幻想万魔殿


悪魔



ルシファー
ユダヤ=キリスト教の堕天使であり、地獄の魔王とされる。
全ての堕天使、悪魔、魔神達の上に君臨する闇の貴公子である。
その名は明けの明星、金星を意味する。
朝に太陽の先導者として扱われる金星は、
夕方は夜の闇を引き連れてくる宵の明星でもある。
この為、神の最も身近な存在であると同時に
悪魔を率いている者としての二重性が与えられたのだろう。
織天使の第一位であり、神に次ぐ地位にあった。
それゆえに驕り高ぶり神の座まで求める様になったという。
ルシファーは天使の三分の一を率いて神に反抗し神を倒して新たなる神になろうとした。
しかし、ミカエルとの戦いに敗れ、天から堕とされ、地獄の王となる。
そこで永遠の地獄の業火に焼かれているともいう
また《創世記戦争》ではイヴに知恵の実を食べさせたのは
ルシファーの命を受けた72将の内の一人「ボティス」だとされている。
ミカエルとの戦闘で敗北が見えたとき、最後の一撃としてボティスに単独行動させ
人間に知恵を授けていったとされている。ルシファーは七つの大罪の内「傲慢」を司る。
べルゼブブ
デーモン全てを支配する地獄の君主。
堕天した職天使の王にしてルシファーに次ぐ者とされる。
「蠅の王」又は「糞山の王」の意。蠅は再生を願う魂の仮初の姿と考えられていた。
蠅の王は死の王であり、禿げ鷹と同様死者の魂の運び手とも考えられた。
つまり、魂の支配者なのであった。また、蠅は腐敗の象徴でもある。
彼らは屍骸を聖なる大地に帰す、聖なる使命を持つものとされたのだ。
必然的にベルゼブブは死霊の主ということになる。
元来ベルゼブブは、カナンの主神バールがユダヤ教徒達に貶められた姿という。
キリスト教では、悪霊の王ということから,この名がサタンの別名とも考えられる様になった。
7つの大罪の内、「暴食」を司り、人々の自尊心をくすぐって罪に誘う
ルキフグス
正式にはルキフゲ・ロフォカレ(Lucifuge Rofocale)光を避ける者の意味。
バール、アガレス等を部下に持ち、地獄の首相として統率している悪魔。
毛のない頭に三本の捩れた角を生やし、ぎょろりとした大きな目で
山羊の下半身と長い尾を持っている。
契約に関する権限があり、魂を20年後から50年後までに差し出すのを条件に
願い事を聞いてくれる、もちろん短い方が叶う事は大きい。
また、蔵相も兼任し、この世の物質界を始めとする全世界の財宝と
富の管理をルシファーから任されている。
バエル
ベルゼブブと同様、古代のセム語族の主神バールに起源を持つ
デーモン王の異称の一つである。
地獄最初の君主であり、デーモン王の中で最も強大な王の一人である。
「東の軍勢を率いる王」とされる。
此処で言う東とはヨーロッパにとっての東。中東を指すものである。
ソロモン王に封印された72柱の魔神の一柱で、あらゆる知識を司り
全ての性的欲求を満たすことができるとされた。
最も醜いバエルの姿は、蜘蛛の身体とその8本の足を持ち、3の頭を持っている。
その頭は人、猫、ヒキガエルであるとされる。
我々はバール神がベルゼブブとバエルに引き裂かれて地獄に落とされ
醜く化した物と考えている。
アバドン
ユダヤの言葉で「穴」を意味する。
底なしの奈落を支配する悪魔の王であり、或いは彼の体内が地獄そのものと思われている
主に、邪悪な戦争を司るが、農作物を食い尽くすイナゴと疫病も支配している。
全身を鱗で覆われており、羽ばたくと戦車の通るような地響きが辺りを揺るがす翼を持ち
先端に針の有る蠍の様な尾を生やし、熊の様な足をして、腹から炎と煙を噴出している。
其の姿を見た者は召喚術者といえど、余りの恐ろしさにショック死する事もあるのだという。
この姿は黙示録の「イナゴ」の姿の描写に似ており
アバドン其の物ではなく其の使いであるとも考えられる。
アスタロト
地獄の公爵であり、『恐怖公』等とも呼ばれる。
元は座天使であり、ソロモン王に封印された72柱のデーモンの1柱であるが
例外的に美しい天使の姿で現れる。
地獄の蛇にまたがり、鎖蛇を右手に持ち、全身黒ずくめで唇は血に濡れている
過去と未来を見通す力を持ち、安逸を貪るのを好み、人を怠惰に誘う。
出現によって、強烈な悪臭を放つともされる。
元は女神であり、ユダヤに敵対されたフェニキアの女神アスタルテが起源である。
彼女はバール神の后であり、古代オリエントの地母神として
創造と維持と破壊を司る豊穣の女神であった
後にアストレトとしてエジプトの戦の女神に取り入れられ
獅子の頭と女性の体を持ち、4頭立ての戦車を操る姿で現されたが
このイメージが元で男のデーモンとして考えられる様になったのかもしれない。
アスモデウス
ユダヤ神話に端を発する有名な悪魔。
其の更に原型は、ペルシァの伝承に登場する悪霊アエーシュマであるらしい
聖書外典である黙示文学「トビト書」に「アスモデウス」として登場し
悪魔学の中で重要な位置を占める存在となる。
「トビト書」での扱いによって、夫婦仲を破壊する存在として解釈される事が多い。
異称である「アシュマダイ」としては、17世紀の魔術文書『レメゲトン』や
黙示文学「エノク書」をモデルとする「偽エノク文書」の悪魔の目録にも名前がある
『レメゲトン』においては、牡牛、牡羊、人間の三つの頭を持つ王の姿をし
竜に跨っていると言われている。
16世紀の悪魔学者ヴァイエルの影響を受けた、19世紀のフランスの作家
コラン・ド・プランシーの著書『地獄の辞典』によれば
アスモデウスは地獄の七人の王の一人であり、72の軍団を率いるという。
プランシーと画家のプルトンの手により、三つの頭と竜の他に
更に蛇の尾とガチョウの足、蝙蝠の翼が加えられ、怪物の様な姿となった。
この姿は福音伝道者達を象徴する四つの動物のパロディであるらしい
アスモデウスは算術、天文学、幾何学に詳しいとされている。
また、術者に様々な効能を有する指論を与え、人をして不敗たらしめる
そして、秘宝のありかを教え、それを守護するのもアスモデウスの職能である。
アイニ
古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称される17世紀の魔術文書
『レメゲトン』の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。
ダビデの子ソロモンは、異教を崇拝する妻妾の影響によって偶像神を祀った為
悪魔との関係が伝説となっている人物だが、『レメゲトン』は17世紀の書物で
ソロモンの手によるものなどではない。
『レメゲトン』によれば、アイニは蛇と猫と人間の三つの頭を持ち
毒蛇に跨って現れるとされている。
猫の頭を持つ事から、古代イスラエルの人々にとっては異教の神であった
エジプトの猫の女神バステトとの関係を考える人々もいる。
「アイム」と呼ばれる事もあり、また「ハボリュム」という名前も持つという。
フランスの作家コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』には
このハボリュムの名前で記載されている。
それによればハボリュムは火事を司る地獄の公爵で
26の悪魔軍団を指揮するとされている。
アミィが嫉妬の炎なら、アイニは文字通りの放火魔であり、極めて性質が悪い
後先構わず敵を殲滅したいという場合のみ、召喚可能な悪魔であるといえよう。
アガレス
古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称される17世紀の魔術文書
『レメゲトン』の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。
鰐に跨って現れるとされ、言語に関する知識を人間に与える。
また、地震を司ると言われている。別名「アガロス」
16世紀の悪魔学者ヨハン・ヴァイエルは、アガレスを地獄東部の大公爵として紹介し
地獄23人の公爵の筆頭として記されている。
『地獄の辞典』には画家M・L・ブルトンの手によって俗っぽくも美しい
手彩色の木版画による有名な挿絵が付けられているが
鰐に乗った賢者の絵で紹介されているのはザエボスという名の出展不明の悪魔である
このザエボスが伯爵とも公爵とも解釈されている事により
ブルトンの手によるザエボスの絵は、しばしばアガレスと混同されている。
アミー
古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称される17世紀の魔術文書
『レメゲトン』の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。
地獄の炎の擬人化であると思われ、火と関係付けられる事が多い。
大総裁、大都督といった地位にあるといわれている。
死者の世界に居るときは炎に包まれた姿をしているが、地上に召喚された時には
呼び出した者の望みに従って端麗な人間の姿をとるという。
占星術を司る悪魔であり、人間の生命力と引き換えにその術を与えるといわれる。
16世紀の悪魔学者ヴァイエルの影響を受けた、19世紀のフランスの作家
コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』によれば
アミーが人間に与える物は占星術の知識だけではなく
学問や忠実な使用人といったものも含まれている。
地獄の36の軍団の指揮官であり、堕天した能天使などを従えている。
天国への復帰を望む悪魔であるとされており、堕天から20万年後に
天国へ帰るという愚かな考えを抱いているという。
アムドゥスキアス
古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称される17世紀の魔術文書
『レメゲトン』の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。
別名「アムブスキアス」。地獄の公爵とされる。
音楽家的な性格を持つ悪魔と考えられており
オーケストラ抜きで美しい音楽を奏でるとも、
姿の見えない楽隊を率いて現れるとも言われている。
一角獣の姿でこの世に現れ、召喚した魔術師に使い魔を与えるという。
16世紀の悪魔学者ヴァイエルの影響を受けた、19世紀のフランスの作家
コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』によれば
アムドゥスキアスは地獄の大公爵であり、29の軍団を従えるという。
ヴァイエルの解釈では、その正体は一角獣に似た姿だが
魔術師の前に現れる時は人間の姿をとる。
『地獄の辞典』でも、やはり悪魔の音楽家として紹介され
召還した者が望めば、音楽会を開くという。
アモン
古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称される17世紀の魔術文書
『レメゲトン』の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。
地獄の公爵とされる。
梟の頭を持つ事から、エジプトの神の一柱が悪魔として解釈された存在だと思われる
召還した者に未来と過去の知識を授け、愛に関わる秘密を授けるという。
エジプトの神の痕跡である梟の頭の他に『地獄の辞典』では
蛇の尾と狼の胴体や牙を持つとされ、地獄の諸侯の中でも筆頭格に強い者
(地獄の40の軍団の指揮官)として紹介されている。
アロケン
古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称される17世紀の魔術文書
『レメゲトン』の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。
「アロケル」「アッロケル」「アロイエン」等の別名を持つ、地獄の侯爵とされる。
赤いライオンの頭と炎の様な眼を持ち、馬に跨った騎士の姿で
この世に現れると言われている。
コラン・ド・プランシーは『地獄の辞典』においてアロケンを別の名前で紹介し
その地位を地獄の大公へと格上げしている、
アロケルは学問を司る悪魔の一人で、召還した者に天文学や占星術
そして数多くの学問の知識を与えるとされており
知的なその声には壮厳な響きがあるという。
アンドラス
古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称される17世紀の魔術文書
『レメゲトン』の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。
地獄の侯爵、鳥の頭を持っているとされ、普通はカラスの頭だといわれている
身体は天使で、手に剣を持つとされているが
これはアンドラスの戦闘的・破壊的な性格を象徴しているものと思われる
アンドラスは狼にまたがって現れるとされているが、これも
この悪魔の攻撃性を表現しているのかもしれない。
また『地獄の辞典』においてアンドラスは地獄の大公爵として紹介されている。
一般にカラスと説明されているその頭は梟に変更され
跨っている狼も黒狼になり、より不吉な雰囲気となった。
地獄の30の軍団を従える指揮官とされ、自らが破壊的であるだけでなく
人々の不和を煽ると言う。また、敵対者を殺す方法を人間に授けるという。
アンドレアルフス
古代イスラエル王国の王ソロモンの作と称される17世紀の魔術文書
『レメゲトン』の第1部「ゴエティア」に記されている72人の悪魔の一人。
地獄の侯爵、鳥と関連付けられることが多く、人間の前に現れるときでも
孔雀の姿をとるといわれている。
また、人を鳥の姿に変えてしまう力も持つとされている。
召喚した者に代数や幾学の秘密を授けるという。
また『地獄の辞典』ではアンドレアルフスに教えを請うには
この悪魔が孔雀の姿ではなく、人間の姿で現れたときがいいと解説している。
同書ではアンドレアルフスが授けるのは数学の知識だけではなく
他者を翻弄する屁理屈をも伝授するとされている。


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