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後期高齢者医療の診療報酬
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後期高齢者医療のあり方に関する特別部会・委員名簿
後期高齢者医療のあり方に関する特別部会の設置


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新たな高齢者医療制度、被用者保険と国保に分散 国保内で都道府県運営継続 中間とりまとめ(2010.7.26,8:15)資料


後期高齢者終末期相談支援料を凍結、舛添厚労相が中医協に諮問・即日答申(2008.6.26,0:45)資料


後期高齢者医療の診療報酬見直し問題、与党の検討待って厚労相が対応 中医協(2008.6.4,22:30)

後期高齢者診療料・終末期相談支援料、中医協総会で各委員が批判に反論(2008.5.22,3:00)資料

外来主治医制の後期高齢者診療料 届出は8876件、内科主体診療所の24% 厚労省(2008.5.16,1:50)


長寿医療制度 厚労省が泥縄で矢継ぎ早の対応、後期高齢者診療料でなく出来高算定も可能(2008.4.10,2:20)資料


後期高齢者への投薬 医師に大きな抑制の網、重複チェックを二重三重に(2008.2.12,23:50)資料


後期高齢者の主治医は「高齢者担当医(仮称)」、患者1人に1医療機関(2008.1.23,0:40)資料


後期高齢者で診療所の外来管理加算を10点引き下げ、厚労省が新提案 もつれる中医協議論(2008.1.21,1:00)資料


後期高齢者医療 在宅療養支援診療所とその連携体制の評価を充実、高齢者住宅への往診料は引き下げ(2007.10.29,2:10)

後期高齢者医療 入院も主治医との関係で評価、外来診療情報と薬歴を確認 厚労省方針(2007.10.15,1:30)

主治医は1人に限定 後期高齢者医療で厚労省が見解、中医協・診療報酬小委(2007.10.12,14:30)


後期高齢者医療の診療報酬体系 骨子をまとめる、主治医は患者の選択で決定(2007.10.5,1:00)

主治医、 役割としての3項目の実行と記録で評価か(2007.10.5,1:00)



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後期高齢者医療の診療報酬は別建てにしない、登録制は考えていない 厚労省(2007.9.21,0:50)
資料1:後期高齢者の診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)(厚労省)
資料2:後期高齢者の診療報酬体系に関する検討状況について(厚労省)
資料3:医療保険部会配布全資料(厚労省)
社保審医療保険部会、総合的に診る取組で日医が積極対応を表明
 厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会(部会長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)は9月20日、後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)について議論、質疑の中で厚労省の原医療課長は、別建ての診療報酬体系を作るのではなく、一部に後期高齢者のみに適用する点数が出てくる形になるとの考えを明らかにしました。
 また、外来医療で位置づけた「主治医」について登録人頭払いへの懸念が示されたことに対して、「登録は今考えていない」と明言しました。

 議論は「主治医」の部分に多くの関心が向けられました。「総合的に診る医師が主治医に表現が変わったが、主治医の役割が漠然としている」(全国知事会、神田愛知県知事)、「患者が選んだ医師をそのまま主治医というのか、ある病気で診療した医師が主治医だと言えばそうなるのか。誰がどうやるのかがわからない」(国保中央会、多田理事長)、「これまでは総合的に診る医師がキーワードで重要であったが、そこを変えたのがわからない。総合的に診る医師を出すべき」(健保連、対馬専務理事)、「患者にとって主治医は1人だがそれを診療報酬でできるのか。何人もの医師にかかると何人も主治医になるのでは機能しない」(岩本・東大大学院経済学研究科教授)など、支払側を中心に「総合的に診る医師」からの変更への疑問が投げかけられました。ただ、「主治医の役割として示されている3項目は基本的にはいいが、専門家としての制度化が必要」(連合、小島氏)との意見もありました。

 厚労省保険局の原医療課長は、「総合的に診る医師」から変更したことについて、標榜科名に関する検討会で議論されている「総合診療科」と直接リンクしないため「主治医」としたと説明。また、かかりつけ医の議論もあるとしました。
 具体的には、総合診療科は耳鼻科などを含めて総合的に診療するものとしているのに対し、後期高齢者医療では「高齢者を人として全体的に診ること」と考えているとしました。
 主治医の役割としては、たたき台に示した(1)患者の病歴、受診歴や服薬状況、他の医療機関の受診状況等を一元的に把握、(2)基本的な日常生活の能力や認知機能、意欲等について総合的な評価を行い、結果を療養や生活指導で活用、(3)専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関に紹介し治療内容を共有、の3点をあげ、「こうした仕事をする人に点数を付け評価する」としました。

 一方、日医常任理事の鈴木氏は、「総合的に診る取組」やそうした医師の育成について「日本医師会こそがやらなければならない。現在、取組にかかっている。一生懸命対応したい」と応じました。
 日医は、先にまとめた「医療のグランドデザイン2007」で、厚労省の「総合医」構想、なかでも厚労省が認定することに強く反発、一方で患者が選ぶ「かかりつけの医師」という考え方を提案、その役割としては「総合的に診る医師」の内容をほぼ取り入れたものとなっています。
 厚労省の「主治医」への変更は、そうした事情も踏まえたものと見られます。


後期高齢者医療の診療報酬体系 日医が外来は出来高に方針転換、日本経団連は厚労省方針支持 社保審医療部会(2007.9.15,1:40)
資料1:後期高齢者の診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)(特別部会資料)(厚労省)
資料2:「高齢者にふさわしい診療報酬体系のあり方について」提言(健保連)
主治医構想に日医は「かかりつけの医師」の機能評価を主張
 後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)を議論した9月14日の厚労省・社会保障審議会医療部会(部会長:鴨下重彦・国立国際医療センター名誉総長)で、日医、健保連、日本経団連など関係団体がそれぞれの考え方を資料で提出しました。

 日本医師会は、支払方式について3月の同部会に提出した資料では外来にもあり得るとしていた包括払いを入院の慢性期のみに限定することとしました。それも選択制です。また、厚労省の「総合科医」を前提にした「主治医」構想に対しては、「医療のグランドデザイン2007各論」で示した「かかりつけの医師」による機能を評価すべきとしました。  療養病床については現状維持を求めています。

 日本経団連は、(1)包括払い方式を基本とした体系の構築、(2)「主治医」昨日の明確化、(3)在宅医療推進のための子メディカルの役割強化と適正な評価、(4)介護保険との連携強化と療養病床再編の推進、など厚労省の方針を支持する内容となっています。
 健保連は、先にまとめた提言を提出しました。

 このあと、社会保障審議会医療保険部会での議論を経て、同審議会特別部会で骨子をまとめ、骨子を基にした具体的な点数設定の議論を中医協にゆだねることになります。


健保連・高齢者医療 「総合診療医」は中長期的に実現へ、機能の個別評価と外来慢性疾患包括制で着手(2007.9.10,0:30)
資料:「高齢者にふさわしい診療報酬体系のあり方について」提言(健保連)
健保組合は患者負担軽減や保健事業委託で総合診療医支援
 健保連が高齢者医療の診療報酬体系についての具体的な提言をまとめました。「総合診療医」による一元的な生活指導と診療、そして大規模病院の受診は「総合診療医」を通じることを基本とする制度を中長期の検討課題とし、その実現に向けた取組を段階的に進めるべきとしています。ただ、「総合診療医」制は、患者のフリーアクセスを阻害する登録制は取らず、総合診療医の受診を経ない大病院受診に対して保険外併用療養費制度を活用して「患者負担に傾斜をつける」方法を提案しました。

 総合診療医の機能については、(1)他の医療機関との協力による夜間対応、(2)家族を含めた長期継続した医療提供、(3)全人的・診療科目横断的な医療提供、(4)他の医療機関等への紹介や調整、などをあげています。
 来年度の改定では、「総合診療医」としての位置づけではなく、これらの機能を個別に評価することを求めました。

 一方、慢性疾患を中心に複数の疾患を抱える高齢者については、「特定の医師・医療機関が中心となって生活指導や検査、処置、投薬等を一元的に行う」ことが課題とし、「慢性疾患を対象とした一定範囲の診療行為を包括した新たな点数の創設」を求めました。
 ただ、かつて同様の考え方で実施したものの廃止に至った「老人慢性疾患外来総合診療料(外総診)」で問題となった「算定可能な医療機関の範囲、施設ごとの選択制、点数設定のあり方」などを踏まえた対応が必要としています。

 次の段階として、総合診療医の機能として個別に評価した機能の届出状況、また標榜科や専門医制度の整備状況を踏まえて、「総合診療医」を「地域医療の要」として「総合的・包括的に評価」することが考えられるとしました。「総合診療医」の位置づけは次々回以降の改定で対応する考えです。

 さらに、中長期的に検討すべき事項として、「患者が総合診療医を進んで受診するようなインセンティブ」、具体的には「総合診療医の受診を経ない患者が大病院を受診する場合には、保険外併用療養費を活用して患者負担に傾斜をつける」方式の導入を提案しました。
 また、健保組合は、「総合診療医」の普及・定着のため、患者負担の軽減、健診保健指導など保健事業の委託を進める方針を示しています。

 入院医療では、「一般病床にも医療の必要性の低い患者が長期入院している」とし、療養病棟入院基本料で導入された患者分類に基づく包括評価を、一般病床にも拡大すべきだとしました。同時に、一般病床のあり方についても検討すべきとし、合わせて、アップコーディングや粗診粗療を防ぎ医療の質を確保するために「医療の質を評価する指標(QI:クウォリティ・インディケーター)」の早期導入を求めています。

 また、高齢者では慢性疾患を複数抱える場合が多く医療費に占める薬剤費の割合が高いとして、薬剤給付の適正化が重要な課題としました。調剤薬局の機能として、薬剤の重複チェック、一元的な服薬の履歴管理と指導、患者への情報提供を明確に位置付けるべきとし、「お薬手帳」の活用も求めています。
 後発医薬品の使用促進策としては、処方せん様式を変更して「後発品」の使用を原則にすべきとし、調剤薬局と保険薬剤師の療養担当規則には「後発品を調剤する努力規定」を盛り込むべきとしました。


後期高齢者医療の診療報酬体系 主治医は主として診療所、介護認定との関連で設定(2007.9.5,1:40)

病院を除外するかは今後の議論、厚労省
 後期高齢者医療の診療報酬体系の中で外来医療と在宅医療に位置づけられようとしている「主治医」について、厚生労働省は9月4日の社会保障審議会・後期高齢者医療のあり方に関する特別部会(部会長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)で、介護保険で介護状態の認定時に「主治医の意見書」を必要としていることとの関連で考えていることを明らかにしました。
 主治医は「患者に選んでもらう」ものであり、「主として診療所」と考えていることも示しましたが、病院を除外するかどうかは今後の議論だとしました。

 この日の特別部会に厚労省が示した「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)」で、外来医療のあり方としての「後期高齢者を総合的に診る取組の推進」に位置づけられた「主治医の役割」で、がん患者の在宅医療に取り組んでいる川越氏が厚労省の考え方を質したのに、保険局の原医療課長が答えたものです。

 原課長は、「複数の病気を持つ高齢者がそれぞれの診療科の医療機関で治療を受けるのはいいが、その中で全体として診てくれる医師を主治医と言っている」とし、主治医の役割が「総合的に診る」ことだとしました。「生活状況も含めて、年に何回かの検査をしてしっかりと把握してもらう」こともあげました。定期検査などについての具体例は前回に資料で提出したものです。

 川越氏は、地域や生活に密着した医師であることを考えると「診療所がいい」としました。
 一方、内科医として在宅医療に取り組んでいる野中氏は、「患者がどう選ぶか」ということが大事だとし、病院を除外することには懸念を示しました。

 この日のたたき台では、「主治医の役割」として、(1)「患者の病歴、受診歴や服薬状況、他の医療機関の受診状況を一元的に把握する」(2)「基本的な日常生活の能力や認知機能、意欲等について総合的な評価を行い、結果を療養や生活指導に活用する」(3)「専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関に紹介し、治療内容を共有する」の3点をあげ、その診療報酬上の評価のあり方を検討すべきとしています。

後期高齢者医療、診療報酬で評価すべき内容を厚労省が提示 社保審・特別部会(2007.9.5,1:40)

医療保険部会・医療部会を経て「骨子」策定、中医協へ
 厚生労働省は9月4日、社会保障審議会・後期高齢者医療のあり方に関する特別部会(部会長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)に、後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)として、診療報酬で評価すべき内容を示しほぼ了承されました。
 厚労省は今後、同審議会の医療保険部会と医療部会で意見を聞き、それらを踏まえて特別部会で骨子としてまとめ、中医協に具体的な点数設定の議論を求めます。

 たたき台は、外来医療については(1)後期高齢者を総合的に診る取組の推進、(2)薬歴管理、(3)関係者、患者・家族との情報共有と連携、を柱としました。  「総合的に診る取組」では、「主治医の役割」として、「患者の病歴、受診歴や服薬状況、他の医療機関の受診状況を一元的に把握する」「基本的な日常生活の能力や認知機能、意欲等について総合的な評価を行い、結果を療養や生活指導に活用する」「専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関に紹介し、治療内容を共有する」の3点をあげ、その診療報酬上の氷菓のあり方を検討すべきとしています。

 薬歴管理は、薬の相互作用や重複投薬を防ぐため「医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師)や患者自身が、服用している医薬品の情報を確認できるような方策を進める」ことの評価。
 情報共有と連携は、「受診歴、病歴、投薬歴などの情報や総合的な評価の結果について、医療従事者間の情報の共有を進める。介護・福祉サービスとの連携を進めるため主治医等とケアマネジャーを中心として相互の情報共有を進める。医療や介護・福祉サービスについて、患者や加速の選択等に資するために患者や家族に対する情報共有を進める」ことについて、「カンファレンスの実施等」も含めて評価すべきとしています。  カンファレンスは関係者が一堂に会すること、またそれ以外でも評価する方針です。

 入院医療では、(1)退院後の生活を見越した計画的な入院医療、(2)入院中の評価とその結果の共有、(3)隊員前後の支援、を評価すべき項目としています。  在宅医療は、(1)情報共有と連携、(2)病院等による後方支援、(3)在宅歯科診療、(4)在宅療養における服薬支援、(5)訪問看護、(6)居住系施設等における医療、をあげました。
 終末期医療は、「本人から書面等で示された終末期に希望する診療内容等」について、医療関係者等で共有し、終末期の病状や緊急時の対応についてあらかじめ家族等に情報提供等を行うことを評価する考えです。在宅患者の看取りに関する訪問看護、疼痛緩和ケアの評価もあげました。


後期高齢者医療の診療報酬体系 骨格が固まる、総合的に診る医師、在宅主治医など(2007.8.1,0:50)
参考資料:後期高齢者の外来医療について(7.6特別部会資料)(厚労省)
入院では評価とマネジメント、同一薬局による使用医薬品の管理も
 後期高齢者医療の診療報酬体系の骨格がほぼ固まりました。外来は「総合的に診る医師」「医療機関の機能特性に応じた地域の医療連携」、入院は「治療後の生活を見越した高齢者の評価とマネジメント」、在宅では「在宅主治医」「地域の医療連携」「介護保険との一体的なサービス」、をそれぞれ位置づけるものです。
 厚生労働省が7月30日の社会保障審議会・後期高齢者医療のあり方に関する特別部会(部会長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)に示した「これまでの特別部会の議論等(未定稿)」では、厚労省が示した総合的に診る医師や在宅主治医など各項目についての特別部会の議論は、それぞれの内容を肉付けする形でのまとめとなりました。

 外来医療の「総合的に診る」は、「年2回程度の定期的な検査と年1回程度の総合的な評価を行い、その結果を療養と生活指導に活用する」とされています。
 外来患者の薬歴管理は、薬局が発行する「お薬手帳」を活用して服用している医薬品の情報を一元管理し、それを医師、歯科医師、薬剤師、看護師がそれぞれ確認できるようにします。また、患者自身も服用している薬について把握できるようにします。

 入院医療の「治療後の生活を見越した高齢者の評価とマネジメント」については、「退院後にどのような生活を送るか」を念頭に置き、「その生活を実現するための総合的な治療計画を立てていく取組」とし、合わせて看護や介護サービスとの連携体制を考えることが重要としています。

 在宅医療では、「在宅主治医」の表現はないものの「中心となって医療関係者の連携を調整する役割を担う医師が置かれる仕組み」として具体的に位置づけ、これを実現するためには「後期高齢者を総合的に診る医師が必要」と、「総合的に診る医師」を改めて記載しています。
 また、「重複投薬・相互作用の発生防止を目的とした同一の薬局による使用医薬品の管理」「全身状態の維持にも必要な継続的な口腔管理」も位置付けています。


「総合的に診る」は年2回の定期検査と年1回の総合評価で、後期高齢者の外来医療(2007.7.6,22:35)

投薬の受療歴確認は「お薬手帳」活用、服薬カレンダーと一包化推進も
 厚生労働省は7月6日の社会保障審議会・後期高齢者医療のあり方に関する特別部会(部会長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)に、外来医療の論点として、「総合的に診ること」については「年2回程度の定期的な検査と年1回程度の総合的な評価を行い、その結果を療養と生活指導に活用する」考えを示しました。
 また、重複投薬を防止するための医薬品の情報の一元管理として、薬局が発行している「お薬手帳」を活用、その内容を医師、歯科医師、薬剤師、看護師がそれぞれ確認できるようにすることとしました。

 「総合的に診る」の年2回の定期的な検査の項目としては、血液検査(血球数、アルブミン値等)、尿検査(尿糖、尿蛋白等)、心電図検査、胸部レントゲン検査、眼底検査などをあげています。
 年1回の総合的な評価では、基本的な日常生活の能力、認知機能、意欲、情緒や気分などを診るものとしています。
 こうした検査と総合評価の情報を、本人、家族、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護福祉士などが共有、服薬状況を確認して家族とも連絡を取って服薬支援措置を工夫したり、口腔ケアについて相談、また専門的な診療が必要であれば他の医療機関に紹介し、さらに、栄養や食事内容の変更など介護予防などの取組みも進めます。

 外来患者の薬歴管理については、薬局が発行する「お薬手帳」を活用して服用している医薬品の情報を一元管理し、それを医師、歯科医師、薬剤師、看護師がそれぞれ確認できるようにする方針です。また、患者自身も服用している薬について把握できるようにしておくことが重要としています。
 お薬手帳には、入院時に使用した医薬品についても記載し、外来や在宅で診察に当たる医師や薬剤師などがその情報を知ることができるようにします。
 「薬の一包化」や「服薬カレンダー」の活用推進もあげました。

 在宅医療では、「主治医が中心となって患者に関する情報を提供し、医療従事者間で情報の共有を図る」こととしました。在宅主治医の具体化です。医師とともに歯科医師、薬剤師、訪問看護を行なう看護師などの医療従事者が必要に応じて集まり、カンファレンスを実施することも示しました。

 在宅医療での「同一薬局による使用医薬品の管理」では、本人や家族、介護者による服薬管理を支援するため「服薬カレンダー」の活用や「薬の一包化」の推進をあげています。

 さらに、主治医を中心に患者・家族・医療従事者間で急変時の対応など連絡先の情報を共有すること、急変時の入院先の確保と入院先でも在宅時の診療内容や家族の意向を踏まえた診療が提供されるような連携の強化をあげています。


在宅主治医が「総合的に診る」、後期高齢者医療の診療報酬体系で厚労省が論点を提示 社保審特別部会(2007.6.19,0:55)
資料1:想定される論点例(PDF4ページから)(厚労省)
資料2:老人診療報酬の変遷(PDF4ページから)(厚労省)
資料3:後期高齢者の入院医療について(主な論点)(厚労省)
資料4:後期高齢者の入院医療について(参考資料)(厚労省)
資料5:特別部会配布全資料(厚労省)
外来で投薬・検査含む受療歴確認、在宅では同一薬局が使用医薬品管理
 厚生労働省は6月18日、社会保障審議会・後期高齢者医療のあり方に関する特別部会(部会長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)を開催、後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子をまとめるための議論を求めました。特別部会がまとめた「基本的考え方」を踏まえた論点例として、(1)外来では主治医が総合的に診ることを進める、(2)入院では退院後の生活を見通した総合的な入院診療計画を立て患者や家族に提供、(3)在宅では医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療関係者がチームとして対応するとともに、医療関係者の連携を調整する主治医の取組みを進める、などの考え方を示しました。
 外来と在宅では、厚労省が「医療政策の現状および課題」で提起した「在宅主治医」構想、また「総合的に診る」考え方を盛り込んだものとなっています。

 厚労省が示した論点例は、外来では「複数の疾患や合併症を持つことが多い」ことに対し、「主治医が後期高齢者を総合的に診ることを進める」ものとし、さらに「複数の医療機関を受診している可能性がある」ため、「受診時に投薬や検査を含め十分な病歴や受療歴の確認を行なう」こととしています。
 認知症や心の問題を抱えているケースも多いため、患者だけでなく「家族等(介護者・後見人)にも必要に応じた連絡・情報提供を行なう」こと、また、「患者が地域の医療・介護・福祉サービスを有効に活用する」ことをあげました。
 これらの項目を点数評価しようとする考え方です。「在宅主治医が総合的に診る」ことに対する「投薬・検査を含めた包括的な評価(病歴・受療歴の確認が前提)」が考えられるところです。

 入院では、(1)退院後の生活を見通した総合的な入院診療計画を立て、患者や家族に提供、(2)住み慣れた地域や居宅系施設への早期退院に向けた総合的な評価、(3)地域の医療・介護・福祉サービスを患者が有効に活用すること、(4)終末期に備えた患者の生前の意思や家族の希望を尊重すること、の4点をあげています。
 ここでは、入院診療計画を前提にした「早期退院に向けた総合的な評価」が鍵になります。包括評価の方向です。

 在宅では、(1)医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療関係者がチームとして対応する取組みを進める、(2)医療関係者の連携を調整する主治医の取組みを進める、(3)医療機関等の連携体制の充実および後方支援する医療機関の普及を進める、(4)全身状態の維持にも重要な継続的な口腔管理、重複投薬・相互作用の発生防止を目的とした同一の薬局による使用医薬品の管理、在宅での療養を支える訪問看護の取組みを進める、などとしました。
 ここでも「在宅主治医」の考え方があり、かかりつけ薬局など「1つの薬局による使用医薬品の管理」が盛り込まれています。

 この日は、入院についての議論を行いました。厚労省は75歳以上の入院患者は約40%が療養病床への入院であり、その割合は74歳以下に比べて「圧倒的に高い」こと、また、手術・麻酔を行なう入院は74歳以下では300床以上の大病院で多く費用も高くなっているが、75歳以上では300床以上の大病院への入院も相当数あり手術・麻酔を伴うものも多い一方、入院費用が最も高いのは100床以上200床未満であり、そこでは手術・麻酔は少なくなっていることを資料で説明しました。

 「医療政策の現状および課題」では、後期高齢者の入院について、複数の疾患の併発、ADLの低下などの状況にあることが多いため「総合的な医療が必要」とし、「手術に際してはCGA(高齢者総合的機能評価)を行うことが必要」としています。CGAは、高齢者の状態について、医学的問題点だけでなく、「生活機能、精神機能、社会・環境」の3つの面から総合的にとらえて評価し問題点を整理することを通じて、ケア全体をコーディネートする手法です。
 次回、7月6日は外来医療と在宅医療の議論を進めます。


後期高齢者医療、脳血管疾患の入院患者倍増、急性期リハと在宅移行時の患者状態評価を 厚労省・原課長(2007.5.28,0:10)

75歳以上の入院患者数、2035年には急性期も90万人以上
 厚生労働省保険局の原医療課長は5月26日、日本病院会総会で講演、後期高齢者医療について、人口の将来推計に基づく将来の入院患者数を見込むと2倍になり、なかでも「脳血管疾患患者」が増大、病院は75歳以上の患者が大半を占めるようになるとして、急性期リハビリテーションへの取組みの重要性を指摘、回復期病棟や在宅に移行する際に、関節硬縮がおこっていないかなど患者の状態に関する評価をすることが必要になるとの考えを示しました。

 厚労省の人口推計では、75歳以上の人口は現在の1160万人、全人口比9%が、2030年に2266万人、20%、2055年2387万人、27%と増大していきます。
 原課長は、この推計に患者調査に基づく罹患率を掛け合わせて入院患者数の将来推計を示しました。05年には60万人に満たない数字ですが、25年には120万人程度と2倍になり、35年には130万人を大きく上回って、45年に140万人程度、55年には140万人を上回ることになります。
 中でも大きな伸びを示すのが「脳血管疾患」で、2025年から35年にかけて現在の2倍になり、その後も増加を続けていきます。

 対策としては、予防対策を進めて病期の発生率を減らすこと、在院日数の短縮を図ることが重要になるとし、在院日数短縮では福祉政策の充実とリハビリテーションの充実が必要だとしました。
 福祉政策の一環として取組むのが療養病床の福祉施設への転換です。「病院の看板を下してもらい、入院とは言わない」ことにするものだとしました。
 リハビリテーションについては、特に急性期のリハビリテーションの重要性を指摘、「今のように早期リハビリがいいかげんだと、どんどん患者がたまる」と現状を批判し、「急性期でもベッドサイドのリハビリテーション」に取組む必要があるとしました。

 その上で、急性期から回復期や在宅へ移行する場合には、関節硬縮がおこっていないか、気管に穴があいていないかなど、「患者がどのような状態であるか」の評価が必要になると指摘しました。ただ、こうした患者の評価は「来年の改定でやるということではない」としています。

 また、入院患者数の増大は、慢性期患者の増加だけでなく、急性期患者の増加も伴います。原課長は、2035年には急性期入院患者だけで90万人を超えるとし、現状の90万床程度の一般病床では足りなくなることも示しましたが、「30年後に必要なものを今、用意しておく必要はない」としました。


中医協総会、在宅主治医・高齢者医療の標準化の議論なし(2007.4.19)
資料1:「後期高齢者医療の在り方に関する基本的考え方」(特別部会報告書)(厚労省)
資料2:平成20年度診療報酬改定に向けた今後の予定について(厚労省)
資料3:総会配布全資料(厚労省)
「後期高齢者医療の基本的考え方」の報告を受ける
 中医協は4月18日の総会で、社会保障審議会の特別部会がまとめた後期高齢者医療の新たな診療報酬体系の構築に向けた「後期高齢者医療のあり方に関する基本的考え方」について報告を受けましたが、質疑では厚労省が前日に公表した「高齢者が選ぶ在宅主治医」や「高齢者医療の標準化」、また病院と診療所の機能分化などの考え方に対する議論は出ることなく終わりました。

 「基本的な考え方」そのものに対しては、各委員が評価する姿勢を示しました。一方、リハビリテーションや療養病床で議論となった医療保険と介護保険との分担と連続性の問題では、まだ解決すべき課題があるとされ、中医協としてどの程度まで議論ができるのか、などについて確認する場となりました。


高齢者には自分で選ぶ「在宅主治医」を、診療の標準化も必要 厚労省の医療構造改革方針(2007.4.18)
資料1:「医療政策の経緯、現状および今後の課題について」(PDF22ページ・資料20ページに在宅主治医)(厚労省)
手術時はCGA(高齢者総合的機能評価)で適切な医療を選択
 厚生労働省が4月14日発表した「医療政策の現状および課題」は、開業医の役割の重視の中で、高齢者については「在宅主治医」を位置づけること、また「高齢者の医療の標準化」が必要だとしました。後期高齢者医療のあり方を想定しているものとみられます。

 在宅主治医は、「長期療養を必要とする高齢者など継続的かつチームで医療を必要とする者」について、「その患者が普段かかっている医師の中から在宅主治医を選ぶ」方式だとしています。
 その在宅主治医が必要に応じて関係する医師の間の調整を行うとともに、担当患者の再入院や退院時のケアカンファレンスで中心的な役割を担うことになります。

 また、在宅主治医を持っていない高齢者でも、脳血管疾患や骨折などで入院した場合、あらかじめ公表された市域の医師の中から「在宅主治医」を選び、その医師が退院前カンファレンスや健康管理を担う仕組みができることは、住民の安心につながるとしています。

 高齢者の医療の標準化については、複数疾患を有していることによる複数科受診に伴う重複投薬や検査があるのに対して、主治医が高齢者の状態を把握することで重複投薬や検査を防ぐことを含め、「高齢者の個人差の大きさを踏まえつつ、薬剤の投与のあり方などを含む高齢者への診療の標準化を進める」との考えを示しました。
 医療の標準化は、急性期の入院医療に導入された定額払いのDPCで進められています。同一の疾病であれば、診療報酬が一定の額で設定されていることから、出来高払いとは違って、診療の内容も一定の範囲に収斂することになります。
 その意味で、後期高齢者医療にも定額払いを導入する方針であることを示唆するものです。

 さらに、特に「後期高齢者」に限定して、複数の疾患の併発、ADLの低下などの状況にあることが多いため「総合的な医療が必要」とし、「手術などに際してはCGA(高齢者総合的機能評価)を行うことが必要」との考えを示しました。臓器の状況だけで手術の要否を判断すると、総合的に見て高齢者に最も適切な医療が選択されていない場合があるためです。
 CGAは、高齢者の状態について、医学的問題点だけでなく、「生活機能、精神機能、社会・環境」の3つの面から総合的にとらえて評価して問題点を整理することを通じ、ケア全体をコーディネートする手法です。


武見・厚労副大臣 登録人頭払は地域医療を崩壊させる、後期高齢者医療の公費負担は消費税論議に絡む(2007.4.16)

特定健診は予防給付の実現、国民運動にしなければ
 武見敬三・厚生労働副大臣は4月13日、日医総研創立10周年記念市民公開講座で講演、後期高齢者医療に関する診療報酬の議論の中で提起されている「登録人頭払制」について、「極端に画一的な形でコスト管理の観点から効率性を求めると、アクセスを大きく阻害し、地域医療そのものを崩壊させる」とし、強い反対姿勢を示しました。

 登録人頭払制は、後期高齢者がかかりつけ医を選択して登録し、受診する場合はまず登録したかかりつけ医にかかり、専門医療や高度医療が必要な場合はかかりつけ医からの紹介によるという方式で、フリーアクセスをある程度制限するものです。
 国保中央会がその考え方をまとめ、社会保障審議会医療保険部会で提言、健保連や連合、経済団体など支払側が指示しています。一方、日本医師会は、フリーアクセスを阻害するものとして強く反対しています。

 武見氏は、日医の政治団体である日本医師連盟推薦の統一候補としての参議院議員ですが、この日は厚生労働副大臣として講演、人頭払制に反対する姿勢を明確にしました。

 武見氏はまた、後期高齢者医療制度の財源問題で、公費負担が給付費の5割(医療費の46%)とされていることについて、「他の医療保険制度と根本的に違うところ」とするとともに、「消費税を含む税制の抜本改革と確実に結びついてくる」と語り、公費負担の財源は消費税の見直しの中で対応する方向であることを示しました。

 さらに、メタボリックシンドロームを中心とした特定健診については、健康保険の中で従来は認めてこなかった「予防給付」を導入したものとの見方を示しました。「政策論では効果は出ず、国民運動にしなければならない」としています。


「後期高齢者医療の基本的考え方」でパブリックコメント募集開始 厚労省(2007.4.12)
資料:「後期高齢者医療の在り方に関する基本的考え方」に関するご意見の募集(厚労省)
参議院厚生労働委員会の付帯決議に対応
 厚生労働省は4月11日、後期高齢者医療の新たな診療報酬体系の構築に向け「後期高齢者医療のあり方に関する基本的考え方」についてのパブリックコメントの募集を開始しました。5月11日を締め切りとしています。
 後期高齢者医療の新たな診療報酬体系については、医療保険制度改革を審議した昨年の参議院厚生労働委員会の付帯決議で「基本的な考え方を平成18年度中を目途に取りまとめ、国民的な議論に供した上で策定すること」とされました。それを受けてのパブリックコメントの募集です。

 今後、社会保障審議会・後期高齢者医療のあり方に関する特別部会で議論を続け、秋には後期高齢者医療の新たな診療報酬体系の骨格をまとめる予定です。


過剰・頻回受診を是正する必要がある、後期高齢者医療の基本的考え方 社保審特別部会(2007.3.30)
資料1:後期高齢者医療のあり方に関する基本的考え方(案)(厚労省)
資料2:特別部会配布全資料(厚労省)
在宅医療は総合的に診る医師中心に歯科医師・薬剤師・看護師がチームで対応
 厚生労働省の社会保障審議会・後期高齢者医療のあり方に関する特別部会(部会長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)は3月29日、「後期高齢者医療のあり方に関する基本的考え方」をまとめました。
 (1)過剰・頻回受診を是正する必要がある、(2)在宅医療は医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療関係者が相互に協力してチームとして対応する必要がある、(3)その中心となって医療関係者の連携を調整する役割を担う医師が置かれる仕組みが重要となる、(4)その実現のためには後期高齢者を総合的に診る医師が必要である、などとしています。

 基本的考え方は、前回まとめた箇条書き方式の「たたき台」に肉付けを加えた形で、より具体的なイメージを描いています。
 後期高齢者医療の課題では、まず「後期高齢者が抱える個々の疾患を疾患別に診る医療だけでなく、精神的な不安も含めた複数の疾患について、トータルに診ることができる医療が必要である」としました。
 さらに、「複数医療機関を頻回受診する傾向があり、検査や投薬が多数・重複となる傾向がある」との課題に対して、基本的考え方は「患者に過度の負担を求めることにつながるなど、社会的に見て好ましくない点がある」と指摘、「過剰・頻回受診を是正する必要がある」との考え方を明示しました。

 また、在宅を重視した医療であげていた「訪問診療、訪問看護等、在宅医療の提供」「複数疾患を抱える後期高齢者を総合的に診る医師」では、基本的考え方は(1)患者についての情報を共有しつつ、患者を中心に、地域における医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療関係者が相互に協力して、チームとして対応する必要がある、(2)その中心となって医療関係者の連携を調整する役割を担う医師が置かれる仕組みが必要となる、(3)これを実現するためには後期高齢者を総合的に診る医師が必要である、としました。
 これに関連して、「在宅医療を後方で支援する医療機関との連携を進めていくことが必要」とし、さらに「重複投薬・相互作用の発生防止を目的とした同一の薬局による使用医薬品の管理」「在宅での療養を支える訪問看護」を進めることも必要としています。

 また、「通院治療」にも言及し、在宅医療と同様に「後期高齢者を総合的に診る医師により提供されること」が今後重要としました。

 こうした医療のあり方が実現できるような診療報酬体系を構築していくこととなります。
 この日の議論を踏まえて表現などの修正を加えた上で4月に入ってパブリックコメントを求め、秋にまとめる予定の「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨格」に向けた議論を続けます。


後期高齢者の診療報酬 日医が具体的な包括方式を提示、外来も包括化 社保審医療部会(2007.3.10)
資料1:後期高齢者医療のあり方について(検討のたたき台)(厚労省)
資料2:健保連の考え方(健保連提出資料)(厚労省)
資料3:日本経済団体連合会提出資料(厚労省)
資料4:日本医師会の考え方(日医提出資料)(厚労省)
資料5:医療部会配布全資料(厚労省)
全自病は介護と医療を一体として取組む「包括ケア認定医」制を提案
 社会保障審議会の医療部会(部会長:鴨下重彦・国立国際医療センター名誉総長)は3月9日、厚労省が後期高齢者医療のあり方に関する特別部会に提出し了解を得た「後期高齢者医療のあり方について(検討のたたき台)」の報告を受け議論を開始しました。  日本医師会常任理事の中川氏は、3月1日の医療保険部会に示した「日本医師会の考え方」のうち、診療報酬についてのより具体的な資料を提出し説明。急性期と慢性期の増悪時以外で提案した包括化について、技術報酬系は外来技術報酬・入院技術報酬のそれぞれに包括、薬・材料報酬系はその分野のみで包括、在院報酬系(ホテルコスト)はその分野のみで包括と、3つの分野をそれぞれに包括した報酬の組み合わせとする考え方です。
 3分野それぞれに「コストに見合った包括化」だとしています。

 全国自治体病院協議会会長の小山田氏は、後期高齢者の医療は介護と不可分であり、医師の誰もができるものでなく、かかりつけ医のすべてができるものでもないとして同協議会が国保診療施設協議会と取組んでいる「包括ケア認定医制度」を紹介、その考え方を取り入れるよう求めました。

 日本経団連社会保障委員会の堤氏は、「外来も含めた包括的な診療報酬体系の構築」「客観的な基準に基づいたかかりつけ医制度の導入」などを求めました。


後期高齢者の診療報酬 包括払い導入で診療側と支払側が同調、問題はどこまでか 社保審・医療保険部会(2007.3.2)
参考資料1:高齢社会における診療報酬体系のあり方に関する研究会報告書(国保中央会HP)(国保のひろば→中央部「新着情報」)
参考資料2:後期高齢者医療について日本医師会の考え方(日本医師会HP)
資料1:後期高齢者医療のあり方について(検討のたたき台)(厚労省)
資料2:検討のたたき台に対する主な意見(厚労省)
資料3:特別部会の有識者ヒアリングの主な意見(厚労省)
資料4:後期高齢者医療制度の準備状況(スケジュール、保険料算定基準案)(厚労省)
資料5:高額医療・高額介護合算制度(厚労省)
資料6:医療保険部会配布全資料(厚労省)
登録制では厳しく対立、健保連も登録制検討を主張
 社会保障審議会の医療保険部会(部会長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)が3月1日、後期高齢者医療の診療報酬についての議論を開始、支払側の国民健康保険中央会が先にまとめた「かかりつけ医への登録制を基本とした定額払いと出来高払いの併用」を提言し、健保連も包括払い方式の拡大を主張、一方で診療側の日本医師会も慢性疾患と長期療養は包括化する考え方を提案しました。
 医療保険部会は、外来も含めて包括払いを導入することについて、すでに支払側と診療側とが一致していることが明らかになりました。問題は、どの程度の包括化をするのか、また、かかりつけ医への登録制をどう考えるかです。

 後期高齢者医療の診療報酬のあり方について、最も明確な考え方を示したのは国保中央会です。診療所の医師をかかりつけ医として登録することを基本に、登録医への報酬は登録された高齢者1人当たりの定額払い、かかりつけ医以外での診療は出来高払いとする併用方式です。

 健保連は、包括払い方式の拡大を基本方針とし、外来では新医療計画による病院・診療所の外来機能の分化促進を含む医療連携体制の構築と、診療報酬の包括化を通じて「かかりつけ医」に期待される機能の明確化が必要とし、また、入院では療養病棟入院基本料に導入した患者分類に基づく包括払い点数を急性期以外の入院医療全体に拡大するよう主張しました。
 かかりつけ医自体には、欧米の家庭医や総合診療医など専門的な教育を受けた医師とは異なり、日本では特定分野の専門技術を基盤としていること、そのために専門分野と標榜科目との間に乖離があることを問題としています。
 一方、イギリスが行っている家庭医への登録方式について、かかりつけ医の課題の解決に向けて検討すべきとの考えを示しました。

 これに対して日医は、終末期の診療報酬のあり方として、「個々の病態を配慮しない画一的な支払方式に陥らないよう、多用な選択肢を提供する」との考え方の下に、「長期療養と慢性疾患では包括化(選択制)」を提案しました。
 ただ、「技術報酬、薬・材料報酬、在院報酬をまたぐ包括は行わない」とし、包括の方式を限定的なものとしています。
 また、「急性期」と「慢性期の急性増悪」は「出来高払い」を堅持するものとしています。

 支払側と診療側のこうした考え方から、外来も含めて包括払いを導入することでは一致していると見ることができそうです。また、出来高との併用方式という点でも考え方はかなり近いようです。
 ただし、日医は包括払い方式でも技術と薬・材料、入院料をまたぐ包括は反対だとしており、包括の内容が問題となっていきます。

 一方、国保中央会が打ち出した「かかりつけ医への登録制」については、支払側ではほぼ一致していますが、日医は強く反対しています。
 この日も、日医常任理事の鈴木満委員と国保中央会理事長の多田宏委員との間で、導入論と反対論のつばぜり合いがありました。
 日本歯科医師会も登録制には反対する考えを表明、日本薬剤師会も「経済的な視点のみによる医療費の適正化には強く反対」としました。

 厚生労働省は、2月5日の後期高齢者医療のあり方に関する特別部会に提出した「後期高齢者医療のあり方について(検討のたたき台)」を提出、これに基づく議論を求めました。
 糠谷部会長は、医療保険部会のこの日の議論を特別部会に報告することとし、医療保険部会は今月中に2回目の議論を行います。


後期高齢者の診療報酬たたき台、「高齢者総合評価(CGA)」の考え方を導入 急性期から長期ケアまで 厚労省が提示(2007.2.6)
資料1:高齢者医療のあり方について(検討のたたき台)(厚労省)
資料2:特別部会のこれまでの主な意見(厚労省)
資料3:第6回特別部会配布全資料(厚労省)
支払方式は秋の「骨格」で示す
 後期高齢者医療制度の診療報酬体系のあり方に関する基本的考え方のたたき台として、厚生労働省は2月5日、(1)急性期医療でも治療後の生活を見越した高齢者の評価とマネジメントが必要、(2)在宅を重視した医療、(3)安らかな終末期を迎えるための医療、(4)介護保険のサービスと連携の取れた一体的なサービス提供、の4点を社会保障審議会特別部会(座長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)に提示しました。
 このあと、社会保障審議会の医療保険部会と医療部会での議論も求め、3月中に特別部会として「基本的な考え方」をまとめます。ただ、包括払いなど支払方式のあり方については夏から秋にかけてまとめる予定の「診療報酬体系の骨格」で示すことになるとしています。

 急性期医療でも必要だとした「治療後の生活を見越した高齢者の評価とマネジメント」は、「高齢者総合評価(CGA)」や「高齢者評価とマネジメントプログラム(GEMs)」の考え方によるものです。

 「高齢者総合評価」は、老年医学の新しい取組みで、疾病や障害のある高齢者に対して、その機能や可能性と問題点について、各分野の専門家が協同して、医療、社会、心理、機能など多面的な観点から評価しようとする方法論です。これにより、初期の治療・ケアから長期的なフォローアップまで含む総合的なケアプランを作ることが可能とされています。

 こうした総合的なケアプランを評価する診療報酬のあり方としては、急性期医療のDPCで行っているように、包括払いとする方向が考えられます。ただ、現段階ではそこまで触れるものとはしていません。

 「在宅医療を重視した医療」では、「かかりつけ医による訪問診療、訪問看護等」「医療機関の機能特性に応じた地域における医療連携」「複数疾患を抱える後期高齢者を総合的に診る医師」をあげています。  厚労省の原医療課長は、「総合的に診る医師」は「マネジメントする医師」だと説明しました。また、唐澤総務課長は無床診療所でも数日間の患者受け入れ施設を有することも想定していることを明らかにしました。

 「安らかな終末期を迎えるための医療」では、「十分に理解したうえでの患者の自己決定の重視」「十分な疼痛緩和ケアが受けられる体制」をあげています。

 「介護保険のサービスとの連携の取れた一体的なサービス提供」については、多職種による協同したサービスだとしました。

 こうした医療体系の前提として、後期高齢者医療の課題も整理、(1)複数の疾患を有し併せて心のケアも必要、(2)慢性的な疾患のためその人に合わせた療養を考える必要、(3)複数医療機関を頻回受診する傾向があり、検査や投薬が多数・重複となる傾向、(4)地域で療養が行えるよう家族・地域の介護力をサポートする必要、(5)患者自身が正しく理解をして自分の治療法を選択することの重要性、の5点を挙げました。

「後期高齢者医療のあり方について(検討のたたき台)」
1 後期高齢者の心身の特性
(1)老化に伴う生理的機能の低下により、治療の長期化、複数疾患ヘの罹患(特に慢性疾患)が見られる。
(2)多くの高齢者に、症状の軽重は別として、認知症の問題が見られる。
(3)いずれ避けることが出来ない死を迎える。

2 基本的な視点
・後期高齢者の生活の中での医療
・後期高齢者の尊厳に配慮した医療
・後期高齢者が安心できる医療

3 後期高齢者医療における課題
(1)複数の疾患を併有しており、併せて心のケアも必要となっている。
(2)慢性的な疾患のために、その人の生活に合わせた療養を考える必要がある。
(3)複数医療機関を頻回受診する傾向があり、検査や投薬が多数・重複となる傾向がある。
(4)地域における療養を行えるよう、弱体化している家族及び地域の介護カをサポートしていく必要がある。
(5)患者自身が、正しく理解をして自分の治療法を選択することの重要性が高い。

4 後期高齢者にふさわしい医療の体系
(1)急性期医療にあっても、治療後の生活を見越した、高齢者の評価とマネジメントが必要(CGA※、GEMs※)
(2)在宅(及ぴ居住系施設)を重視した医療
・かかりつけ医による訪問診療、訪問看獲等
・医療機関の機能特性に応じた地域における医療連携
・複数疾患を抱える後期高齢者を総合的に診る医師
(3)安らかな終末期を迎えるための医療
・十分に理解した上での患者の自己決定の重視
・十分な疼痛緩和ケアが受けられる体制
(4)介護保険のサービスと連携の取れた一体的なサービス提供

※CGA(Comprehensive Geriatric Assessment) :高齢者総合評価
GEMs(Geriatric Evaluation and Management programs) :高齢者評価とマネジメントプログラム


後期高齢者医療はかかりつけ医への登録制に、報酬は人頭定額と出来高の併用 国保中央会が提言(2006.12.26)
資料:高齢社会における診療報酬体系のあり方に関する研究会報告書(国保中央会)(国保のひろば→中央部「新着情報」)
後期高齢者が診療所をかかりつけ医に選び、最初の受診を原則とする
 国民健康保険中央会は、後期高齢者医療のあり方として、後期高齢者はかかりつけ医として選んだ診療所に登録、「最初の受診はかかりつけ医を原則とする」ものとし、かかりつけ医の報酬は登録された人数に応じた定額払いと出来高払いを併用する方式を提言しました。病診の機能が明確になり、効率的な医療が提供されるとしています。

 こうした制度の下で、かかりつけ医が担う役割は、(1)登録された後期高齢者の健康状態の把握と健康上の相談への対応(健康づくりや保健指導、疾病予防、介護予防)、(2)診察、治療(専門医や病院への紹介を含む)、(3)リハビリテーションの指導、(4)ターミナルケアの対応と看取り、としています。
 さらに、登録された後期高齢者が介護給付の対象となっても、介護施設と協力しながら引続きかかりつけ医としての役割を果たすものと位置づけます。

 フリーアクセスをある程度制限することで病診機能の明確化が図られ、効率的な医療が提供される結果、「真に医療を必要とする人に必要な医療が提供されるようになる」との考えです。
 また、後期高齢者のQOLの向上が推進され、診察から入退院、リハビリテーション、介護サービスとの連携までを含めて、継続的な医療が推進されるとしています。

 後期高齢者医療制度の診療報酬体系のあり方については、厚生労働省の社会保障審議会の特別部会(座長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)で議論が進められていますが、まだヒアリング段階であり、具体的な考え方は示されていません。
 今後、各関係団体がそれぞれの考え方をまとめてくるものと見られます。日本医師会は、会内の「高齢者の診療報酬体系検討委員会」で、亜急性期、急性期、慢性期のそれぞれにふさわしい診療報酬体系の検討を進めています。


後期高齢者の診療報酬、終末期医療でヒアリング 厚労省特別部会(2006.12.12)
資料:第5回特別部会配布全資料
ホスピスでのMSWの活動・在宅ホスピスの取組み・延命医療中止と刑法
 後期高齢者医療制度の診療報酬体系のあり方について議論している社会保障審議会の特別部会(座長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)は12月12日、「終末期医療」について、有識者からのヒアリングを行いました。ヒアリングはこれまでに、後期高齢者の心身の特性等について1回、地域医療の現状について2回実施、この日は4回目となりました。

 特別部会の委員でもある都内でホームケアクリニック川越を経営する川越氏は、末期がん患者に対する在宅ホスピスの取組みを紹介。在宅死したがん患者のケア開始から死亡までの期間は平均59.8日で、緩和ケア病棟の平均日数45日と比べると15日近く長いものの、緩和ケア病棟では2週間程度あるとされている待ち時間を考慮するとほぼ同等、年齢階級別に在宅ケア期間を見ると後期高齢者で長い傾向にあるが大きな差はない、痛みの程度は後期高齢者では軽い傾向にあるが医療内容には変わりがない、独居者などの在宅ケアを実現するためには弾力性のある地域サービスが必要、などの状況を紹介しました。資料:川越氏発表資料

 ホスピスを中心とした医療法人東札幌病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)の田村里子氏は、介護施設や在宅医療との連携に重点を置いた末期がん患者への対応の状況を報告。資料:田村氏発表資料

 また、厚生労働省の終末期医療に関する調査検討会の座長として04年7月に報告書をまとめた上智大学法学部教授の町野朔氏は、安楽死など「延命医療の中止」が刑法に問われるケースなどについて、判例を元に法的な側面についての考え方を説明しました。資料:町野氏発表資料


後期高齢者の診療報酬、国診協がDPCの慢性期入院版を提案へ 厚労省特別部会(2006.11.20)
資料:特別部会配布全資料
在宅療養支援診療所、公立みつぎ総合病院などからヒアリング
 後期高齢者医療制度の診療報酬体系のあり方について議論している社会保障審議会の特別部会(座長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)は11月20日、地域医療の現状として、歯科クリニック、虎の病院薬剤部、調剤薬局、新設された在宅療養支援診療所として活動している仙台往診クリニック、地域包括ケアシステムに取り組む公立みつぎ総合病院の事例についてヒアリングしました。
 公立みつぎ総合病院の事業管理者である山口氏は、全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)の常任顧問の立場から、国診協として近く「新高齢者病床」の考え方を提案する予定であることを明らかにしました。「慢性期のDPC」という発想だとしています。

DPC的な新高齢者病床は包括払い 新高齢者病床について山口氏は、「老人保健施設で医療依存度の強い患者をとまどいながら診ている」現状があるとして、それを解決するための提案であり、「医療、リハビリテーション、介護」を一体として提供する施設だとしました。DPC的な発想であるため「包括払い」とする考えです。
 ただ、「終の棲家にしてはいけない」とし、今年の改定で設定された「リハビリテーションの算定日数上限のような発想」も必要としています。リハビリテーションの算定日数上限には、「外来は一考すべき」としながらも入院については賛成しています。資料:山口氏「後期高齢者医療について」

病院から在宅患者を紹介される在宅療養支援診療所 仙台往診クリニックの川島氏は、在宅医療を中心に取り組んできたことから近隣病院から在宅医療に移る場合に紹介を受けることが多く、在宅療養支援診療所としても東北大学病院、国立病院機構仙台医療センター、仙台厚生病院が主な後方病院となっているとしました。ただ、ターミナル医療に近い状態の患者が多く、患者や家族に十分な説明をしているため緊急的な入院を勧めるケースは多くはなく5%程度だとしました。在宅で看取るケースが多く年間で100人弱となっています。現在の在宅患者数は210人で、呼吸器系疾患が40人、がん患者が30−40人です。資料:川島氏「在宅療養支援診療所の現状と課題」

薬剤師の病棟業務で高齢者に起きやすい薬物相互作用を回避 虎の病院薬剤部長の林氏は、高齢者では複数の疾患を持つことが多く薬物療法では多剤併用が多くなり、重複投与や薬物相互作用が発現しやすくなるため安全管理が重要として、薬剤師による病棟活動の重要性を説明しました。
 また、高齢者は生理機能が低下しているため、副作用や相互作用が発現しやすくなっており、その面でも薬剤師による安全管理が重要になるとし、実際にそうした取組みを行っていることを紹介しました。資料:林氏・岩月氏「高齢者の医薬品の適正使用と安全管理」

かかりつけ薬局で高齢者に多い重複投薬を防ぐ 愛知県の調剤薬局ヨシケン岩月薬局の岩月氏は、かかりつけ薬局で調剤をする場合には高齢者が複数の医療機関で処方を受ける際に起こりがちな重複投薬をチェックすることが可能になるとして、重複投薬の傾向が見られる薬剤は「内科と歯科」の抗生物質、「耳鼻科と内科」の抗アレルギー剤などと指摘しました。最近では後発医薬品の処方の増加に伴い、先発医薬品と後発医薬品の重複投薬も起きていると紹介しました。資料:岩月氏・林氏「高齢者の医薬品の適正使用と安全管理」

高齢者のQOL改善には口腔ケアが重要 米山歯科クリニックの米山氏は、在宅の後期高齢者に対する訪問診療への取り組みを紹介、口腔ケアによって誤嚥性肺炎など感染症の予防や口腔機能の回復によるQOLの改善につながる事例を紹介、後期高齢者に対する口腔ケアの重要性を訴えました。資料:米山氏「後期高齢者医療で歯科医療の果たすべき役割」


後期高齢者医療特別部会 高齢者ケア・在宅医療でヒアリング(2006.11.6)
資料1:後期高齢者の地域医療に関する診療報酬の考え方(厚労省提出資料)
資料2:青梅慶友病院・桑田氏資料
資料3:白十字訪問看護ステーション・秋山氏資料
資料4:尾道市医師会・片山氏資料
資料5:特別部会全資料
青梅慶友病院、白十字訪問看護ステーション、尾道市医師会
 後期高齢者医療制度の診療報酬体系のあり方を議論する社会保障審議会の特別部会(座長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)は11月6日、地域医療の現状についてとして、青梅慶友病院の桑田美代子看護介護開発室長、白十字訪問看護ステーションの秋山正子所長、尾道市医師会の片山壽会長(片山医院院長)からヒアリングを行いました。

 青梅慶友病院は745床のうち7割近くを介護療養病床が占める長期療養型病院で平均在院期間は3年5ヵ月となっています。在院者の平均年齢は87.1歳、約80%に認知症があり、要介護度の平均は4.0、死亡退院が90%を占めます。
 桑田看護介護開発室長は、「後期高齢者ケアは生活支援」との理念に基づき、特に食事は「食べて味わう、楽しむ視点」を重視し、スタッフ側の安易な理由からのチューブケアは行わないなど、「人間として尊重し尊厳を保つ」という「安楽ケア」を進めていると報告しました。
 委員からは、そうしたケアを継続するためには経営の面から患者負担を求める必要があるのではないかとの質問があり、1ヵ月当たりの患者負担は18万円から22万円としました。

 白十字訪問看護ステーションの秋山所長は、都内新宿区という大都市部での訪問看護ステーションの活動を紹介。スタート時の2000年6月からの訪問看護利用患者30人の22人が死亡しましたが、死亡場所は12人が自宅で、病院6人、特別養護老人ホーム3人(2人は最後は病院)、老人保健施設1人(最後は病院)となりました。
 在宅患者の容態が悪化した場合、かかりつけ医の診断を条件に緊急入院を受け付ける「緊急一時入院病床確保事業」を区が実施しており、それが在宅療養を支えているとしました。
 また、複数の手術を経験して誤嚥による肺炎での救急入院を繰り返していた85歳の患者が偶然に総合診療科に入院したことから、退院にあたって在宅医療支援推進室が訪問看護ステーションと区役所のケースワーカーに連絡、訪問看護と介護サービス、さらには地域のかかりつけ医との連携が始まったことでADLが良好になり在宅療養が維持できるようになった事例も報告されました。

 尾道市医師会の片山会長は、「回復期からはケアマネジメントを基本ツールとする」という尾道市医師会・長期支援ケアマネジメントプログラムによる医師会としての取組みを紹介しました。介護保険のシステムと連携して急性期医療から慢性期医療、在宅医療までを包括した地域医療と介護の連携システムです。その連携の要となるのがケアマネジャーとされているのですが、そうしたシステムを医師会が主導して作り上げたものです。
 急性期病院から回復期リハを含む慢性期病院に転院する段階ですでに病院の地域連携室と連携したケアマネジャーによる「退院時ケアカンファレンス」が開催されます。さらに慢性期病院から介護施設や在宅に移る場合、また、介護施設から在宅に移る場合にも改めて「退院(所)時ケアカンファレンス」が開催されます。カンファレンスには施設側主治医とリハビリスタッフや看護師、そして在宅療養を担当する主治医と利用者、家族が入ります。
 在宅で症状が悪化した場合は、主治医の情報とともに急性期病院に入院となり、再びケアカンファレンスによる地域包括ケアシステムが回り出すことになります。

   特別部会では、ヒアリングに先立って厚労省が06年度診療報酬改定で行った在宅医療の評価としての在宅療養支援診療所創設による在宅医療の24時間体制やターミナルケアの評価、それに関連した訪問看護の評価を行ったと説明、それを踏まえたヒアリングとなりました。


10.25中医協総会報告
 後期高齢者医療のあり方に関する特別部会について。
資料:後期高齢者医療のあり方に関する特別部会について


後期高齢者医療特別部会 高齢者医療の専門家・プライマリケアの専門家からヒアリング(2006.10.25)
資料1:都老人総研・本間氏資料
資料2:長寿医療センター・太田氏資料
資料3:名大医学部・伴氏資料
資料4:特別部会配布全資料
 後期高齢者医療制度の診療報酬体系のあり方を議論する医療保険審議会の特別部会(座長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)が10月25日、2回目の部会を開催、関係者からのヒアリングに入りました。

 東京都老人総合研究所の本間昭・医学研究部長は、後期高齢者医療と認知症について説明、認知症の7割は早期発見により治療可能であるにもかかわらず、適切に診断され、治療を受けている患者は少ない状況と、その課題を示しました。

 国立長寿医療センターの太田壽城・病院長は、同センターで行っている高齢者に対する医療とその医療費の状況を説明しました。
 旧国立療養所から高齢者に対する総合診療機能を有する急性期病院への転換を進め、平均在院日数が2000年度の47.2日から05年度には21.8日へと減少し、最近では19日を切っているとしました。
 一方、1人1日当たり診療点数は、00年度の2348.2点から05年度には3417.6点に増大しています。同病院は出来高算定を行っています。

 伴 信太郎・名古屋大学医学部総合診療部教授は、地域医療の専門医としてのプライマリケア医による高齢者医療への対応の必要性を訴えました。「高齢者医療は総合医療」であるとし、すべての疾患・病変を治すのではなく、身体・精神心理・社会経済・価値観を勘案して「QOLを保つための介入を積極的に行う」ことが必要だとしました。


後期高齢者の診療報酬体系 日医も慢性期は包括払いを提案、ただし条件付き(2006.10.16)
資料:後期高齢者医療のあり方に関する特別部会の参考資料
 後期高齢者医療の診療報酬体系について、厚生労働省は社会保障審議会に特別部会を設置して議論を開始しました。今月5日の第1回検討会で厚労省は包括払いを意識させるような資料を提示しましたが、当日は説明も議論もされなかった参考資料が出されており、そこでは日本医師会が後期高齢者医療の診療報酬について急性期は出来高払いを維持するものの「慢性期は独自の包括支払方式の開発」を提案、また在宅医療の分野で訪問看護を担う日本看護協会は後期高齢者医療全体について包括評価の検討を提案しています。
 このため、検討会での議論も包括払いを軸にしたものになっていくものと見られます。

 日本医師会の提案は、2000年8月に当時の坪井執行部がまとめた「2015年 医療のグランドデザイン」に盛り込まれたもので、その中の高齢者医療に関する提案部分が参考資料として示されました。

 診療報酬体系については、公立病院や大学病院を対象とした「特定系統」には「1日当たり包括支払方式」を提案。それ以外の「一般系統」は、「技術報酬系」「薬・材料報酬系」「在院報酬系」の3系に区分してそれぞれのコスト構造に応じた診療報酬体系とし「出来高払い」を原則とするものとしています。

 また、高齢者医療制度については、「高齢者に係る医療費の出血を最小限に食い止めるため」として、「慢性期」に「包括支払方式」の導入を提案しています。
 ただ、その場合でも、技術報酬系、薬・材料報酬系、在院報酬系の系をまたぐ包括化については「回避しなければならない」と指摘しています。さらに、「個々の病態を考慮しない画一的な支払方式の採用は必要な医療さえも提供不能にする恐れがある」ことも指摘、合理的な支払方式の開発を求めています。

 しかし、こうした日医の考え方に対し、現在の包括払い方式は、外来医療やDPCでは日医の言う「薬・材料報酬系」と「在院報酬系」をあわせた包括であり、療養病床では「技術報酬系」も含めた包括払いとなっています。
 また、特別部会には支払側の委員が入っていませんが、中医協での議論が始まれば、支払側は包括払いを強く求めることになります。

 日医は現在の唐澤執行部が改めて会内に「高齢者の診療報酬体系検討委員会」を立ち上げて、亜急性期、急性期、慢性期のそれぞれにふさわしい診療報酬体系の検討を進めることとしています。

 日医がどこまでの対抗軸を出せるのか、まだ不明ですが、後期高齢者医療の診療報酬体系としては、包括払い中心の議論が展開されるのは必然の流れであると言えます。


後期高齢者の診療報酬体系で審議、薬剤多用の入院外・入院は療養病床に多いと厚労省説明(2006.10.5)
資料1:後期高齢者医療制度の概要
資料2:現行の診療報酬体系
資料3:介護報酬の仕組み
資料4:特別部会配布全資料
包括払いを意識させる資料構成
 08年度から実施される75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度の診療報酬体系の構築に向け社会保障審議会に設置された後期高齢者医療のあり方に関する特別部会(座長:糠谷真平・独立行政法人国民生活センター理事長)の審議が、10月5日スタートしました。
 厚生労働省は、検討課題や論点整理など議論の方向性を示すものを提示せず、後期高齢者医療の状況や診療報酬制度の現状説明にとどめましたが、包括払いへの流れを意識させるような資料構成となりました。

 説明資料では、後期高齢者医療の特徴として、「入院外では循環器疾患と筋骨格系疾患の受療率が高く、投薬種類数が多くなって薬剤費は高い」、「入院では循環器疾患の受療率が特に高く、療養病床への入院が多い」ことを示しました。
 一方、診療報酬体系として、「入院では慢性期医療のほとんどが包括払いで、急性期医療でもDPCなど包括払いが進んでいる」、「入院外は出来高払いを基本とするが外来診療料や生活習慣病管理など一部で包括払いが導入されている」ことを示し、出来高払いを生かしながらも包括払いへの流れになっていることを示しました。

人口の9%で医療費は28%、入院は4割 また、後期高齢者は1192万人(06年5月)で日本の総人口の9%だが、その医療費は9兆214億円(04年度)で総医療費の28.1%を占めること、国民1人当たり医療費は年齢が上がるほど高くなり特に入院医療費で後期高齢者の占める割合は40%(04年6月審査分)と高くなると説明しました。

 水田保険局長は、厚労省が定額制の導入を決めたとする報道があることに対し、今後検討を進めるものとの姿勢を示しましたが、野中氏(野中医院院長)は定額制への流れ、特に高齢者で薬剤種類数が多くなることについて「高齢者医療の現象として当然の結果であり、やみくもに抑制することは問題」と発言し、定額制、包括払いをけん制しました。

 野中氏はまた、後期高齢者医療の診療報酬体系構築の前提として「終末期医療のあり方についての合意形成を得て」とされていることに対し、どのような形で合意形成を得ていくのかが重要な課題となるとの問題を提起。複数の委員がこれに賛同し、糠谷座長も同様の認識を示しました。

 一方、検討課題や論点が示されなかったため議論の方向性が定まらず、糠谷座長は「具体的なテーマ」の提示を厚労省に求めました。
 厚労省保険局の原医療課長は、次回以降医療現場からのヒアリングを予定しているとし、そのなかで問題点が出てくるものとの考えを示しました。外来医療、入院医療、在宅医療、医療と介護の連携、終末期医療について、それぞれヒアリングしていきます。次回は10月25日に開催します。
[思わず聞き耳]
鴨下・座長代理(国立国際医療センター名誉総長):私は小児科が専門で、その私がなぜ後期高齢者医療の部会に呼ばれたのかよくわからないが、高齢者に必要以上に手厚くするのは問題と常々考えているところです。

糠谷・座長:委員はそれぞれの専門家だが、私は一番の素人。今日の説明は何の話だかよくわからなかった。次回からは、何を問題にしているのか、何を議論するのかがわかるように出していただきたい。


後期高齢者医療の診療報酬体系、在宅による医学管理から看取りまでを評価 特別部会で議論(2006.9.24)
資料:後期高齢者医療のあり方に関する特別部会の設置
終末期医療のあり方踏まえ設定へ
 75歳以上の後期高齢者を対象とした新たな医療制度が08年4月からスタートするのに伴い、厚生労働省は後期高齢者の心身の特性に対応した診療報酬体系を構築するため、社会保障審議会に特別部会を設置して10月5日から検討を開始します。

 厚生労働省は、後期高齢者医療制度の新たな診療報酬体系の基本的な考え方について今年度中にまとめることとしており、特別部会での意見のまとめは来年3月になるものとみられます。

 後期高齢者医療制度の診療報酬体系については、05年11月にまとめられた医療制度改革大綱が、
(1)終末期医療のあり方についての合意形成を得て患者の尊厳を大切にした医療が提供されるよう適切に評価する、
(2)地域の主治医による在宅の患者に対する日常的な医学管理から看取りまでの常時一貫した対応を評価する、
 との方針を示しています。

 また、改革大綱に先立って05年10月にまとめられた医療制度構造改革試案では、重点的に配慮する論点として、
(1)ターミナルケアのあり方についての国民的な合意の形成を踏まえた終末期医療の評価
(2)在宅での日常的な医学管理から看取りまで常時一貫した対応が可能な主治医の普及
(3)在宅での看取りまでの対応を可能とするための医師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、訪問介護員(ホームヘルパー)等の連携による医療・介護サービスの提供
(4)在宅医療の補完的な役割を担うものとしての入院による包括的なホスピスケアの普及
 の4点をあげています。

 終末期医療のあり方については、厚生労働省はすでに「終末期の医療の開始、変更、中止は、医学的妥当性と適切性を基に、患者の意思決定を踏まえて多専門職種の医療従事者から構成される医療・ケアチームによって慎重に判断すべき」などとする考え方をたたき台として公表(Online Medニュース9月15日)、国民からの意見を募り、それを踏まえた検討会での議論を経てガイドラインを策定することとしています。

 来年の夏から秋にかけて新たな診療報酬体系の骨格をまとめた後、中医協で具体的な点数設定の議論が進められ、08年2月ごろに答申となる予定です。

後期高齢者医療のあり方に関する特別部会委員
遠藤久夫 学習院大学経済学部教授
鴨下重彦 国立国際医療センター名誉院長
川越 厚 ホームケアクリニック川越院長
高久史麿 自治医科大学学長
辻本好子 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長
糠谷真平 独立行政法人国民生活センター理事長
野中 博 医療法人社団博腎会野中医院院長
堀田 力 弁護士・さわやか福祉財団理事長
村松静子 在宅看護研究センター代表