広告批評の橋本治1995

 『 ’89』並に分厚い本。内容は美術・音楽・政治・文学などバラエティに富んでいるが、中でも橋本治の漫画が一般のプロよりもずっと達者なことに驚かされる。
 漫画による哲学。すなわち、人は3つの人格を持つ。1人目は、子供の自分。2人目は、セクシュアリティーを備えた大人。3人目は、労働する人格。1人目が頭脳、2人目が衣装、3人目が肉体。
 ところで、本書で一番衝撃的な箇所は、同性愛を方法として規定したところであろう。すなわち、ゲイ=男を愛する方法、レズビアン=女を愛する方法。よって、女だって充分にゲイだし、男だって充分にレズビアンである、と。
 橋本治が、差別と好奇の対象でしかない同性愛を、人種ではなく方法と規定したことによって、人間関係に新鮮な可能性が提示されたのだった。


【おまけ】ビートたけしと橋本治
from橋本治toビートたけし
 現代日本を代表する知性であるビートたけしは、お笑い芸人であることを崩さない。(『広告批評の橋本治』)
 あの人は身体が一番頭いいと思うよ。(『ふたりの平成』)
fromビートたけしto橋本治
 橋本治さんが言うところの「自分の頭で考える」ことのできる人間しかボランティアをやる資格が本来はないんだよ。(『私は世界で嫌われる』)




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