江戸にフランス革命を!1989
 「一体、現代に日本人であるということは、どういうことなのか。そもそも、私は近代日本の直前期=江戸時代がよくわからない。だから、その後の現代日本に生きる自分の迷いを、歴史的観点から考えることもしにくい。自分のルーツはヨーロッパやアメリカの借り物でしかない。こんな自分は、根無し草のようだ」という不安感を見事に払拭してくれる大作!江戸時代を学ぶデータブックとしても貴重である。  本書は第5章から構成される。第3章「江戸はなぜ難解か?」が最も面白い。江戸時代の町民と、現代日本の市民とが細部に渡って徹底比較される。「こんな面白い文章を読めるなんて、夢でも見てるんじゃないだろうか?」と思ってしまう。モーツアルトの音楽そっくりに軽快な文体が、“よくわからなくて難解な江戸時代”という抑圧を溶かしてゆく。
 巻末の橋本治の人間宣言が爽快。



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