はじめにお読み下さい。


(1)はじめに

このサイトは、主として作業療法養成学校の学生が、精神科作業療法実習に役立つことを
目的にしていくつもりです。個人的には、自分の実習指導経験から、作業療法の専門性に
関する実習指導方法を整理するという課題があります。実習場所の種類が現在様々ですが、
理想は、全てに共通する専門的内容を持つ、精神科作業療法の実習指導を追求したい
という思いがあります。

また、実習指導者の方々にも、もし見ていただければ、是非アドバイスを
いただきたいと思います。

(2)私の精神科作業療法臨床実習経験

私は、精神病院に就職して二年目で初めて臨床実習を担当することになりました。
自分で実習指導をするようになってはじめて、自分が学生時代に
受けた実習指導の経験が、いかに重要であったかが分かってきました。
学生時代に精神科作業療法臨床実習で経験し、学んだことが、臨床や実習指導に
役立ち揺るぎない基礎になっています。
詳細は省略します。

(3)私の実習指導経験

初めての実習指導の失敗から生じたコンプレックスによって、私は心を入れ替えて、
精神科作業療法を考え、まじめに実習指導に取り組むようになりました。

そもそも私は、精神科作業療法に興味はなかったのです。
だから、私は、一つだけ実習依頼が来た特定の短大から来る、年に一名の実習生と
二週間の評価実習を通して、一緒に精神科作業療法を学ばせてもらったのです。
それが、年に二名になり、続いてインターン実習生を受けるようになり、その経験から
精神科作業療法の実習指導を学んできたのです。

そして十年ほどが過ぎた昨今、養成校が急激に増えてきて、色々な養成校から実習依頼が
次々とくるようになりました。学生も、3年生から4年生になった養成校が多く、大学生
だと個性が豊かだったり精神科作業療法の教育も特徴があるように思われます。

こうして実習指導が盆暮れ以外は年中あるという状況から手際よく、要領よく、実習指導を
こなしていかなければならなくなりました。そうした状況から今は、多くの実習生たちのアイディアを
組み合わせて、私の実習指導方法もより改良され、築かれてきたのです。

4)最近の実習指導で考えること
 
 こうして、実習指導にも慣れてきて、一定した方法が確立したり、自信にもなってきました。
私は、これまでの多くの実習生達の知恵を借りて築いてきた精神科作業療法実習指導方法を
そんなに間違ったものだとは思っていません。他の実習施設の話などを学生から聞いたりして、
「それは俺のやってきた実習指導とは違うな」などと外に目を向けられる余裕が出てきたのは、
最近のことであります。

たまに、忙しいのによくそんなに実習指導をやりますねとよく言われることがあります。
最近は、かなり早くから強い依頼に追われているのが現実です。
引き受ける理由は色々ありますが、ただ、こうして忙しく実習指導を依頼されるのも
今しばらくだけであろうと思っています。
だから、自分の精神科作業療法の勉強も今しかできないと思うのです。私は、コンプレックスや、
外的なプレッシャーがないと嫌いな勉強はしないのだから…。

そんなこんなで、色々の理由から自分でも勉強し直す意味で、このサイトを制作し、
公開してみようと思った次第です。


(5)精神科作業療法実習の特徴

1)実習内容や方法は、実習施設と、指導者の考えによって、様々である。

 これは、精神科作業療法自体が未熟なため?、全ての施設で統一された実習方法と内容が
確立していないことを意味する。よって、現在の、各実習施設の方針、施設設備の限界、
職員のマンパワー、ケースとなる対象者達の事情、作業療法士の個人的事情や実習指導に
対する見解・方針などによって実習内容や方法は、決まってくる。従って、学校の方針や
学生の個人的目標に沿って、十分な実習ができる場合もあれば、全くできないと場合もある。
だから、個人的に実習目標が、明確に限定されている学生諸氏は、事前に施設を調査して
実習地を選択した方がよい。

2)このサイトで紹介している実習指導は、どこの施設でも通用するというわけではない。

 理由は明確。1)の事情による。このサイトでは、特定の理論に沿った実習は紹介しないし、
私はそうした実習指導もしていない。この実習案内頁のサイトでも、私が実践している実習指導
を紹介するだけである。つまり、各々の理論に入る以前のニュートラルな精神科作業療法実習
を紹介するだけである。
 と言っても、それも私の個人的な独断と偏見によるものである。ただ、精神科作業療法で私が
考える基礎的知識と基礎的な体験を実習してもらうことを意図した実習の方法・内容を紹介
していくつもりである。

(6)実習の目的と期間

 現在各養成校で、実習地不足の中での実習地確保のため、実習期間と方法を色々と工夫
しているようである。しかし、このサイトでは、以下の基本的な実習目的と期間を想定して
実習指導の説明をしていこうと考えている。

1)臨床見学実習(約一週間)
 これは、ケースを持たない実習で、精神科作業療法場面の見学をする。私の指導の場合には
作業観察、集団作業観察、作業集団観察の方法を中心に実習させている。

2)症例評価実習(約2〜3週間

 ケースを持つ初めての実習。通常は、特定したケースを評価する実習である。
私の実習指導では、評価項目と評価方法の両方を実習生自身に考えさせるという大変な実習
をさせている。だから、原則として評価マニュアルを使用させていない(参考にさせるだけ)。

3)インターン実習

ケースを受け持ち、評価から治療までの経過を経験する実習。
1)2)の実習がきちんとできていれば、早くから評価計画をより具体的に設定してスムーズに
実習を進めていける。とは言っても、初めからできている実習生はいない。
しかし、この期間があれば、私の実習指導を十分に理解して実践できる実習生は多い。
私の指導以上に自分で方法を考え、実践して、結果を出してくる、できる実習生もいる。

4)最近の実習方法に関する動向

 以上の分類は、私の実習生時代の経験による分類である。現在は、養成校によって、
上記以外の実習を行っていると聞くことがある。また、1)の臨床見学実習を半日で、
終わらせたり、体験せず見学だけで終わらせる場合があるようである。
私は、個人的には、それでもかまわない。ただ、この実習は、精神科作業療法の原点となる
大切な実習内容を含んでいる。養成校で教育できる内容でもあるので、養成校で指導して
いただければ済むことである。
 しかし、現状では、1)を経験していない実習生には、2)3)の実習において、極力1)をも
意識させた実習指導をしている。

 1)の実習を一日ないしは半日の施設見学で終わらせている学校の学生は、2)の実習へ
行く前にこのサイトの次のページにある臨床見学実の案内を見てから評価実習に臨むことを
お勧めいたします。

(7)実習指導場所とその特徴

0)はじめに
 精神科分野の実習と言っても現在は、色々な実習場所がある。
以前は、精神科作業療法という場での実習だけであったが、今では、色々な実習地がある。
 私はどの実習地においても、精神科作業療法の専門的な実習指導内容の基本的な点は、
同じであると考えている。このサイトで述べる実習指導は、私の個人的な勝手な意見であるが、
全ての場で共通する内容にならないだろうかと注意していきたい。

 でなければ、精神科作業療法の専門職としての同一性が崩れ、職場が違うと作業療法士の
間で相互が理解できない状況が出てきやしないかと憂慮する。
 実習生が就職して、自らの専門性の位置を見失わないためにも、本来はこの点をきちんと
実習指導されなければならないだろう。

 しかし、勿論、実習場所の違いによって、具体的な実習内容特徴には、相違点がある。

 以下の表は、私が考えられる実習場所とその各々の特徴を示している。

精神科作業療法 このサイトでは、作業療法の原点であるこの場を基礎にしている。
原則、専用施設内での実習を想定している。
精神科デイケア 6時間のデイケアプログラムの中でどう精神科作業療法を計画していくかが鍵である。
精神科作業所 経験がないのでコメントは差し控えるが、集団作業療法が中心だと考えられる。
老人保健施設 ここも経験がないが、身体的機能のアプローチも必要。精神機能については、
他の施設と共通する。
精神療養病棟 病棟活動時間の流れに制約もあるにはあるが、病棟に入って、制約なく
いろいろな活動ができる。
重度痴呆患者入院治療 精神機能の基本的な機能の評価訓練を学ぶ機会が得られる。
精神障害者授産施設 集団作業療法が中心となる作業所と似ているであろうと思われる。


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