病院の種類別に見ると、特定機能病院(23.2%)や大病院(療養病床のない一般病院で500床以上)(31.0%)では比較的少なく、中病院(同100−499床)(37.5%)と小病院(同100床未満)(45.2%)では高めになり、療養病床のある病院(52.5%)で最も高くなります。
 特定機能病院をかかりつけ医としている患者は2割強ですが、この特定機能病院を含めて病院全体として適切と言えるかは疑問のあるところです。

 ただ、特定機能病院を選んだ理由で最も多いのは「医者に紹介されたから」の50.0%、大病院で最も多いのは「専門性が高い」の38.1%となり、病院の機能による選択が行われている傾向も見られます。

 入院では、特定機能病院、大病院、中病院、小病院、療養病床のある病院のすべてで、「医者に紹介されたから」の割合が外来よりも大幅に高くなっています。

 外来でその病院を選んだ理由の第2は全体では「交通の便がよいから」で33.1%ですが、特定機能病院(19.1%)と大病院(25.6%)は低めです。

 インフォームドコンセントに関しては、病気や症状についての説明は外来で85%、入院では92%の患者が「あった」とし、理解の程度も良好です。
 しかし、治療方針の決定者では、外来が「担当の医師」37%、「患者本人」35%、入院では「担当の医師」45%、「患者本人」23%となり、担当の医師の決定が中心になっています。特定機能病院、大病院ほど担当の医師の決定の割合が高くなります。


医療法人の付帯業務に「認定こども園」追加(2006.8.30)

資料:医療法人の付帯業務の見直しに関する意見の募集(厚生労働省)(ここをクリック)
 医療法人が行うことのできる付帯業務に「認定こども園」が加えられることになります。導入に向けて厚生労働省が現在パブリック・コメントを募集しています。

 小学校就学前の子供の教育や保育に対する需要が多様なものとなっていることから、子育て支援の総合的な提供を推進することとして、今年6月に「就学前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」が成立、「認定こども園」が創設され、10月から実施されます。

 これに対応して厚生労働省は、医療法人制度の付帯業務として「認定こども園」を加える方針です。パブリック・コメントを参考として制度の見直しを進めることとしています。パブリック・コメントの応募締切りは9月27日です。


患者からの未収金、1病院当たり716万円 保険者に請求へ(2006.8.27)

厚労省は「政治的解決が必要」
 患者から回収できていない一部負担金が04年度の1年間で1病院当たり716万円に達していることがわかり、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神病院協会で構成する四病院団体協議会は、健保法と国保法の規定を根拠に保険者にその支払いを求める行動に出る必要があるとし、保険者がそれに応じない場合は集団訴訟など法的対応も検討する姿勢を示した報告書をまとめました。

 四病協はその報告会として8月25日に都内でフォーラムを開催、保険者に支払いを求めるための書式も提示しました。
 健保法と国保法は、「善良な管理者と同一の注意をもってその支払を受けることに努めたにもかかわらず、被保険者が一部負担金を支払わないときは、保険者は保険医療機関の請求に基づき、これを処分することができる」としています。さらに、昭和34年の旧厚生省保険局長通知では、医療機関は一部負担金の支払義務が発生した費から2ヵ月以内に請求すること、「再診時に請求しない」ことは「善良な管理者と同一の注意義務をつくしたとは認められない」など、処分の具体的な対応を示しています。

 しかし、フォーラムに参加した厚生労働省の唐澤・国民健康保険課長は個人的見解としながら、「政治的な解決」が必要との考えを示しました。医療機関には医療法による応召義務があり診療を求める患者を拒むことができず、一方、国民健康保険も国民皆保険制度のなかで保険者である市町村は被保険者を選ぶことができないという関係があることをその理由としました。また、解決のための財源は税金か保険料かしかないとしました。

 一方、唐澤課長は、厚生労働省として、高額療養費制度を改め、来年度から高額療養費分について窓口負担を不要とする方式とする方針であることを示しました。70歳以上の高齢者にはすでに実施されていますが、70歳未満にも適用するものです。「未収金ができるだけ発生しない工夫を重ねていく」ということです。すでに、厚生労働大臣が国会でそうした考えを示しています。

 1病院当たり未集金の額は、公的病院が最も多く1917万円に達しましたが、個人病院も718万円あります。医療法人病院は比較的少なく375万円でした。全国の3271病院がアンケートに回答しました。


医療法人の駆け込み申請あるか、改正医療法で持分否認へ(2006.8.7)

資料:医療法人制度改革について(日本医師会)(ここをクリック)

日本医師会が比較情報を提供
 先の国会で成立した改正医療法で医療法人制度の改正が行われ、法人の解散時に出資割合に応じて残余財産の分配ができる「持分のある社団医療法人」は、来年4月以降は認められなくなります。ただし、既存の「持分のある社団医療法人」は経過措置として「当分の間」存続できることとされました。
 このため、来年3月末までの「持分のある社団医療法人」の駆け込み申請の動きがでることが予想されます。日本医師会は、この改正医療法を踏まえて、個人経営から医療法人化する場合のメリット・デメリットを慎重に検討するよう促しています。

 医療法人制度は「非営利」の原則で制定されていますが、これまで認められてきた法人の解散時に出資割合に応じて残余財産の分配ができる「持分のある社団医療法人」に対しては、株式会社などの営利法人と変わらないとの批判があり、また規制改革民間開放推進会議は病院経営への株式会社の参入を進める論拠としていました。

 これに対し厚生労働省は、医業経営の非営利性等に関する検討会を設置し、医療法人の非営利性の徹底を図ることで株式会社の参入を否定する報告書の提出を受け、それを医療法改正に盛り込みました。
改正医療法が施行される来年4月以降に新設される医療法人は従来の特別医療法人から公共性をより強くした「社会医療法人」、または「持分のない医療法人」のみとなります。

 しかし、現在ある医療法人4万1720のうち98%が「持分のある社団医療法人」となっており、05年度中に新設された医療法人1690のうち1657が「持分のある社団医療法人」でした。
また、新設医療法人のうち1545は1人医師医療法人、つまり診療所です。病院の医療法人化は進んでおり、個人病院として残っているのは760(04年10月)に過ぎません。

 医療法人化する場合、ほとんどが「持分のある社団医療法人」を望んでいるのが現状です。そのため、医療法人化を目指す個人診療所および個人病院では来年3月までの申請を進める駆け込み申請の動きが出てくるものと予想されます。
 日本医師会では、現状での個人経営と医療法人化した場合との詳細な比較を行った資料をホームページで公開しています。


医科の院外処方率51.7%、分業が当たり前の時代に(2006.7.2)

内科診療所も40%を越える
 病院と一般診療所の院外処方率は、04年に全体で51.7%となって初めて50%を超え、また、病院が初めて60%を越える62.5%、診療所では内科が初めて40%を超える41.6%となったことが明らかになりました。厚生労働省が毎年6月審査分を対象に行っている社会医療診療行為別調査の結果です。日本の医療も医薬分業が当たり前の時代に入りました。

 院外処方率は、「処方料」と「処方せん料」の合計算定回数に対する「処方せん料」の算定回数の割合で、まさに分業率と言えるものです。
 病院は前年の57.0%から一挙に5.5ポイントの増加となりました。一般病院が57.5%から62.6%、療養病床を有する病院が58.4%から65.0%とともに大きな増加で60%を超えたためです。
 特的機能病院は先行しており、65.4%から68.3%へと進みました。

 診療所は、45.4%から47.4%と増加は2.0ポイントにとどまり、病院に比べてゆるやかな進み具合となっています。しかし、05年には50%に達している可能性があります。  診療科別では、医療機関数・患者数とも最大の内科が39.3%から2.3ポイント増加して41.6%となりました。数年後には50%に達するものとみられます。
 最も進んでいるのは耳鼻咽喉科で前年の63.1%が68.7%になりました。