シンデレラボーイ・シンデレラガール1981
【内容紹介】
15歳前後の少年少女を対象にした哲学書。15歳の自分を忘れない人間たちをも対象としている。
橋本治が30歳を過ぎても、未知の事に挑む時は、必要な年齢退行をしたことが語られる。
「僕は(中略)平気で何回も15に戻った。15の僕にとって、それがなんであっても、出来ないという事は極めて当たり前のことだったから、僕は全然焦らなかった。(中略)僕の中には、15歳の男の子が住んでいた。その子はなんにも分からなくって、ただ一人ぼっちで震えていた。その子は、15の歳から15年以上、もうずっとそうやって震えていた。そんな子を見捨ててしまうことは出来なかった。」(本文より)
未来を目指すことは、過去を直視することである、というテーマも語られる。
「分かるということは、いつも過去形でしかやって来ない。(中略)分かるということは、いつだって未来でしか起こらない。未来に過去があるんだ!」(本文より)
「今の人達が、(中略)みィんな、つまらなそうな顔してる、理由って分る?あれはズ―ッと昔、あの人達が(中略)何かをしかけた頃に、一遍だけ失敗して、「アーア、もう自分の人生は傷ものなんだ(中略)」って、そう勝手に思いこんで、なんにもしないでいるからなんだよ。」(本文より)
装画は糸井重里。
本書は、『根性』に再収録されている。ラストには、初版では無かった次の二文が加筆された。「だから、自分の力で歩いてごらん。絶対に大丈夫だから。」
【感想】
橋本治が、対象となる読者の年代に合わせて、自在に文体を変えられることを知った。その最初が私にとってはこの本だった
この本を読んだ後、「この本の命じる通り、可愛い女になろう」と空しい努力をした、二十代半ばだった私。