■天津週間レポート(11月25日〜12月1日)

 □あいさつ

12月1日に北京から天津に戻ってまいりましたが、ここ数日、気温があまり下がら
なかったことから深刻な霧が発生、北京天津間の高速道路が使えなくなるなど、交
通にも影響しています。幸い私はいつも列車を利用しているので、何も影響を受け
ませんでした。「スモッグか?」「大気汚染が原因では?」という声もありますが、
これは単なる霧です。

先週、mint.freemail.ne.jpのアドレスの調子が悪く、以前からも深夜から朝にかけ
てアクセス状態もよくないことがありますので、私のメールアドレスを変更いたし
ました。アドレス帳の私のアドレスを以下の通り変更していただけますと幸いです。

旧:onogi@mint.freemail.ne.jp
新:onogish@yahoo.co.jp

 □天津日中大学院の理事長が北京滞在

 24日から天津日中大学院の森田理事長は天津滞在から北京滞在となりました。今
後の大学院運営のため、日本人社会とのつながりを深め、協力関係を築いていこう
とのことです。前回、私が理事長の代理でアポイントを取ったことについて書かせ
ていただきましたが、この週私は、以下の日中マスコミュニケーション研究会のシ
ンポジウムと農家女実用技能訓練学校での発表会に同行いたしました。なお森田氏
は12月2日に帰国されました。

 □26日、日中コミュニケーション研究会シンポに参加

11月26日、北京で開催された、日中コミュニケーション研究会主催のシンポジウム
が開かれ、参加してきました。「WTO加盟後の中国市場と日本企業イメージ」と
いうテーマで記念講演あり、ディスカッションあり、懇親会ありといった内容で、
中には、矢吹晋先生の第16回党大会人事の分析と批判、元博報堂の方の中国メディ
アの日系企業バッシングの批判と対策など、興味深い内容もありました。

会場では、北京で開催された以前のシンポの発表原稿や資料をまとめた中国語の書
籍『中日相互意識與伝媒的作用』を購入しました。当日のレジメとあわせて、最寄
の方は閲覧など可能です。

<参考>日中コミュニケーション研究会の公式サイト
http://www.niccs.co.jp/jcc/

 □26日、北京大学環境学院成立記念パーティに参加

マスコミシンポジウムでは夜に懇親会がありましたが、私はそれには参加せずに、
シンポジウムの途中で抜け、北京大学に向かいました。前の日曜日に横断幕で北京
大学環境学院成立記念パーティのことを知り、環境学院副院長に就任した私の元指
導教官に電話をして、特別にチケットをもらっていました。

内容は、主に環境学院の学生らによる歌や踊り、劇などのパフォーマンスで、学外
から特別に招請した方もいらっしゃいました。芸術系ではないし学業重視の大学に
しては、案外うまく決まっていたので、大変新鮮味を覚えました。私の知り合いの
本科生も、歌を披露していました。彼女は、北京大学シンガーコンテストのベスト
テンに入っております。

この場では、ほとんど知り合いに会うことはなかったのですが、その後北京大学の
勺園(留学生宿舎)で韓国の元クラスメートに会おうと待っていると、偶然にも日
本人の知り合いが次々に私のいるところを通るのです。当初はアポでも取っておい
た方がよかったかなと思っておりましたが、これならその必要もなさそうだと安心。
その後はその韓国人と日韓文化比較の話で盛り上がりました。

なお北京大学環境学院は、今年5月に、かつての私も所属していた城市與環境学系と
環境科学センターが合併し発足したものです。これを記念して、記念パーティの前
日まで約一週間、環境文化週特別学術活動が行われておりました。

詳しい様子は、以下の北京大学環境学院のサイトに掲載されています。
http://www.environ.pku.edu.cn/
(中文版と英文版のみ)

 □29日、農村女性ワークショップ報告会に参加

この週、農家女実用技能訓練学校主催、在中国日本大使館賛助の下、日本政府草の
根無償資金協力事業として、農村各地から人を集めて農村女性指導者研修が行われ
ておりました。29日はその総括をして対外発表するということで、日本からのOD
Aモニターも参加しておりました。

今回の発表では、草の根無償資金による水道や橋などを整備することで、貧しく雰
囲気の暗い村がどんなに明るくなったかということや、妊婦や子供の衛生意識向上
のための研修を開くことで,どれだけ成果があがったかということ、またマイクロ
クレジット(貧困層対象の小規模融資)の効果など、特に苦しい立場に置かれてい
る女性の地位向上に重要な事業についての内容でした。成果ばかりではなく、科学
的知識の欠如や波及効果に限界があるなど今後の課題についての言及もありました。

各発表の後は、研修生によるパフォーマンスが行われ、歌や替え歌、踊りなどで参
加者を盛り上げてくれました。やはりこのようにいわゆる「顔の見える援助」は、
一般民衆からの評価が高いものと実感します。今後の援助政策の参考になるものと
思われます。

ODAモニターは一様に満足して帰国されましたし、情報公開も進展してきたと思
います。ただ、やはり現地の状況がわかる、現地に住んでいる日本人と一緒にモニ
ターする方が、日本からのモニターと横の立場から情報交換できること、現地日本
人社会との連携を図ることなどの点でより望ましいのではないかと思います。今回
現地日本人社会から多くのボランティアが参加しましたが、末端的な仕事をお願い
するだけでなく、少人数でも構想段階から参加のお願いをするなり、ODAモニタ
ーと同行するなりすれば、さらに効果的なのではないかと思います。

なおこの農家女実用技能訓練学校は、北京環境ボランティアネットワーク(BEV
NET)の中国代表・于慧敏女史がこの学校のボランティア講師を勤め、BEVNE
T主催の低農薬農業の体験ツアーのプログラムの一部にこの学校見学が組み込まれ
るようになって以来、日本人社会に知られるところとなりました。

<参考>
(1)農家女実用技能訓練学校
 1998年、北京市昌平県小湯山鎮に創設されたこの学校は、農村の女性たちを対象
にした実用技能を学ぶためのコースを開設しています。女性たちは自らの潜在能力
を開花させ、自信を養うことによって、地域社会に積極的に参画し、生活を豊かに
する方法を習得します。現在開設されているコースは、(1)農村基層女性指導者研
修コース(ジェンダーや政治参加に関する理論/実践を学習),(2)農村女性地域指
導者研修コース(主体的に地域作りに参画するための実用技能を学習),(3)経済的
な理由で学校にいけなくなった農村女子を対象とした職業技術訓練の3つであり、
ここ3年で2000名以上の女性・女児に研修を受ける機会を提供しています。
 なお、農家女実用訓練学校の設立母体である農家女文化発展センターはNGO(非
政府組織)であり、プロジェクトの受注や寄付(地方政府、外国ドナー、個人会員な
ど)、雑誌の発行によって経営を成り立たせています。
(当日使用した日本大使館の資料から一部抜粋)

(2)マイクロクレジット
 マイクロクレジットに関するサイトは以下の通り。
・マイクロクレジット ホームページ
http://www.gdrc.org/icm/japanese/icm-j.html
・日本国政府草の根無償による中国で初のマイクロ・クレジット原資供与内蒙古自
治区赤峰市市敖漢旗における婦女を対象とした貧困脱却支援(02.02.07)
http://www.cn.emb-japan.go.jp/jp/2nd%20tier/06odaj/oda020207j.htm
・国際精神里親運動部CCWT フィリピンでの活動
http://www.ccwa.or.jp/dekirukoto/kyoryoku/t_philippine.htm
・マイクロクレジットの先駆け、バングラデシュ・グラミン銀行
http://www.wftday.org/pages/ptnews05_b.html

(3)草の根無償資金協力について
・草の根無償資金協力に関する外務省サイト
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/seisaku_4/shien/kusanone.html
・日中草の根交流の広場(在中国日本大使館の草の根無償資金援助事業)
http://www.cn.emb-japan.go.jp/jp/1st%20tier/new.htm


■天津週間レポート(11月18日〜11月24日)


 □天津日中大学院の理事長が訪中

 16日、天津日中大学院の理事長が天津に到着しました。中国側と今後の大学運営
についての詰めをし、語学教育や全体のカリキュラムなどで打ち合わせをし、日中
学生からヒアリングを行い、日本人社会とのネットワーク作りに奔走したりなど、
急がしいスケジュールをこなしました。詳しい内容はここで申し上げられませんが、
今後の日中合作による大学運営の進め方などについて、大変いい勉強をさせてもらっ
ています。

 そのため今週は、大学院の内務に終始し、その他に目立った活動はできませんでし
た。

 理事長のため、私は主に日本人社会とのネットワーク作りのアポ取りをしました。
私は4年間北京にいたので、それなりのネットワークがあるからです。以下に、私が
関わったものを記します。

・天津日本人会
・天津日本人学校
・住友重機械減速機
・在北京日本大使館
・中国人民対外友好協会
・JICA北京事務所
・JICA日中友好環境保全センター専門家チーム
・自治体国際化協会
・日本貿易振興会(JETRO)北京事務所
・国際交流基金北京事務所
・アンダーソン毛利法律事務所北京事務所

 以上のようにいくつもアポイントを取ったものの、残念ながら私は同行できない
予定です。毎日、日本語の授業を持っているがゆえに縛られて、身動きが取れない
状態です。早く日本語担当から離れたいのですが‥。


 □週末、北京へ

 23日、北京に行きました。特定非営利活動法人・NPO研修・情報センターの代
表理事・世古さんと北陸中日新聞の記者が北京にいらっしゃり、清華大学公共管理
学院NGO研究所・王名教授とともにお会いし情報交換しました。

 また翌24日には日本からの二人をお連れして、北京大学と清華大学を見学しま
した。北京大学を歩くと、「国交樹立30周年、中日比較発展フォーラム」や「環
境学院成立記念晩餐会」などの横断幕がありました。天津にいるとこういう情報が
入ってこないので、北京のよさをあらためて感じました。

 彼らの見送りの後、開通間もない電車13号線に乗りました。これは北京の市内
電車の3本目です。今までは長安街を東西に走る地下鉄一号線、二環路下を通る地
下鉄環状線のみでしたが、9月に西直門と東直門を起点に市北部を大回りする電車
13号線が一部開通しました。

 それで清華大学東門近くの五道口駅から西直門、そこで乗り換えて北京駅まで行
きました。これは地下鉄ではなく、地上の高架を通るものなので、景色が見えて新
鮮でした。利用客は案外多かったと思います。これには日本のODAは入っている
のでしょうか。

 今後、北京オリンピックに向けて多数の路線が作られる予定だそうです。

 □ 中国語ひとコマ―天津なまり

 天津は渤海に面し、北京に隣り合った港湾都市で、人口960万の大都市です。北
京駅と天津駅はわずか約140キロ、列車で1時間半弱とすぐ近くです。しかしながら
北京とずいぶん様相が違います。言葉の面でも、北京語と天津語は似ていますが、
それでも結構な違いがあります。

 一番違うのは四声。北京語と結構ずれています。例えば、「ない」という意味の
「没有」が本来ならば、2・3声なのですが、天津では4・2声、「天津」は本来の
1・1声が4・軽声、「北京」が本来の2・軽声など。1声が4声になるパターン
が多いようです。四声のずれはおそらく規則性はあるのでしょうが、最後に述べる
理由から、追究していません。大学生は普通語ができるのですが、一般庶民の言葉
はこのように四声が違っていますので、聞いていて変な感じがします。おそらく東
京の人が大阪弁を聞いた感じに近いでしょうか。

 それから言葉も微妙に違います。「何(なに)」を中国語で「shen me」(2・
軽)といいますが、天津では「ma」(4)といいます。なので「なぜ?」は普通語
の「wei shen me」(4・2・軽)が「wei ma」(4・4)、「何をしゃべってるの
?」は普通語の「shuo shen me」(1・2・軽)が「shuo ma」(1・4)となりま
す。

 ちなみに中国の東北弁では「shen me」(2・軽)を「sha」(2)でいいます。

 北京生活では、特に自由市場で外国人だと感づかれて高い値段を吹っかけられる
のがいやで、できるだけ現地の言葉に似せてしゃべり、外国人だとわからないよう
にしようという考えを持つに至りました。

 例えば北京大学内の理髪店では、中国人3元、外国人5元という二重価格制がま
だ残っています。それでできるだけ外国人と気づかれないようにネイティブに似せ
た北京語で髪を切ってくれと頼んでいました。店の人が「あなた外国人か」と尋ね
ることはほとんどないので、中国人と勘違いしてくれることもあります。もちろん
見破られることもあります。値段を聞いて、「3元」と言ってくれるとうれしいも
のです。うれしいのは、2元節約できたからではありませんよ! 自分の中国語が
上達したという満足感からです。

 天津でもそれを実践しましたが、どうやら天津では外国人だから高い値段を吹っ
かけようという人は多くなく、むしろ外国人だから知り合いになりたい、常連客に
なってもらいたいことから、高い値段を吹っかけない人が多いことに気づきました。
あまり天津語を話すメリットがなくなってしまいました。

 それどころか天津なまりをしゃべっていると、多くの人が「不好聴」(聞こえが
悪い)というのです。たぶんこれは普通語が判断の基準で、普通語をしゃべれない
のは田舎者だという差別意識でもあるのかなと推測しました。実際、天津の人で、
北京の人が見下しているという視線を感じたことのある人も多いようです。

 結局、天津なまりを話すメリットは少なく、おまけに「不好聴」なので、これ以
上の探求はやめてしまいました。今後は話のネタ程度に使おうと思います。


■天津週間レポート(11月11日〜11月17日)


 □天科大・環境保護サークルで講演会

 11月14日、天津科技大学緑色環境保護協会(サークル)「原野の風」主催の講
演会が、『使用済み乾電池の回収と処理』をテーマに開かれました。私は講演会
の一人目として「日本における使用済み乾電池の回収・処理の現状」に関して通
訳を使わず中国語で直接、発表を行い、私のあとは天津科技大学環境学系(学部)
の商平・副教授が『使用済み乾電池の分別回収の必要性』について発表されまし
た。対象は、天津科技大学の大学1,2年生で、そのほとんどが専門外のサークル
のメンバー(大学そのものに環境関連の学科はほとんどないため)で、内容も比
較的基本的なことに終始しました。なおこの商先生の所属先である天津科技大学
環境学系は発足したばかりで、まだ学生募集を開始しておりません。レジュメに
ついては、私のサイトでダウンロードできますので、私の発表したおよその内容
はそちらをご覧になればわかるかと思います。

フロント http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5966/
発表歴 http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5966/happyoureki.html

 商副教授は、環境科学の専門から、乾電池に含まれる水銀成分がどのように環
境を汚染し、人体に達して健康を害するかについて話されました。

 最後の質問の時間では、日本人として中国のこの方面の問題の中で、何が一番
重要だと思いますかという質問を受けました。中国にいる外国人専門家は、特に
しばしばこの種の「○○人として、中国の何が一番問題と思いますか」という質
問を受けます。私は「中国には問題が多いが、特に政府の態度と民衆の環境保護
意識が肝心だ」という旨の回答をしました。

 講演会後も何人かのサークルメンバーと個人的に話しましたが、やはり水銀入
り乾電池はあまりに普及して価格も非常に安いため、多くの人が利用するし、ま
たその分別回収など全く意識がないとのことです。今後ともこのような大学生サ
ークルの活動に期待したいものです。

 ちなみに、中国の各大学ではこのような環境保護のサークルが結成されていま
す。そのサークル間でのネットワークもできつつあります(例えば、緑色大学生
フォーラム)。日本と違うのは、自由勝手にサークルを作ることができず、必ず
大学に登記する必要があります。

 □BEVNET環境サロンに参加

 11月16日、私も運営委員を務める日系環境NGO・北京環境ボランティアネッ
トワーク(略称BEV−NET=ベブネット)・環境サロン班主催の学習会が北
京朝陽区の外国人マンションで開かれ、参加してきました。講演者は、JICA
日中友好環境保全センター専門家チーム業務調整員、「国際協力と私」とのテー
マで、話をされました。詳しい報告は、BEVNETメーリングリストで近く流
されるかと思います。

北京環境ボランティアネットワーク
../../www.geocities.co.jp/NatureLand/7714/
同サイト、メーリングリスト紹介ページ
../../www.geocities.co.jp/NatureLand/7714/ml.htm


■天津週間レポート(11月4日〜11月10日)

□中国語ひとコマ

 日本語の授業で「おじいさんと猫がいました」というと、中国人は笑っていました。なぜ笑
うのかなと思って聞いてみると、中国語ではこのように人間と動物を一緒に並べることはな
いのだとのことです。人間と動物では、レベルが違うとのことです。マルクス哲学では、人も
動物もたいした違いがあるわけではないのですが‥。

□トピックス

 ○環境保護投融資メカニズム国際シンポジウム(11月5,6日、於北京)

 今回、上記のシンポジウムに参加して来ました。これは中国の環境と開発に関する国際
協力委員会(チャイナカウンシル)のなかの作業部会の一つで日本が担当しているもの。
チャイナカウンシルに関する説明は、内容は少々古くて変更がありますが、以下のサイトか
ら引用しますと
http://www.env.go.jp/earth/coop/jcec/2000/datasheet/2_3_2.htm

 世界各国から著名な学識経験者を招待して中国の環境と開発に関して定期的な協議を
 行い、首相を始めとする中国政府首脳に対しハイレベルな提言を行う委員会。日本から
 は福川伸次(電通総研所長、元通産事務次官)および石坂匡身((社)海外環境協力セン
 ター顧問、元環境事務次官)の両委員が参加している。また、カウンシルには8作業部会
 (生物多様性、クリーナープロダクション、エネルギー戦略・技術、環境経済、公害防止、持
 続可能な農業、貿易と環境、交通)および「森林・草地に関するタスクフォース」が置かれて
 おり、そのうちクリーナープロダクション部会の井出亜夫共同議長(慶應義塾大学教授)を
 含め、5部会およびタスクフォースに日本人専門家が参加している。


チャイナカウンシルを主催している中国側の中国環境與発展国際合作委員会(略称、国
合会)の公式サイトは以下のとおり
(中国語版) http://cciced.org/
(英語版)  http://cciced.org/index_e/index.htm

今回のシンポジウムはその一つの作業部会、環境保全対策資金メカニズム作業部会(中
国名:環境保護投融資機制課題組)の2003年秋の最終提言報告書作成に向けた中間発
表で、地球環境戦略研究所(IGES)、国際協力銀行(JBIC)、中国環境・発展国際合作
委員会事務局の主催、日本環境省と中国国家環境保護総局の協力のもとで開かれてお
ります。中国側からも、SEPA関係者、その他行政関係者、張世秋・北京大学教授など学
術関係者などが参加しておりました。

主に外国側・中国側作業部会リーダーの井村秀文・名古屋大学教授と張坤・(日中友好
環境保全センター主任)の司会の下で、さまざまな研究結果の報告が行われました。JBIC
や世界銀行、アジア開発銀行の中国環境保護への取り組みの紹介やEU環境保護融資
メカニズム、北米のケーススタディ、OECDの経験などが紹介されました。その他、「日本
の中小企業の公害防止対策の経験」(森嶋彰・広島修道大学教授)なども紹介されました。

なお、当日は環境省関係者やIGES、JBICの関係者多数と再会あるいは新たにお目に
かかることができ、勉強、情報収集、意見交換ができたり、夜は一部のメンバーと王府井
(ワンフーチン)に繰り出すなどたいへん有意義な二日間でした。

最後に、私が参加できるように手配してくださった環境省の方に感謝申し上げます。また
手元に関係の資料がありますので、お近くの方で閲覧やコピーを希望される場合はご一
報ください。

(参考サイト)
地球環境戦略研究所 http://www.iges.or.jp/
国際協力銀行 http://www.jbic.go.jp/japanese/

 ○三好崇一先生が天津日中大学院を訪問

朝日新聞社社友で元上智大学教授、中国のメディアに詳しい三好先生が、11月8日(金)
に天津日中大学院を訪問されました。さらには午後からは日本人学生に「21世紀の日中
関係」というテーマでご自身、上海同文書院で学んだころの体験談などお話をされ、学生
たちとも意見交換されました。日本の学生が「日本と戦争をした米国は日本の首相の靖国
神社参拝にこだわらないのに、なぜ中国はあそこまでこだわるのか」(筆者注:ブッシュ大統
領は靖国参拝を希望したが日本外務省が断ったという話もある)との問題を提起し、活発な
議論がなされました。レジメもありますので、お近くの方で閲覧やコピーを希望される場合は
ご一報ください。



■天津週間レポート(10月28日〜11月3日)

□11月2,3日、東アジア日本語教学国際シンポジウムが天津外国語学院で開かれ、
参加してきました。日本からは日本語教育関係者など多数が参加、天津市からも市教
育委員会などの幹部が出席しました。

 こういったシンポジウムがあるということは、今回はじめて知りましたが、今年で約10回
になるそうです。主催は中国日本語教育研究会、日本、韓国、中国(台湾、香港)のみな
らず、シンガポールやロシア、北朝鮮からも出席者がいました。

 2日午前中には、開会式、記念講演などが行われ、天津市教育委員会幹部、日本大使
館公使、天津外語学院学長、名古屋外大学長らが発言しました。

 現在の北京日本学研究センターの前身、日本語教師養成学校としての大平学校から現
在に至るまでの経緯が説明されたり、海外日本語教師のために国際交流基金が作った日
本語教材作成支援サイト「みんなの教材サイト」の紹介がなされたりしました。

 2日午後から3日午前にかけては、6つの分科会に分かれて専門分野の発表が行われまし
た。海外各地での日本語教育の現状紹介や、日本語授業の改善のための方策の提示、日
本人の色彩感覚、日本語能力試験の現状など、なかには専門的過ぎてピンと来ないものも
ありましたが、やはり日本人研究者による日本語授業の効果的改善法に関する研究にはお
もしろいものもありました。

 国際シンポジウムはいつも北京に持って行かれる天津にとってはいい機会だったかと思い
ます。私は他の天津日本語教師会のメンバーらと共に飛び込みでの参加だったため、論文
集や資料が入手できませんでしたが、多少のレジメは手元にありますので、閲覧やコピー希
望の方はご連絡ください。

(参考)天津日本語教師会
../../www.geocities.co.jp/HeartLand-Asagao/3680/
(参考)みんなの教材サイト(ユーザー登録が必要)
http://momiji.jpf.go.jp/kyozai/index.php

□上記の国際シンポジウムの席で、天津で中国関係の漫画を描いている、中田さんと出会い
ました。中田さんの漫画は「ぽってりぷう!」という名前で、以下のサイトに掲載されています。

朝日新聞(毎週土曜日更新)
http://www.asahi.com/international/jc/manga/index.html
ウェブ版北京トコトコ(最近更新されてないようですが)
http://www.tokotoko.com/
在中国北京大使館(四コマ中国語講座・バックナンバー)
http://www.cn.emb-japan.go.jp/jp/2nd%20tier/11mangaj/11mangabacknumberj1.html


■天津週間レポート(10月21日〜27日)

 この週は、天津日中大学院の現場では対外的に目立ったことはありませんでした。

この機に、学生の様子をお伝えします。天津日中大学院は、日中両国の学生が生活を
共にし、勉強を共にし、研究を共にし、青春を共にするというモットーをもっており
ます。現在はさまざまな事情により宿舎を同じくすることはできませんが、将来外に
宿舎を借りることで日中ペア生活の実現が来学期から予定されています。

 中国側学生は男性5名、女性7名で環境管理学科専攻が4名、経営管理学科専攻が8名
となっています。日本側学生は男性4名、女性4名。中国側学生のほとんどは日本語学
習が初めてですが、日本語の関心の高さと取り組みの熱心さもあり、上達は速い方だ
ろうと思います。なにせ1年後には日本の先生の日本語による講義が始まるので、そ
れをおよそ聞き取れるレベルにまで上げたいという身近で明確な目標を持っておりま
す。
 日中学生の交流は盛んで、しばしば自主的に食事を共にしたり、一緒に勉強した
り、一緒に遊びに行ったりなどずいぶん盛り上がっています。

 なお私は参加しておりませんが、26日(土)夜に天津科技大学全体で修士課程1年生
のパーティが開かれ、天津日中大学院所属の中国の女子学生が司会を担当し、日本の
学生もゲームに参加するなど、たいへん盛り上がったと聞いております。

 また27日(日)には、天津科技大学の外国人を対象にした天津の長城、黄崖関長城に
日本人学生4人と日本側教員2人が参加しました(その他、天津日中大学院とは別の韓
国人留学生多数も参加)。


■天津週間レポート(10月14日〜20日)

@10月14日、天津科技大学の緑色環境保護協会(サークル)の新入生説明会にゲスト
として招待されました。このサークルは結成してまだ2年余り、学内で使い捨て割り箸の
使用を控える運動、不要乾電池の回収、植林、近くの津河の水質を調査する活動をし
ており、メンバーも60人ぐらい。組織は、秘書部、外連部、活動部、宣伝部から構成
されています。北京などの学生環境保護サークルとも合同でイベントをすることも。

A10月15日、日系高級マンション・九河国際村の総経理が天津日中大学院を訪問。
このマンション内には、天津日本人学校も設置されている。

B10月19日、天津日本語教師会の10月定例会に参加。南開大学、天津外語学院などの日
本語教師約25名と知り合う。11月2日から東アジア日本語教学シンポジウムが天津で
開催されることも紹介された。

C10月20日、天津日中大学院で学生らとともに天津市寧河県の施設を視察に行く。盧台
第一中学(重点学校)の教育基地を見学した。そこには、軍事教練(60年代の高射砲
がおいてあった)、愛国教育、植物パーク、農業労働などの体験ができるようになっ
ており、無公害野菜生産基地があるなど中国農村の現状把握などの実習ができるよう
になっている。その日の午後には、天津古海岸与湿地国家級自然保護区の見学に行っ
た。近年の水不足や農業開発の影響で縮小しつつある七里海(以前海だったところを
干拓)の現状を視察した。

D20日、張建国氏との話の中で、学生宿舎についての計画が聞けました。
来学期の日中学生のペア生活実現が見えてきました。大学外に宿舎を借りることで
ややこしい国家規定をクリアできそうです。

Eその他、甲南大学谷口文章教授の運営されている、日中環境教育情報交流協会
ホームページに、天津日中大学院開校式に関する私の投稿が掲載されました。
また谷口研究室のリンクにも天津日中大学院HPを張っていただきました。

■10月16日付天津夕刊紙「今晩報」より引用、翻訳
 中日天津研究会第五回年会が開催
 日本との交流・合作を拡大し、天津のサービス産業を発展
 張立昌が会の代表と会見、李盛霖が出席し講話

  中日天津研究会第5回年会が昨日天津大礼堂で行われた。会議の重点は天津のサー
ビス産 業の発展、日本と天津のサービス産業領域での交流と合作を拡大することなどの問
題で、深い議論が行われた。

  市委書記、市人大常務委員会主任張立昌は会議前に迎賓館で日本の大和総研会長宮
崎勇、神戸市市長矢田立郎、神戸市前市長笹山幸俊等日本の貴賓と会談した。市委副書
記、市長李盛霖が開幕式で講話をした。宮崎勇と矢田立郎はそれぞれ開幕式であいさつを述
べた。市委常務委員、市委事務局長王文華も会見に参加した。副市長王述祖が会議の司会
を務めた。日本天津研究会の顧問、南村志郎、日本の川崎重工、全日空、神戸製鋼所、大
和証券、三井住友海上火災保険など重要な企業の代表も会議に出席した。

  張立昌は市委、市政府を代表して、天津まで会議に参加した日本の参加者に歓迎の
意を表した。彼は以下のように述べた。中日天津研究会は成立して5年来、双方ともに相
互理解の増進、情報交換、友情育成、合作促進などの方面で多くの仕事をこなし、良好な
成果を収めた。現在、さらに深く検討べき問題がまだ多く、今後さらにこの研究会が役割
を果たし、これら共通の関心ある重要な問題への検討を深めていき、ますます発展し、ま
すます実りあるものとなり、ますます成果あるものになるように希望している。

  さらに以下のようにも述べた。目下、天津の状況は良好で、発展の勢いも強い。国
民経済は10年連続で平均二桁の成長を続けている土台のもと、今年1月から9月の成長率は
12.54%である。特に輸出、外資利用はまた新たに急速発展を遂げた。外国ビジネスマン
が天津にどっと集まる新たな潮流がまもなく到来し、更なる発展をもたらす局面がまもな
く到来すると予測できるだろう。天津は中国の北方最大の沿海都市として、また環渤海地
区の経済センターとして、サービス産業を大々的に発展させることは、すでに経済面での
当面の急務となり、あらゆる方面に関係する戦略となっている。日本はサービス産業方面
では、多くの成功した経験とやり方の蓄積がある。この会議で、これらの問題に対して幅
広く交流し、深く探求できることを希望している。

  李盛霖は以下のように述べた。天津は日本との友好合作関係をとても重視してお
り、不断なる双方の経済合作や文化交流を拡大するため、多くの方面で積極的な探求をして
きた。われわれ双方は長期的な経済的往来の中で相互理解、相互扶助、合作を行い、非常
に望ましいものであった。日本企業の天津での投資はずいぶん盛んで、経営業績も良好で
あり、利益率も高いものである。これは双方の政府と民間の共同の努力の結果であり、中
日天津研究会の心血が凝結したものである。中日天津研究会は成立して5年来、双方が緊
密に力をあわせ、友好交流と合作の橋を掛け、理解と友情の増進という紐帯を結んだ。中
国のWTO加盟に従い、天津の対外開放は新たな発展段階に入り、投資環境はいっそう良
好なものとなり、全方位、多レベル、広領域の開放構造がすでに形成されている。われわ
れの間での経済合作の見通しは明るく、多くの課題がより深く探求されるべきである。こ
の年会がサービス産業の発展と合作を重点とした重要課題にたいする検討がなされ、価値
のある意見や提案が出され、双方の合作と発展の推進に新たな貢献をしてくれることを信
じている。

  宮崎勇氏と矢田立郎市長は以下のように述べた。天津の経済の力強い発展の勢い、
ますます改善されてくる投資環境、天津の指導者の視野の広さとレベルの高い指導はわれ
われに深い印象を与えた。多くの方面の経験は、われわれが学び参考にしたいものであ
る。長期的に見て、日本と天津の経済合作は、可能性が大きく、発展の見通しの明るいもの
である。研究会は天津と日本との合作と発展を深めるため、さらに努力し、さらに大き
な成果を収めるだろう。

  昨日の年会では、会の参加者は自由に発言し、自分の意見を大切にし、多くのすば
らしい意見と提案が出された。会議の期間、日本の参加者は天津市の様子、重点中学、新
技術産業パーク、西青区、大港区などを見学する。

注)天津日中研究会は、神戸市と天津市との姉妹都市間で年一回開かれている会合。
 天津日中大学院構想も、この研究会の中で初めて提起された。


■10月10日、日中環境週間に参加


  10月8日から12日まで、日本の外務省、環境省などと中国の国家環境保護総局
との共催で、北京の日中友好環境保全センターで日中環境週間が開催されました。
10日の国際黄砂シンポジウムに参加してきました。

  当日は佐藤元大使、定方先生、八島さんなど、天津日中大学院関係者も多数
参加しておりました。また私と顔なじみの、環境省、JICA、日本大使館、日中友好環
境保全センター、中国環境NGO関係者、友人などの多数に再会することができました。

  この日中環境週間は黄砂シンポのみならず、日本の循環型社会実現に向けた取り組
みなど、その他多くの日中合同会議が行われておりまして、関係する資料はおよそ入手
してあります。

  さて、内容についてはその資料を見た方が早いのですが、黄砂シンポジウムの概要に
ついては、以下のとおり。
 @黄砂の発生源は、中国のみならず、ロシア、モンゴル、カザフスタンの広範囲にわたっ
  ている。
 A黄砂には、大気の質の悪化、土壌劣化、農作物への影響などマイナス面のみなら
  ず、硫化物系の酸性雨の緩和、日光照射の遮蔽による温暖化効果の緩和などプラス面も
  あり、双方からの研究が必要であること
 B韓国の研究には、黄砂は西暦174年から観測され、その後10年から15年ごとの周期で
  増減が見られる。特にここ2年の規模は激しい。
 C砂漠化対策は、もともと砂漠の地域を緑化するのではなく、近年砂漠化が進行した、新
   しい砂漠の部分を緑化するということである。
 D今後黄砂研究は、風上である中国、モンゴル、風下である日本韓国といった国々による
  国際合作により進めていこうとの話がある。

  なお、資料は私の手元にもありますので、閲覧やコピーなど必要な際には、お声をお
かけください。


■9月12日、天津日中大学院開校式典が開かれる

  9月12日、天津日中大学院の開校式典が、天津市河西区の天津科技大学で行われ
た。この天津日中大学院は、日本の日中教育促進機構と天津科技大学の日中合作に
よるもの。経営管理学科と環境管理学科から構成され、中国人学生と研究、生活、活
動を共にすることにより、次世代の日中関係を担う日中学生の理解と友情を育んでい
こうという目的がある。

  当日は、大学院関係者や科技大学の大学院生など多数が参席、魏大鵬科技大学長
や佐藤元大使、南村志郎氏によるあいさつのほか、阿南大使からのあいさつ文が読み
上げられ、また日中の学生代表がそれぞれの心境と決意を語った。最後は天津市教育
委員会幹部によるあいさつがなされ、幕を閉じた。

  開校式典のあとは、下河辺淳氏(元国土庁事務次官)による講演会が行われ、『地
球の誕生と人類の未来』をテーマに、天津日中大学院への期待も込めて語られた。こ
の大学院は、日中両国の問題を扱うのみならず、将来はモンゴルや韓国、東南アジア
といったアジア各国の学生も受け入れ、アジア全体の問題を扱い、さらには西洋医学
と東洋医学との調和による第三医学の例を挙げ、アジア発の西洋と東洋を融合させた
第三の道を開拓することへの期待を表明した。