このサイトを作るにあって。 このサイトに載る科名・属名・種名は、現在では無効なものや参照されないものが多数含まれます。学名の後に()が付いたものは、属名が変わったことを表すのは今ではよく知られたことですが、では以前の属名は何であったのか疑問に持つこともしばしばあると思います。このサイトはそれを追跡しやすいように、今では使われていないそれらを可能な限り載せています。 このサイトを作る際に参照した少なくない資料を解読していく過程で、よくもまあこれほどたくさんの科名・属名・種名を生産したものだと改めて驚愕しました。数えられませんでしたが、軽く7000種以上は新種記載されたのではないかと思います。 特に世界各地の研究者達がオーバーラップして活躍した1800年代から1900年代には、おびただしいほどの科名・属名・種名が生産されましたが、それらのほとんどは今では参照されていません。 見た目が少しでも違うだけの分類上の根拠が希薄な後鰓類にも新しい名前をつけたり、他国の研究者が既に命名しているのを知らずに新科・新属・新種を量産しました。その結果、後鰓類の分類は大きく混乱しました。 現在の研究者はそれらの種を一から研究しなおして評価する時代となっていますが、それらは大変長期に及ぶ厳しく骨の折れる作業だと思います。これらを研究している、現在の全ての動物学者に深い敬意を感じます。 分類学の科学的な議論はさておき「分類することが整理することである」と仮定すると、私たちが知るべき種類は少ないほうがよいと思います。第一、昔のように数千種もあっては覚えられないし、見分けもつかなくなってしまいます。一見、種類が多いほうが楽しそうに見えますが、それは混沌たる混乱を招くだけだと思います。 やはり、混乱を少なくするには、 非常に似ていて、どの種に含まれるのか判断できない場合は、別名を付けて細分化するよりも、ひとまず同じ種類の引き出しに入れて統合する、或は不明種とする ほうが、我々にとっては望ましいのだと思います。 歴史から学べることとして、細分化は容易におこなえますが、統合化は非常に困難だということです。このサイトを作るにあって、過去200年あまり続いた混乱を、我々は避けねばならないと強く思った次第です。 以上 著作権:神奈川後鰓類研究談話会 |
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