熱血シュークリーム 上1982
【内容紹介】
 少年漫画の評論。中心は、千葉てつや『あしたのジョー』(原作・梶原一騎)。日本の少年漫画を通して、日本の男の埋もれた少年性を掘り出す。孤児・矢吹丈と、宿敵であるマイホームパパ・ホセとの対立構造を解明。
 橋本治は、公然たる愛は公然たる対立だと言う。橋本治初期の狂暴さが、熱愛する名作『あしたのジョー』と格闘。

【自分でも不可解な、自分の無意識部分を、タレ流す雑感】
 元文学少女にとって「孤児」とは『赤毛のアン』である。私が矢吹丈に関心 を持てなかったのは、やはり私が女でしかないせいだろうか。
 孤児アンは長じて多産な母となる。しかし、矢吹丈は孤児のまま燃え尽きたのだった。
 思えば、『あしたのジョー』は、小学生だった私にとって、少年漫画の象徴的作品であった。
少年漫画のなかでは、人は踏みにじられ傷つきながらも、生命を燃やす。明確な愛も憎悪もなく、 人は血まみれになりながら淡々としている。その淡々こそが、幼い私を恐怖させた。
 少年漫画が、これから始まる長い人生は淡々と残酷である、とつきつけてくるようで。




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