オイディプス燕返し!!1987
 ギリシア神話・ギリシア悲劇は、江戸時代に劣らず日本人の胸の底に君臨していると思うが、橋本治は、ギリシア悲劇と日本の男の悲劇をひとつにしてしまう。そして、日本の男を、姉なる女に代理戦争を強要されたオレステスになぞらえ、「姉なる女との訣別」を呼びかける。
 本書を読んで知ったのだが、ギリシア神話のヒーローたちは、かなりの人数が被虐待児童だった。橋本治は後に『今わたしたちが考えるべきこと』で「個性とは傷である」と書く。
 それにしても、第2巻以下の続編、待ちくたびれてしまった。続刊についてこんなに面白そうな案内をしておきながら、20年近く待たせたままなんて残酷(2004年現在)。
 とはいっても、続編2・3・4巻は、「今までの歴史時間の徹底検証」であろう。よって、橋本治の他のライフワークとの同時進行になることは致し方ない。



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