カタクリはユリ科に属する多年草で、地下にりん根を持ついわゆる球根植物です。
冬から早春にかけて陽光がふりそそぐ、湿り気のある落葉樹林に見られます。このため関東地方では普通、北向の斜面林に多く見られ、この清水山も北向のゆるい斜面になっています。二枚の葉の間から茎を伸ばし、その先にうつ向きかげんに花咲く姿はとても可憐です。最盛期には、まるで紫のじゅうたんを敷きつめたような美しさです。
カタクリをめぐる文化
カタクリと聞いて、私たちがまず思い浮かべるのは片栗粉でしょう。カタクリはユリ科に属し、根はりん茎となり良質のでんぷんが取れます。現在の片栗粉はジャガイモのでんぷんで作られていますが、昔はその名の通りカタクリの根が使われたと思われます。
万葉集の中に大伴家持の歌があります。
もののふの 八十をとめらが くみまがふ 寺井の上の 堅香子の花
清水を汲みに集まる乙女たちの笑い声とその乙女たちを象徴するように咲いているカタクリ、そんな華やいだ情景が目に浮かんでくるようです。

参考文献
1)練馬区“かたくり”
2)森田さんの観察記録
