幻想万魔殿


不死者



ゾンビ
西インド諸島のヴードゥーの呪術師が、魔術的な方法で蘇らせた死体達の事
人間の姿をしているが、死体なので腐っている事もある。
完全に魔術師の支配下にあるので口は聞けないし、遺志もなく
ゾンビの殆どは無報酬の奴隷として農場などで働かされているのである。
昼は墓の中にいて働くのは夜だったが、暗闇でも物が見えたため
明かりも必要なかったという。
重罪を犯した人間が、刑罰としてゾンビにさせられると言われている。
ワイト
J、R、Rトールキンの『指輪物語』に登場する動く死体達。
日本語では「塚人」と訳されている。
宝物と一緒に古墳の中に安置された王や王妃の死体に邪悪な霊が乗り移った物で
冷たくミイラ化した身体を装飾品で飾り、歩くと指輪や金の鎖が音を立てる。
いつも塚の中に棲んでいるが、仲間を増やすためなのか
誰かが古墳にやってくると呪いの呪文をかけて
古墳の中に引き込んで殺そうとする。
ただし、たじろがぬ心を持った兵には手出しが出来ないとされている。
グール
アラビアに住んでいる吸血鬼の一種
墓場の中の人間に精霊であるジンが入り込むとグールになって動き回ると言われる。
人間の死体が蘇った物なので、吸血鬼ドラキュラの様に人間に近い形をしている。
男のグールは醜いが、女のグールは美しく、女性的魅力で
男を誑かして食ってしまうと言われている。
夢魔に近い性格もあるようで、夜中に眠っている男女の部屋に
鍵穴から入り込んで、心臓を食う事で性的快楽を手に入れると言われる。
ルガト
バルカン諸島のほかのヴァンパイアと同じく
死後、人を襲い血を求める怪物となって蘇る。
肉体を持たない霊的存在の時をルガトと呼び
人間の形をとって物質化したものはククチ(Kukuthi)と呼ばれる。
ルガトは極めて恐ろしい怪物であり、人間の力では倒す事はできない。
天敵である狼だけがルガトを倒す事が出来る。
弱点である脚を狼に噛み切られたルガトは、自分の墓に戻り
二度と現れる事はないという。
ヴリコラカス
ギリシャにはヴァンパイア伝承が数多く残されている。
代表的なものが、寝ている人間の上にしゃがみ込み
押しつぶすというヴリコラカスだ。
見取ってくれる人も無く一人きりで死んだ者、埋葬が不適切だった者
洗礼を受けずに死んだ者、狼の殺した羊の肉を食った者
不道徳な行いをした者等が、ヴリコラカスになるとされている。
また、墓を掘り返した際に、死体が膨張していれば
ヴリコラカスである「間違いない印」だと言う言い伝えも有る。
ヴリコラカスは時が経つに連れて強力になり、殺された人間も
ヴリコラカスになってしまうため、急いで退治しなければならない。
その為には、この怪物が墓で眠っている日、即ち日曜日にその墓を暴き
首を切り落とすか、串刺しにするのだ。
発生から日数が経ち、手が付けられない程に強力になってしまったヴリコラカスは
何とかして無人島に追いやり、衰弱死を待つほか無い。
元のヴリコラカスが滅びると、その怪物によって生み出された「子供」も
自動的に滅びるとされている。
ヴリコラカスの伝承が残るギリシャ地方では、ドアをノックされたり
名前を呼ばれても、一度目は返事をしないという習慣がある。
ヴリコラカスの呼びかけに返事をした人間は
呪われて死んでしまうと信じられているからだ
ただし、ヴリコラカスは短気なので、二度ノックしたり
名前を呼んだりすることは無い。
ヴリコラティオス
エーゲ海に浮かぶサントリーニ島、別名テラ島に棲む
ヴァンパイアと屍食鬼の間に生まれた魔物。
ヴリコラカスと同じ特徴を持っているが、人間に限らず
生ける物を全て貪り食う点が違う。
サントリーニ島では、埋葬した死体が腐敗しにくいためか屍鬼の伝承が多く発生した。
サントリーニ島の住人は、必然的にヴァンパイアの始末人となり
ヨーロッパ中にその噂が広がった。
手に負えないヴァンパイアは、サントリーニ島に送られて始末されるほどになった。
1900年に発行された『ギリシャ旅行ハンドブック』にもこの事が掲載されている。
エムプーサ
ギリシャ神話に登場する、女神ヘカテに仕え、子供を襲って血を啜る怪物である。
エムプーサという名は、ギリシャ語で雌カマキリを意味する。
本来の姿は不明であるが、人間に化ける事もできる。
他にも様々な姿に変身できると言われ、アリストファネスの喜劇『蛙』では
ロバや雄牛、犬、美女に化ける事があるとされている。
ラミア
ギリシャ神話に起源を持つ怪物である。
女ヴァンパイアの一種で、男性や子供を襲うとされている。
ギリシャ神話によると、もともとはリビアの女王でありゼウスの愛人であった。
だが嫉妬深いゼウスの妻、女神ヘラの呪いにより狂気に取り付かれ
自分の子供を殺してしまう。
呪いが解けると、子供を失ったショックからか恐ろしい怪物に変貌してしまった。
その後は完全に怪物になり、世の中の母親達から子供を奪い
血を啜り、肉を食らうようになった。
またラミアとは、男性を誘惑して、残忍な方法で貪り食う
古代の悪霊である伝承である
ピジャヴィカ
特にオーストリア及びイタリアとの国境付近に現れるヴァンパイア。
クロアチア語のPit(飲む)からその名前がついたと思われる。
生前に罪を犯した者が、死後、屍鬼となって蘇る。
ピジャヴィカは、首を切断し、それを両足の間に置いて埋葬すると
二度と復活する事は無いとされている。


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