ぼくらの資本論1996
貧乏は正しい!シリ−ズ第4巻。
本書が出る前の1996年始めに橋本治がヤングサンデーの連載『101匹あんちゃん大行進』を突如打ち切るという事件があった。私は「貧乏が正しい!」シリーズの続刊も出なくなるかもしれないと思い、とても残念だった。しかし、無事に本書が刊行された。ああよかった。
2003年になってからだろうか。国が小学生に将来の職業を具体的に考えられるような教育方針を打ち出したのは。
伝統的に、学校には、職場に関する知識が少な過ぎた。橋本治『生きる歓び』の登場人物のように、18歳や22歳になって、辞典のような会社資料をめくってとまどうのが、日本の学生の大勢であろう。職場と学校との不連続は、もはや日本人が避けて通れない問題なのだ。
本書は、学生が職場というものを早くから意識できるような内容である。将来の住宅ローンについても、バブルの被害者である橋本治は、ご自身の経験を惜しげもなくさらして解明した。