源氏供養 上巻1993下巻1994
王朝貴族の時代が終り武士の世の中となった鎌倉初期には、紫式部が狂言綺語の罪で地獄に落ちたという説が広まり、紫式部の救済のためにいわゆる源氏供養が行われた。
本書は、次の言葉で終る。「紫式部さん、どうもご苦労さま」一千年の昔に時代の限界を直視した女性、たったひとりで苦く壮大な物語を書き終えた紫式部へのレクイエム。それが本書である。
全体的にユーモアあふれワクワクするが、ラストは涙あふれるほど感動的。
窯変源氏物語の裏話も満載。橋本治の本のなかでは、きわだって平易な文体で書かれている。