仮名手本忠臣蔵2003

 歌舞伎のストーリーを、西洋のオペラのように周知させるための啓蒙の絵本。シリーズ第1巻。挿絵は岡田嘉夫。

 わがままな大名・高師直は美女・顔世御前に職務上の地位を濫用して言い寄るが、これを顔世御前の夫の親友・桃井若狭之助が阻止したが、桃井若狭之助は「あんないやらしいやつは生かしておけない」と高師直の殺害を決意し、その決意を聞かされた家老・加古川本蔵は「そんなことをしたらたいへなことになる」と考えこっそり高師直に賄賂を贈り、贈られた高師直は芝居を打って桃井若狭之助にペコペコし、桃井若狭之助は「こんな人間を切るのはバカバカしい」とあきれ、これで事なきを得るかと思われたが、しかしその時、顔世御前からの「へんなことはやめてください」という手紙を彼女の夫・塩冶判官が届け、かっとなった師直はおとなしい塩冶判官をいじめ、さすがに怒った塩冶判官は高師直に切りつけてしまい、塩冶判官の供をしていた家来・早野勘平は驚いてその場を逃げ出して恋人・お軽と駆け落ちし、ひどい高師直は無罪なのに、気の毒な塩冶判官は切腹の処分となり、家老・大星由良之助は殿様の仇を討つことを決意し、お金目当ての家老・斧九太夫が主家を見捨て去った後に、家来たちは高師直殺害を誓って屋敷を出て、男たちの決意は決意として、お軽は好きな早野勘平と里で暮らして幸せだが、早野勘平は「どうして殿さまのおそばをはなれたのだろう」と悔やみ、それを見るお軽は金策のため京都のフーゾクで働くことを決め・・・という、めまぐるしいストーリー。




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