ここのページでは、ICFそのもののことは、きちんと説明はしません。ていうか、私にはできません。ICFに関することを思いつきで書いていくことにします。
ICFの資料については、直接文献をあたって下さい。このサイト内では、リンクページで、サイトでのICFの資料を紹介していますし、また、ICF(詳細分類と定義の一部へ)のページも、設定致しました。
私は、平成14年度秋の実習指導をきっかけにICFというものに、次第に触れるようになりました。
ICFについていは、個人的には、情報不足のままに、学生に評価をまとめる際に、利用させていたのです。しかし、少しは、勉強していかないと、このままでは、きちんとした指導はできないと痛感しました。
で、このページでは、ICFをまだ、よく分かっていないわたしが、ICFとこれから関わっていくという記録を残していくことにしました。一人ではなかなかできないので、学生とこれから一緒に勉強させてもらいながら、いこうというわけです。 |
|
|
|
このサイトに、掲示板を設置して、暫くしてから、厚生労働省のホームページにICFの第2分類までの日本語訳を発見し、私は、自分の掲示板にも紹介しました。
そうした頃に、偶然、作業療法士協会から臨床実習最低基準案のアンケートというのが来て、その案の中で、評価のまとめは、ICFで行うことが、記されていて驚いたのです。
それで、早速、実習生(このさいとの日記の本人)にやらせたわけです。しかし、資料不足でした。それで、知識不足であり、時期尚早だったとか、自己を弁解して、暫くは、棚上げ、放置して手を引こうと思っていたのです。
ところが、次に来た実習生が、以前の実習地(身体障害分野だが、)で、やっぱりICFを使ったといい、テキストも2冊貸してもらって、レポートをまとめたというのです。「えっ!もうどこでもやってんのかいな?」と思ってしまったのです。
で、その学生は、第二項目以下の詳細分類と機能定義の説明が、日本語訳で、そのテキストに載っていたのだというのです。「なんだ、もう日本語訳もあるのか!」じゃぁ、ということで、ホントに精神科作業療法にとっても、そんなに、使いやすいのかどうかを確認する意味で、もう一度ICFと取り組んでみることにしたのです。そして、それ以後、総合実習に来た二名の実習生には、ICFでまとめさせることにしたのです。 |
|
|
|
はじめに
ICFの国際生活機能分類の中で、精神科作業療法の臨床に、特に関連すると私が予想されたものは、心身機能の精神機能や、活動と参加で、特に、活動と参加の第2章の「一般的な課題と要求」です。
そして、先ず、第2章の一般的な課題と要求という活動についての分類を、小項目まで見てみたのですが、これは、機能の分類にはなっておらず、どちらかといえば、作業環境の分類でした。実際の機能に関する記述は、課題を大まかに、管理、実行すると述べられているに過ぎないのです。おそらくは、他の機能分類のどこかに、課題に対する実質的な機能が分類されていると予測されます。
従って、ICFは、作業遂行機能という枠組みでは、どこにも捉えられていないと言う気がします。生活機能だとか、活動が中心の図を先行してよく見かけて、作業療法には、馴染みやすいという印象もありましたが、こういうのが分かると、まぁ、ICIDHの改訂作業には、おそらくは、作業療法士は、関わっていなかったのではないかなどと思ってしまいます。
しかし、そこでくじけることなく、もうちょっと色々と見ていきたいとは思っています。
活動と参加
「一般的課題と要求」という項目が、余り直接具体的には、役立たないので、はじめの学習と知識の応用などからみていきました。なんだか、学習と言うことで、読み、書き、計算など教育的な視点を感じます。
特に初めの目的を持った感覚的経験とは、次の基礎的学習よりも学習の基礎の基礎の項目でしょうね。私の反省としては、作業遂行機能としても基礎的な機能なんだと感じたのです。
で、最初が、d110注意してみること、ですが、実際に現在、うちの患者で目を閉じたまま卓上の活動をするケースがいるんですよね。この点の評価はたいへん難しいのですが、現象としては、このレベルでの機能項目がひっかかってくるというケースは確かにあるのです。
個人因子
作業療法の現在は、患者、クライエント中心の作業療法を重視しているし、精神科作業療法にとっても、この個人因子の領域には、伝統的にも、極めて重要な領域なので、これが、今回のICFで分類されていないのは、私にとっては、大分残念なことでした。
ライリーは、経済的活動を健康との関連性で重視していまいたし、キールホフナーらの言う役割や興味、価値とかいう用語も、私が読んだ範囲の限りでは今のところ、ICFの分類には出てきません。生育歴、教育歴、作業歴など、作業療法では重要視します。また、例えば、確かに経済的活動の優劣が、直接健康関連状況の優劣になるわけでは無いでしょうが、作業療法では、仕事も他の遊びやセルフケアの活動とのバランスを重視していますからね。
勿論、ICFは、これらの個人因子が、健康関連領域に影響を与えることは否定していませんが、ICFでは、個人因子は、健康関連領域の範疇ではないと言っているようなのです。たとえば、性別や人種は、個人因子で、まぁいいでしょうが、体力なんてのも、個人因子に入っています。
まぁ、精神科作業療法は、ICF分類に止まらず、独自にこうした個人因子も大いに利用して、評価や訓練のアプローチをしていけばいいことです。
材料
精神科作業療法をしているものが、ICFを読む時に、気にしていることは、普段の精神科作業療法で経験上、よく用いている物事の用語が、ICFでは、どのように用いられているのかと言う点です。私が気にしている用語は、例えば、材料とか道具という用語です。しかし、これらの用語は、日本語訳としてはあまり出てこなくて、用具という用語がよく用いられています。
今のところ、材料という語を見たのは、家庭生活での家事の中の調理のところです。精神科作業療法では、調理に限らず、いろんな材料を用いる創作活動をしているので、材料という語はよく用いられ、お馴染みですが、ICFでは、具体的にこうした材料を用いる活動は、余り出てこないようです。
ただここで面白いのは、ICFの家事の分類では、調理とその調理以外という分類なのです。どうしてこうした分類なのかよく分からないのですが、調理が特別扱いされている感じがして、私は、そこに材料という訳語が出てきているという点に着目してしまいます。
調理というのは、材料を用いる作業として、基本的な重要な作業なんだと思う。食欲に通じることだからかな。あと、調理には、作業工程原則を表す用語もあるんですよね。他の作業では、こんな言葉は余り私は知らないのですが、元々はフランス語ですかね?レシピって言いますよね。流石食文化が発達したフランスならではって言うこともありますけど…。ただ、調理の作業工程は、重要で、材料が違ったり、隠し味の材料を加えたり、工程手順を変えたりするだけで、直接味に変化が起きてしまいます。だから、作業工程原則が重要で、これを表すレシピという用語があるのでしょうね。今は、日本でも、ラーメンブームって言うんですか、いろんな美味しそうなラーメンがありますよね。
なんか、材料、調理から、少し話がそれてしまったのですけれど、まだ、ICFの中に材料という語を探していきたいと思っています。 |
|
|
|
はじめに
ICFでは、いくらか例は挙げられていますが、この機能項目は、こうやって評価するのだというマニュアルはありません。したがって、臨床場面から、それぞれの機能項目にあてはめて評価していくしかありません。しかし、なんせ、ICFの機能項目数は、広範にわたり、細分化されていて、現実の機能場面が、ICFのこの項目のことでいいのだろうかという不安はつきまといます。
ただ、詳細分類と定義では、所々では、この機能分類に含まれるものと除かれるものが、記載されている事があり、これは参考になることがあります。それでも、特に、私のようなICF初心者には、この問題は、まだまだ悩みの種で御座います。そうした問題をここでは、取り上げてみたいと思っています。
問題解決
これは、日本語訳(中央法規発行の例の赤い本・日本語訳としての公定訳)にも問題があると思うのですが、b1646problem-solving,とd175solving problemsの両者が、同じく問題解決になっているんですよね。これは、分類学上でも、ちょっと問題ではないかと思うのですが、もともと、訳したのが、それぞれ別の班であったことに起因するのかもしれません。
とにかく、同じ用語なので、どっちを選んだらいいのかと迷ってしまいます。
ただ、想像されることは、前者が、高次認知機能の細目なので、身体障害的な、脳機能的な見方に対して、後者は、知識の応用の中の中項目であり、活動の中で生じる問題に対処するというような場合(いや、ちがうかな、「さてここで問題です」の問題かな)だとは思います。ただ、わたしは、精神科作業療法しかやったことがないので、前者の見方は、よく分からないのです。ひょっとしたら、具体的な内容は、共通するのではないのかと考えています。かねてから、この辺のことは疑問でした。精神科での脳機能のアプローチもあることですし、それらで問題にする「問題」と、活動、つまり作業遂行過程で生じる「問題」の差にどんなことがあるのか?今の未熟な私には区別出来ませんね。
で、とりあえず、私の場合は、精神科作業療法をしているので、馴染みのある後者を選択するのです。
その他、同様に、精神機能と活動と参加のそれぞれに、計算という機能分類があったりと、重複するようなことは、ちょこちょこあります。
自己認識機能
私は、これまで、実習指導において、評価機能項目について指導するとき、大分類については、環境要素との関係による機能で分類しているとよく話しています。つまりは、大きく分けると自分との関係機能、対人との関係機能、作業との関係機能などと言う具合です。
自己認識機能とは、この場合、自分との関係に伴う機能のことです。ICFでは、作業遂行機能と同様に、自己認識機能という枠組みでは、整理されていないようです。つまり、自己認識機能が、ICFの分類では、あらゆる箇所に現れているようです。
たとえば、自己に関する見当識、気質と人格の中の確信(自信)、自己と時間の経験の機能、高次認知の洞察など、いろんな箇所に自己認識機能は、散在しています。
そして、例えば、精神科分野では、病識ということを見る場合があります。この病識という自己認識機能は、ICFでは、どこで言い表すのがいいのでしょうか。自己の経験(b1800)が適当でしょかね。それとも、b1808として自己疾患の経験とでも、設定すのがよいのでしょうか。 |
|
|
|
しかし、ICFを読んでいると、つくづく人間の機能って複雑なんだなぁと思うわけです。ICFの構成要素間の相互作用という図があります。それだけでも、相互作用が色々とありますが、その細部においても、例えば、心身機能では、心身機能の中で、その各要素間の間においても、相互作用があり、更にはそれだけではない、要素間の階層性や、独立性などが、ある場合もあったりで、とても複雑に思われるのです。
で、そんな複雑なものを、単純化しようというそもそも無理なことをここのデータには、独断と偏見で、仮説?として載せてみようかと思っています。
相互作用
○協調性や信頼性という気質は、グループでの課題遂行に影響するであろうが、逆にグループでの課題遂行という集団作業療法において訓練され、養われることもあるのではなかろうか。
階層性
○気質は、課題遂行に影響するであろう。例えば、誠実さや精神の安定性は、単一課題に集中する傾向があるかもしれない。
○見当識や知覚の機能障害は、その結果が思考材料に使われるので、思考内容の機能に影響を及ぼすであろう。
○また、他人に関する見当識や知覚の障害は、対人関係に影響を及ぼすであろう。
しかし、
独立性
○他人に関する見当識や知覚の障害が、あったとしても、それに伴う自己認識や対人関係における行動の制御が、そして、最終的な判断が、ほぼまともに保持されていて、現実的には、問題を避けられる場合というのもあるであろう。
相互作用ばかりでなく、こういう独立性を見ていくことも重要なことである。これは、傷害された心身機能だけをみて、その対象者を何もできないと馬鹿にしてはいけないのである。参加と活動の生活機能の残存、そのような機能の訓練による生活機能の維持が可能であるということを示唆していると、考える。 |
|
|
|
○作業療法という以前の医療・福祉の従事者という前提的な段階で、ICFは重要なものであろう。
○上記の利点に比べると、精神科作業療法の評価のまとめとしては、余り向いていない、というのが今のところの私の判断である。人間作業モデルの見方のほうが、精神科作業療法にとっては、専門的な方法で上手くまとまっていて、実際的には使いやすい、分かりやすいのかもしれない。
○従って、ICFは、医療従事者の基礎として身につけておくといいのかもしれない。
○例えば、一年次によく行う臨床見学実習において、ICFの環境因子の分類項目で、見学施設の環境を評価し、まとめてみるなんてことも一つの方法かもしれません。 |
|
|
|
| 単独で、これを行うのは、この課題が、1人でできる課題であるからだ。単一の課題をグループで行うのは、時間制限など、質的にも、量的にも、その課題が、1人ではできない状況だからである。 |
|
|